カテゴリー別アーカイブ: 新美

彫刻科は実技模試、オープンスクールとイベント続きでした。

こんにちは。彫刻科小川原です。芸術の秋!ということで、新美では全国実技模試のラッシュです。先日彫刻科もデッサン、塑像2課題の模試を行いました。塑像ではマスクを含む構成課題を出題しましたが予想を裏切る出題でしたでしょうか??その日の為に石膏像からシリコン取りして夜な夜な型取りしていたんです。でも本番だって何が出題されるか分からないのだから、そういう意味でもいい経験になったのではないでしょうか。
デッサン、塑像共に全体的に課題の残る結果となりました。しかしこれはあくまで今現在の結果でしかありません。試験までの残りの時間を最大限有効に使って足りない実力を補っていきましょう!ここからが頑張り時です!
デッサンでは現役生の素晴らしい健闘が見られました。全体では顔を含む印象の悪さが目立っていました。視野を狭めて強引になる事無く、自然体で像を捉えられると良いですね!IMG_2159
塑像では「構成」そのものの理解や目的が曖昧なものが多かったように思います。セオリーに頼るだけでなく、自分自身のヴィジョンを大切にしていきたいです。同時に完成度はかなり重要なので、さらに段取りよく進められると良いです。
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全国模試の次の週にはオープンスクールを行いました。主に高校1?3年生を中心に、デモンストレーションを交えつつ、1日でモデル首像を制作するというなかなかハードな日程でしたが、経験のある生徒も、初めてつくる生徒も、皆集中力を切らさず、魅力的な作品に仕上げてくれたことに感心してしまいました。中でも2点、完成度の高い作品が出ましたので紹介します。どちらも現役生の作品です。
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短い時間の中でよくここまで仕上げて来れたなと思います。作者の底力を感じる作品です。一通り隙が無いように手が入れられていますが、細部の表情や起伏の少ない部分(頬や首周り)での説得力がどれだけ出していけるかが今後求められるポイントです。さらなる成長に期待しています。

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この作品はモデルさんの骨格的な特徴を粗付けから構造的に捉えていって、常に印象を引き出しながら進めていたのが印象的でした。現役生にしてすでに彫刻的にものを見る目が身に付いている事に驚かされます。髪の毛の表現を含め、後頭部側の魅力がさらに出てくるとよりおもしろい作品に出来ます。今後が楽しみな逸材です。

最初は粗付けのポイントをデモンストレーションを見てもらいながら解説しました。
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皆1日全く休まずにとても集中してくれました。最初は1日でどこまで出来るかなと少し不安でしたがどの作品もしっかりつくれていて、頼もしさを感じます。この気持ちを忘れずに、日々努力していってもらえたらなと思います。
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同日新美では芸大で解剖学の講義をされている先生による講義が行われていて、個別講評後、こちらにも立ち寄っていただき、有意義なお話を頂きました。先生は元芸大の彫刻科出身とあって、実制作に繋がる事が聞けたのは良かったと思います。
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さ、大きなイベントは終わって、後は冬期講習、入試直前講座とますます気合いを入れていきたいところですね!普段の彫刻科の授業でも良い作品が出ていいるので、いくつか紹介していきます。
昼間部からです。自画像。自分をテーマに絵を描いたり彫刻にしたりというのは芸術家の永遠のテーマです。ただ形や状況を写し取る。というだけでなく、そのときの心情など内面も含めて表現していきたいです。
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コンテを使い、まるで塑像をするかのように取ったりつけたりを繰り返して出来た作品です。そうした触覚的なやり取りが画面に何重にも刻まれて、見るものに訴えかけます。

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オーソドックスな作品ですが、自分自身と向き合う意識の感じられる作品です。シンメトリックで動きの無いポーズですが、かたさは無く、自然な空間が描けています。

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コンテを使って描いています。丁寧な描写から、その完成度の高さが伺えます。ポージングや表情が作品としての魅力を引き出していてとても良いです。作者の心境を想像させる作品です。

うさぎ。
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ポージングが非常に難しいですが、自然でいて、よりうさぎらしさの感じられる動きを全体に繋げて成立させる事が出来ました。モチーフに対する丁寧な観察が伺えます。

奴隷。
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彫刻科の受験で模刻の定番の石膏像の中では最大級のモチーフです。大きいというだけで難易度は高いですが、動きも激しく、表情のつくりもとても難しいです。この作品は最後まで奴隷に合わせていく為に真摯にモチーフに向き合うことで生まれた非常に完成度の高い作品です。雰囲気を似せる、というだけでなく、真にそのものに近づけていくという感覚は、模刻の大原則であり意外と忘れがちな事でもあります。

続いて夜間部の作品です。自画像。
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強い光源をうまくいかした表現が出来ました。表情も自然で絵として魅力的な1枚になっています。これをもとに、さらに具体的な形を伴う空間として像が捉えられると尚良くなります。

自刻像。
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動きをつけた事によって作品を回してみた時に変化が感じられ、魅力に繋がっています。少しの動きでも全体に関係づけていくのは難しく、この作品はそこに破綻が無い事によって、より強い説得力を与える事に成功しています。

一通りイベントが終わってとりあえず落ち着いて…。となるはずも無く、ここ最近自分の制作がおろそかになっていたので、これからは時間を見つけて僕も自分の作品の制作をしっかりこなしていこうと思います。やっぱりつくるのは楽しいです。もちろん予備校でやってる事とは全く違いますが、この楽しみを是非皆さんにも早く知ってもらいたいです。

多摩美術大学 油画科のための公開実力コンクール開催

こんにちは 油絵科 松田です

以前お知らせした東京芸大実力コンクール、無事終わりました。
早い時期でのコンクールでしたが、意欲作が多数あり、有意義に過ごせた生徒さんも多かったのではないでしょうか。

新美油絵科では 11月10日(日)多摩美術大学用の実力コンクールも開催致します。
このコンクールでは多摩美大の教授をお呼びした特別講演も同日開催され、コンクールで描いた作品について直接アドバイスが聞ける時間が設けられています。

多摩美大の受験を考えている学生さんは積極的に利用してみて下さい。
きっと貴重な体験が出来るはずです。

それから以前にもお知らせ致しましたが、公開コンクールを受講された校外生には冬期講習料の割引も用意されています。
本コンクールで指導に興味を持って頂いた方は、申込用紙に付属している冬期講習割引券を大切に保管しておいて下さい。

沢山の参加、心よりお待ちしております。

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国立校 冬期講習申し込み受付中です。

国立校 基礎科です。

朝晩はずいぶんと冷え込むようになってきました。
ついこの間、夏季講習をやっていたような気がしますが、
もう冬季講習の受付が始まっています。
講習になると、全国から生徒が集まってくれますので、
国立校の生徒たちも、色々な刺激を受けていたようです。
国立校の1期生も、来年の今頃は受験生。
今はまだ、楽しく絵を描いていてほしい・・・と思ってしまう親心です。

今週のモチーフ。写真を模写するか、自分の眼を描くか。
モチーフ

全景1

全景2
細かい部分も丁寧に描いています。
トレース1

トレース2

こんなに長時間、自分の眼を見続けるのは初めてかもしれません。
鏡1

鏡2

授業に毎回参加しています。
おとも

冬期講習の申し込みを受け付けています。
12/1(日)・12/15(日)は無料1日体験です。
1日体験に参加された方は、冬期講習会の1タームが無料になりますので、
是非ご参加ください。
詳しくは国立校まで。   042-577-1117
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2014年の春より、国立校に受験科が設置されます。
現役合格に向けて、志望校に沿った授業をしていきます。

冬季講習2
詳しくは国立校までお問い合わせください。

先端科 総合実技対策

 

こんにちは、先端科です。台風26号も通り過ぎ、無事授業を再開しました。

今回は、先日13日の日曜日からスタートした「総合実技対策」の報告をさせて頂きます。試験では2日間で終えてしまう内容を、新美では3日間に分けてじっくり取り組みます。

【2次試験の総合実技対策について】

平成24年度の二次試験までは個人資料ファイルと面接試験のふたつを実施していました。平成25年度から、面接に代わり「総合実技」という課題になりました。新美では、昨年度の総合実技試験の意図をくみ取りながら、独自に対策を行っています。今回は、13日の日曜日に行った対策を紹介します。

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その前に、総合実技の試験内容を以下に紹介します。

※東京芸術大学ホームページより抜粋

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平成25年度

?東京芸術大学美術学部先端芸術表現科

入学者選抜試験 総合実技1日目

?試験時間:10時~16時30分

昼食時間:12時~13時(昼食時間に解答を続けてもよい)

作品提出:本日16時30分

?【問題1 テーマの設定】

配布された新聞紙の中から、あなたが気になる記事を切り取り解答用紙①の枠内に貼りなさい。

※複数の記事を選択してもよい。

※記事は解答用紙①の枠内に持参したのりで貼ること。

?【問題2 テーマの説明】

問題1で取り上げた記事を選んだ理由を400字以内で簡潔に述べなさい。

※解答用紙②に縦書きで記述すること。

?【問題3 ドローイング・制作】

問題1で取り上げた新聞記事をもとに、3-1と3-2の指示に従いドローイング・制作をしなさい。

問題1で使用した新聞紙は使ってはいけません。

3-1 ドローイング

イラストボードに持参用具でドローイングしなさい。

3-2 制作

スチレンボード、竹ひご、スチのり、マスキングテープを使って制作しなさい。

※サイズは幅45cmX奥行き45cmX高さ60cmの提出台の上に収めること。

※試験終了後、自分で提出台を持って作品を移動させます。

?注意事項 ※試験終了後、問題用紙を回収します。

?東京芸術大学美術学部先端芸術表現科

【総合実技2日目  プレゼンテーション】

?○1分程度で自分の解答作品の説明をしてください。

?【試験当日に準備するもの】

鉛筆などの筆記用具、色鉛筆、はさみ、カッター、定規、のり

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新美における、総合実技対策課題 10月13日(日曜日)

?【問題1 テーマの設定】

課題1:往復500円で移動可能な範囲で取材をしてください。

今回の課題では、新聞などの記者が取材した記事からモチーフを探す(選ぶ)のではなく、

自分の足で現場まで行き、直接モチーフに触れて捉えることをしてもいらいました。

 

ここで重要なことは「どのような手段によって対象を捉えるか」です。

出会った人から話を聞くのでも、ただカメラで撮影してくるだけではなく、メモやスケッチ、録音機なども使えるかもしれません。ひとによっては立体に造形して持ち帰る人がいても良いかもしれません。

自分なりにどのように記録するか工夫することは、対象を独自の切り口で捉えることに繋がります。

取材1

【問題2 テーマの説明】

課題2:取材してきた資料をプレゼンテーションする。

各自が持ち帰ってきた資料を、みんなの前でプレゼンテーションしました。

試験では、選んだ理由を400字で書く課題ですが、今回はみんなの前で取材したことを報告し、

他の生徒や講師が、質問しながら、自分がどのような対象を捉えたのか、

対話することで資料から「テーマ」を浮き彫りすることを試みました。

 

これから取材した資料を基に制作を進めていきます。

ここで取材した資料は個人的な素材なので、具体的にはこのブログで紹介できませんが、

どのような内容であったのか雰囲気だけでもお伝えします。

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4人の例を簡単に紹介します。

①自分が日頃から興味のあるモチーフと似たものを探し、現地で収穫した物そのものを持ち帰る。

②自分にとって思い入れのある街であるが、世間からすると敬遠されてしまうような街の取材。

③知り合いに自分の行ったことのない街を案内してもらう。

④現地にある素材を手がかりに、集団心理のようなものを、統計を取る方法で数値化して持ち帰る。

抽象的になってしまいますが、ひとりひとりアプローチの違いから、興味の違いが伺えると思います。

「テーマの設定」といっても、そう簡単にできるものではありません、日頃から「自分の制作におけるテーマとは何か?」と制作する中で問い続けることで、視野を外へ広げていくことだと思います。理想としてはひとりでは解決できない大きな問題と格闘してもらいたいです。そのためには、日ごろからアンテナを張り、リサーチ(取材)することが制作のはじまりだと言えると思います。

次回は、この取材した資料をもとにして、【問題3 ドローイング・制作】をします。

どのような造形になるのか楽しみです。

 

 

日本画科-公開実力コンクール&今後へ!-

日本画科講師の金子です。

日に日に暮れが早まり、17時を過ぎる時分には薄暗がりが拡がっています。まさしく“秋の日はつるべ落とし”、ですね。

「秋は、夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの列ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。」

秋にちなんだ名文は多くありますが、私はこの枕草子の冒頭に魅かれます。

そんな日本の風情も何処へやら。日本南海上を北上中の大型台風26号に打ち消されてしまいそうです!16日朝には強い勢力で関東に接近、上陸する恐れがあるようです。気象庁は、「関東に接近する台風としては、10年に1度の勢力」と発表しています。

― さて、日本画科の「全国公開実力コンクール」が13日、14日に開催されました。

課題は「着彩写生」。難易度の高い課題ではありましたが、いい緊迫感の中、コンクール及び講評会が行われました。尚、内部生に加え、外部からも多くの受験生に参加いただきました。

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■10月13日(日)? 9:00~16:00、10月14日(月) ?9:00~15:00

「以下のモチーフを2日間で着彩写生しなさい。」 ブルータス首像 1、フォックスフェイス 1、ブロック 1、ビーカー 1、西洋ナシ 2、アイビー鉢植え 1、卵(白) 10、卵(茶) 5、赤布 1

■出題意図

①植物を中心とした課題に対して、メイン設定が分かり辛い課題においても主題を明確にし、端的に卓上空間の印象を押さえる事が出来るかどうか。

②それぞれの目的と意図に沿い、構成を考え、そして画面上に再構築することが出来るかどうか。また、補色関係にあっても色相に惑わされることが無く、組立を理解することが出来るかどうか。

③個々のモチーフの魅力及び質感に迫ることが出来るかどうか。

ちなみに、東京芸術大学の着彩写生課題の出題傾向を意識しています。

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上位者は新美内部生が独占しましたが、まだまだ発展途上のように思います。

4月の時点と比較すると一人一人の確かな手ごたえを感じますが、結果は一つの自信に置換し、ここに甘んじることなく今一度出来る事と出来ていない事を整理し、それぞれの課題克服に取り組んでいってほしいと思います。

?IMG_7910←上位者表彰。

― 本日より、選択課題が始まりました。デッサン、着彩を2日間で仕上げる「通常課題コース」と“B全サイズパネル”で制作を行う「大作着彩コース(昼間部のみ)」です。

「大作着彩コース」に至っては公開実力コンクールと並行して課題準備を行ってきました。テーマコンセプトは自由のため、モチーフセッティングは、生徒一人一人が思考錯誤しながら築いています。こうして俯瞰して見てみますと、各々の視点が滲み出ておりなかなか面白いです。

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今後、デッサン課題、着彩課題の通常課題のほか、「一人一卓課題(昼間部・夜間部)」、「私大対策(昼間部・夜間部)」を予定しています。

また、「夜間制作」として居残り練習を引き続き行っています。ここでぐんぐん成長している生徒もいます。兎に角、日本画科は描く時間の確保が大切です。「手を動かして考える」、これはいつの時代も不変であり、普遍の理ではないでしょうか。

― 最後に。

新美日本画科では全受験生としっかり向き合うことを大切にしています。日本画科に興味ある受験生がいらっしゃいましたら是非見学にいらしてください。

尚、12月の「冬期講習会」受講生を募集開始しています!

外部から受講する方は、それぞれの課題点を理解し、また、共有するため、講習始めと講習終わりに最低2回の個人面接を行います。受験において経験豊富な日本画科講師陣が、ひとりひとりとしっかり向き合ったきめ細やかな指導を心掛けていますので、安心して受講していただければと思います。

また、地方から受講する方は、生活面などにおいても不安な事が多いことでしょう。そのあたりも出来る限りバックアップしますので、お気軽にご相談下さい。

大手美術予備校ですが、全ての受験生としっかり向き合うことを大切にしています。冬期講習会でレベルアップを目指して頑張りましょう!