カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

映像科:新たなスタートに向けて

こんにちは。映像科講師の森田です。
2015年度はじめての新美ニュースということで、あらためてよろしくお願いします。今年度の映像科のブログは「隔週の火曜日」になります。教室の様子やオススメの作品の情報、そして映像系学科・専攻の受験のことなど、映像にまつわる様々なトピックスを(なおかつ他の専攻を志望する皆さんにも役立つようなトピックスを)お伝えしていけたらと思っています!

今回は初回なので映像科の授業についての基本情報を。授業日と授業時間に関して、今年から変更した点もあります。既に授業は4/9(木)から始まってますが、入学は随時可能です。特に「これから受講しようかな」と考えている人は、ぜひ読んで参考にしてください。

映像科の授業は、
・木曜日…17:30~20:30(3H)
・金曜日…17:30~20:30(3H)
・日曜日…9:00~16:00(6H*昼休み1時間)
の、週12時間の授業です。

去年までは金・土・日の3日間連続集中型でしたが、今年からは木・金・日の3日間になっています。週末(特に一学期)は、オープンキャンパスなど大学のイベントが多くあったり、あるいは外部の学科模試を受けてみたいという希望があったり、留学生は日本語の試験があったりと、様々な条件の受験生がなるべく通いやすい時間割ということで、今年から土曜日一日を空けた時間割になりました。

授業の内容はこれまで通り、
【一般入試コース】は、武蔵野美大映像学科、東京造形大デザイン学科映像メディア系専攻、日芸映像系学科の実技と小論文対策を中心に、
【推薦入試コース】は、上記の大学の公募制推薦入試、AO入試など各種推薦入試の対策を中心に、
【留学生入試コース】では、上記の大学、特に武蔵野美大映像学科と日芸映像系学科の留学生入試の対策を中心に、授業を行っています。

ちなみに一学期については【一般入試コース】と【推薦入試コース】は共通のカリキュラムが多いので、「まだ推薦入試を受けるか(受けられるか)決まってないよ」という人や「推薦入試を受けてみて、もしもダメだったら一般入試の対策間に合うのかな?」という人も、迷わず受講することをお勧めしています。
(*ちなみに2015年度の入試では、武蔵野美大映像学科に、推薦入試で4名、留学生が2名合格しています。倍率を考えるとかなりの合格率!)

また私立美大志望の学生、特に映像系を志望する皆さんにとっては学科(主に国語と英語)の対策も、春のこの時期に同時にスタートしたいところです。新美の学科の授業は、
・月曜日…【美大国語】17:30~19:10
・火曜日…【美大英語文法】17:30~19:10
・水曜日…【美大英語読解】17:30~19:10
・土曜日…【土曜英語】14:20~16:00

となっているので、映像科の授業と組み合わせれば、3日間(実技対策のみ)?7日間(実技対策+美大学科をすべて受講した場合)までを選ぶことができます。学科については現段階での到達度も様々だと思うので、レベルに合わせて選択してください。

・・・と、基本情報を最低限お伝えしておこうと思ったら結構な分量になってしまったので、今回はここまでにしたいと思います。ではまた次回!

油絵科学生は必見、片岡球子展

こんにちは。油絵科の関口です。

先日お知らせした通り、今回から油絵科のブログは日曜日に隔週の更新になります。他の先生のブログを期待していた人もいると思いますが、もう1回だけお付き合い下さい。

 

さて、タイトルにある片岡球子という画家をご存知でしょうか?実はこの方、日本画家で103歳という長い人生を全うされた巨匠の一人です。

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「面構 足利義満」1966年

 

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「面構 葛飾北斎」1971年

 

先日竹橋にある国立近代美術館に見に行きましたが、油絵科の学生にも是非見てもらいたいと思い、紹介させてもらいます。

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「枇杷」1930年

初期の作品は、所謂日本画らしい絵も描いています。しかし、途中からは全く以て日本画らしくありません。体質的には完全に油絵向きの人なのでしょうね。

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「山(富士山)」1967年

 

ところで、日本画の特徴として、油絵をやっている人には頭に入れておいてもらいたい事が3つあります。

①基本的に絵を床に寝かせたまま描く。(立てると絵の具が垂れてしまう)

②基本的に岩絵具は混ぜられない。(粒子の大きさ、重さが違うので、混ぜても分離してしまう)

③写生→小下図→大下図→本画というプロセスを踏み、基本的に本画の時には対象を見ていない。

 

上に書いたのは、あくまで原則として…という事です。片岡球子という画家は、完全にこの辺のルールを無視している作品がありました。真近でよく見ると分かりますが、何とキャンバスに描かれた作品もありました。しかもアクリル絵具も併用しています。日本画なのに…キャンバス?…アクリル? 正直に言うと、僕もビックリしました。

 

あと、80代に入ってからの人物画も必見です。モデルをとにかくよく観察し、今迄築き上げてきた自分のスタイルをも無視して、その時感じた生の感覚と感性で生きいきと描かれています。80歳を越えてこのパワー、本当に凄いと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA「ポーズ3」1985年

素材も日本画の岩絵の具、パステル、木炭、作品によってはクレヨンらしきものも使っているものも見受けられます。

ものを見るという事は一体どういう事なのか?絵を作るという事はどんな事なのか?そんな事を考えさせる、良い展覧会です。この機会に是非本物を見てきて下さい。

通信のイイトコロ

こんにちは!通信教育科デザインコース担当講師の栗原です。

最近やっと暖かくなってきましたね?。通信教育も新年度が始まりました!月末にかけて届く新年度一発目の力作たちを心待ちにしているところです。

通信教育ってどんなことするのかイメージ湧かないな、なんて人もいるかもしれません。確かに普通の美術予備校のスタイルとは少し異なります。とはいえアドバイスを受けて絵を上達させていくという部分は全く変わりません。

ちなみに私自身、現役の時に新美の通信教育を受講し、志望大学に合格させてもらいました。

直接通うこともできなくはなかったのですがあえて通信にした私の経験から、通信ならではのイイトコロを3つ挙げていきますね!

・赤ペンで添削

絵の上にトレーシングペーパーがかけられて、形の狂いや細部のアドバイスまで直接書き込まれます。講師の言葉が自分の絵とセットで形に残るのでどんな講評ノートより完璧かも?

 

・かっこいい参考作品や制作プロセス集が出来上がる

課題の度に、綺麗に印刷されたカッコイイ参考作品や制作過程の写真が手に入ります。いつでも見返せて、思う存分参考にできる作品集が出来上がります。

 

・講習会への意気込みが違う、個人制作とのバランスがとれる

普段個人制作な分、たくさんの人と一緒に制作できる長期の講習会への意欲やテンションが大違いです。吸収する量も違います。しかしそのあとに通信の個人制作に戻ることで、人と比べることと自分の力を向上させていくことのバランスが丁度よく取れます。

 

いや?めちゃくちゃいいですね!

あと、自主制作も一緒に送れます。

月ごとにどれだけたくさん描いて何作品送れるか挑戦するのも楽しいです。夜間生と勝負ですね!

 

新年度なので今回はコースの紹介でした。

大きい予備校は遠くてとてもじゃないけど通えないな、と言う人にもちょっとだけ興味をもってもらえたらと思います。一緒に楽しく頑張りましょ?!

 

油絵科ブログ・曜日変更のお知らせ

こんにちは。油絵科の関口です。

 

12月から何とか穴を開けずに、毎週月曜日に油絵科のブログを更新してきましたが、次回より日曜日に変更になります。しかも隔週で、ローテーションになりますので、僕がブログを更新するのは1?2ヶ月に1回くらいになります。

これからも油絵科のブログは、色んな事に触れていきます。

油絵科は大学に入ってからも、油絵、ドローイング、映像、写真、インスタレーション、立体、パフォーマンス、版画、フレスコ画、モザイクなど、色んな方向に進んでいく人がいますので、出来るだけ色んな事に触れていきたいと思っています。

一体自分が何に興味を持っているのか? 色んな考え方や作品に触れながら、自分でも知らなかった自分に気付き、ワクワクしながら、遊ぶ様な感覚で、真剣に学んでいくのが油絵科だと思っています。

 

バラエティーに富んだ内容になると思いますので、これからもどうか宜しくお願い致します。

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希望する大学に合格できるよう、心から応援しています。一年間、一緒に頑張っていきましょう。

故郷に流れる遺伝子② スペイン編

こんにちは。油絵科の関口です。
さて、今回はピカソ初期の代表作「アヴィニョンの娘たち」を取り上げてみようと思います。

 

ピカソは1881年生まれのスペイン人。20世紀を代表する巨匠です。

ピカソは幼少の頃から天才ぶりを発揮し、スタイルもダイナミックに変化させながら数々の名作を残してきた事でも知られています。

ピカソ11歳16
11歳頃のデッサン、16歳頃の油絵

青とバラ色
青の時代、バラ色の時代

20歳前には客観的な描写に区切りをつけ、20世紀の幕開けと共に刺激的で実験的な作品を作り始めます。

キュビズム
分析的キュビズムの作品、総合的キュビズムの作品

新古典、泣く女
新古典の時代、泣く女シリーズ

 

アヴィニョンの娘たち
「アヴィニョンの娘たち」 1907年
中でもこの「アヴィニョンの娘たち」はセンセーショナルな作品として世に知れ渡りました。ピカソがこの作品を描いている時、アトリエを訪れた友人は「ピカソは気が狂った」と勘違いしてしまったという逸話が残っています。ピカソはこの作品を描く為に、夥しい数のドローイングを描きました。この作品は言うまでもなく、アフリカの彫刻やマスクなどの原始的で素朴な作品に強く影響を受けているのが分かります。

他にも影響を受けていると思われる画家がいます。

 

 

それはエル・グレコです。

 

エル・グレコは1541年生まれのギリシャ人ですが、若い頃にイタリアのヴェネツィア派の工房で修行し、その後スペインで活躍し、人生を全うしました。ちなみにグレコという名前は本名ではなく、イタリア語でギリシャ人を意味するそうです。本名はドメニコス・テオトコプーロスと言います。

実はグレコもかなり器用な画家で、写実的な表現もの他に、この時代にしては珍しい程度のデフォルメも行っています。

聖衣剥奪1577-1579
この絵では写実的な表現が顕著に見られます。

第五の封印1608-1614
この絵ではかなりデフォルメされていますね。かなり現代絵画的です。

トレド風景1595-1600年
これは有名な作品「トレド風景」(当時としては珍しい、単独の風景画です)

ラオコーン1610-1614
さて、これはどうでしょう?どことなくピカソの描いた「アヴィニョンの娘たち」に似ていると思いませんか?

ピカソとグレコ

スペインで生まれたピカソは、幼少の頃からグレコの絵を見て育ったのかもしれませんね。そしてグレコ同様、自分の生まれた土地ではなく、故郷から遠く離れたフランスで制作活動をし、人生を全うしました。

 

ちなみに前回のこのテーマでは、イタリアに故郷を持つ画家達を取り上げました。興味のある方は、是非こちらもご覧下さい。

?http://www.art-shinbi.com/blog/20141013/
故郷に流れる遺伝子