カテゴリー別アーカイブ: 新美

芸大デザイン・工芸科

こんにちは。芸大デザイン総合コースです。

通常授業に加え、5月はイベント目白押しです。

 

 

先日は、芸大デザイン・工芸科昼間部で、大作週間がありました。

生徒たちが自らモチーフを選んで組み、4日間かけて普段より大きい画面サイズで描き上げます。

 

 

夜間部の時間に新美講師による、芸大、私立美大大学説明会が行われました。

スライド投影し、それぞれの科のカリキュラム、入試作品、学生作品、OBの活躍、科の雰囲気など特徴をプレゼンテーションし、志望大学のイメージをつかめるきっかけになればと思います。3時間かなりのボリュームでしたが、充実した内容でした。

 

 

油画科講師による石膏デッサン講座も開かれました。

生徒も熱心に聞いています。パースや形のとらえかたなど、新しい気づきや、おさらいなど出来たのではないでしょうか。

 

 

6/11(日)は、トートバック制作、ワークショップがあります。

キャンバス地のトートバックに布用絵の具で、グラフィックを制作します。

あなたの日常のもの、ことをデザインし、厚紙にカッターで形を切り、型紙としてステンシルの要領で絵具で塗ります。完成品はそのままお持ち帰り頂けます。

バベルの塔

こんにちは。油絵科の関口です。
陽射しが眩しく、汗ばむ様な気候になりましたね。

さて、皆さんは東京都美術館で行われているボイマンス美術館所蔵、ブリューゲル「バベルの塔」展はご覧になりましたか? 僕はつい先日、何とか時間を作って行ってきました。

この「バベルの塔」は実に24年ぶりの来日という事ですが、僕は前回の展覧会も見に行った記憶があります。その当時、池袋の西武百貨店に「セゾン美術館」という美術館があり、ブリューゲルのバベルの塔が来ているというので、それを目当てに見に行ったのです。当時はそんなに混雑しておらず、間近でじっくりと見る事が出来ました。


実はウィーン美術史美術館に、もう一点ブリューゲルの描いた有名なバベルの塔があり、当時こちらの方は図版で見た事があったのですが、ボイマンス美術館の方は知りませんでした。

本物を見た当時の印象は「かなり小さい作品なのにスケール感がすごくて、もの凄く緻密な作品だなぁ」という感じでした。
僕の中ではブリューゲルというと、風刺画や寓意画の様なイメージが強く、形もモコモコした印象が強かったので、余計に「かなりキッチリ描いている」という印象が残ったのかもしれませんね。

さて今回の展覧会、雑誌やネットなど様々なメディアで紹介されているせいか、場内はかなりの混雑でした。展覧会としては、ボッシュの油彩2点と、ブリューゲルのバベルの塔が目玉で、正直その他はオマケ的な感じでしたが、3DのCGを使った映像や、場内に設置された大きな曲面に貼られたバベルの塔の複製、東京藝術大学COI拠点による300%拡大の複製など、バベルの塔のプレゼンとしては興味深いものがありました。

あと、以前から個人的にこの絵の中でちょっと疑問に思っていた点がありました。「塔の左側にある赤っぽい部分と、白っぽい部分は何なんだろう?」「光の設定かな?」とか漠然と思っていましたが、実際は絵の中でレンガを運んでいる時、粉末になってあちこちに付いているところが赤く描かれ、漆喰を運んで袋から溢れているいる所が白く描かれているのだとか。う?ん、芸が細い!確かによく見ると、滑車の様な道具を使って何やら運んでいる様子が伺えます。白っぽく描かれた人は漆喰の粉を被っているんだそうです。その辺が場内の映像の中で解説されていて、長年の謎が解けてスッキリしました。

それから今回の展覧会に合わせて、漫画家の大友克洋さんがバベルの塔の内部を想像して描いたINSIDE BABEL(インサイドバベル)という作品を手掛けています。4月位にネットでその動画を見たのですが、「童夢」や「AKIRA」をリアルタイムで読んでいた世代として、大友克洋さんの動いている姿を見る事が出来て、それだけでちょっと感動してしまいました(笑)。気になる人はインサイドバベルで検索してみて下さいね。

 


あと、前回も少し触れましたが、6/5(月)から新美ギャラリーがオープンします。新美生は毎日そこを通って、暫くのあいだ僕の作品を見る事になると思います。…そう思うと、さすがにちょっと緊張しますね(笑)。大学生になって既に新美を卒業した人や、外部の方もご覧になれますので、興味のある方は気軽にお越し下さい。
あと6/18(日)の11:00よりギャラリートークも予定しております。どうかお楽しみに。

国立校 合格体験記 その②

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国立校です。

先週に引き続き
今年美大生になった学生の合格体験記と作品を紹介します。


上村 結

武蔵野美術大学工芸工業デザイン 現役合格
武蔵野美術大学空間演出デザイン 現役合格

あこがれのムサビに合格して。

私は高校2年生の冬期講習会から新美の国立校に通い始めました。
基礎科時代では無知な私に先生方がイチからゆっくり教えてくださり、「デッサンてこんなに楽しいんだ!」と思ったのを覚えています。

しかし、受験科に上がると友達との実力の差に落ち込み、焦ることもしょっちゅうでした。
実技模試もなんとなく参考作品をアレンジしてみるか、オリジナルのを編み出すか、、曖昧な状態で挑み、その結果は最悪でした。特に私はなかなか自分のスタイルを定めることが出来ずに苦しみ、冬期講習中盤頃まで葛藤の毎日。
そんなときに先生に相談すると親身になって良い作品を仕上げるコツやアドバイスをしてくださいました。それからは本当にこれでいいのか、、?とモヤモヤすることも正直たまにありましたが、枚数を重ねるにつれて徐々に自分の作品に自信を持つことが出来ました。
そしてそして入試本番は自信を持って臨むことができ、無事合格することが出来ました。

最後まで私のスタイルを尊重しつつ、さらに実力を異常なまでに伸ばしてくださった先生方には凄く感謝しています。

本当にありがとうございました。

 


武蔵野美術大学工芸工業デザイン 入試再現作品


授業作品

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授業作品

[講師コメント]
高3になってからは伸び悩んだ時期もありましたが、冬期講習以降は一つ一つの課題に自らテーマを持って制作しながら確実に上達していき、入試直前は安心して見ていることが出来ました。
結果はかなりの高得点(特に平面構成は)で合格できたようです。
大学生活も始まったばかり、これからも魅力ある作品づくりを期待しています。


現在国立校では合格者作品展示をしています。

誰でも自由に観覧できます。気軽に立ち寄ってみてください。
無料体験入学進路相談も受付けています。

ena新美 国立校 042-577-1117

 

彫刻科 近況&お知らせ

こんにちは!彫刻科講師の稲田です。5月も終わりに近づいてきましたね。彫刻科では新学期はじめからの基礎課題も一段落しました。それぞれに自分の課題が明確になってきたのではないかと思います。停滞気味な気分になる季節ですが彫刻科は夏まで全力で走り抜けましょう!!

今回紹介する授業作品は「頭蓋骨の模刻&自刻像」です。
自刻像やモデル首像でよく指摘される問題点として骨格感の欠如や歪みがあります。生徒のみなさんも指摘された心当たりがあるのではないでしょうか?表面の下にある骨や筋肉を想像しろと言葉で言われても実際は中々難しいものです。人体彫刻では形を構成する重要なポイントである骨格感は絶対に外せません。なので今回の課題では、まず頭蓋骨の模刻を行い、それをとなりに並べながら骨格、筋肉を肉付けするように進め自刻像を制作しました。

Hさんの頭蓋骨模刻と自刻像

Sさんの頭蓋骨模刻と自刻像

H君の頭蓋骨模刻と自刻像

3人ともこれまでの自刻像よりも自然な佇まいの魅力が増していますね!土台のしっかりした骨格感から魅力のある表情にまで到達しています。表情の豊かさは表面的な形の作り込みだけでは現れません。大部分は骨格感とパーツのバランスです。この感覚を大切にさらに磨きあげましょう!!

僕は学生時代よく首像の参考に舟越保武、シャルル・デスピオの作品をみていました。2人の作品に共通するのは見る人を安心させる骨格のバランスを作品に取り入れているところではないかなと感じます。2人の作家の首像からみなさんは何を感じるでしょうか?作品集でもいいですが実際に作品をみる機会があるといいですね。シャルル・デスピオは箱根彫刻の森美術館に作品が収蔵されています。舟越保武は岩手県立美術館に多くの作品が収蔵されています。

 

最後に彫刻科から2つのイベントのお知らせです!!
過去のブログでも告知していますが再度お伝えします。

彫刻科では6/4(日)に1学期全国公石膏デッサンコンクールがあります!
*参加費は無料。本番用木炭紙は支給。当日はカルトン、木炭デッサン用具を持参してください。
停滞しがちな1学期中盤に夏までの課題発見、目標設定に学外生の方も大歓迎なので気軽にご参加ください。

6/11(日)はワークショップ「手を型取りして描いてみよう!」を開催します!
*こちらも参加費無料。鉛筆デッサン用具を持参してください。

どちらのイベントも詳細は過去ブログ記事「彫刻科イベント」を参照お願いします。
イベント参加予約は過去のブログ記事内の予約フォームか新美ホームページ内の予約フォームからお申し込みください!!

デザイン総合コース 2017.5.8 対談 vol.2

デザイン総合コース 2017.5.8 対談 vol.2

 

参加者 増田 新宿校 デザイン総合コース副主任
川村 東京芸大デザイン科2年 新宿校デザイン総合コース講師
川名 東京芸大デザイン科2年 新宿校基礎科講師
武田 国立校校長 デザイン総合コース主任

 

テーマ 受験勉強で大切にしたいこと

 

前回に引き続き学生講師のお二人と対談した内容をQ&Aでお送りします。
今回は、川名くんです。

 


川名:東京芸術大学デザイン科二年の川名です。新宿校で基礎科を担当しています。よろしくお願いします。

 

Q1. 芸大を目指したきっかけはなんですか

A.川名:元々絵を描くの好きだったので、美大に行きたいと思うようになりました。
他の大学も考えていたんですけど、金銭的に余裕がなかったので学費が安く、制作環境の充実している芸大に一番魅力を感じて第一志望に決めました。

 

Q2. 受験勉強を振り返って(受験勉強は順調だった?)

A.川名:全く順調とは言えなかったですね(笑)最初に受験科になった時は、ベタ塗りの課題で色面を半分も埋めることができなかったり基礎科との制作時間の差に驚いていました。シンビは講師と生徒との距離感が近かったので、気軽に質問できたり、授業後も相談する時間が多く取れたので上達しやすかったと思います。

 

Q3. 受験時代の作品について

A.川名:僕は元々他の人と比べて一度にできる仕事量が少なかったので一つのモチーフにかける時間の配分に気を付けていました。一からモチーフ構成をしなければならない構成デッサンは他の石膏デッサンや静物デッサンに比べて一見難しいように感じるんですが、逆を言えばメインのモチーフに時間を最大限掛けられるので、足りない観察力を時間配分と構成で補っていました。

 

 

Q4. 上達のきっかけは

A.川名:最初デッサンで大事なことは、まずシルエットや形を合わせて、次に明暗を分けて、最後に稜線やキワを描くことだと思っていたんです。でも講師の先生のデモンストレーションを見ていたら、“もしかしたら稜線が大事なんじゃないか”と思って、入試直前に描き方をガラッと変えてみたんですよ。そしたら稜線を最初に描くだけでシルエットや形だけじゃなくて、固有色や空間まで出せることに気に付いたのでそれからはその描き方で進めることにしました。
入試の直前も直前で描き方を変えるのはどうかと思ったんですけど、結果的にはいい方向につながったと思います。

 

Q5. 入試のこと

A.川名:ひょっとこが出た時はびっくりしましたね(笑)でもそれが最終的に石膏像を描いてる人たちと比べられると思ったら気が気じゃなかったので気合を入れて描きました。本番も対策の時と同じで時間配分に気を付けようと思ったので、PPロープや手を描くことも意識しつつメインのひょっとこに1番時間をかけられるようなに構図と時間配分に気をつけました。お昼の時間はイーゼルにお面を掛けてにらめっこしながらご飯を食べてましたね(笑)

 

Q6. 講師になって、教わる側から教える立場になって気づいたこと、考える事はありますか?

A.川名:僕は二浪したので、だいぶ予備校的な考え方が強いまま講師として入ったんですが、基礎科の生徒たちは自分が感動したことや楽しいと思ったことをそのまま絵にしてくれるので、すごく新鮮な気持ちになりますね。基礎科自体としては既に力のある子たちが多いので、みんなで刺激しあってとてもいい盛り上がりを見せていると思います。

 

Q7. 受験生にアドバイスはありますか

A.川名:高校生はいつも教えているので、特に浪人生になんですけど、“自分は自分、他人は他人”で自分は何ができて、逆に何が出来ないのかをよく見極めることが大事だと思います。講評を重ねるとよく他の人と比べることが多くなってくると思うんですけど、自分の場合そういうときはびっくりするくらい成長しなかったので、自分のいいところを見つける努力が大切かなと思います。