カテゴリー別アーカイブ: 新美

大人の油絵、モランディ

こんにちは。油絵科の関口です。
ようやく桜も咲き始めたと思ったら、ここ数日は冬の様な寒さが戻って来てしまいましたね。

さて、先日東京ステーションギャラリーで行われている「モランディ展」を見に行ってきました。見た目はかなり地味な絵ですし、パッと見て上手さが伝わってくる絵ではないので(言い換えるなら通好みで、大人の絵なんです)受験生の皆さんが見て、どう思われるかは分かりません。ただ、本当に素晴らしい展覧会でした。
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展覧会カタログより

モランディの作品はものすごく禁欲的で、感情に抑制を効かせた・・・それらを漢字で表すなら、「静謐」「安寧」という表現がシックリきます。
まるで何かの修行僧か、それを通り越した仙人のようなストイックさがあります。その一方で、本人は飽きずにずっと静物(今回の展覧会では風景も出品されていますが)を描き続けていた訳で、それには何か秘密があるに違いない…と考えてみました。
1952年の作品
左上の作品は今回の展覧会出品作(これは絶品でした)で、その他は同年の別作品

今回の展覧会では「変奏(バリエーション)」というテーマが掲げられています。生涯に渡ってモランディの意識の殆どは「モチーフを利用した画面の構成」に向けられていた様に思います。モチーフの配置を僅かに動かし、まるで画面上でチェスをするかの如く、何かを考えていた事が伺えます。モチーフや画面の関係が作り出す、僅かな違いに喜びを感じ、一人悦に入っていた可能性は否定できません。
ある意味で偏執狂的で変態的と言っても過言ではないかもしれません。いや言い過ぎかな(笑)。しかし絵を前にしてニヤリとほくそ笑むモランディの姿を想像すると、それはかなり人間的で、実際には仙人とは程遠いイメージなのかもしれません。

モチーフ写真1モチーフ写真
モランディの愛したモチーフ達。時には溶接までして自作したり、ペンキを自分で塗るなど、かなりの拘りようです。

 

ところで、以前「モランディが初めて日本で大々的な展覧会をやる」というので見に行った事があり、その時の記憶は今でも鮮明に覚えいます。
実はその展覧会、今から27年も前のもので、僕がまだ浪人生の頃に見た事になります。
神奈川県立近代美術館
今年で閉館になってしまった神奈川県立近代美術館の鎌倉館で1989年に開催。

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その時に買ったカタログ。

モランディポスター
この絵のポスターは、学生時代に何年もアパートの壁に貼って、ずっと眺めていました。近くで見ると全然描き込んである訳ではないし、形もかなり歪めているのに、離れて見ると質感と空間がリアルに浮かび上がります。どこか魔術的な魅力に溢れ、完璧なバルールの作品だと思いました。
※バルールについては以前に書いたこのブログをご覧下さい。
http://www.art-shinbi.com/blog/20151004/

モランディ展は滅多に日本には開催されないので、まだご覧になっていない方や、一度大人の絵を味わってみたい。という人は必見です。
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いよいよ始まりました。

私立美大デザインコース講師の笹本、亀田です

本日から今年度の春期講習会が、いよいよ始りました。

意欲的に制作する生徒たちに、初日から指導にもぐいぐい熱が入ります。

申し込み、まだ間に合います!

見学希望や相談も随時受け付けていますので、気軽に問い合わせ下さい。

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日本画科 2016年度始まってます!

こんにちは、日本画の佐々木です!
怒涛の受験で中々記事をかけず、久しぶりのブログ更新です。

とはいえ、もう3月も下旬。先日はプレ春期がありました。

今年は石膏レクチャー。

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一日で石膏デッサンを描き、石膏デッサンの1日目の仕事を確認するというプログラムでした。

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構図や形、ベースの仕事。
完成した石膏デッサンだけではわからない基礎づくりをレクチャーしました!

本日からは春期講習も始まっています。
初めての人から、新高3、浪人生まで。それぞれの力にあった指導で、今年も丁寧に進んでいこうと思います。
じっくりと自分の力を伸ばしたい人は、この春から新美で一緒にスタートしましょう!

春の割引キャンペーンのご案内

こんにちは。
新宿美術学院では、現在春の割引キャンペーンを実施中です。
3月31日までの「早割」や、他の予備校に現在通っているが、4月からは新美に通いたいという方対象の
「のりかえ割」、もちろん前年度新美生への「継続割」もあります。
また、特待生試験、奨学生面談など、既卒生対象の割引も実施中です。
新美の授業に興味がある方、ご見学・ご相談随時受け付けております。ぜひ一度ご来校ください。

詳細はこちら→ http://www.art-shinbi.com/discount/spring.html

映像科:プレ春期講習

こんにちは、映像科の講師の森田です。
映像科も2016年度、すでに始まっています!
今週の21日のプレ春期講習は武蔵美美大映像学科の実技試験「感覚テスト」を制作するという内容でしたが、ほとんど(というか全員)初めての制作だったにも関わらず、名作揃いの全体講評会となりました。

課題は「○○を待ちながら」というキーワードから映像的なシーンを発想するというもの。制作時間は実際の試験時間(3時間)よりは、やや長めにとりましたが、それを差し引いてもアイディア、文章表現、色鉛筆による描写など、みんな明確なコンセプトを持ってしっかり“作品として”まとめられていました。

映像系入試に向けたガイダンスや、推薦入試(特に武蔵美映像学科クリエーション資質重視型)のポートフォリオの紹介なども織り交ぜつつ、あっという間の1日でした!

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