カテゴリー別アーカイブ: 新美

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こんにちは、日本画の佐々木です。

GWはいかがお過ごしでしたでしょうか?
最近は急に暑くなったり、かと思えば肌寒くなったり…体調を崩している生徒もたくさんおります。いい作品を作るためにはまず健康です。無理せずしっかりと体調管理してくださいね。

さて、今回は夜間部(主に高校三年の現役生が通うコース)の様子をお伝えします!
日本画って、現役生は受からないんでしょ…?と、よく言われますが、

そんなことはありませんっ!!!!

確かに、受験の課題がシンプルな分、何年も経験値を積んでいる浪人生のほうが有利かもしれません。しかし、現役生が合格しているのも事実。
たまたま受かった子は天才的にうまかったんだよ、と思われるかもしれませんが、実はそうではないのです。「天才」なんて言葉は失礼なくらい、一重に、本人のたゆまぬ努力の結果なのです。
現役生は高校との両立もあり、なかなか絵にしっかりと向き合うのが難しいですが、生徒としっかりコミュニケーションを取りながら高校との両立を目指します。

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そんな夜間部も4月から約一ヶ月、昼間部と同じく木炭デッサンに取り組みました。
大きな紙に絵を描くという経験がまだ少ない現役の皆にとっては、大きく色がついていく木炭デッサンはとてもいいトレーニングになったのではないでしょうか。

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木炭二枚目のジョセフ。像の大きな印象をよく捉えられています。

その後、木炭の感覚を踏まえて鉛筆に。
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ブルータス。細かな装飾を捉えながらも、体の大きな塊を感じられます。

現役生、大体の生徒がまずぶつかるのがこの石膏像。
人の形をしているものだから、描けてないのがまるわかりなのです。私も大っ嫌いでした。
そして、似せなきゃ、形合わせなきゃ、と、比率や位置を計りまくってドツボにはまる…なんてひとも多いのではないでしょうか。
どうしたら、石膏像描けるようになるのだろう・・・。という方、ぜひ、数個前の油絵科のブログを読んでみてください。私もすごく納得してしまった言葉があります。

ロバート・ヘンライさんの本からの引用で、
「古代の石膏像をいくら眺めても、その彫刻が表現している美に感動をおぼえなければ、すぐれた作品は生まれない。」(全文はブログ記事をご覧下さい)

そうなのです、いくら形を計っても、比率を計っても、人間なので完璧には合わせられません。
それよりも、まずは像を見て、格好良い!とか、キレイ!とか、興味を持つことが大切です。
大層なことじゃなくていいんです。ガタイいいな、とか、変な髪形だな、とか、凄いポーズだな、とか。そうやって感じ取れたことだけが、絵に出てくるんです。
石膏像が描けなくて悩んでいる人は、「モチーフ」としてじゃなくて、彫刻として作られた目の前の「人物」を、もっとよく観察してみてください。似顔絵とか描いてみてもいいかもしれませんね。

今は、石膏月間が終わって着彩の練習中。
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一歩づつ、前進です!

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★昼間部、夜間部ともに、普段の授業を体験(クリックで詳細)出来ます。
アトリエや指導の様子はもちろん、美大受験をしたいけれど何をすればいいかわからない!、予備校ってどうやって選べばいいの??などなど、疑問や不安を講師と話すことができます。
もちろん、面談や見学のみでも大丈夫です。小さなことから気軽に相談に来てくださいね。

通信の5月

こんにちは。
通信油絵科の福本です。

5月に入り、少しづつ通信の生徒も増えてきました。
通信は到着した4月タームの作品の添削をし、それぞれ生徒へ返送しています。

通信油絵科の1学期は「デッサン力や観察力」を身につけていく課題を中心にカリキュラムを組んでいます。通信は現役の高校生から浪人生までの生徒がいるため各生徒の経験に応じてそれぞれ課題を用意しています。

通信教育は基本的に自宅での制作が多く、一人でやっているとなかなか集中が続かなかったりします。個人的な経験ですが、そんな時は無理して続けていてもあまり良いこともないので、私の場合は本を読んだり、10分ほど外の空気を吸いに散歩したりして、一度絵のことを忘れ、脳と体をリフレッシュさせてあげた方が新鮮な気持ちでまた制作に集中できることがあります。ずっとやっていても煮詰まってくることもあるので、一度目の前のやっていることを忘れることも大切な気がします。受験勉強は集中力が大切になってくるので、今の時期から自分なりのリフレッシュ方法を何か1つでもあるといいかと思います!

最後に油絵科の生徒に[オススメしたい本]の紹介で終わりたいと思います。

昔、読んで面白かったのが藤原えりみさんの「西洋絵画のひみつ」です。
油絵科の受験勉強で静物を当たり前のように描いていると思いますが、そもそも静物画という
ジャンルはどのようにして生まれたのか、知ってますでしょうか?
この素朴な疑問をしるために、西洋美術史を分かりやすく書かれいるのがこの本です。
アートを志す者は知っておくべきことなので、ぜひ読んでみるといいでしょう。

そろそろ専門課題に挑戦してみましょう。

5月に入り、皆さんも新美の基礎科授業にも少し慣れてきた頃でしょうか?

デッサン課題が続いている基礎科ですが、夏に向けてのこの時期からは、それぞれの専攻の課題がはじまります。
新美の基礎の専門課題は、在学生も、体験でいらっしゃる校外の生徒さんにも、自由に課題を選択してもらえるようになっています。

各画材の説明から購入。
各専門課題の描き出し方法。
専門の講師が指導にあたります。

自分の進路はどうしようか?
絵は好きだけど、どんな専攻があるのかわからない。
自分にあった専攻を悩んでいる。

そんな方たちは是非この機会に、色々な専攻の課題を試してみてはいかがでしょうか?

【 油絵課題 】
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【 デザイン・工芸 】
des_heimen
des_heimen02

【 彫刻?】sozousozou02

【 日本画 】
jap
jap02

映像科:小論文特別授業とオススメ展覧会

こんにちは。映像科の森田です。木金日コースもはじまって約一ヶ月が経ち、最初の週から通っている人は徐々に教室の雰囲気に慣れてきたかな?週に3日のコースだと他の科に比べてまだ少し堅さがとれてないかな??というような今日この頃です。

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先週の授業は「小論文特別授業」でした。毎年春にやっているワークショップ的な授業なのですが、映像科が対象としている「映像メディア」全体ををカテゴリー/ジャンルに分けてマッピングした上で、それぞれに該当する具体的な作品名や作家などを教室の全員で挙げてみるという内容です。以下のプリントがその一部分ですが…

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どうでしょう。もちろん他の専攻でも同じだとは思うのですが、映像メディアは新しい技術やサーヴィスが登場することで、つねにジャンル自体に変化が起こる分野でもあります。だからジャンル分けが難しい…と言うとやや言い訳っぽいですが、しかしこのたった数年で「実写かCG(アニメーション)か」という枠組みがほとんど意味をなさなくなり、また「テレビかネットか」という区分も、それを見る媒体の違いでしかなくなっています。そうした中で例えば「ライヴ・パフォーマンス」と「プロジェクション・マッピング」などであれば、表現の可能性が模索されていく中で、映像の使われ方としてかなり重なる部分があるかも…、などなど。こうしてジャンルに分けてみることによって「映像」というものの全体像が意識できたような気がします。

同時に授業でもポイントになったのは「面白い作品や表現、活動は必ずしもカテゴリー/ジャンルにかっちり収まるわけではないのでは?」ということでした。むしろいくつかのジャンルを横断しているような作品こそが新鮮だったり、ついつい気になって何度も見てしまったりすることもあるような気がします。皆さんも自分なりに(映像科以外の専攻の人は自分の専攻にあてはめて)考えてみることから、新しい発見があるかもしれません。

さて、そんな「ジャンルに収まらない作品/表現つながり」ということで(やや強引ですが)ちょうどこの5月に開催されていた二つの展覧会を紹介したいと思います。

石田尚志『渦まく光』横浜美術館(~5/31まで)

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石田尚志の作品は、手法としては「コマ撮り(手描き)アニメーション」と言えると思いますが、さらに展示の形態からは「(ビデオ)インスタレーション」と捉えられます。普段アニメーションを観て、元の絵が描かれた「空間」を想像するということはほとんどないと思いますが、石田尚志の作品ではむしろその「描かれた(撮影された)空間」が重要で、さらにその「描かれた空間」と「展示された(投影された)空間」の関係がひとつのテーマであるような気もします。と、そんなことを考えずともプロジェクションされた映像を前にすれば、その映像が作られるまでの膨大な時間に圧倒されるはず。ぜひ体験してみてください。

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小泉明郎『捕われた声は静寂の夢を見る』アーツ前橋(~6/7まで)

アーツ前橋・小泉明郎

展覧会の説明テキストにも「ドキュメンタリーや映画とは異なる映像表現」と書かれていますが、小泉明郎の映像作品を観ると、いつも普通に使っている「フィクション」とか「ドキュメンタリー」とかって何だろう?…というか、その二つはそもそもそんなにはっきり分けられるものなのか??とあらためて考えるかもしれません。一見すると「インタビュー」のような形式を取っている映像も、撮影時の制作者の介入の仕方、そして編集や展示の方法によって、結果的にまったく別の鑑賞体験になっています。ちなみに展覧会は映像作品だけでなく、立体作品やテキストなどもあり、相当に見応えあります(僕の場合は3時間くらい観てました)。

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個人的には受験生の一年の中での「一学期」という期間は、とにかく手当り次第に色々観てみて、自分の表現の幅を広げる時期だと思ってます。どちらも新宿からは少し離れていますが、、ぜひ足を運んでみてください!!

彫刻科 GWまでの近況

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こんにちは彫刻科の氷室です。

次の試験こそは!と新しいスタートを切った気持ちも、やや1年が長く感じられはじめられる頃ではないでしょうか。
実技は丸々自分自身なので、事あるごとに、まだまだ!と言われる部分と、いやここは認めて欲しい!と言う所と様々ぶつかる点もあるかと思いますが、お互い目指すべき最終地点は一緒なので、目標へ向かってたくさん葛藤していきたいですね。まずは目の前の出来ることに取り組んで行くことからでしょうか。

1学期では山場が6月に有る様に思います。気持ちが揺らいだらどの様に気分転換していけるのかが鍵になりますね。
デッサンの悩みはデッサンでしか解決できませんが、気持ちの問題は何かしら気分転換が必要な時も有りますよね。本を読んだり、音楽を聴いたり、散歩をしたり、体を動かしたり、バイトへ行ったり。
まずは6月へ向け!GW、エネルギーチャージをして下さい!

今回、おっと気になった作品を上げてみたいと思います。

自刻像2点です。
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もう一歩骨格の強さが欲しい所ですが、水粘土を活かした表現を楽しいんでいる魅力がある作品です!
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首の表現やまだ力不足な点もありますが、表情は特に自然な表現が出来ており、思わずホォーと見入ってしまう作品です。髪の毛の表現も上手いですね!

F君のデッサン
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ラオコーンの動きに良く反応で出来ています。伸び側の肋骨の奥行きと深さがもっと欲しいですが、表情にもしっかり手が入っていて勢いのある1枚です!

S君のデッサン
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大きな形態感をしっかり保ったまま細やかに描写が乗っており、かつ繊細な炭幅が奴隷の像の魅力を際立たせています。とても良い感度で描かれた1枚です!

こちらは、夜間部Mさんの模刻
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頬骨やおでこの形の表現にもう一歩踏み込んでいけると良いですが、とても素直に観察してある作品です。その観察こそが模刻の命です!

手の塑造Y君
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腕から手のひらにかけての軸や指先の表現はもう一歩欲しい所ですが、力強く言い切りのある作品で良いです!

S君の塑造
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大きく内在している張りと表情ひとつひとつの影の深さがもう一歩マッチしてくると最高ですが、ポーズや表現にしっかりこだわりが感じられます!

この上記2点はGW明けから始まる、木彫実習へ向けてのマケットも兼ねての制作でした!

F君の塑造
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上にそっともう片方の手が繋がっていたのですが、思い切ってなくしてみました。この1本の手でも、十分に彫刻として成立すると思います。腕の筋肉や指先に描けての流れ、素描センスを感じます!

Iさんの塑造
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素直に観察し制作されているとても良い作品です!両手の動きから作られる流れや溜まってくる空間が織りなす魅力は観ていて引き込まれます!

夜間部O君のミロビの模刻
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髪の毛もしっかりと追って行くこの集中力は、果たしてどこからやってくるのでしょうか!?目や唇に落ちる影の部分の表現がとても効いています!首の作りはもう一歩ですが、とても良い作品です!

最後に私個人の話になってしましますが、4月に色々な縁あって2種類のグループ展に参加させてもらいました。
私の出身高校が美術科がある高校だったのですが、その同じ高校出身で年齢はまちまちですが、今も様々な場所で制作・活躍をされている方々が集まった珍しいグループ展でした。
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『流灯』

もうひとつは、2013年、2014年と栃木県茂木町での野外展に参加したのですが、同じ展示に参加している作家さんから声をかけて頂いてのグループ展でした。東京工科大学に在籍されている方の鑑賞のサイクルと言うテーマの研究とコラボレーションさせてもらい、かつて経験した事がない展示内容になりました。
セカンド オピニオン
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『余白と輪郭と #5.6』

次回の彫刻科ブログ更新日は16日です!担当は、新しく講師としてお迎えした稲田先生です!!
ぜひ自己紹介も兼ねて、宜しくお願い致します。