カテゴリー別アーカイブ: 映像科

映像科:木金日コース授業紹介&映像と音楽について

こんにちは、映像科講師の土屋です。

映像科では5/7(日)に、先端芸術表現科と合同で
ゴールデンウィーク課題発表会を行いました。

これから「自分が作りたい作品」や「作ってきた作品」、
あるいは「好きな作品や映像に関して各自で研究したこと」について、
プレゼンテーションを行ってもらいました。

先端と合同ということで、生徒のみなさんも
新鮮な気持ちで発表/傾聴できたことを期待します。

さて、ここで講師の私も
気になっている映像表現について発表してみようかと思います。

今回は、
【映像ジャンル研究】「電子音楽のライブにおけるスクリーンの多様性」について。

何故この話かというと、
上記のプレゼンの前の週に「映像ジャンル研究」という授業を行ったのですが、
①『音楽の演奏+(とともに投影される)映像』
②『音楽(DJ)+映像(VJ)』
③『ミュージック・ビデオ』
この3つの違いが分からない…という声を聞いたため。

確かに音楽と映像が絡んだ表現って複雑です。
特に色んな音をシンセやラップトップPCから出して演奏してると…
それは録音されたものなのか、ライブで今演奏してるものなのか?
といった観客にとっての疑問が、映像にも生じてくるのでしょう。
音に対して計算しつくされた映像が出るのか、もっと演奏のようなものなのか。

とはいえ、音楽のある場所にもまた、映像の可能性があるということが
ここに出す例のような表現から感じられるのではないでしょうか。
今回は映像のコンテンツ(内容)から一歩引いて観察してみる、という意味で
スクリーンのバリエーションに注目してみたいと思います。

Radiohead – Live at Tinley Park (2012)

いきなり純粋な意味で電子音楽ではないですね。すいません。
2012年に行っていたステージ演出では
正方形のLED?スクリーンが、それぞれ巧妙に移動して、
さまざまなパターンを作り出していました。
そこに映像が出力されることでまるでミラーのように見えたのです。

+

Squarepusher – 303 Scopem Hard [Live at Hackney Empire, October 2012]

門のような形状が少しずつ奥行きをもったスクリーン。
しかもよく見るとSquarepusherの被っているマスクも映像装置になっているという。

+

Flying Lotus – Live Show Preview (2014)

ティザー動画のため短くて分かりにくいかもしれませんが、
半透明のスクリーンが層になって、Flying Lotusを囲っています。
ライブではなかなか映画館のような3D上映システムは難しいので、
手軽にそんな体験が出来るのではないかと予想。

+

Amon Tobin ‘ISAM’ Live (Trailer) (2011)

プロジェクション・マッピングをいち早くステージ演出に取り入れた好例ではないでしょうか。
最近では’ISAM 2.0’にバージョンアップしているらしい。

以上はスクリーンの形状に注目してみた例ですが、ここで紹介した2012年前後の例は、
「音楽の演奏(=音の電気信号)の出処(=演者)を巧みに隠す、あるいは顕著に見せるための
光/映像の変化」なのではないかと思っています。

ステージにある様々な要素や特殊な造形は、私達を音楽とともに撹乱させます。
しかし趣向を凝らしたステージ演出でも、そこに演者がいなければ、私達観客は観るのを止めてしまうような気がします。

今現在の2017年は
VRやペンライトシステム、3D(ホログラム?)といったテクノロジーが更に発達しているので
観客(私達)と演者の関係がもうすこし複雑な話になってきそうな時代です。

やはり音楽を耳だけでなく、様々な感覚をもって体験したいという欲求なのではないかと思います。
その要素の一つとして、人が集う場所にもたらされる映像(つまり大きなスクリーンが存在する)は演者と私達観客の関係において、効果的に使われているのだと思います。

いかがでしたでしょうか。
映像科の生徒のみなさんはどんな感想を抱くか気になります。

映像科:映像実習/アニメーション制作

こんにちは、映像科講師の土屋です。

映像科では先週4/21(木)?23(日)、3日間で
「ストップモーション・アニメーションを作ろう」という授業を行いました。

pasted3

pasted4

グループワークで、実際に1?3分程度のコマ撮りアニメ作品を作ってもらい、
23日の発表にはなかなかの力作が3本そろいました。

さて、その前提授業となる21日には、制作の参考になるような映像作品を
上映しましたので、上映しきれなかったものも含めて、いくつかご紹介します。
ブログだとYouTubeなどにすぐ飛べるのでぜひ見てみてください。

+

『オオカミとブタ -Stop Motion with Wolf and Pig-』作者:竹内泰人さん

「ストップモーション・アニメーションは、写真の連続で出来ている!」
という特性の参考として観てもらいました。

+

『こまねこ はじめのいっぽ』監督:合田経郎さん

コマ撮りアニメを作るこまねこの話。
こまねこ自体もコマ撮りアニメで作られていて、構造が興味深いです。
調べてみたら、東京都写真美術館『過程を見せる展覧会。“絵コンテの宇宙ーイメージの誕生”』
での展示が、こまねこの始まりなのだそうです。
http://www.komaneko.com/intro/about.html

+

『Western Spaghetti』監督:PES

「物をコマ撮りで動かしてアニメーションを作る」という話の参考として観てもらいました。
この作品は、音の使い方がヤン・シュヴァンクマイエルを彷彿とさせますね。

+

『The Joy of Books』監督:Sean Ohlenkampさん

新美の課題ではテーマを「場所に魂が吹き込まれる」として制作をしてもらい、
この作品はそのテーマの参考として紹介しました。
この本物の本屋さんを使った作品、すごく手間がかかりそうな分
温かみのある映像になっていますよね。

+

この他に観てもらったのは、
ヤン・シュヴァンクマイエル『闇・光・闇』や伊藤高志『SPACY』などなど。

紹介したい映像作品はまだまだたくさんあるのですが、
ストップモーション・アニメーションは技法として定着しているので、
世の中にさまざまな表現が溢れているのです。

++

新美では、こんな感じで
通常の紙+鉛筆の課題以外のワークショップも時々行っています。

映像科:新学期スタート

こんにちは。映像科講師の森田です。
先週13日(木)に映像科の木金日コース、始動しました!

今週はオリエンテーションのあとに、
毎年恒例となっている「絵巻物」のフォーマットを使った、自己紹介課題の制作をしました。
2m近くある長?い画面に描いたイメージをスクロールさせることで一本の映像作品を上映します。

DSCF0096

さて、今年も映像科の授業は、
木曜日・金曜日…17:30?20:30
日曜日…9:00?16:00 です。

週3日の授業ですが、一学期は感覚テストや小論文につながる、絵と文章の課題制作や、
クロッキーやデッサンの基礎となる描写力特訓課題などを中心に授業を行います。
加えて推薦入試コースの人は、並行して対策を始めていきます。
(盛りだくさんです!)

来週は「映像メディアについて知る」をテーマに、早速アニメーション制作のWSを行います。
それでは一年間、がんばっていきましょう!

++
無料体験入学も随時受け付けています。
美大の映像系に興味はあるけど、まだ全然迷ってるという人も大丈夫。
まずはお気軽に相談に来てください。
http://www.art-shinbi.com/event/muryoutaiken/

映像科:2017春期講習会レポート

こんにちは。映像科講師の森田です。
今年の春期講習は最長で10日間。
小論文や鉛筆デッサンの基礎、映像鑑賞などいろいろな課題に取り組み、
最終日の今日は武蔵美映像学科の感覚テストを制作しました。
半分以上の人たちが初・感覚テストでしたが、なかなかの完成度だったと思います。

DSCF0063

DSCF0074

DSCF9952

そして映像科の新学期の授業は4/13(木)から始まります。
春期はまだ迷っていて受講できなかった人も、もちろん大丈夫。
ここから映像科受験の対策をはじめましょう!

映像科:春期イベント

こんにちは。映像科の森田です。
3/19.20のオープンスクールにいらした皆さん、ありがとうございました!
(記録写真を撮るのを忘れてしまいましたが…)映像科の教室では、感覚テストの展示のほか、
推薦入試合格者の映像作品の上映なども行いました。

そして日曜日からはいよいよ、春期講習が始まります!
今年はスケジュールに合わせて受講できます。
・3/26(日)?4/4(火)【10日間】
・3/28(火)?4/4(火)【8日間】
・3/30(木)?4/4(火)【6日間】
申し込みは直前でも受け付けているので、美大の映像系で進路を考えているという人は、ぜひどうぞ。
去年も行った先端芸術表現コースとの合同ワークショップに加えて、
今年は映像作品鑑賞の課題や、一風変わった(?)デッサン課題など、盛りだくさんの内容です!

IMG_3090

IMG_3092

IMG_3238

IMG_3256

※画像は去年の春期講習の様子です。