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パスタ×版画?!

こんにちは。油絵科の関口です。先日より新宿校1階にギャラリーもオープンし、新美もイメージがガラッと変わりましたね。僕も新たな気持ちで授業に挑んでいます。

さて、皆さんは「版画」と言った時に連想するのは何ですか? やはり小学校の時にやった、彫刻刀で掘る木版でしょうか?中には年賀状を刷ったことがあるのでゴム版という人もいるかもしれませんね。昔の学校だとガリ版刷りのプリントというのもありましたが、それも版画です。でも今の学生には馴染みがないかもしれませんね。
美術を専門的に勉強しようと思った時、最初から版画を選択する人は少ないのは、今迄の人生の中であまり触れたことが無いからかもしれません。かく言う僕も、版画は殆ど未知の領域。
そこで今回は、基礎科講師の根本先生に話を聞いてみる事にしました。
根本先生は芸大油画専攻に入学。学部の途中から版画に興味を持ち、大学院では版画を専攻。今年大学院修了したばかりの先生です。

 

版画について
版画は中々馴染みがない人が多いと思うんですけど、実際やってみると奥が深くて結構楽しいんですよね。大学だと触れる機会があるのかもしれないですけど、一人でも多くの人に版画というメディアを体験してもらいたくて、今回のワークショップを考えました。

版画の種類について
版画は厳密には色んな種類や技法があるんですけど、すごい簡単に説明すると4種類になります。
①木版などの凸版。(出っ張った面にインクが乗る)浮世絵の北斎など


②銅版などの凹版。(引っ込んだ溝の部分にインクが乗る)ヤンセンなど


③シルクスクリーンの孔版。(シルクの穴を通ってインクが出る)ウォーホルなど


④リトグラフの平版。(石板や金属板などの平面に描いたものがそのまま版画になる)ミュシャなど

今回やるのは、原理的には②の銅版画に近いんですけど、より簡単に出来るようにツルツルの紙を版にしていきます。分類的にはペーパードライポイントって言います。多分皆もやった事の無い技法だと思うんで、是非体験して欲しいですね。

パスタマシーンについて
凹版は刷る時にプレス機が必要になるんですけど、大抵は大学とか設備の整っているところにしか無いですよね?そこでパスタマシーンの登場です。
このパスタマシーンが何とプレス機になるんです。金額も比較的安いので、自宅でも導入できて手軽に版画を楽しめるのが魅力ですね。結構ちゃんと刷れますよ。

版画の魅力について
版が間に入る事によって間接的な表現になったり、図像が反転したり、自分でも思い掛け無い事が起こるところですね。自分の手だけでは作り出すことの出来ない表現が可能になる事もあります。
作品が複数枚出来るのも良いですよ。同じ版でも紙の種類を変えるだけで、違う風合いになりますしね。
それに印刷だと4色のインクで表現できる色に限界があって、どうしても出せない色が出てくるんですけど、版画はそういう色に縛られないので、微妙な色や絶妙な色が出せるんですよ。こだわり派にはもってこいなんです。

あと版画と触れる機会が少ないと、気付きにくい事かもしれないんですけど、結構色んな表現が可能なメディアなんですよね。文字や写真、パソコンだって使えるんですよ。さっき関口先生が言っていたガリ版もジブリの「コクリコ坂から」にも出てたんですけどね…。
アナログからデジタルまで結構色んなことができるので、油絵、日本画、デザインを勉強している人はもちろん、イラストを描くのが好きな人にもオススメです。

 

版画について根本先生と話をしている内に、あっという間に1時間が過ぎていました。パスタマシーンで版画ができるなんて、ちょっと意外ですよね。聞いている内に興味が湧いて、僕もやってみたい気持ちになりました。
このブログを読んで興味を持った人は来週 6/18(日)に開催しますので、是非申し込んでみて下さい。
http://www.art-shinbi.com/event/2017/summer-workshop/workshop-W07.html

神奈川が近い渋谷校。夏期講習会は渋谷校で。

こんにちは渋谷校です。

今日は横浜の高校に用事があって行ってきました。

神奈川は色々なロケーションの高校があって、今日行ったうちの1校は中華街の門をくぐった中に入り口のある横浜らしい高校でした。この高校からは昨年、道木君という学生が通っていました。夏期講習会からの半年という短い期間で見事、道木君は多摩美へ合格しました。

美大を目指して半年たったぐらいの頃の道木くんの作品です。結構やります。

このようにまだまだ受験生にはチャンスはありますので、3年生でも、もちろん高2、1年生も夏から美大受験を新美の渋谷校で始めてみましょう。

 

もちろん東京の近場の学生だけではなく、神奈川や横浜なども結構通いやすく、神奈川の高校生がいっぱい渋谷校にはいますので、ぜひ無料体験や1日体験を試してみてください。

http://www.art-shinbi.com/event/oneday/saturday.html 1日体験はこちら

https://pro.form-mailer.jp/fms/bf6495bc76130 無料体験はこちらから。

また、高校の先生からお問い合せ等あれば説明会など高校で行うこともできますのでお気軽にご連絡ください。

 

新宿校 ギャラリーオープン!!

本日より新宿校のギャラリースペースがオープンしました!

学生も戸惑いながらも、早速展示を見ています。


1回目の展示は、油絵科主任の関口先生の作品です。会期は6/20まで。
6/18(日)の11時からは先生にギャラリートークもしてもらいます!ぜひご来場ください!


エントランスの展示は、彫刻科主任の小川原先生の作品です。

新美のギャラリー・オープンスペースは、作品展示はもちろん、学生の皆さんがくつろいだり、食事をしたり、自由に使えるスペースです。
アートに囲まれた空間で、目標に向かって頑張りましょう!

6月はイベント盛りだくさん!校外生の方のご来場もお待ちしています!

http://www.art-shinbi.com/event/2017/summer-workshop/ サマーワークショップ

http://www.art-shinbi.com/event/oneday/  1日体験講習

 

彫刻科 近況

彫刻科 昼間部講師の氷室です。
いよいよ1学期も折り返し地点を過ぎました。
明日は、新美彫刻科 無料公開コンクールが開催されます。
この時期に6時間でデッサンを完成させるのは難しいかもしれませんが
現段階の力を試すチャンス
これからの課題を明快にするチャンス
ですね!
参加者の皆さんの健闘を祈ります!

そして彫刻科で新たに『岩野 勇三』さんの画集を購入しました!!みなさん、是非実技の参考にしてみてください!

そしてそして、いよいよ6月14日から国立新美術館で、『ジャコメッティ』展が開催されます!!!

いつでも 成功よりも失敗のほうが一層大きい
あるいは 私の成功は 失敗に等しいかもしれない
私は 何かを作るために仕事をしているのか
それとも 作りたいと思ったものを 何故、私は作り得ないかを知るために 仕事をしているのか
どちらだか 私には分かりません

ジャコメッティの言葉より

この展示は、彫刻科の生徒には必ず見てもらいたい展示です◎◎
これを見逃すと、次に出会える機会はいつになるのでしょうか。。。
彫刻家の大きな展示は、日本では貴重かもしれません!


☆展覧会ホームページ:http://www.tbs.co.jp/giacometti2017/

さて、ここからは最近の秀作をご紹介します。


素描は全てに通じます。視点、置いてある状況、空気、質感、パース、光 全てを考えながら描けています。


首から上に固さはありますが、体の方は粘り強く迫れています。この、しつこい観察としかし、行き過ぎず全体を意識するバランスが良いです。


やや形の彫り起こし方が均一になっています。黒さの質感が形に沿って変化してくるともっと魅力的になりますが、良いきりの強さは抜群です!ジョルジョの表情は捉えることが、なかなか難しいですが、顔も似ています。


やや首から顎へのつながりが惜しいですが、視点からの奥行きやスケール感があり、周りの空気までも感じます。炭の発色が綺麗で引きつけられるデッサンです。


投げ出さずに、形をしっかり追っています。作者がジョルジョと言う形を、どの様に捉えたのかが絵から伝わってきます。言葉を持ったオリジナル性の高いデッサンです。


ガッタメラータの強い表情、胸のレリーフの表情、胸や髪の毛の表情、それぞれにきちんと反応出来ており、作者の丁寧な観察と繊細なテクニックが感じられます。必要な要素全てを拾ってそれらをまとめていく、バランス感覚が光っています!


こちらは夜間部現役生のデッサンです。
伸び縮みのしなやかな動きを見ると、やや固さが残りますが、グイグイと形に迫って行く勢いが、円盤らしい筋肉美への表現へとつながっています。彫刻科らしい素直な追究が好印象です。この調子です!

今回は以上の紹介です。
まだまだ、これからさらに伸びて行くことは間違いありません。
描き方もありますが、全ては見方を鍛えていくことが、大学に入ってからも繋がります。
厳しく言われることもあるかもしれませんが、コツコツと目の前の課題に向かって、へこたれないことが大事だと思います!
いかに新鮮な気持ちで挑めるかが課題でもありますね。
1学期中に、しっかりと実力を伸ばして走りきりましょう!

氷室

次回の担当は小川原先生です!

映像科:映像インスタレーション制作ワークショップ

こんにちは。映像科の森田です。
一学期の授業も早いもので折り返しですね。そろそろ授業にも慣れてきましたか?
映像科の木金日コースは、先週まで感覚テスト対策の課題を中心に制作していました。

さて今週の授業では、3日間で「映像インスタレーション制作ワークショップ」を行います。

美術の用語としてのインスタレーションは「空間に設置する」形式の作品のことですが、その中でも特にプロジェクターの投影を主な要素とした作品のことを、「映像インスタレーション」「ビデオインスタレーション」と言ったりします。
「何を映すのか?」「何に映すのか?」「大きさは?」「時間の長さは?」など様々なことを考えることで、映画館やディスプレイで観るのとは違った映像の体験を作り出すことができます。

画像は過去に行った映像インスタレーションのワークショップの記録です。
今年はどんな作品が生まれるでしょうか・・・? 楽しみです。

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木金日コースの映像科の授業も体験入学を随時募集しています。
映像系の学科・専攻に興味がある人は、お気軽にお問い合わせください。