夏期講習も終盤です。
2学期以降もデッサン、専攻課題、補習課題、自主課題から
これまでの作品から自分の良い所をもう一度確認して、
今後の制作に活かしていきましょう。
すこしずつ自分の強みに気付いていくことも大切なことです。
もちろん苦手なことを改善していくことも忘れずに確認していきましょう。
これから始める方も、基礎からじっくり制作していきましょう。
2学期初回9月ターム発送は、9/1(月)を予定しております。
夏期講習も終盤です。
2学期以降もデッサン、専攻課題、補習課題、自主課題から
これまでの作品から自分の良い所をもう一度確認して、
今後の制作に活かしていきましょう。
すこしずつ自分の強みに気付いていくことも大切なことです。
もちろん苦手なことを改善していくことも忘れずに確認していきましょう。
これから始める方も、基礎からじっくり制作していきましょう。
2学期初回9月ターム発送は、9/1(月)を予定しております。
日本画科です。
立秋とは名ばかり。暦の上ではすでに秋ですが、猛暑厳しい今日この頃、夏期講習会もいよいよラストスパート!日本画科「後期芸大コース」、「後期私大コース」の2コースも大詰めです。
今夏は、「後期芸大コース」において坪井講師が石膏像マルスのデッサンデモンストレーションを行いました。この石膏デッサン。日本画科の受験では共通一次に石膏デッサンを課している大学も少なくなく、避けて通ることの出来ない課題と言えるでしょう。
日本画科では周期的なイベント、レクチャー、デモンストレーション(デモスト)を行い、生徒のブラッシュアップを図っています。現在は、石膏デッサンと静物着彩を中心に「描き出し」、「クロッキー」を生徒と一緒に描くことが多いです。
特に、講師の制作デモンストレーション(デモスト)は「全講師」が行います。口頭指導、個人指導の他、”直に見て学ぶ”というそんな学びのあり方も大切にしています。
←アタリ取り10分経過。この段階で生徒を集めて描きだしのレクチャー!日本画は12時間制作のため、最初の描き始めがとっても大事なんです。
←この段階でだいたい2時間。
「後期私大コース」の様子です。手前に写っているのが私大専門の講師、岩崎講師です。とても熱く、パワー全開!分かり易く、かつ的確な指導が持ち味です。
最後に。
先日、多摩美術大学日本画科教授の岡村桂三郎先生がお忙しい中をお越し下さいまして、講習会授業終了後、「特別講演会」を行って下さいました。講演では多摩美術大学の学校紹介を始め、日本画の話、ご自分の受験生時代の話までお話下さいました。そうなんです。岡村先生は新美日本画科のご出身でもあるんですね。
講演は質問コーナーを含めておよそ2時間にも及びました。
生徒たちは最後までとても熱心に聞き入っていました。
岡村桂三郎先生、改めて感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
こんにちは!油絵科昼間部の箱岩です。
台風11号の影響で各地に豪雨が降る週末でした。都心部も局地的な暴風雨で交通の乱れが少々あったようですが、無事に夏期講習中期が終わりました。私の担当するクラスでは、毎年この時期に芸大合格者の再現資料20~18年分程を見せつつ受験傾向の大きな流れを理解してもらうべく海老澤先生の解説付き面接が行われています。海老澤先生の情熱には本当に頭が上がりません。なんと1組2名づつ平均3時間半の面接なんですよー(笑
これは、外部講習生(現役生)も内部生も区別無く、平等に資料をみせています。表現の自由度や方向性の幅を理解したうえで自由に研究していってもらうための戦略なんです。他の予備校には真似しようが無い、圧倒的な合格者数を有効活用した新美ならではの指導といえるでしょう。クラスの皆さんは是非、この講習会中に沢山の実験をして自分らしい表現を模索してみてください。
さて、中期講習期間中に、「裏美術」の定義づけのための作品や資料の募集をしました。ありがたいことに、少しづつですが関心を持つ生徒が現れ、裏美認定を受けて掲示される作品が増えてきました。
現在審議中のエントリー作品
上段が審判団の承認を得たもの。下段が審議中の作品。却下となったものは返却されます。
まだ、オリジナルの作品は少数ですね、、、
さて、審議中の審判団の話しの中で、裏美術の判断材料が少しずつですが、まとまりを見せてきています。「裏であることと、下衆である事は少し違うよね」とか「ハードコアな性表現はB級なだけで時代が変わっても表にならなそうだし、今も熱烈なファンはいるから、ある意味で表かな?」とか「表現した内容が読み取れないのは裏なの?」とか「今は理解されないかもしれないけれど、心意気はアートだね」とか・・・
たとえば、こちらの作品。
表面は少しありがちなイラストの延長といった感じで、正直、この手の試みは自分たちより以前からあると思うんです、けれどキャンバスを裏返したときの印象が裏だと判断されました。本人の意図とは違うでしょうが、これも定義の線引きの為、ご容赦ください。
芸大を出られた新美の先輩、K山君の作品とテキストが担当の先生からエントリーされていました。彼のアートにかける情熱、天然の感覚には裏美を考える上で手本となる姿勢が見えてきます。最後にそのテキストの一部をご紹介します。
アートゾンビに至るご説明
残念なことにわたくしの展示内容を大学側にご理解頂けず、発表の機会を失ってしまいました。
(*彼は、お酒のラベルをモチーフにした作品の展示を予定していたみたいですが、市民向けの展示としては相応しくないと判断されたということです。)
美術表現に対してある一つの価値観だけで統制してしまうことは、独裁者のなせる業だとしか考えられません。
・・・中略
わたくしの気持ちは捨てられた女性のようになったようなもので「勝手に子供を孕まされて、子供ができたら堕ろせ」と言われたのと同じだと考えます(作品は自分の子供のようなものです。)
わたくしの表現は殺されましたので〝ゾンビ″として這回し表現することしか出来ません。表現意欲は殺せないということを提言したいのです。
K山〝ゾンビ″真徳
彼は、展示に来る子供たちに配慮して?ピカチュウのゾンビに扮装し会場を徘徊するパフォーマンスをしたそうです。
彼の態度にこそアートの心意気を感じずにはいられません。
時代の無理解と戦う心意気こそ「裏美術」においても大切なファクターなのではないかと思います。ですから、たとえ審議の結果却下されたとしても、あきらめずに挑戦してみてください。第3回の募集は8月20日までの予定です。次回の応募もお待ちしています。
こんにちは! 基礎科講師一同です。
夏期講習中期も、いよいよ最終課題を迎えています。
中期はデッサンだけでなく、専門課題に分かれた制作をしています。
それぞれのコースの様子をのぞいてみましょう?!
デザイン科
平面構成の描写デモスト!
実際に講師が描写のポイントやコツを教えながら実演してくれます。
賑やかな作品たちが出来上がっています!
油絵科
イメージも組み合わせながら、普段の静物デッサンなどではちょっと描かないような
面白いモチーフに取り組んでいます。
それぞれの世界観がしっかり出てきていますね!
日本画科
季節感のあるモチーフです。
よく観察しながら、物の魅力を写しとっていきます。
描いた人の観察した部分がよく伝わってきます。
写真では出せないリアルさが表現できていますね!
彫刻・工芸科
動物、人、石膏像。色々な立体物を粘土で作っていきます。
時には講師が一緒に作っているところを見ながら制作ができます。
バリエーション豊かないい作品が出来上がりました!
基礎的な造形力から作りこみのテクニックまで完成度の高い作品ですね。
上の写真にある、石膏マスク・布・バナナの構成課題の時に、こんなチャレンジャーな生徒も
いました・・・!
1人だけ心棒が巨大。バナナバナナのオンパレード。
講師全員、まさかこんなことになるとは思ってもみませんでした。
彼女は、他の構成を考えたにも関わらず、先生の静止を三度ほど振り切りこの構成をやり通しました。どうしてもこれがよかったんだね・・・。
しかし、しっかり最後まで作りきっていい作品になりました!(一日オーバーしたのは内緒です)
専門コースだけでなく、デッサンコースもバリバリがんばっていますよ?!
静物、石膏、人物。色々なモチーフの基本的な捉え方をしっかりと学びます。
デッサンは内面的な構造などの視点と、外面的な色味、現象の捉え方 両方の視野を持つことが大切です。基礎科は、彫刻、デザイン、日本画、油、工芸などの様々な科の講師が指導しているので、広い視点からの指導を受けながら学んでいくことができます!
構造、立体感、光、固有色など、基礎的な部分がしっかりと捉えられていますね!
作者によって表現のバリエーションが有るのもいいですね。
みんなそれぞれのコースで楽しく学びながら、着実に力をつけています。
中期は明日で最終日となりますが、後期は8/12からスタートします。
これからの申し込みでも後期は受講できますので、迷っている人はぜひいらしてください!
講習中に面談もしますので、進路のことや予備校のこと、不安や聞きたいことがある人は
相談もできます。
夏期講習で周りに差をつけよう!!!
こんにちは、映像科講師の野澤です。
さて、今回は美術予備校のみなさんが避けて通れない、デッサンについて話したいと思います。デッサンを描くとき、みなさんは普段どんな指導を受けていますか? 「全体をよく見ろ」とか「細部までしっかり観察しなさい」とか、色々言われては試行錯誤していると思います。
見えるものを見えるままに描くことは、なぜこんなにも難しいのでしょう? それはデッサンが、裸の眼で素直に自然を見ればおのずと描けるようになる、などといったものではなく、ヨーロッパリアリズムの歴史が作り上げてきた、きわめて特殊な身体技能だからです。
ちょうど最近、デッサンの制作過程を3Dモーションキャプチャーで計測した野中哲士さんの研究論文(野中 他, 2010)を発見しました。そこで今回はデッサン中の「姿勢」に焦点をあて、画家がデッサンを描くあいだどのような姿勢を取っているのかを解説します。
さて、デッサンを体得した画家の「姿勢」は、どこにポイントがあるのでしょう? その答えは、前半・中盤・後半での「姿勢の切り替え」にあります。今回は特に、初級者にとって重要な、デッサンの前半場面にしぼって解説しましょう。
身体の芯を動かさずに、自分とモチーフと画面の位置関係を描き込む
デッサンを成立させる上で、最も重要なのが、モチーフの全体的な形を取り、地面の陰影を描き込む、前半段階です。この段階は、デッサンで最も難しい局面だと言っていいでしょう。なぜなら、画用紙の上にまだ何も描かれていないので、身体を少し動かしただけで、画家自身が、画用紙とモチーフの位置関係を見失ってしまうからです。画家はモチーフの形を取ることで、自分がそこでデッサンを描くための土台を、画面の中に築き上げてゆきます。
野中さんの計測によれば、画家の姿勢は前半で、体幹(背骨の通っている胴体の芯)の位置をほとんど動かしていないそうです。席から立ったり、頭を揺らしたりせず、身体の芯の位置を一定に保ったまま、モチーフの輪郭や形を、画用紙に描き込んでゆきます。
ここで「モチーフの全体的な形をとる」ことの隠れた役割が、明らかになります。最初に言った通り、画用紙に何も描かれていない前半段階では、身体を少し動かしただけで、画用紙とモチーフの位置関係を見失ってしまいます。つまり画家はデッサンがはじまってすぐ、たとえ自分の身体が動いてしまっても、身体が元あった位置を発見できるように、画用紙に痕跡を残しておかなくてはならないのです。
画用紙にモチーフさえ描いてあれば、それをヒントに元の身体の位置に戻ることができます。デッサンにおいて「モチーフを描くこと」は、画面の中に「モチーフ – 画用紙 – 自分自身」の相互位置を構築することなのです。ここがデッサンの我慢のどころだと言ってもいいでしょう。
上手い人ほど、モチーフを見る視線と利き手はシンクロして動いている
さらに計測によれば、画家の視線は前半段階で、非常に素早くモチーフと画用紙の間を行き来しており、なおかつ視線と利き手がシンクロしていました。視線は1分間に約20回、モチーフと画用紙を往復しており、視線がモチーフを離れた瞬間には、すでに鉛筆をもった利き手が動きはじめていました。つまり画家は、体幹を一定の位置に保ったまま、まるで視線と利き手をヒモで結んでいるように細かく連動させて、モチーフの形をスキャニングしているのです。
モチーフと画用紙を視線が往復する周期は、デッサンに熟練した者ほど早く、デッサンの写実性と周期の速さは比例することが、別の研究でわかっています。さらに、短時間で描き上げる時ほど、画家は何度もモチーフを確認します。5時間で人物を描く場合は12回/分、2分間で人物をラフスケッチする場合は22回/分、40秒でラフスケッチの場合はなんと35回/分です。体幹を安定させつつ、視線と利き手をシンクロさせる技術は、クロッキーの際にも重要なことがわかりますね。
中盤と後半の姿勢:身体を大きく画面から離して、チェック!
もしみなさんが、前半の姿勢を体得しているなら、中盤と後半は、もう解説の必要がないでしょう。モチーフの大まかな形を取り、モチーフと画面と身体の相互位置さえ構築しておけば、あとは画板を動かしても、顔を思い切り画面に近づけても大丈夫。ちゃんと元の位置に戻ってくることができます。ただし、ひとつだけアドバイスするなら、後半の仕上げ。身体を大きく画面から離して、デッサンの形や、トーンの調子を、何度もチェックする習慣をつけて下さい。
絵画を描く「姿勢」は、絵画と画家の関係から絞り出される
さて最後に、絵画と画家を結びつけている「姿勢」が、受験のみならず、作品を制作する上でどのような意味を持つか、ぼくなりの考えを書いてみます。
今日解説した、デッサンを描く際の「姿勢」は、人工的な訓練で動作をひとつひとつ叩き込んで身についたものではありません。左側にモチーフがあり、右側に画用紙があり、その真ん中に自分自身の身体があり、モチーフから乱反射する光の粒を、白い紙に写し取らなくてはならない、というデッサン特有の「制約」が、画家の身体を長い年月のうちに縛り上げて、このような「姿勢」をかたちづくったのです。
絵画を制作するとき、画家はかならずしも、「自由」に自分の身体を動かすことができるわけではありません。画家の周囲をとりこかんでいる広大な光、樹や、海や、人、そしてなにより眼前の絵画が、画家の肉体を拘束しています。そして、これらの「制約」と折り合いをつけ、自らの絵画を成長させてゆくにしたがって、画家の身体は、新しい水脈を見つけるように、新たな動きの可能性を見つけ出してゆきます。「自由」とは、「制約」から発見されてゆくものなのかもしれません。それではまた!
●引用文献
野中哲士, 西崎実穂, 佐々木正人:デッサンのダイナミクス, 認知科学 17(4), 691-712, (Dec. 2010). ※Figure2. には高校生にわかり易く、改変を加えた上で掲載しました。