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デザイン総合コース 2017.5.8 対談 vol.2

デザイン総合コース 2017.5.8 対談 vol.2

 

参加者 増田 新宿校 デザイン総合コース副主任
川村 東京芸大デザイン科2年 新宿校デザイン総合コース講師
川名 東京芸大デザイン科2年 新宿校基礎科講師
武田 国立校校長 デザイン総合コース主任

 

テーマ 受験勉強で大切にしたいこと

 

前回に引き続き学生講師のお二人と対談した内容をQ&Aでお送りします。
今回は、川名くんです。

 


川名:東京芸術大学デザイン科二年の川名です。新宿校で基礎科を担当しています。よろしくお願いします。

 

Q1. 芸大を目指したきっかけはなんですか

A.川名:元々絵を描くの好きだったので、美大に行きたいと思うようになりました。
他の大学も考えていたんですけど、金銭的に余裕がなかったので学費が安く、制作環境の充実している芸大に一番魅力を感じて第一志望に決めました。

 

Q2. 受験勉強を振り返って(受験勉強は順調だった?)

A.川名:全く順調とは言えなかったですね(笑)最初に受験科になった時は、ベタ塗りの課題で色面を半分も埋めることができなかったり基礎科との制作時間の差に驚いていました。シンビは講師と生徒との距離感が近かったので、気軽に質問できたり、授業後も相談する時間が多く取れたので上達しやすかったと思います。

 

Q3. 受験時代の作品について

A.川名:僕は元々他の人と比べて一度にできる仕事量が少なかったので一つのモチーフにかける時間の配分に気を付けていました。一からモチーフ構成をしなければならない構成デッサンは他の石膏デッサンや静物デッサンに比べて一見難しいように感じるんですが、逆を言えばメインのモチーフに時間を最大限掛けられるので、足りない観察力を時間配分と構成で補っていました。

 

 

Q4. 上達のきっかけは

A.川名:最初デッサンで大事なことは、まずシルエットや形を合わせて、次に明暗を分けて、最後に稜線やキワを描くことだと思っていたんです。でも講師の先生のデモンストレーションを見ていたら、“もしかしたら稜線が大事なんじゃないか”と思って、入試直前に描き方をガラッと変えてみたんですよ。そしたら稜線を最初に描くだけでシルエットや形だけじゃなくて、固有色や空間まで出せることに気に付いたのでそれからはその描き方で進めることにしました。
入試の直前も直前で描き方を変えるのはどうかと思ったんですけど、結果的にはいい方向につながったと思います。

 

Q5. 入試のこと

A.川名:ひょっとこが出た時はびっくりしましたね(笑)でもそれが最終的に石膏像を描いてる人たちと比べられると思ったら気が気じゃなかったので気合を入れて描きました。本番も対策の時と同じで時間配分に気を付けようと思ったので、PPロープや手を描くことも意識しつつメインのひょっとこに1番時間をかけられるようなに構図と時間配分に気をつけました。お昼の時間はイーゼルにお面を掛けてにらめっこしながらご飯を食べてましたね(笑)

 

Q6. 講師になって、教わる側から教える立場になって気づいたこと、考える事はありますか?

A.川名:僕は二浪したので、だいぶ予備校的な考え方が強いまま講師として入ったんですが、基礎科の生徒たちは自分が感動したことや楽しいと思ったことをそのまま絵にしてくれるので、すごく新鮮な気持ちになりますね。基礎科自体としては既に力のある子たちが多いので、みんなで刺激しあってとてもいい盛り上がりを見せていると思います。

 

Q7. 受験生にアドバイスはありますか

A.川名:高校生はいつも教えているので、特に浪人生になんですけど、“自分は自分、他人は他人”で自分は何ができて、逆に何が出来ないのかをよく見極めることが大事だと思います。講評を重ねるとよく他の人と比べることが多くなってくると思うんですけど、自分の場合そういうときはびっくりするくらい成長しなかったので、自分のいいところを見つける努力が大切かなと思います。

映像科:木金日コース授業紹介&映像と音楽について

こんにちは、映像科講師の土屋です。

映像科では5/7(日)に、先端芸術表現科と合同で
ゴールデンウィーク課題発表会を行いました。

これから「自分が作りたい作品」や「作ってきた作品」、
あるいは「好きな作品や映像に関して各自で研究したこと」について、
プレゼンテーションを行ってもらいました。

先端と合同ということで、生徒のみなさんも
新鮮な気持ちで発表/傾聴できたことを期待します。

さて、ここで講師の私も
気になっている映像表現について発表してみようかと思います。

今回は、
【映像ジャンル研究】「電子音楽のライブにおけるスクリーンの多様性」について。

何故この話かというと、
上記のプレゼンの前の週に「映像ジャンル研究」という授業を行ったのですが、
①『音楽の演奏+(とともに投影される)映像』
②『音楽(DJ)+映像(VJ)』
③『ミュージック・ビデオ』
この3つの違いが分からない…という声を聞いたため。

確かに音楽と映像が絡んだ表現って複雑です。
特に色んな音をシンセやラップトップPCから出して演奏してると…
それは録音されたものなのか、ライブで今演奏してるものなのか?
といった観客にとっての疑問が、映像にも生じてくるのでしょう。
音に対して計算しつくされた映像が出るのか、もっと演奏のようなものなのか。

とはいえ、音楽のある場所にもまた、映像の可能性があるということが
ここに出す例のような表現から感じられるのではないでしょうか。
今回は映像のコンテンツ(内容)から一歩引いて観察してみる、という意味で
スクリーンのバリエーションに注目してみたいと思います。

Radiohead – Live at Tinley Park (2012)

いきなり純粋な意味で電子音楽ではないですね。すいません。
2012年に行っていたステージ演出では
正方形のLED?スクリーンが、それぞれ巧妙に移動して、
さまざまなパターンを作り出していました。
そこに映像が出力されることでまるでミラーのように見えたのです。

+

Squarepusher – 303 Scopem Hard [Live at Hackney Empire, October 2012]

門のような形状が少しずつ奥行きをもったスクリーン。
しかもよく見るとSquarepusherの被っているマスクも映像装置になっているという。

+

Flying Lotus – Live Show Preview (2014)

ティザー動画のため短くて分かりにくいかもしれませんが、
半透明のスクリーンが層になって、Flying Lotusを囲っています。
ライブではなかなか映画館のような3D上映システムは難しいので、
手軽にそんな体験が出来るのではないかと予想。

+

Amon Tobin ‘ISAM’ Live (Trailer) (2011)

プロジェクション・マッピングをいち早くステージ演出に取り入れた好例ではないでしょうか。
最近では’ISAM 2.0’にバージョンアップしているらしい。

以上はスクリーンの形状に注目してみた例ですが、ここで紹介した2012年前後の例は、
「音楽の演奏(=音の電気信号)の出処(=演者)を巧みに隠す、あるいは顕著に見せるための
光/映像の変化」なのではないかと思っています。

ステージにある様々な要素や特殊な造形は、私達を音楽とともに撹乱させます。
しかし趣向を凝らしたステージ演出でも、そこに演者がいなければ、私達観客は観るのを止めてしまうような気がします。

今現在の2017年は
VRやペンライトシステム、3D(ホログラム?)といったテクノロジーが更に発達しているので
観客(私達)と演者の関係がもうすこし複雑な話になってきそうな時代です。

やはり音楽を耳だけでなく、様々な感覚をもって体験したいという欲求なのではないかと思います。
その要素の一つとして、人が集う場所にもたらされる映像(つまり大きなスクリーンが存在する)は演者と私達観客の関係において、効果的に使われているのだと思います。

いかがでしたでしょうか。
映像科の生徒のみなさんはどんな感想を抱くか気になります。

〆切まであと3日!第1回美大学科模試 ~ムサビ形式~

こんにちは。

先週は美大学科の校内模試がありました。参加した受験生の皆さん、お疲れ様でした。
手ごたえはいかがでしたか?

さて、
申込み締め切りまで…あと3日!

5月28日(日)実施する「第1回全国美大学科模試」について再々告知します。


毎年全国から大勢の受験生に参加していただいてますシンビの学科模試!今年度 第1回目はムサビ形式です。
当日の会場受験(新美新宿校)のほか、在宅受験も出来ますので、遠方の受験生や、当日都合の合わない受験生もご参加いただけます。
(高校の先生を通じての学校参加も受け付けております。)

キャプチャ

>>模試案内・申込書全文はこちらをclick!

美大学科模試はムサビ、タマビに特化しており、偏差値、順位、合格判定に加えて実技で必要な点数も判定でき、アドバイスも貰えます。>>模試の概要はこちらをclick
私大は特に、学科も合格の鍵を握ります。
学科がとっても大事です。
「美大受験生の中で私はどのくらいの実力なの・・・?」というリアルな立ち位置がわかるので、
受験生の参加はマストです!
「学科はバリバリいけます!」な人も、「一応やってはいるけど……」な人も、「手をつけていません」「これからやります」な人たちも、今の実力と今後の対策を確認できる貴重なチャンスです。
ムサビ志望に限らず、是非チャレンジしてください。

申し込み締め切りは5月18日(木)※在宅受験の場合は実施10日前?です。
対象は、新美生・校外生問わず、全国の高3生・既卒生です。
受付窓口、もしくは現金書留郵便にて、申込書+受験料の2点セットをご提出いただいくと申込み完了です。
ただ今絶賛受付中ですので、まだの方はお早目にお申し込みください。
>>模試案内・申込書はこちらをclick!

キャプチャ2

※申込書は受付窓口でも配布しています。

ムサビ形式は今回を逃すと次は9月になってしまいます……どうぞお見逃しなく。

まだまだ間に合います!
申し込み締め切りは5月18日(木)ですよーー!!

お申し込みお待ちしております。

 


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ご不明点などは新宿校まで、遠慮なくお問い合わせください。
新美新宿校・総合受付:03-5309-2811 ※平日 9:00~18:00、日曜 9:00~16:00(祭日は休館)

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画集が見たい、手に入れたい…人へ

こんにちは。油絵科の関口です。
ここのところ急に暑くなったり、雨が降って気温が下がったり…こんな時は体調を崩しやすいですよね。皆さんは体調管理の方は大丈夫ですか?
さて、新美には沢山の画集がありますが、たまには自分で画集を探しに行くのも良い勉強になると思います。ということで、今回は銀座6丁目にあるGINZA SIXの6階の蔦屋書店に行ってきました。


4月20日にオープンした当初は、連日凄い人だかり…と聞いていたので、どうしても足を運ぶ気になれなかったのですが、昨日はかなり強い雨が降っていたので「少しは空いているかな?」と考え、思い切って行ってみました。ただ土曜日という事もあり、土砂降りの雨にも拘わらず ?かなり沢山のお客さんで賑わっていました。
行ってみたら結構楽しい…。面白い…。もっと早く行けば良かったです。


広い店内には書籍だけではなく、様々な展示もあります。名和晃平さんのオブジェや平面作品、杉本博司さんの写真…


ちょっと変わったところでは、なんと日本刀までも展示されていました(笑)。本屋さんなのに、カオスな雰囲気が刺激的です。


書籍に目を移すと、さすがに大型店。こちらも色んなコーナーがあります。世界中の美術書籍が所狭しと置いてあり、西洋美術、日本美術、デザイン、建築、写真、サブカルチャー…など各コーナーかなり充実しています。


珍しい特集としては、世界の美術書籍の出版社別のコーナー。こういうのは見たことがありません。大型店舗なのにかなりマニアックな企画ですね。


あとこんな超大型本もありました。持ち上げる事さえ困難な感じで、ページは手袋をしてめくる仕様でした。

オンラインショップでは、世界中で現在開催中の展覧会カタログも購入できるとか…すごい時代になったものです。
店舗の営業時間も9:00?23:30と自分の都合に合わせて行く事ができる設定になっています。興味のある人は一度足を運んでみてはいかがでしょうか?行くだけなら交通費だけで済みますし、店内が広くて楽しいので、あっという間に1?2時間は過ぎてしまいますよ。
…とここまで宣伝して褒めまくってると、なんか店員の回し者みたいな感じになってしまいましたね(笑)。では今日はこの辺で。

 

追記:既に告知が始まっていますが、新美新宿校の1階がリニューアルされ、6月からギャラリーがオープンします。展示の第一弾として、僕の展覧会が開催されます。こちらの方もどうかご期待下さい。
特設サイト↓
http://www.art-shinbi.com/event/shinbi-gallery/

デザイン・工芸科合同/野外制作

こんにちは。デザイン科・工芸科昼間部です。

新年度が始まってから約1ヶ月経ちました。
9,10日の2日間は、GW明けのイベントとして、デザイン科と工芸科合同で新宿御苑での野外制作を行いました。
5月は新緑がきれいな時期ですね。新宿御苑の緑もとても鮮やかで初夏を感じます。
そんな中、日々の受験課題とは少し気分を変えて、いつものアトリエから出て広い園内を自由に散策しながら、各々自由に制作しました。

新宿御苑は、すぐ外が新宿の街ということを忘れてしまうほど、穏やかで緑豊かな公園です。
とても広い園内には、立派な木々や広い芝生はもちろん、日本庭園・フランス式庭園・イギリス式庭園・大温室などさまざまなエリアがあります。
初日は皆で散策を楽しみながら、それぞれ制作場所を探していきます。
写真をたくさん撮る人もいれば、さっと場所を決めて制作に取り掛かる人もいました。
それぞれのペースで観察ができたようです。

 

2日目は微妙な小雨。
御苑に行って制作の続きはできるのか?できないのか?と悩みどころでしたが、せっかくなので挑戦!なんとか雨は持ちこたえて、無事2日目も園内での制作ができました。
途中うっすらとした霧雨で思いのほか肌寒い一日でしたが…現地に行った甲斐もあり、皆しっかりと制作に取り組んでいました。

園内の緑の風景を描く人、建物を描く人、木や葉をクローズアップして描く人、イメージを膨らませて空想的な作品にする人…興味を持った部分は人それぞれで、とてもバラエティ豊かな作品たちができあがりました。

講評は「どうしてそのテーマを選んだのか?」を発表しながら、和気あいあいとしたものになりました。
制約に縛られないのびのびとした自由制作を通して、気分転換とともに、普段の制作に活かせるような発見があったかなと思います。
行き帰りや野外制作のプチ遠足気分によって、科の中の親睦も今まで以上に深まったようでした。