カテゴリー別アーカイブ: 新美

「現代のグラフィックスに見る日本の美意識」

デザイン科総合コースの滝口です。
リオ・オリンピックも白熱していて、熱い暑い夏が進んでますが、体調に気をつけて残りの夏期講習をやり切りましょう!!

今回は、芸大デザインの平面構成の課題で、資料とその要素を使った構成を行い、その資料がとても勉強になる内容でしたので紹介してみたいと思います。

デザイン科総合では多くのデザイン資料を揃えていて、その数だけでなくしっかりと内容にも目を通して欲しく、またその活用の仕方も有効に出来ないかと考えていました。
その中で見つけた記事で「現代のグラフィックスに見る日本の美意識」というのがあり、この記事は現代と言っても95年発行の記事でもう20年以上も前ですが、日本人の持つ美意識を体系的にまとめているので、決して古くさい感じで無く、今でも十分活用出来る内容だと思いました。

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今のデザインの書籍等でも、こういう風にデザインを基礎的な視点でまとめて行くような記事もあまり見なくなっているので、10項目に分けていて色々と気づかされる内容です。
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グラフィック作品例では、このように挙げられていますが、この作品ページたちがどの項目なのか是非考えてみて下さい。

勿論日本だけでなく世界のグラフィックデザインの資料も揃えています。
「Graphic Design 20th Century」という結構分厚い資料もあって、こちらは20世紀グラフィックデザインの代表的な作品が、時代のスタイルごとにまとまっています。
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(上は別の資料)
何か自分の平面構成のスタイルのきっかけになるようなものが見つかるかもしれませんね。

そんな夏の楽しめる課題で、みんなの作品も内容的に凄く面白くやり切った作品も生まれていて紹介したいところなんですが。。。
みんな受験生で個人個人研究している真っ最中なので、載せられないのが残念です。

色んな研究や刺激を与えながら、夏に大きなきっかけを見つけられると良いですね。
楽しみながら、頑張って行きましょう!!

映像科:夏期講習・2016②

こんにちは、映像科講師の森田です。
夏期講習も半分を過ぎ、集中して課題に取り組んでいます。
今回はⅢ期の推薦入試対策コースの様子を紹介します。

このコースの前半では「自分にとって『作品』とは何だろう?」ということを考えるべく、「1枚の写真」または「編集なしの1本の動画」だけで制作するという授業をしました。映像についてはここでは紹介できないですが、撮影のアイディアだけでなく、展示や上映の方法なども色々な展開が見られました。

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武蔵美映像学科の推薦入試、ディレクション資質重視型/クリエーション資質重視型の対策は、渡されたキーワードからひとりずつができる限り沢山のアイディアを出し、それを元にグループでディスカッションします。最終的にそこで話し合った内容を作品として実現化するところまでが課題です。

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コースの後半では、去年の夏期講習でも行ったポートフォリオ制作についてのレクチャーと進捗状況報告のプレゼンテーション。またこの日は昨年クリエーション資質重視型で合格した先輩が、ポートフォリオ制作の進め方や推薦入試に向けた夏期から二学期の過ごし方についてなど、アドバイスに来てくれました。

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さて、夏期講習はまだ続きます!
連日の講習で疲れの出る時期ですが、なんとかがんばって最後まで乗り切りましょう!

夏期講習 基礎科 油絵ダイジェスト!

基礎科新宿校の油絵コース。

静物課題を中心に、「静物+イメージ 課題」「人物課題」に挑戦しました。
まだまだ完成度は足りませんが、毎日油絵の具に触れてゆく中で、それぞれの視点で構図や描き方が少しづつですが出来上がってきました。

夏休み明けもますます進化して、良い作品が出来てくるのを期待しています!

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頑張っている皆んなの制作風景もおまけ。

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オイル(画用液)について④ ダンマル編

こんにちは。油絵科の関口です。夏期講習もあっという間に半分が終わってしまいましたね。なかなか作品がうまくいかず、落ち込んでいる人もいると思いますが、この時期の失敗は今後の制作の糧になると思いますので、気にしないでドンドン制作していきましょう。

さて、講習会中にある学生からダンマルの作り方を聞かれましたので、今回は溶き油で使うダンマル樹脂溶液を作ってみたいと思います。
「そもそもダンマルって何?」とか「ダンマルの存在は知ってるけど、どういう時に使うの?」という人や「オイルって色々あってよく分からない…」という人も多いと思います。詳しい内容が知りたい人は、以前書いたオイルについてのブログを参照して下さい。

オイル(画用液)について①
http://www.art-shinbi.com/blog/20141215/

オイル(画用液)について② ?カテゴリー編
http://www.art-shinbi.com/blog/20141222/

オイル(画用液)について③ テレピン編
http://www.art-shinbi.com/blog/20150330/

画材屋さんに行くと、ダンマル樹脂の塊が売っています。これをテレピンに溶かしたのがダンマル樹脂溶液です。瓶入りでメーカーさんの方で溶かしものも売っていますが、自分でも簡単に作れるんですよ。
まず用意するもの。IMG_4913
ダンマル樹脂、テレピン、広い口の瓶、ストッキング、秘密兵器、じょうご。画材以外は全て100円ショップで揃えました。あと写真には写っていませんが、空になった油の瓶(狭い口の瓶)も必要です。

分量は、容量比(おおよその体積比)でダンマル樹脂1に対し、テレピンは2?3です。わざと少し濃いめに作って、後でテレピンで薄める事も可能なので、分量はザックリで大丈夫!

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これがダンマル樹脂。ちょっと美味しそう?どんなにお腹が空いても食べるのはやめといた方が良いと思いますよ(笑)。ちなみに、ダンマル樹脂は中にゴミや不純物が混ざっている事が多いので、ストッキングで漉すのが良い…とされています。

ストッキングダンマル
ストッキングにダンマル樹脂を入れ、テレピンの入った瓶に入れます。ストッキングは伸びるので瓶に履かせれば準備完了。この時、瓶の底にくっつかない様にするのがポイントです。

 

ダンマル1:テレピン2 の分量なら1日で溶けますので、そのまま放置し、全部溶けたらじょうごを使って口の狭い瓶に入れて完成です。(広い口の瓶はそのまま使うとベタベタしてしまい、非常に使いにくいんです)IMG_4930
溶ける前と比べると透明度が落ちていますが、ダンマルはこれ位の透明度が標準的です。

 

あと今回はもう一つ、やり方を紹介します。
というのも、ストッキングは男子には中々手に入れにくいですよね?
そんな君のために、今回は秘密兵器(上のモザイクのやつ)を用意しました。それは100円ショップで売っていた、糸付きお茶パック。これなら簡単に出来るかも…と思い、早速作ってみました。ストッキングよりも目が細かいので、ゴミもバッチリ取れそうです。IMG_4916
ただ、一つのパックに入る量は少ないので、二つに分けて作ってみました。ダンマルを入れたらお茶パックの口の部分の布をちょっとひっくり返すだけなので、とっても簡単です。
これも瓶の底につかないように気をつけて下さい。

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翌日には見事に溶けていましたよ。あとゴミもこんなに…。このやり方は初めて試したんですが、実践してみて結構良いと思いました。恥ずかしがり屋の男子にはオススメです。

 

※オーソドックスなやり方は、ガーゼと糸を用意し、蓋に穴を開け、ガーゼに包んだダンマルを糸で縛って蓋の穴を通して、割り箸で固定する…というものです。あ?面倒臭っ(笑)。

どのやり方でも割と簡単にできるので、皆さんもお試しあれ。

彫刻科 石膏デッサン集中特訓。

こんにちは。彫刻科の小川原です。もう暑くて暑くて、自分の制作場所はエアコンがないので、暑さとの戦いですが、予備校のアトリエは冷暖房完備で快適でいいな?。大学に行くと彫刻科はそうもいかないので、根性を鍛えておかないとダメですね。

さて、新美彫刻科の夏期講習は石膏デッサン集中特訓コースに入っています。ここまでの作品でなかなかいいなと思ったものを紹介します。割りと数があったのですが、今回はバリエーションということで2人づつ違う人のを見てもらおうと思います。

ヘルメス。
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ドラマチックな光源設定が格好良いです。顔もよく似せて来ていますね!切断面の形が単調になってしまっているのが惜しいところですが、実力を感じさせる1枚です。

1現役生の作品です。粘り強い探りが魅力的です。探ってできた表情がヘルメスによくあっていますね。頭部の空間がもう少し背景に抜けてくれると更に良かったと思いますが、現役生らしからぬ完成度の高さに驚かされます。

ジョセフ。
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上手いです。ここまでくると特に言うことはないです。この作品がどうこうと言うより、このレベルで安定出来れば回りは絶対追いついてこれないと思います。がんばろう!

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この人だから描けるこのデッサン。という感じの個性のあるデッサンです。実際に触っていくような探りが見ている側も触覚的な感覚で見させられます。どんな像でも最終的には「魅力」があるかどうかが大事なので、見失わずモチーフと向き合って下さい。

さて、僕もまた描きました。ブルータス。
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描き出しでは徹底して構図やプロポーション、動き、全体の印象、明確な光源設定を心がけましょう。上手い人ほどこれらの要素を同時に高いレベルでコントロールできます。逆に慣れないうちは多くのことを同時に考えるのは難しいですが、何かが抜けている状態で進めてしまうのではなく、上の項目がきちんとできているかは一つ一つ確認しましょう。出だしがうまくこなせるかこなせないかがほとんど全てだと思います。

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ガーゼを使って空間を出していきます。ベースとして全てがザラ目では奥行きが出ないので、場所に応じておさえ方を変えながら質を変えていきます。

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ガーゼでつくったベースの上にどんどん形を構築していきます。顔は100%似せましょう!顔はデッサンの命です!顔がショボいと評価する側も萎えてしまいます。僕はこの段階で光と陰が響き合いを持つように心がけています。あと、これは自分の作品の方向性として、見ているモチーフはあくまで石膏像なのですが、描いている作品は本物の大理石のブルータスをイメージして描いています。「リアリティ」に対する考え方として、目の前にあるものが答えではなく、もっと上のものを目指しているのです。
ちなみに本物のブルータスを見たことはありません!!  笑

完成
完成です!隙のない完成度を目指します。製作時間は3時間です。最近描く速さが以前より速くなり、かつ正確になりました。手の動きは音速を越えようとしています。 笑

さて、夏期講習も折り返しです!夏の暑さに負けず、どんどん上達していきましょう!受験は夏が勝負です!