カテゴリー別アーカイブ: 新美

建築科 1/50 立体構成

こんにちは、建築科講師の半田です。

本日は、すこし変わった立体構成にチャレンジしてもらいました。

1/50スケールの人形を最後に加えなくてはいけないという決まりがある立体構成です。

image3 (1) ??最近の入試はどの大学も、入試の対策をしていただけでは足りません。どんな問題が出されても確実に自分なりの正解が出せる思考力が重視されているように思います。

空間構成はこう、デッサンはこう、立体はこう、という各課題のコツや方法というのは確かにあるのですが、そのつど脳みそを使い分けているような考えではいけません。

どんな課題にしろ、常に美しい空間をつくるということを忘れない。ことが大切です。

今回は、立体構成を建築模型的に考えてもらうことで、自分がした造形の意味づけになれてもらうことが狙いでした。

 

初期の段階で建築を考えてもらい、講評を経て、自分の思考の固い部分を知ったほうが、

本当につくるべき抽象的な空間をつくって行きやすいのではないかと考えています。

 

与えられた素材はスチレンボードと木片。木片を必ず空間内に取り込まなくてはいけないという条件でした。

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人が登場した瞬間、どうやって登るのかや、天井の必要性、水平垂直に対してシビアになってきたりするのが面白いところです。

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エスキスで考えていたものと実際が違ってくるのが立体構成の面白いところです。

「頭だけでなく手を動かす」

この大切さを肌で感じ取ってもらえたのではないでしょうか。

そして最後は太陽光の下で撮影して発表してもらいました!

image2 (1)〈講師デモ〉

光の勉強にもなりました。

 

油絵科 展覧会のすすめ

油絵科の関口です。
日本画の佐々木先生に続き、僕も展覧会を紹介したいと思います。

①奥村土牛
・山種美術館?5/22まで
http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html
日本画の展覧会ですが、油絵科の生徒さんも興味がある人は是非観に行って下さい。奥村土牛の作品は暖かみのある色彩と上品で、穏やかな雰囲気が好きな人は引き込まれるのではないでしょうか?時間を忘れてずーっと見て入られますよ。
今回はまだ観ていませんが、出品リストを見ると、これは行かなくては…と思わされる展覧会です。
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中でもこの「鳴門」は絶品です。10年以上も前に山種美術館(今とは場所が違いました)で本物を見てその時は「凄げ?」って、まるで素人さんみたいな感想しか出ませんでした(笑)。

あと、国立近代美術館では安田靫彦展もやってますね。こちらは?5/15まで。日本画好きな人は、こちらも是非。
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/yasudayukihiko/

②カラヴァッジョ
・国立西洋美術館?6/12まで
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2016caravaggio.html
以前もこのブログで紹介しましたが、このカラヴァッジョも油絵科の中では好きな人がいるかもしれませんね。
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ちなみにこのモデル、何回もカラヴァッジョの絵に登場してきます。どうやら今で言うBLって言うんですか?(笑)怪しい関係だったとか…実際はどうなんでしょうね?
カラヴァッジョの作品自体は10点ほどらしいですが、本物を見る機会は滅多に無いと思いますので、興味がある人は是非観に行って下さい。メドゥーサもちょっと笑えますよ。

③ライアン・マッギンレー
オペラシティアートギャラリー?7/10まで
http://www.operacity.jp/ag/exh187/
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いま丁度新美近くのオペラシティアートギャラリーで開催しています。写真の作家さんですが、油絵科の生徒さんには、こういう展示も是非観に行ってもらいたいですね。

油絵科を受験するには幅広い視野が必要になりますので、ジャンルを問わず色んなものを見た方が良いと思います。ゴールデンウィークを利用して、是非本物を観に行ってみて下さい。

 

※番外編
僕もゴールデンウィークに展示をやっていますので、興味がある人は是非観に来て下さい。

●現代作家美術展ーこれからの美術界を見据えてー
・ギャラリー絵夢5/3(火)?11(金)
http://www.moliere.co.jp/galerie/index.html現代作家美術展

●公募団体ベストセレクション美術2016
・東京都美術館5/4(水)?27(金)※学生以下無料
http://www.tobikan.jp/exhibition/h28_bestselection2016.html2016_bestselection2016_a

彫刻科からフィギュアの原型師に   塚本さんインタビュー

彫刻科の小川原です。今回は新美の彫刻科から芸大に進学し、卒業後はフィギュアの原型師として今まさに活躍している塚本さんにインタビューを行いました。この分野に興味のある人は多いと思います。そんな人達には迷いなくこの世界に飛び込んだ塚本さんの話はとても参考になると思います。なんとなく好きだから、では無く、明確に目標があってここまでやってきた話しには強い説得力を感じます。是非御覧ください。

Q.彫刻科を受験しようと思った理由は何ですか?

一番立体の勉強になりそうな科だと思ったからです。

Q.芸大彫刻科を卒業後、フィギュアの原型を制作する会社に就職されましたが、大学に入学する前からこの仕事に興味がありましたか?また、いつ頃からこの仕事に就くことを考え始めましたか?

小学生の頃から原型師になりたいと思っていました。人体をきちんと作れる原型師になりたかったので、大学受験の彫刻科コースでしっかりと勉強をしようと思い新美に入りました。具体的に受験する大学を決めたのは予備校に入ってからです。

Q.今の仕事の中で、予備校で学んだことが生かされていることはありますか?

受験勉強で行ったデッサン・模刻・構成など基礎の勉強全てが日々の仕事に生きています。また、集中して細部まで詰めていく作業も受験の緊張感の中で培われたような気がします。
1予備校時代作品友人像
新美時代の作品 友人像
2予備校時代作品ニワトリ
新美時代の作品 鶏

Q.予備校時代に努力したことや、苦労したこと、思ったことなど教えてください。また、予備校時代に努力したことや、苦労したこと、受かるために考えていたことなど、それぞれの思いを聞かせて下さい。

予備校時代は模刻がとても苦手で、いい成績を残せたことがありませんでした。すぐ細部に目がいってしまうせいで全体のバランスがうまく取れず、現役の年は1次試験で落ちてしまいました。なので、1浪の年はなるべく大きな面でものをとらえる努力をしました。結果的に、人体にも動物にも素描にもその基礎が大事だったのだと思います。

Q.芸大の彫刻科に入学して、良かったと思う所は、どんな所ですか?また、どの様な点が具体的に今の仕事に役立っていますか?

今の職場は彫刻科の先輩に紹介してもらった所で、働いているスタッフも芸大の彫刻科がほとんどです。芸大に入って一番良かった所は、この場所に来ることができたことです。また在学中も、フィギュアや細かい作業が得意だという事で大英博物館の模型作りを行うチームにも加えて頂きました。沢山のチャンスが転がっているので、時間のある学生のうちに色々な経験を積む事が出来たのが今の仕事に一番役立っていると思います。
1芸大卒業制作
芸大卒業制作

Q.浪人生時代や大学生の時にはバイトはされていましたか?生活面での工夫などがあれば、教えて下さい

浪人生時代や在学中はバイトはしていませんでした。実家暮らしで、趣味でフィギュアを作ってワンフェス(フィギュアの大きな販売イベント)に出たり学外の制作活動に参加したりと自由に過ごさせて頂きました。その時に作ったものを仕事に就く前に参考作品として提出する事ができたので、とても良かったです。

Q.この仕事の内容を詳しく教えて下さい。

発注されたフィギュアを、デザイン画と照らし合わせながらサイズや印象に狂いの出ないように期限内に制作して納品する仕事です。
1ワンフェス出品作品
ワンフェス出品作品

Q.この仕事の楽しいところ、大変なところを教えて下さい。

楽しいところはほぼ全部です。好きな作品のフィギュア制作に携わっているところ、1日中フィギュアを作っていていいところ、出来上がった原型が商品になって流通しているのを見るところなど色々あります。趣味で作るフィギュアと違い、クライアントからの要望にしっかりと応えていかないといけないため自由度はありませんが、目標とするキャラクターに形が近づいていくのはとても楽しいものです。〆切が間近なときや修正作業が多いときなど体力的に大変な場合もありますが、とてもやりがいのある仕事です。
1ワンフェス出品作品1
ワンフェス出品作品

Q.この仕事を目指している人は沢山いると思います。これから受験を考えようと思っている人にアドバイスをお願いします。

私はフィギュアを目標にして立体を勉強し結果的に芸大に入学しましたが、この進み方は間違っていなかったと思っています。大学では特殊な技術の勉強や作品制作の時間はありますが、予備校でやるような美術の基礎は勉強できません。フィギュアとしてデフォルメされた人体を作るにも、骨格や構造を理解して普通に人体を作る技術は大いに役立ちます。ぜひ予備校にいるうちに沢山基礎を学んで、気持ち良く作品制作が出来る技術を身につけていただければと思います。頑張って下さい!

塚本 2002東京芸術大学美術学部彫刻科入学

2006東京芸術大学美術学部彫刻科卒業

基礎科 2016年はじめの石膏特訓!

新美基礎科のはじめの課題は、スタートの3週を使い、首像の石膏でデッサンの基礎を特訓しました。

「面取り石膏」「細かな石膏のディテールを消すように白布で巻いた石膏」そして「実像の石膏」を鉛筆や木炭を使い、どういったプロセスで石膏デッサンを仕上げてゆくのが良いのか。形の取り方や、量感の出し方、そして完成度の出し方について解説しながら課題に取り組みました。

これから基礎科を経て、受験科にいっても、石膏というモチーフは幾度となく取り組まねばならない課題です。何を大事に描いてゆくべきか、これからの1年をかけてぐっと上手くなってゆけるように、頑張ってゆきたいですね!!

今回のはじめの2課題、「面取り石膏」「白布巻き石膏」での成果をご報告。

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面取り石膏

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布巻き石膏

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布巻石膏その2

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大事なポイントを、制作プロセスに沿って確認!

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講評では、お互いの作品の良い点や、問題点を確認しあいながら、次の作品につなげます。講評のメモも大事です!

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基礎科 ☆油&彫刻☆ 1年間の成果

2016年の基礎科ご報告に先駆けて!

2015年度の基礎科油絵コースの作品を紹介したいと思います。

この1年を通して、様々な油の課題をやってきました。その中で生徒自身のやりたい表現や、色々な工夫、新たな表現の発見が出てきたと思います。そしてその表現に向かって試行錯誤できた1年だったと実感しています。物を捉える力や、自分の色彩感覚、モチーフの着目点が十人十色なので一人一人面白い作品が数多くありました。2016年度も面白い作品が増えるよう、頑張っていきたいと思います!作品画像は静物組モチーフの課題です☆

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続いて2015年度、彫刻クラスの作品です。
2015年度の彫刻クラスでは首像や構成・動物などの基本的な課題から、テーマにそったイメージで彫塑をするなど幅広く行なってきました。また、デザイン・工芸志望の生徒が立体的な物の捉え方を学ぶため彫刻を体験をすることも多々ありました。
彫刻科では、立体を学ぶために「構造」を強く意識し理解しなくてはなりません。生徒たちは、知識として学んだり、感覚として実践し、理解が深まるよう頑張って制作に励みました。
粘土をいじりながら、時には関係のないものを作って遊んだりもしましたが、とにかく何かを作ることが楽しく好きなんだなということが作品を通して伝わってきます。受験になると楽しいことばかりではないかもしれませんが、基礎科のころ初めて粘土を触った時を思い出し、基礎科で学んだことを生かし、頑張って欲しいと思います。

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