カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

先端科:春期講習はじまります

こんにちは。新美先端科です。

今年の東京芸大-先端科合格者の報告です。

1次試験の合格者は8名中6名。
最終合格者は2名でした。
一人は現役生、もう一人は帰国子女枠からの合格です。
ここ数年の入試の傾向は、素描、小論ともにしっかりと基礎力をつけることや課題にしっかりと応えることが求められています。
現在、新宿校7階のフロアで、合格者の入試直前に描いた素描や総合実技の再現作品、個人資料ファイル(提出したものの写し)を展示しています。この機会に是非ご覧になってください。

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明日から春期講習会が始まります!

26(日)「3色ボールペンで自画像を描く」
27(月)「0円」ワークショップ
28(火) 先端・映像合同ワークショップ1
29(水) 先端・映像合同ワークショップ2
30(木)「場と作品」

講習5日間のうち2日間は映像科との合同ワークショップを行います。
これまで全く作品を作ったことがない人でも、この春期講習では「素材選び」「テーマの設定」「作品展示」と幅広く体験できるようになっています。

明日から講習会が始まりますが、申し込みは直前でも受け付けしています。
この期間はどなたでも面談できますので、この機会を是非ご利用ください。

芸大油画現役合格者に聞く②

こんにちは。油絵科の関口です。
前回に引き続き、芸大現役合格した山道くんのインタビューです。今回は試験の直前の話が中心です。前回は山道くんがどんなに絵が失敗していても、僕は尻を叩いたりしなかった…というところで終わったので、その続きです。

関:芸大の直前だってね、最後の週は前日も含めて全然上手くいってなかったけど、僕は全然焦ってなかったでしょ。むしろ、なんか良い感じになってきたじゃない?って言ってたもんね(笑)。
まぁ、でもきっと本人的には結構焦りはあったよね?
山:そうですね。上手くいったのは試験の6日前に描いた自画像くらいでしたからね。何というか、これをやれば大丈夫!みたいな型が無かったから…まぁ安心は出ないですよね。焦りは…やるしか無かったから、そんなでも無かったですけどね。でもやっぱり緊張はしましたね。
山道自画像
試験6日前に描いた自画像。この作品を見てからは、その後どんなに失敗続いていても「山道くんには底力があるから大丈夫」と自分に言い聞かせ完全に信頼していました。

 

関:で、一次終わった後、エスキース見せてもらった時にさ。正直あんまり良くなさそうだな…って思ったんだよね。自分でも落ちたと思ってたよね?
山:そうですね。周りと比べてインパクトはあったと思うんですけど、それしか無かったので…

関:でもね。面接でエスキース見ながら山道くんの話を聞いている内にね、(希望的観測で)これって結構上手くいってるんじゃないか?って変わってきたんだけど…。
ただ、さっき再現で描いた素描を見せてもらって、やっぱりヤバイな(一歩間違えたら落ちてたかも)って思ったよね(爆笑)。
山:(笑)ヤバイですよ。入試で描いたヤツは(笑)。自分のだらし無さが出たというか…面倒くさいから、伝われば良いやみたいな。

一次エスキース
これが芸大一次の作品を思い出しながら描いてもらったエスキース。手前が鴨のシルエットで、奥にミミズクがいます(お腹から足に掛けての部分)。パッと見は隙間の形が鳥の頭の輪郭みたいになっています。

 

関:だらし無いという印象はないけどね。
山:いやぁ?こだわらない事には全然こだわらないですからね。

関:そっか…。でも描くときにスゴい…こう…考えるじゃない?1つのことをやるのにもさ、凄く考えて、終わった後とかにもずっと残ってメモを取ってるし。ああいうところを見ると、だらしないとか、大雑把という印象は無かったよね。むしろ結構慎重な方だと思って見てたけど。
山:その辺は二面性って言うか…。でも慎重って言うかビビりなだけですよ。でもビビってない時とか、絶対勝てる相手だと思った時は「こん位でしょ?」みたいな感じで行けるんですけどね(笑)

関:芸大は絶対勝てる相手だと思った(笑)?
山:いや?それは(笑)。正直、芸大は周りに「受けた方が良いんじゃない?」みたいな感じで言われて受けたので、自分的には、まぁ無理でしょ。みたいなスタンスだったんです。だから気持ち的には受かるとは思ってませんでした。

関:最初は筑波受けるって言ってたもんね。
山:そうですね。芸大は手を出すにはあまりにも遠すぎるんじゃないか?って思ってましたから。

関:11月位に筑波の推薦受けるっていう事だったんだけど、山道くんの中では、そこで落ちるのは最初から織込み済みで「落ちて気合を入れる」って言ってたもんね。
山:筑波の推薦は、もう最初から落ちて良いって思ってて、試験を体験して体勢を整えようって思ってました。

関:こっちとしては、筑波受かったら芸大受けられなくなるから複雑な心境だったんだけど、でも『受けるかからには受からせるつもり』でいたから…。一緒に石膏デッサン描いたもんね(笑)。
山:そうでしたね。自分の中でも100%の力でやんなきゃ…っていうのはあったんですけど、一方で「ここで受かんなくても良いじゃん」っていうのがあって…。

関:気持ちの行きどころというか、その辺は難しいだろうな…って思ってたけどね。
山:そうですね。

関:芸大終わった後にもさ、後期の筑波も受けるって事で、石膏描いてたんだけど、アレはキツかったでしょ(笑)?
山:いや?本当、精神的に(笑)。『これが受験だ』って感じがしましたね。やっぱ石膏デッサンって楽しくないなって(爆笑)。

関:そうやって考えてみると普段描いてた絵っていうのは、まだ受験ではあるんだけど、一枚一枚「この作品どうしよう?」っていう事を考えて描いてたと思うんだよね。これはこうだから、こうすれば良い…っていうマニュアルがある訳じゃないからね。その辺は石膏デッサンとは全然違うところだよね。『ルールは自分で作る』みたいなさ。
山:そうですね。

関:もし違う課題が出てたら全然違う作品描いてたんだろうな?って。だからそういう一枚一枚の思考力というか、作家的な力は一年でだいぶ付いたかな?って思ってるんだよね。
山:まぁ、そうですかね。

関:僕自身の今年の方針として『自力で考える力をつけさせる』ってところに重点を置いて見てたんだよね。だから敢えて作品に対してあまり口出しや手出しをしなかった。一人ひとりが、その課題に対してどうやって考えて答えを出していこうとしてるのか?っていう部分に焦点を当ててね。結構言いたくなるのを我慢してたんだよ(苦笑)。
山:僕としては課題をこなすだけだったから「本当に力着いてんのかな?」っていうのはありましたね。

関:僕はね、カリキュラムって『合格する為のプログラム』だと思ってるんだよね。皆にどうやったら作品について考えてもらえるのか?考える事を習慣付けられるのか?っていう…。アトリエではどう考えたかを聞いて「それだったらこうなんじゃない?」とか、行き詰まった時には「こういう事を考えたら前に進めるんじゃない?」っていう手助けをする位でね。だから課題ができた時には、僕の仕事はもう半分くらい終わってるんだよね(ニヤリ)。
山:あぁ、なるほど。

関:あとは個々の問題として「この技術がないと、どうしてもクリアできない」ってところがあったら、よく考えた末に教えちゃうけどね。まぁ僕の教え方っていうのは他の予備校とか、他の先生方とはちょっと違って特殊だったと思うから…
山:他の予備校がどうなのかは分からないですけど、絵画の見方っていうか、例えば明暗構成だったり、そういうのは結構教わったなって思いますね。色々言ってもらう度に、あぁそうなんだ。みたいな…

ー次回に続くー

映像科:春期イベント

こんにちは。映像科の森田です。
3/19.20のオープンスクールにいらした皆さん、ありがとうございました!
(記録写真を撮るのを忘れてしまいましたが…)映像科の教室では、感覚テストの展示のほか、
推薦入試合格者の映像作品の上映なども行いました。

そして日曜日からはいよいよ、春期講習が始まります!
今年はスケジュールに合わせて受講できます。
・3/26(日)?4/4(火)【10日間】
・3/28(火)?4/4(火)【8日間】
・3/30(木)?4/4(火)【6日間】
申し込みは直前でも受け付けているので、美大の映像系で進路を考えているという人は、ぜひどうぞ。
去年も行った先端芸術表現コースとの合同ワークショップに加えて、
今年は映像作品鑑賞の課題や、一風変わった(?)デッサン課題など、盛りだくさんの内容です!

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※画像は去年の春期講習の様子です。

基礎科 お祭り共通課題の結果。。

今年の受験結果も出て、春の講習からは基礎科の1部の人達は、とうとう受験科へと進みますね。
あっという間の1年でした。。。

先日こちらにアップした、基礎科新宿校の最後の課題!
「盛り盛りの大型モチーフで、静物デッサンコンテスト、、、」

結果のご報告。

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基礎科生全員の作品から、優秀作品賞と、各講師からの講師賞に、ちょっとした商品と賞状をプレゼント。

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↑ 講師からの賞状授与!

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↑ 各コースから数名づつへ、、

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なかなかの力作揃いで、1年の締めくくりの良い課題となりました。
来年度から受験生になるみんなも、もう1年基礎科で力を更につけてゆくみんなも。かなりパワーアップしたことが実感できました。

来年も
現役合格を目指して、、
もっともっと実力アップを目指して、、

みなさん来年もがんばりましょう!!

芸大油画現役合格者に聞く①

こんにちは。油絵科の関口です。これから数回に渡って2017年度芸大油画専攻合格者にインタビューしたお話を載せたいと思います。芸大合格者の今年一年は一体どんな感じだったのでしょうか?人によって様々だと思いますが、その辺も含めて皆さんにお届けしたいと思います。

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発表の日に新美で油絵科の合格者で記念撮影。用事があって早く帰ってしまった人もいるので、これで全員ではありませんが、皆嬉しそうな顔をしていますね。

さて今回は新宿校夜間部から現役合格した、山道くんにインタビューしました。山道くんは直接僕が受け持っていた事もあり、なんだかんだで40分以上に及ぶロングインタビューになったのですが、何回かに分けてお届けします。これから受験生になる皆さんには、1つのケースとして是非読んでもらいたいな…と思います。
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関口:この度は芸大現役合格おめでとうございます。
山道:ありがとうございます。

関:ところで山道くんは普通科の高校出身だったよね?
山:そうですね。一般の普通科の高校で、美術部にも入っていませんでした。小3位の時から地元の絵画教室みたいなところには通ってましたけど…でも、教えてくれるって感じてもなくて、絵画だけじゃなくて、陶芸とか色んな事をやらせてくれる、体験みたいなところでした。

関:へ?。そうだったんだ。確か新美で初めて見たのは去年の春期講習だったよね?
山:そうですね。その前に一回無料の1日体験に来て、その後春期講習に来ました。

関:春期の事は今でもハッキリ覚えてるんだけど、カタチが取れて空間が出せるな…というのが印象に残ってて、来てくれたら良いな…と思ってたんだよ。でも家が遠いから新美には来てくれないんだろうなぁって思ってたんだよね。確か家は江ノ島の方だよね?
山:はい。でも1時間位で来れるんで。

関:へ?。そんなもんなんだ。意外と近いんだね。
山:はい。ちゃんとリサーチして来ましたから(笑)。快速とかに乗ればその位で来れます。

関:そんな遠い中で、新美に来ようと思ったキッカケって、どんな感じなのかな?
山:体験の時なんですけど、他の予備校に行った時に「褒める」っていうのが多くて、自分は絵を始めるのが遅かったから「これで褒められるっていうのは絶対に無いだろう」って思ったんですよね。そんな中でメッチャ褒めに来るから、なんか信用出来ないなって(笑)。

関:信用出来ない(笑)
山:新美は普通に「こんなんじゃ受験ヤバイでしょ」みたいな感じで普通に言ってくれたので。

関:それ言ったの僕じゃないよね(笑)。誰だろ。厳しめだったのかな?
山:いやぁ。全然厳しめでは無かったですね。本当に普通に自分のイメージしていた通りに言ってくれた感じです。

関:それは良かった。その後、春期講習に来て、夜間部の先生の他に昼間部の先生にも教えてもらったじゃない?どんな印象だった?
山:そうですね。そんなに技術的な事は教えないんだな、と。

関:そうね。僕も含めてあんまり技術的な事は言わないよね?ていうか、特に僕は年間通してあんまり言わなかったよね(笑)。かと言って別に精神論でも無いし。一体何を教えてたんだろうね(笑)。
山:(笑)でも、春期講習の時は「焦ってた…」っていうのもあると思いますけど、ヤル気はありましたね。

関:そうだね。いつも遅くまで残ってたしね。
山:自分の中では焦りがあったので。

関:常に焦ってた?
山:いやぁ、夜間部に通うようになってからは、段々焦らなくなったというか。

関:結構変な子もいるしね(笑)。まるで動物園みたいな(笑)。
山:そうですね(笑)。美術系の高校の人には基礎力や技術的な事は敵わないな…て思ってたんですけど、普通科の人も結構いましたし…変な人もいましたけど(笑)。

関:最初の頃に感じた、僕の山道くんに対する印象っていうのは、形に対してのこだわりが強かった…っていう。まあ、だからかもしれないけど、ずっと見ててもさ。なかなか進まないし、手が遅かったよね。いやぁ?そりゃぁちょっと要領悪いでしょっていうか、いわゆる不器用っていう…ね(笑)。でも良いものを持ってるな…ってずっと思ってたからね。だから短絡的に「ここをこうやれば…ね?何とかなったでしょ?」みたいな感じにはしたくなかったんだよね。
山:ああ。なるほど。

関:それに山道くんは、自分で納得できるところにいかないと、絶対前に進めないタイプなんだろうな…とは思ったよね。だから、上手くいかなくても尻を叩く様な事は殆ど無かったと思うんだよね?
山:そうですね。あんま無かったですね。

ー次回に続くー