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彫刻科 1学期も残りわずか

彫刻科の氷室です
いよいよ1学期も残りわずかになりましたね。夏期講習に入ると、さらにカリキュラムが濃密になり、受験まであっという間だなという印象があります。
新美では色々な課題に挑戦してきました。その成果もあり、1学期後半から昼間部生も夜間部生も、実技が1歩伸びている様に感じます。
今週末に行われる合同コンクールもその成果を出せる機会なので、みなさん頑張ってください!

ここで1つ、舟越保武さんと佐藤忠良さんの対談集から、面白いなと感じた文を紹介したいと思います。

舟越さんー
後ろがたいてい、いい加減になってしまうという傾向が僕はもともとあったから、最近は人の顔を作る時には後ろを先に決めちゃう。前にかかると、どうしても後ろがおろそかになっちゃうからね。後ろから見て、ああ、似ているな、と思うように作る。
だから街の中の雑踏で、知らない人の後頭部を見て、今作っている首の人に良く似たおじさんだな思ったりすることがあるんだ。後頭っていうのはそんなに意識の中では記憶にないはずだけど、この後頭は今作っている男と首と同じだな、と思ったりする。後ろには目も口も鼻もなにもなくて、ただ凹凸だけあるけれども、無意識の中によく見てるもんだね。前へ回ってみると、だいたい同じ様な顔をしている。
省略
佐藤さんー
彫刻っていうのは終始デッサンだけで組み合わせていってるだけと言ってもいいと思うんだ。塑像の場合は土でデッサンをしている。とったりつけたりの自由がきく分だけ試行錯誤の繰り返しも多いが、色彩頼みのできない分だけ粘土の不愛想さと闘うよりしょうがないものな。

という内容です。
みなさんがまさに、予備校で直面している、また考えなければならないことを、お二人も真剣に考えていらっしゃったのだなと、また、巨匠と呼ばれる方を身近に感じた瞬間でした。

さて、ここからは作品の紹介です。今回は3点あります。

グレー色の紙に白い描画材を基本に使い、石膏デッサンをしました。
普段描く石膏デッサンとは逆で、光が1番強くあたっている形から描き起こしていきます。普段は残しておく部分にもしっかり形があることが分かりますし、光がどの様に当たっているのかを別の角度から再度認識することができます。
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粘り強く丁寧に、形に反応して追うことが出来ています。しっとりと、そこにある形を感じます。印象も似ていますし、このデッサンを見ながら、模刻が出来そうです。

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アムールは、動きが静かでなかなか難しい像だと思うのですが、動き、構造、量感 この3大要素をしっかり感じさせる彫刻的な眼で捉えた、優秀な1枚です。寡黙に像の力強さを語っています。

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この作品は現役生の作品です。模刻、字のごとく、です。まずは、しっかり観察して見えた様に作ってみる。知識も大切ではありますが、色々な角度から見て、そこにあるモチーフに素直に反応していく。この基礎が最後にはものを言います。どんなに慣れてきても、どんなに作れる様になっても、いかに新鮮に対象を見ていくか。そこに見る人は反応するのではないでしょうか。
このブルータスの模刻も、作者の真剣さを感じますし、とても魅力があります。知識量では浪人生にかないませんが、素直に見てここまで作れるパワーには頭が上がりません!

今回は、以上です。

次回のブログ更新の時にはもう夏期講習に突入していますね!夏期講習が、1番伸びる時期です。
新美では、模刻における心棒の作り方や、見方などはもちろん、様々な課題に於いて、再度基礎を確認し、必ず上達できる夏になる様にカリキュラムを作りました。
夏期講習は、7月20日からのスタートです。
(各課題の底上げ実力アップを目指し、6期に分かれてカリキュラムが組んであります。詳しくは新美のHPで確認できます)

ここで一気に上達すべく、攻めの夏にしていきましょう!!

次回のブログ担当は稲田先生です。

モチーフの色彩描写、簡単デモンストレーション。

総合コースの滝口です。

じめじめと梅雨の終わり際で、カラッとした天気がなくて外へ出かけられず、室内で黙々と過ごしがちですね。
そんな時期だと、意外とちょっとした描写の練習や学科の勉強も出来て、逆にしっかりと力をつけるのには良いかもしれないですね。

なので、前回総合コースのブログでは、手のデッサンについて描きましたが、今回は色彩の描写について書いてみたいと思います。

授業のモチーフで出したクロワッサンがあったので、それを簡単な手順で説明してみたいと思います。とってもシンプルな手順です。

先ずは、下描き。難しい角度ではなくて、クロワッサンの分かりやすい形を見せて。

モチーフを描く絵の具の準備。ポイントは色幅でしょうか。濃淡だけにならないような工夫があると良いですね。後は、事前に使いそうな色を作っておくのも大事。

一気に全体を塗って行きましょう。この塗りの段階で大体5分程度でしょうか。塗りすぎて色が見づらくなるのも注意です。薄塗りとちょっとした厚塗りも両方入れています。実際の塗って行く行程は、是非デモンストレーションで。

次は、立体感を意識してみて、陰や反射光をつけています。アクリルガッシュは塗り重ねると鈍くなるので、それを活かすのと同時に注意も必要。必要以上に塗りこめないように。

これまでがベースで、ここから細かい描写へ。描き場所を押さえるのが大事です。そのポイントも指導でしっかり教えます!!

最後は影とか回りをきれいにしておおよそ完成です。細密描写だと、ここから更に細かい部分も書いて行きますが、芸大デザイン科では、モチーフの数も多いのでパッと見の感じが大事です。
ここまでで、20分位でしょうか。時間を短縮して描く訓練が必要です。

そんな描写の練習ですが、ここで学生の描写も紹介。
下のユリは、放課後学生が練習した1回目の描写です。色は良いですが、絵の具を多く乗せすぎたり、形がズレてしまってます。

これが指導後の描写。色々なポイントが的確に描けています。とにかく練習が大事。この時期にどんどんテクニックを身につけて行きましょう!!

僕も描いてみました。希望があれば、何度でも描いてデモンストレーションしますよ。

それでは、夏に向けてしっかりとした基礎力を磨いて行きましょう!!

国立校です。

国立校江上です。

チラシ・16夏/オモテol

7月10日の1日体験講習まだ間に合います!!

無料ですので、気軽に参加しましょう。
夏期講習会も待っています。

高校1年生&2年生のこの時期は、目指す専攻が決まっている人も、まだまだ迷い中の人も様々います。
迷っている人のためにも新美の基礎科では興味が湧いた課題は、誰でも体験出来るようなシステムになっています。

今回はデザイン系の課題、平面構成です。
LKカラーという紙をモチーフに、発見した「おもしろい」と思った要素を、絵にするという課題です。たくさんアイディアが出た中から、ひとり2つ選び色彩構成してみました。

はじめての平面構成だった人も多かったですが、みなさん楽しんでアイディアを形にする事が出来ましたね!

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映像科:木金度コース授業&プレ夏期講習(7/7.8.10)

こんにちは。映像科の講師の森田です。
一学期も後半戦。木金度コースではこの3週ほど、感覚テストや小論文の対策を行っています。

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そんな中、先週の金曜日は映像科でクロッキーをしました。モデルは交代で、こちらからシチュエーションを設定してポーズをしてもらいます。普段の画用紙の課題よりも活気があった気がします。単純に大きいサイズの絵を思い切り描くのは楽しいですね。講評では全員の壁に貼ってみました。授業後はおのおの気に入った絵を撮影したりなども。

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◎お知らせ
新美のwebの方でも告知されていますが、夏期講習の前の恒例のイベント「プレ・夏期講習」! 映像科も行います。今年は新たな試みとして、木金日コース生以外もオープンに受講できる『武蔵美映像学科・実技模試』を行います!!スケジュールは…、
・7/7(木)17:30?20:30:小論文or鉛筆デッサン 制作(どちらか選択)
・7/8(金)17:30~20:30:感覚テスト 制作
・7/10(日)9:00?16:00:講評会(小論文、鉛筆デッサン、感覚テスト)?映像系学科入試説明会

という予定です。「模試」と銘打ってはいますが、対策はまだこれから、という人も気軽に参加してください。また「3日間フルで参加できない」という人もぜひご相談ください。

ちなみに「感覚テスト」「小論文」はそれぞれ前回までのブログにも評価のポイントを書いてみたので読んでみてください。「鉛筆デッサン」は武蔵美の傾向を踏まえて、オーソドックスな描写力を重視した出題になります。
皆さんの参加をお待ちしています!