カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

映像科:おすすめ展示情報

こんにちは。映像科の講師の森田です。
映像科は武蔵美映像学科の入試が終わり、現在は日芸映画学科の小論文&面接対策が追い込みです。
最後まで体調に気をつけて乗り切りましょう。

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さて、入試がひと段落した人には、こちらの展示がおすすめです。

恵比寿映像祭2018

今年で10回目になる、映像と美術のフェスティバル。
今年のテーマは「インヴィジブル(見えないもの)」だそうです。

恵比寿の東京都写真美術館を中心として会期中さまざまな作品展示や上映があります。
僕も毎年観に行っていますが、展示作品だけでも一日で回るのはなかなか大変です。
2/25(日)までやっているので、行ける人はぜひ!

天才たちのノート

こんにちは。油絵科の関口です。早いもので私立美大の入試がもう少しで終わりますね。僕は不覚にも風邪をひいてしまいましたが、皆さんもあともう一踏ん張りして、芸大入試まで頑張りましょうね。

さて、先日油絵科の夜間部では取材課題を行い、上野にある国立科学博物館に行ってきました。訪れた時に「南方熊楠ー100年早かった智の人ー」という企画をやっていましたので、今日はその紹介をしたいと思います。

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皆さんはこの南方熊楠(みなかた くまぐす)という方をご存知でしょうか?博物学、生物学、民俗学など、幅広いジャンルで活躍した、日本の生んだ天才の一人です。今年は生誕150周年ということで、この企画展示を行った様です。僕は生物学にも興味があったので、密かに今回の展示を楽しみにしていました。
この冊子には熊楠が採集した標本がビッチリと貼り付けられている様で、上から見ると紙がボコボコになっているのが分かります。う?…。ページをめくってジックリ見てみたい。


生物学者という事もあり、かなりの数のスケッチを残しています。結構上手ですね。

今の菊皿とは違いますね。梅皿と言ったほうが良さそうです。こういうのを見ていると、美術と科学というのは、かなり近いところにあるのが分かります。

そこで思い出されるのはレオナルド・ダ・ヴィンチです。
レオナルドも美術と科学の領域を行ったり来たりしていた天才です。


これはニュートンのノート。


こちらはコペルニクスのノート。

天才と言われる人たちのノートには、イメージ(図像)と文字がごちゃ混ぜに描(書)かれているのが特徴なんだとか。右脳と左脳を同時に使うことによって、脳の領域を広く活用させていることが、彼らを天才たらしめている…という説もあるそうです。好奇心のあるジャンルなら、誰でも天才になる可能性を秘めているはずです。
落書きやイタズラ書きだらけの皆さんのノートやクロッキー帳も、もしかしたら天才になるためのトレーニングなのかもしれませんね(笑)。

筆職人のこだわり②

こんにちは。油絵科の関口です。ここのところ本当に寒い日が続いてますね。寒さもある一線を越えると、痛みに感じてしまうんですよね…。

さて前回に引き続き、ナムラの筆工場見学のレポートを書きたいと思います。前回は豚毛の筆作りの前半をザックリと見てもらいました。
そして豚毛のフィルバート「HF」シリーズの品質が、他社の筆と比べると別次元という話まではしましたが、何故そこまで品質に違いがあるのか?までは説明できませんでした。今回はその辺にメスを入れていきましょう。


ちなみに筆の形で「フィルバート」と言われているものは、中央部分が端よりも長くなっているのですが、実は毛先をハサミなどで切っているのではありません。

一般的に使われている筆というものは、毛の先端の方が細くなっています。動物の毛は美容院や床屋で切ることが無いので、毛先は全て尖っています。しかも豚毛は毛先が程良く枝毛になっていて、そこに絵具やオイルを含ませる事でタップリと絵の具が乗せられるのです。

逆光で少し見辛いですが、この右側にある木の棒で後ろから押す事で、フィルバートの筆は真ん中が盛り上がる様に調整しているのだそうです。

 

あと、実は筆というものは消耗品で、キャンバスに絵を描いていくことで、少しずつ擦り減ってしまうのです。「フィルバート」の形は平筆が擦り減って来た時にできる自然な形で、絵を描いている人が手に馴染んで「描きやすい」と感じる事が出来るのです。ただ、毛が擦り減るという事は、毛先が磨耗しているので、散髪した髪の毛の様な断面になってしまう…という事でもあります。


そこでナムラさんが独自に開発し、HFシリーズに採用したアイデアが、毛の中に敢えて短いものを混ぜておくというもので、擦り減った毛の中から毛先が尖った新しいものが顔を出すのです。まるで折れても新しい尖った歯が出てくる、サメの様な感覚です。

敢えて短い毛を混ぜる、というプロセスが加わるので、他の筆よりも手間が掛かっています。それに使い込んだ感じを最初から味わってもらいたい為、毛量も他の筆と比べるとわずかに少なめにしているのだとか。筆先がビシッと尖って、キワをしっかりと極められるのは、こういう理由があったんですね。少し値段が高いのも納得です。
上の写真は違う長さの毛を手に取ったもの。下の写真は前回ナイフを使ってクルクルっと見事に丸めていくのを紹介しましたが、一度毛の根元を揃えてから、異なる長さの毛が満遍なく混ざる様にする作業でもあるのだそうです。

ただ残念なことに、近年は中国から入ってくる原毛の質が著しく低下してきているのだとか…。もともと食用に豚を育てていて、筆はその毛を利用しているわけですが、昔の数倍も無理矢理早く成長させる様に品種改良をし、飼料を調整しているのが、筆に使う毛の品質を落としている理由だそうです。その辺に関しては、職人さん達の腕ではもうカバーしきれないのだとか…。原毛のお話をする時の目は、どこか悲しそうな表情をしていました。

筆職人さん達のこだわりを色々と聞いていくと、奥が深いものです。我々描く方もちゃんと筆の手入れをして、良い仕事をしなくては失礼ですよね。今日も良い作品を作れる様に頑張りましょう!

 

筆職人のこだわり①

こんにちは。油絵科の関口です。
ここのところずっと寒い日が続いていますが、皆さんは風邪をひいたり、インフルエンザに罹ったりしませんでしたか?入試まであと少しです。体調管理に気をつけて頑張っていきましょう。


さて、以前このブログにも書きましたが、年末に行なっているアニマート展のメンバーと共に、名村大成堂さんの筆工場見学に行ってきました。(ナムラさんは世界に誇る筆の名門で、僕も受験生の頃からずっと愛用しています)工場と言っても全て手作りで作業を行なっていますので、案内していただいた作業場は割と小さな部屋で、職人さんたちが一本一本丁寧に筆を作っていました。

今回説明していただいたのは、油絵用の豚毛筆で最高級品「HF」の作業工程です。
他の筆と比べると少し値段も高めですが、この筆は品質が良くて使いやすいんです。その理由も今回見学する事で改めて分かりました。

HFは緑色の軸で、金属部分が銅製のもの。他のメーカーもナムラさんのを真似て、このカラーリングで筆を作っていますが、品質はナムラさんだけが別次元です。


左が豚毛の原毛。右は馬、イタチ、タヌキ、リス、羊などのいろんな種類の原毛。

まずこの束になった原毛をナイフと金属製の櫛を使って選別(この作業をサライと言うそうです)していきます。この作業で毛の向きを合わせ(原毛の束では向きがバラバラ)品質の悪い毛を落としていくのだそうです。この作業を繰り返し、回数を多く行なっていくと、良い毛だけ残っていきます。これだけで、なんと原毛の1/3位までに減ってしまうのだとか!
地味な作業ですが、良い筆を作る上で職人さんの技術が問われる大切な工程です。


写真のピントはボケてしまっていますが、この作業を何年も何年もずっと繰り返していくと、金属製の櫛がこんなにすり減ってしまうのだそうです。年月の積み重ねというものは凄いですね。


サライが終わると、少し水をつけて毛をまとめます。実は豚毛の毛は少し湾曲しているので、方向をちゃんと揃えないと、描きづらい筆になってしまうそうです。もちろん一つの方向に反ったままだと、それはそれで描きづらいですよね。


そこで専用のナイフを用いて、ガラスの上に毛を潰しながら並べ、クルクルっと丸めていきます。これで内側に反った毛で全て揃い、毛先が尖った筆になるのだそうです。これがまた見事な技なんですが、写真ではその凄さは伝わらないかもしれませんね。一本の筆を作るのに本当に色んな技術が使われています。

一回では全て書くのが難しいので、次回もこの続きを書こうと思います。2週間後にまたお会いしましょう。

芸大デザインコース

こんにちは。芸大デザインコースです。

冬期講習お疲れさまでした。充実した制作で、それぞれの魅力的なところや、これからの課題なども体感していたように思います。

 

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芸大生のデモストとともに制作し、何をどのようにするのかの判断を観察できたのではないでしょうか。

 

 

センター試験も頑張って下さいね。

来週からは本格的に入試直前講座が始まります。張り切っていきましょう。