カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

アルチンボルド展で遊ぼう!

こんにちは。油絵科の関口です。
今日は芸大説明会の日ですが、このブログを読んで興味を持った人は、上野の西洋美術館で開催されているアルチンボルド展にも立ち寄ってみて下さい。

このアルチンボルド。1527年ミラノ生まれという事で、ルネサンスより少し後の時代、マニエリスムの画家に分類されるそうです。一番最初にこの人の絵を見た時、てっきり近?現代の作家だと思いました。

ただ、何回か画集などで作品を見ていく中で「技術的にはルネサンスの巨匠には遠く及ばない画家」と感じていましたので、今回はスルーしようと思っていました。ところがネットである動画を見たことで、行く気マンマンに…。思わず初日に行ってきてしまいました(笑)。
僕も動画をブログに載せようと思って撮影・編集までしたんですが、アップの仕方が分からず断念。今回はいつも通り画像での紹介とさせて頂きます。気になる人は僕の携帯に動画がありますので、気軽に声をかけてください。


何と言っても今回やってみたかったのは、入り口にあるモニタでの動画。自分がモニタ前に立つと、野菜や果物が集まってきて顔を作り、自分の動きに合わせて動き出します。こういうのもAR(拡張現実)の一種なのでしょうか?新しい技術に疎く、詳しい事はよくわからないのですが、とにかくやってみるとことをお勧めします。


初日にもかかわらず結構並んでました。


本人に似ているかどうかは分かりませんが、人によって顔を構成する野菜の配置が異なる様です。


この親子は、お父さんが赤ちゃんを抱っこしてモニタの前に。可愛らしい赤ちゃんの顔は、何と白い玉ねぎ1個(笑)。体はカボチャで、手はズッキーニ。お母さんも思わず「何これ?。顔が小ちゃ過ぎる?」と言いながら、笑って写真を撮っていました。大人は顔だけですが、赤ちゃんだと体まで表現してくれるみたいです。


そしてこのお父さんが赤ちゃんを少し下ろして、モニタの前に立つと…モジャモジャ頭も葉っぱで表現!何気に素晴らしい再現能力(笑)。


僕もモニタの前に立って、首を振ったり口を開けてみたりして楽しみました。僕に似て…ないですけどね。


最後は重力で野菜が落下して終了。結構楽しかったです。

これをやる為だけに、お金を払って入場したつもりですが、レオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンにもお目にかかれました。正直なところ展示にはあまり期待していなかったので、ちょっとお得な感じがしました。是非皆さんも訪れてみて下さい。

最後になりましたが、新美の1階に出来たギャラリーで僕の展覧会を見て下さった皆様、ギャラリートークに来て下さった皆様、誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
次回はデザイン科の多田先生の展覧会です。僕もどんな展示になるか楽しみにしています。皆さんも色んな作品を見て、美術に対する興味をドンドン広げていって下さい。
http://www.art-shinbi.com/event/shinbi-gallery/

サマーワークショップ木工でお皿を作ろう!

こんにちは、新宿校デザイン工芸科の多田です。ムサビのオープンキャンパスも終わり、生徒達は少しずつ入試を意識し始めてるのではないでしょうか。ムサビでも様々なワークショップが開催されていましたが、前回に引き続き18日も新宿校では魅力的なワークショップを行います。

私の担当は木でお皿を作るというものです。

木を加工するというのは馴染みがない方には『難しそう、硬そう、大変そう、、、』というイメージがあるかもしれませんが、今回は2mmの薄い板をお湯で蒸して曲げて作るというシンプルなものなのでどなたにもご参加いただけます!

好きな形を決めて材料に下描きします。今回は葉っぱの形でやってみました!

 

鋸やナイフ、カンナといった手道具で形を作ります。小物を作るためにこんな小さなカンナもあるんです、、、。当日は刃物を扱うので安全対策で手袋をして作業したいと思います!

 

お湯に浸した木材を専用のアイロンを使って曲げます。このアイロンはギターやヴァイオリン制作にも使われています。焦って折らないように注意!

 

 

仕上げてオイル塗装するとこんな感じに仕上がります!木の材種の違いでここまで表情が違うんですね。ちなみに左から楓、桜、ウォールナットという木材です。

 

 

こんなお皿に和菓子やアクセサリーなどを乗せたら素敵だと思いませんか?まだ申し込み受け付けておりますので興味のある方は是非ご参加下さい!親子でのご参加もお待ちしております!

 

http://www.art-shinbi.com/event/2017/summer-workshop/ サマーワークショップ

映像科:オーキャン見学&今週末は物語のワークショップ

こんにちは。映像科の森田です。
日曜日の授業では武蔵美のオープンキャンパス(オーキャン)へ行ってきました。
映像科の学生の多くが第一志望にしている武蔵美の映像学科。
映像作品の上映や写真の展示、スタジオでの撮影体験などもあり、一日で周るのはなかなか大変。入試対策としては合格者の感覚テストの作品なども見て、色々と吸収してきました。

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さて、告知です。
新美ではサマー・ワークショップが開催されていますが、今週の日曜日に映像科と先端芸術表現科が合同で企画するのがこちらです。

題して「物語を見つける・物語をつくる」!

当たり前のように考えている「物語」について考えてみるために、一日で色々な制作をします。映像科や先端芸術表現科の受験を考えていて、予備校の雰囲気を見てみたいという人はもちろん、
いつもは絵を描いていて「キャラクターって何だろう?」と思っている人や、
小説や漫画を描いていて「ストーリーって何だろう?」と思っている人にもヒントになるはず。
webの方で授業の内容も紹介されてますが、制作の詳細は当日のお楽しみということで。。

直前でも申し込み可能なので、日曜日の予定がまだ決まってない人はぜひ!

パスタ×版画?!

こんにちは。油絵科の関口です。先日より新宿校1階にギャラリーもオープンし、新美もイメージがガラッと変わりましたね。僕も新たな気持ちで授業に挑んでいます。

さて、皆さんは「版画」と言った時に連想するのは何ですか? やはり小学校の時にやった、彫刻刀で掘る木版でしょうか?中には年賀状を刷ったことがあるのでゴム版という人もいるかもしれませんね。昔の学校だとガリ版刷りのプリントというのもありましたが、それも版画です。でも今の学生には馴染みがないかもしれませんね。
美術を専門的に勉強しようと思った時、最初から版画を選択する人は少ないのは、今迄の人生の中であまり触れたことが無いからかもしれません。かく言う僕も、版画は殆ど未知の領域。
そこで今回は、基礎科講師の根本先生に話を聞いてみる事にしました。
根本先生は芸大油画専攻に入学。学部の途中から版画に興味を持ち、大学院では版画を専攻。今年大学院修了したばかりの先生です。

 

版画について
版画は中々馴染みがない人が多いと思うんですけど、実際やってみると奥が深くて結構楽しいんですよね。大学だと触れる機会があるのかもしれないですけど、一人でも多くの人に版画というメディアを体験してもらいたくて、今回のワークショップを考えました。

版画の種類について
版画は厳密には色んな種類や技法があるんですけど、すごい簡単に説明すると4種類になります。
①木版などの凸版。(出っ張った面にインクが乗る)浮世絵の北斎など


②銅版などの凹版。(引っ込んだ溝の部分にインクが乗る)ヤンセンなど


③シルクスクリーンの孔版。(シルクの穴を通ってインクが出る)ウォーホルなど


④リトグラフの平版。(石板や金属板などの平面に描いたものがそのまま版画になる)ミュシャなど

今回やるのは、原理的には②の銅版画に近いんですけど、より簡単に出来るようにツルツルの紙を版にしていきます。分類的にはペーパードライポイントって言います。多分皆もやった事の無い技法だと思うんで、是非体験して欲しいですね。

パスタマシーンについて
凹版は刷る時にプレス機が必要になるんですけど、大抵は大学とか設備の整っているところにしか無いですよね?そこでパスタマシーンの登場です。
このパスタマシーンが何とプレス機になるんです。金額も比較的安いので、自宅でも導入できて手軽に版画を楽しめるのが魅力ですね。結構ちゃんと刷れますよ。

版画の魅力について
版が間に入る事によって間接的な表現になったり、図像が反転したり、自分でも思い掛け無い事が起こるところですね。自分の手だけでは作り出すことの出来ない表現が可能になる事もあります。
作品が複数枚出来るのも良いですよ。同じ版でも紙の種類を変えるだけで、違う風合いになりますしね。
それに印刷だと4色のインクで表現できる色に限界があって、どうしても出せない色が出てくるんですけど、版画はそういう色に縛られないので、微妙な色や絶妙な色が出せるんですよ。こだわり派にはもってこいなんです。

あと版画と触れる機会が少ないと、気付きにくい事かもしれないんですけど、結構色んな表現が可能なメディアなんですよね。文字や写真、パソコンだって使えるんですよ。さっき関口先生が言っていたガリ版もジブリの「コクリコ坂から」にも出てたんですけどね…。
アナログからデジタルまで結構色んなことができるので、油絵、日本画、デザインを勉強している人はもちろん、イラストを描くのが好きな人にもオススメです。

 

版画について根本先生と話をしている内に、あっという間に1時間が過ぎていました。パスタマシーンで版画ができるなんて、ちょっと意外ですよね。聞いている内に興味が湧いて、僕もやってみたい気持ちになりました。
このブログを読んで興味を持った人は来週 6/18(日)に開催しますので、是非申し込んでみて下さい。
http://www.art-shinbi.com/event/2017/summer-workshop/workshop-W07.html

彫刻科 近況

彫刻科 昼間部講師の氷室です。
いよいよ1学期も折り返し地点を過ぎました。
明日は、新美彫刻科 無料公開コンクールが開催されます。
この時期に6時間でデッサンを完成させるのは難しいかもしれませんが
現段階の力を試すチャンス
これからの課題を明快にするチャンス
ですね!
参加者の皆さんの健闘を祈ります!

そして彫刻科で新たに『岩野 勇三』さんの画集を購入しました!!みなさん、是非実技の参考にしてみてください!

そしてそして、いよいよ6月14日から国立新美術館で、『ジャコメッティ』展が開催されます!!!

いつでも 成功よりも失敗のほうが一層大きい
あるいは 私の成功は 失敗に等しいかもしれない
私は 何かを作るために仕事をしているのか
それとも 作りたいと思ったものを 何故、私は作り得ないかを知るために 仕事をしているのか
どちらだか 私には分かりません

ジャコメッティの言葉より

この展示は、彫刻科の生徒には必ず見てもらいたい展示です◎◎
これを見逃すと、次に出会える機会はいつになるのでしょうか。。。
彫刻家の大きな展示は、日本では貴重かもしれません!


☆展覧会ホームページ:http://www.tbs.co.jp/giacometti2017/

さて、ここからは最近の秀作をご紹介します。


素描は全てに通じます。視点、置いてある状況、空気、質感、パース、光 全てを考えながら描けています。


首から上に固さはありますが、体の方は粘り強く迫れています。この、しつこい観察としかし、行き過ぎず全体を意識するバランスが良いです。


やや形の彫り起こし方が均一になっています。黒さの質感が形に沿って変化してくるともっと魅力的になりますが、良いきりの強さは抜群です!ジョルジョの表情は捉えることが、なかなか難しいですが、顔も似ています。


やや首から顎へのつながりが惜しいですが、視点からの奥行きやスケール感があり、周りの空気までも感じます。炭の発色が綺麗で引きつけられるデッサンです。


投げ出さずに、形をしっかり追っています。作者がジョルジョと言う形を、どの様に捉えたのかが絵から伝わってきます。言葉を持ったオリジナル性の高いデッサンです。


ガッタメラータの強い表情、胸のレリーフの表情、胸や髪の毛の表情、それぞれにきちんと反応出来ており、作者の丁寧な観察と繊細なテクニックが感じられます。必要な要素全てを拾ってそれらをまとめていく、バランス感覚が光っています!


こちらは夜間部現役生のデッサンです。
伸び縮みのしなやかな動きを見ると、やや固さが残りますが、グイグイと形に迫って行く勢いが、円盤らしい筋肉美への表現へとつながっています。彫刻科らしい素直な追究が好印象です。この調子です!

今回は以上の紹介です。
まだまだ、これからさらに伸びて行くことは間違いありません。
描き方もありますが、全ては見方を鍛えていくことが、大学に入ってからも繋がります。
厳しく言われることもあるかもしれませんが、コツコツと目の前の課題に向かって、へこたれないことが大事だと思います!
いかに新鮮な気持ちで挑めるかが課題でもありますね。
1学期中に、しっかりと実力を伸ばして走りきりましょう!

氷室

次回の担当は小川原先生です!