カテゴリー別アーカイブ: 新美

基礎科主催のイベントが11/11、11/25に開催されます!(参加無料)

タイトルにもありますように去年好評だった基礎科主催のイベントが今年も開催です!!

11/11(日):油絵、日本画、彫刻
11/25(日):デザイン工芸
というスケジュールになっております!

油絵は「油絵の具を使った描き方」を、
日本画は「水彩絵の具を使った描き方」を、
彫刻は「石膏を使った立体の作り方」を、
デザイン工芸は「アクリル絵の具を使った描き方」を、
それぞれ初めての方も安心な基本的な所から説明しつつ、
本物そっくりにそれぞれの素材で制作していきたいと思います。
参加費は無料です!!
http://www.art-shinbi.com/event/2018/kiso-event/

素材に触ってみたいという方はもちろんのこと、美大受験に必要な基礎的な道具の扱いやテクニックもお教えいたしますので初心者も中級者もどんな方も参加いただけます!
詳しい時間や内容などは上の画像をクリックしたリンク先を見てくださいね?。

去年の様子を一部ご紹介しますと…
例えば油絵はトマトをリアルに描いてみたり

デザイン工芸ではリンゴとパパイヤをリアルに描いてみたり

デザイン工芸に関してはブログの記事がありますよ?
http://www.art-shinbi.com/blog/20171114/

今年はモチーフを新たに、各科皆さんのご参加をお待ちしております!
改めましてお申し込みは下記URLから!
http://www.art-shinbi.com/event/2018/kiso-event/

参加しようか迷っている方はとりあえず来てみてください!
普段の授業とはまた違う雰囲気のイベントなので気軽に、和気藹々と楽しみながらやってみましょう!

 

映像科:映画の秋

こんにちは、映像科の講師の森田です。
この秋は個人的に気になる企画上映が多くあったので、映画館でやっているイベントをまとめて紹介します。
会期終了間際なものもありますが、場所は新宿と渋谷が中心です。
貴重な上映もあるので、ピンときたらぜひ足を運んでみてください。

○「メカスとの旅」~11/9シアター・イメージフォーラム(渋谷)

○「フレデリック・ワイズマンの足跡」~11/10アテネ・フランセ文化センター(水道橋)

○「濱口竜介アーリー・ワークス」11/10~11/23シアター・イメージフォーラム(渋谷)

○「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ」11/23~シアター・イメージフォラム(渋谷)

○「東京ドキュメンタリー映画祭」12/1~12/14ケイズシネマ(新宿)

秋のイベントラッシュ

こんにちは、デザイン工芸科夜間部です。

秋は公開コンクールが続きます。工芸科の特訓講座や推薦対策の講座、プレ冬期、第4回美大学科模試など、イベントが目白押しです。

冬期講習会のパンフレットも出来上がりました。

多摩美グラフィックの公開コンクール。デッサンと平面構成が二週に渡って開催。運営する側も、1日でやらなきゃならないことが多く、タイトなタイムスケジュールとなりました。

また同じ事を書いてしまいますが、結果の良かった人はさらに良くするように、悪かった人はこれを糧に頑張っていきましょう。後何枚作れるのか、段々と作れる枚数はハッキリとしてきます。一枚一枚丁寧に仕上げて行くように、心がけしましょう。

芸大デザインと工芸のコンクールはこれからです。秋はまだまだ続きます。秋はホントに忙しいです。

通常の授業では、色々な可能性を試しています。あの手この手作戦で、理解を得るようにしていきたいです。

いつも思うことですが、最終的には基本がモノを言うと思います。基本を理解して描くのことが、一発試験という状況では最も役に立つと思います。とにかく今のうちに、基本をマスターしてほしいです。

夜間部でも、二学期末には最後の模擬試験が行われます。最後のコンクになるでしょう、頑張ってくださいー。

その前に、推薦入試が行われます。受験する方はここから一回目の仕上げの時です。気合い入れて行きましょう。

ナイフの魅力②(技術編)

こんにちは。油絵科の関口です。
前回に引き続き、ペインティングナイフについて書こうと思います。今回は技術編です。

まずはナイフ選びのポイントから。
①刃の長さ
ナイフの長さは平らにできる長さと関係があります。
ナイフの大きさを考えるときに、水色の部分で考えがちですが、実は①の赤い矢印で表したところが大切になります。(理由は後述します)

②幅
ナイフの幅の広さは絵具の量と関係してきます。この幅が広ければ広いほど、たくさん絵具を乗せることが可能になります。

③刃の終わり方に角があるかどうか
ナイフを選ぶ時に、ある意味大きさ以上に大切なのが、刃の終わりに角があるのか、それとも丸くなっているのか?という事です。角のあるナイフは、どんなに頑張っても筋が付いてしまうので、ナイフを使って平らに絵具を乗せたいという時には不向きです。
特殊な使い方をする人は別ですが、僕がお勧めするのは角の丸いタイプです。

さて、ナイフを吟味して手に入れたら、今度は使い方です。ナイフは筆よりも表現の幅を作り辛いという事もあり、慣れないと単調になりやすい危険な道具。文字通り「諸刃の剣」と化します。
そこで上手に使いこなすコツとして『ナイフを画面に当てる角度』に意識を持たなくてはいけません。

例えば、絵具を平らに乗せたい時には、Aの様にナイフをキャンバスに対して少し傾けて使うと上手くいきます。比較的薄く均一に絵具を乗せることが可能になります。

なるべく均一な力とスピードで、一気にやると綺麗に絵具が乗せることが可能になります。これは少し練習をすれば簡単にマスターできるでしょう。


反対に少し表情をつけて乗せたい時にはBの様にナイフを画面に対して平行に使うと、ムラを作ることが容易になります。

一見簡単そうに見えますが、綺麗に作るにはちょっとコツがいりますので、こちらはそれなりに練習が必要になります。

絵にちょっとしたアクセントが必要な時、ナイフは意外と効果的です。全ての人に必要な道具ではありませんが、色々と研究してみることをお勧めします。それでは今日はこの辺で。

彫刻科:石膏クロッキーとデッサンにおける「型」の意義

こんにちは、彫刻科の新妻です!
今回はデッサンを中心に生徒作品を何点かご紹介します。

昼間部作品

夜間部作品

各々の課題としっかり向き合いながら、一枚の作品としてのクオリティも着実にあがっていますね!

 

各科公開コンクールが続き、結果を求められる課題が多くなってくる時期かなと思います。
そんな時ほど高度な技術や捉え方で高得点を狙おうとするあまり、基本的な要点をついついおざなりにしてしまいがちです。
今回はあくまで僕のパターンですが、描き出しから完成までのポイント、気をつける事を前半を中心に追っていこうと思います。

①クロッキー

まずスタートでそのモチーフの印象をしっかり把握することが大切です。
先日ツイッターにもあげましたがクロッキーであれば描き始め5秒の時点である程度の構図、バランスが見えてくるような捉え方を心がけたいところです。
そのためには描き始める前段階でどれだけそのモチーフを把握しているかが重要です。弓矢の名人は矢を射る前に的の中心を射るイメージを、剣の達人は実際に刀を振る前に斬撃のイメージを持っているものです。


②描き出し(構図、形)


比率、構造、水平、垂直、軸、流れ、繋がり。。。あらゆる見方で形の関係性を検証していきます。
わかりやすい画像があったのでモリエールの描き出しを参考に。
本番の描き出しで見ていきたい順番としては?構図→?大きなバランス→?細かな配置。
??で不安材料が多いと?でつじつまが合わず、「何か違うけど何が違うのかよくわからない状態」になりやすいです。そういう点でも??の観る力を養うクロッキーは大切なんですね。
?の段階では遠くと遠くの関係性が合っていることが何より大切です。?を足すことでさらに?を強化していくようなイメージです。

?

?

?

③明暗


屋台骨がしっかりしてきたら一気に炭をのせていきます。この作業はやってて気持ちいい笑
この時のポイントは細部はあまり気にせず、大きく暗い、中間、明るいの三段階くらいに分けることと、1番明るいグループに属する部分にも炭を乗せることです。理由は後でわかります。色の分かれ目が形の変わり目になります。

④空間と量


まだ表面に浮いている色味を紙に定着していきながら画面内の手前と遠く、大きなボリュームをここで出来るだけはっきりと出します。
この時も細かいことは置いといて、自分から見てモチーフの1番近い、中間、奥の3グループくらいを意識してあとあと細かく描き込んでもスケール感が弱くならないように設定をしっかり作ります。ガーゼをほかの描画材と同じように形を捉えるように使うのもポイントです。
⑤光と細かな面


④までで出来た下地に対して、指の腹を使って光の当たっている面を少しずつ増やしていきます。③で明るいゾーンにも炭をのせたのはここからの光を取り入れていく仕事をスムーズに進めるための布石だったんです。
「木炭デッサンは指で描く」と言っていいほど、ここでググっと情報を増やします。わかりやすい場所から始めて、食パンでさらに明るい調子を入れる仕事につながるレベルまで食い下がります。

食パンは始め③のように形をつなげながらザックリとした捉え方から入りたいものです。
ここまでくれば完成予想図が見えて来ましたね。ここからは炭で描く→ガーゼ→指→パンの繰り返しによって基本的には仕上げまで行きます。大理石の塊から少しずつ形を彫り起こすように、ボケた画像のピントを少しずつ合わせていくように微調整をかけながら仕上げに向かいます。小さな見方、大きな見方を交互に繰り返します。書いてて気づきましたが「反復」は僕のプロセスのキーワードかもしれません。

完成はこんな感じです。

後半の仕上げに向けてのあれこれはまた後日。今回は前半の安心出来るレベルまでの持って行き方の一つのパターンを紹介しました。
一つ一つのプロセスでのポイントをしっかり押さえることで、強固なベースが立ち上がってきます。
また受験などの一発勝負を考えた点で、自分なりの「型」があると仕事も安定しやすいということです。ただ、気をつけなければいけないのは「型」自体に意義があるのではなく、モチーフそのものの形の観察に集中するために「型」があるという位置付けに意義があります。なによりも大切にしたいのは素直な観察なんです。
繰り返しになりますが、これは新妻のプロセスなので、あくまで一例です。自分の力が出せる「型」をみなさんも是非今までの制作を振り返り整理してみてください。