カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

映像科:二学期の授業スタート

こんにちは、映像科講師の森田です。
あの猛暑はどこへやら…という感じですが、映像科の木金日コースは9/3から、夏期講習の受講生も合流して賑やかなスタートしてます!一学期は映像科入試の基礎的な課題が中心でしたが、二学期からは【一般入試コース】【推薦入試対策コース】【留学生コース】に分かれて、更に「小論文選択」と「鉛筆デッサン選択」それぞれの対策を行っています。

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まだ一ヶ月ほど先ですが、10/11・12には「全国公開実力コンクール」も控えていますね。急に涼しくなりましたが、体調に気をつけつつ、二学期も元気にいきましょう!

油絵の具の色について(黄色編)

こんにちは。油絵科の関口です。

皆さんは黄色い絵と言って、まず思い浮かぶのはゴッホのひまわりでしょうか?今日はもう少し古い時代の黄色について、お話しようと思います。
ひまわり
ゴッホ「ひまわり」1989年

 

彩度の高い赤や青は、ルネサンスの油絵の中に用いられていましたが、当時の油絵をよく見ると、黄色で鮮やかなものは殆ど見受けられません。黄色の代わりに金箔を使っていたのではないか?と思われます。
当時の黄色は、イエローオーカーやローシェンナという黄土色が主体で、文字通り黄色っぽい土から作られていました。イエローオーカーの歴史は古く、世界中で古代から使われていた事が確認されています。レオナルドとラファエロ
レオナルド(左)もラファエロ(右)も鮮やかな黄色は使用していません。

 

イタリア北部のヴェネツィア派と呼ばれる人達の中には、黄色を積極的に取り入れた作品が見受けられます。この黄色はオーピメントという、硫化砒素(猛毒!)を用いている様です。この色は現在使われていません。博士たちと議論するキリスト1560
ヴェロネーゼ「博士たちと議論するキリスト」1560年

エルグレコ
若い頃にヴェネツィア派で修行した、エル・グレコも黄色を積極的に使っています。※ 調べてみましたが、使用顔料は分かりませんでした。

 

比較的鮮やかな黄色が絵の中で使われる様になったのは、17世紀に入ってからになります。中でも人々の印象に残るのはフェルメールではないでしょうか。
古い文献を読むと、フェルメールの黄色にはマシコットという、鉛から作られたものも使われていた…というものが見受けられます。しかし実際は鉛錫黄(Lead?Tin?Yellow)という色だった様です。この色も現在は使われていません。手紙を書く女1665 - 1666
フェルメール「手紙を書く女」1665?66年

 

 

さて冒頭に書いた、ゴッホのひまわりですが、ゴッホの黄色は、クロムイエローだったと伝えられています。クロムイエローは安価ですが、耐候性が悪く、黒変する上にクロム酸鉛を使用しているので毒性が強い…という何とも厄介な色です。独特な重みがあって、綺麗な色なんですが、変色してしまうのが何とも残念です。
現在使われている不透明色の黄色で最も優れているのは、カドミウムイエローだと思います。カドミウムイエローも毒性はありますが、無機顔料で不透明な黄色には殆ど毒性があり、代替する顔料は見つかっていない様です。

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ルドン「昼」1910年  フォンフロワド修道院図書室壁画

明るくて華やかな色なのに、毒がある。・・・油絵具の黄色とは、実はそんな色なのです。

美術解剖学ゼミ・ヌードクロッキー会開催!

こんにちは、だいぶ涼しくなってきたと思いきや、寒いくらいですね。

夏も終わりに近づいていますが、新美では最後の”夏期講習会 増設ゼミ”があります。
昨日も1日だけの「夏の特別講座 美術解剖学ゼミ・ヌードクロッキー会」が行われました。

私も終日おつき合いさせていただきましたが、本当に「1日ではもったいない!」と思ったくらい充実した内容でした。
美術解剖学ゼミ・ヌードクロッキー会

講義をしていただいた先生は、東京芸大をはじめ様々な大学で教鞭をとられています阿久津裕彦先生です。
解剖学のみならず、いろいろな興味深いお話しをかぶせていただき、本当に楽しかったです。
建築の原点までも人体だったなんてお話しは目からうろこでしたし、我々は腸からできて、骨は口から始まった?なんて、軽くカルチャーショックでした。
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思わす、先生の背中からも骨を見出そうとしてしまいました(笑)
ヌードモデル(男性)のクロッキーの時も、ポーズによって見えたりする骨や筋肉のポイントなども終始指摘していただき、受講生たちもさぞかし勉強になったと思います。

受講生のなかには、「もっと人物を描きたくなった!」などの声もあがり、人体への興味が更に増してきたのではないでしょうか。

ありがとうがざいました。

 

 

映像科:夏期講習も後半戦

映像科講師の森田です。全部で4タームに分かれている映像科の夏期講習も3ターム目に入りました。もう佳境?いやいや、一般入試対策はむしろここから実戦寄りの課題が目白押しです。

・先週までの授業の様子。推薦入試対策では映像制作のワークショップもありました。グループに分かれて企画を出し合いディスカッション。そして新美の周辺でロケ場所を探して撮影、編集、教室での上映・展示まで行いました。

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・こちらは今週の授業から。映像科独自の鉛筆デッサンのポイントについてレクチャー。武蔵美や東京造形大の実技科目で小論文か鉛筆デッサンか迷っている人もこの時期には大体方向が定まってきます。

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・そして8月17日の放課後には武蔵野美術大学映像学科の三浦教授に来ていただき、映像科の夏期講習会の恒例となっている「進学相談会」も実施。大学生が制作した作品を見せていただきながら、コンピュータ・グラフィクスから立体や手描きまで横断する「アニメーション」という表現の幅広さに触れた一日でした。

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油絵科・夏のSPイベント

こんにちは。油絵科の関口です。
暑い日が続いていますが、夜に耳を澄ませば、コオロギや秋の虫達の鳴き声が聴こえるようになりました。もう秋がすぐそこまで来ているんですね。

 

さて、新宿校の油絵科では、例年の夏期講習会と違う試みとして、各期の最終課題を全クラス合同で、作品に投票するというイベントを行いました。
クラスで課題内容が違うので、課題毎に一番良いと思うものに対してシールを貼っていく(自分の作品以外に投票)というルールで、講師も生徒も投票に参加。(講師と生徒は違う色のシールを貼りました)

投票数を数えて、得票数が多いのが上位・・・というものではなく、講師が選んだ作品について何を基準に選んだのかをコメントする。というスタイルで、まずは全体講評。その後、各クラスに別れて通常通りの講評を行いました。全体講評風景

投票では生徒に人気のあるものと、先生に人気のある作品がズレていたり、突拍子もない作品が選ばれたり(笑)して、非常に面白いイベントになったと思います。

仲間講評
そういえば僕が高校生の時、新美で先生の講評を聞いていると「何であんな下手な絵を褒めるんだろう?」とか「あの浪人生は凄く上手いのに、何であんなにボロクソに言われるんだろう?」と疑問に思った事が多々ありました。(当時はかなり癖の強い先生や、怖い先生もいたのです)
当時の自分を振り返ると、まだ絵に対する知識も経験も乏しく、素人同然の見方しか出来ていなかった…という事です。年輪を重ね、人生で色んな経験を積む事で、絵の見方も幅広くなっていくのだと思います。

今の生徒も、講師の選んだ作品に対して、何枚かは「え?? あの先生、それ選んじゃうの??マジか?」とか思ったのではないでしょうか(笑)。

宮本講評
でも、僕らは至って真剣に作品を選んでいるつもりです。全体講評で、その作品が選ばれた理由を聞いて、納得いったのではないかと思います。
・・・え?聞いても納得いってない? そういう人でも、歳を取れば分かるようになりますよ。・・・多分(笑)。
まぁそれは別として、自分の作品が他人から選ばれる(この中で一番好き!と思ってもらえる)というのは、皆にとっては制作の励みになったのではないでしょうか?

前期と中期に行ったこのイベント、後期も最終日に行いますので、乞うご期待下さい。

 

 

さて、もう一つ。最後は宣伝です。

8月26日(水)新美では二学期入学を考えている人(高卒生対象)に対して、二学期特待生試験があります。試験とは言っても、持参作品数点(油絵科は原則としてデッサン5点、油絵5点)と、面接によるもので、学科試験もありません。
経済的な面も考慮して審査しますので、実力や学科に自信が無い人でも、これから二学期入学を考えている人は受けてみては如何でしょうか?

http://www.art-shinbi.com/tokutai/images/tokutai2015-2.pdf?

 

まだまだ暑い日が続きそうですので、夏バテしない様に元気にこの夏を乗り切りましょう?