カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

彫刻科、プレ春期講習!

こんにちは!彫刻科の小川原です。今日はプレ春期講習ということで、彫刻科では石膏デッサンの描き出しで、大きな探りで構築していく進め方についてレクチャーし、実践を交えて学びました。

最初は僕のデモンストレーションを見てもらいました!今回はデスケルやはかり棒などは使わず、感覚だけで形を取り、直していきます。
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最初は大きなストロークでゆったりと、遠いところの関係性を合わせるように全体を掴んでいきます。
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形の構築が十分整ったら中身の作業です。部分の色の変化に捕われず、全体での色の統一感を大事に進めます。「見る」力を養えば1時間もかからずこのくらい描けるはずです。かく「描く」力があっても見る力が足りなければ実際の像の印象には近づいていかないです。
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描き急がないことが大切です。正しい探りが出来ての「作品」なのです。
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現役生も頑張っています!
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臼田先生は大分デッサンから離れていましたが久々に挑戦です!
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首なし円盤。トルソ像はプロポーションや動きに特に敏感に反応して欲しいです。
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量感の表現が魅力的ですね!
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この1年は、「見る力」を養うことをテーマに学んでいきたいです!モチーフを見切ってがっちり掴んで離さないくらいの安定感を身に付けましょう!春期講習で1つでも多くのことが身につくよう、講師一同徹底した指導を心がけていきます!
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彫刻科ラストスパート!

こんにちは。彫刻科の小川原です。1次素描の試験が終わり、皆2次に向けて着々とリズムを整えていることと思います。
さて、彫刻科ではこれまで模刻に力を入れてトレーニングを重ねてきました。模刻は彫刻の基本だと思います。素直に形を見て形作っていくだけでなく、過去の偉大な彫刻家と、彼らの素晴らしい作品との対話を通してしっかり基本を学んでいって欲しいです。
それではまず1次試験直前に行なったアバタとメディチ、ブルータスの優秀作品を紹介します。
昼間部生のアバタ。
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素晴らしい出来です。形が持つ「言葉」を理解しながら作品と向きあえています。

昼間部生のメディチ。
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メディチの難しい動きが良く捉えられています。相当なクロッキー力が身についていることが証明されています。

夜間部生のブルータス。
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印象が良いです。動きや構造を合わせていくのは当たり前のことですが、最後はやはり顔を似せていくことが重要です。

そして昨日行なったジョルジョです。
昼間部生の作品。
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顔を似せていくことへの執着心が素晴らしいです。完成度も良いでしょう。バランスに関しては外さぬよう細心の注意を払って下さい。

同じく昼間部生の作品。
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動きや印象。どれもがジョルジョをしっかり捉えています。目に関してはもう少し強さがほしいところですが、彫刻を分かってつくれていることが見て取れます。

夜間部生の作品。
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現役生でここまで捉えられる人は中々いないでしょう。動きも合っているし、印象も良いです。形の「張り」の緊張感についてはしっかりやりきりましょう。

同じく夜間部生の作品。
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正直うまいです。この調子。顔の印象を外してしまうことがあるので、今回の内容をしっかり胸に刻んで本番に望んで下さい。

皆さん。今日明日で本当に1年の締めくくりとなります。悔いの残らぬよう、やれることをしっかりやりきりましょう!!

彫刻科 ここまでの入試結果

今日多摩美、ムサ美の合格発表があり、一山越えた感じがあります。
さて、ここまでの彫刻科の戦績です。
多摩ムサ推薦入試、受験者全員合格!
日大芸術学部推薦入試、受験者全員合格!
東北芸術工科大学、受験者全員合格!
東京造形大学、受験者全員合格!
日大芸術学部一般入試、受験者全員合格!
そして、多摩美、ムサ美ですが、数名補欠という結果となりましたが、ほぼ順当に合格!不合格者が出なかったのは毎年のことですが良かったです。補欠となった人も、繰り上げ合格に期待します!

芸大入試も目前です。アトリエの雰囲気もこの半月でガラッと変わってきた感があります。この調子で芸大も突破していって欲しいです!

それではここ最近の秀作を紹介します。
昼間部生の作品。
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勢いをつけるためにも量感のあるモチーフを描いてもらいました。彼はこれまで構造的な強さがなかなか出せず、表現が絵的になってしまう事が多かったですが、この作品では何かを掴んだようです。色ではなく、「形」そのものに反応して描けているので、臨場感がひしひしと伝わってきます。

同じく昼間部生の作品。
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彼女はこれまでなかなか時間内に完成度が上げられず、いつも途中で終わってしまっていました。このひとつ前のブルータスの課題で進め方を大きく変えてもらい、それがはまって短時間でも力強い画面作りが出来るようになりました。

夜間部生の作品。
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3時間で木炭紙にコンテで描きました。自然な体重のかかり方やポージング、顔の印象、肌の質感、空間。どれをとっても見事な描きっぷりです。手前の足が潰れてしまっているのが勿体ないですが、現役生で3時間でここまで描ける人はなかなかいないのではないでしょうか。少なくとも自分が現役生の時もある程度描けた記憶がありましたが、ここまでは出来ませんでした。

この時点での皆さんの仕上がりはどうでしょうか?結果をコンスタントに出してきている人は、実技だけでなく、メンタル面も含めて入試に合わせて行きましょう。
もう一つ課題が残っている人はかなりチャンスがあります。あと1週間で何か一つでも身に付けて自信をつけて下さい。
これだけは忘れないで欲しいのですが、試験本番ではもちろん僕ら講師のアドバイスは何もありません。しかしこれまで学んできたこと、指導されてきたことは骨身に染みていると思います。ただただ冷静でいるだけで、手は勝手に動いてくれるはずです。今まで以上の事をしようとしなくていいです。今までどおりで良いのです。頑張ってください!応援しています!

芸大入試の足音が近づいてきました!

こんにちは!彫刻科の小川原です。
1月も去り、2月に突入!私大入試の真っ只中ですね!生徒の皆さんは毎日朝から夜まで追い込み大変かと思います。最高の緊張感のもと、自分の作品と向き合って、しっかり方向性を定めていきましょう!

さて、今回は特に魅力あるデッサンが出たので2枚紹介したいと思います。
昼間部生の作品。
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光、陰を巧みに表現し、魅力ある空間づくりが出来ています。作者の自信が漲っている傑作だと思います。久しぶりにすごいデッサンを見る事が出来て感激しました。受験では桁外れの緊張感の中での勝負になります。最後は自分を信じる事が出来るかどうかが命運を分けると言っても良いでしょう。これだけ描ければ大丈夫。本番では楽しんでいい1枚を描いてきて下さい。

夜間部生の作品。
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形をとるのに苦戦していました。事実出だしの形の印象はかなり悪かったです。でもそこで無駄に時間を浪費するより、多少違っててもどんどん描きながら直すスタイルが性に合っていたようです。とりあえず止めずに進めて!という一言の後烈火の如く印象を引き出していく様は後ろで見ていて爽快でした。この調子です!

先日芸大の卒業、修了制作展が開催されていました。毎年見に行って思うのですが、学生とは言え、自身の実力の全てを出し切って、1年と言う期間をかけて作り上げた作品は、作家の作品を超越するほどの力強い魅力を放つのだなあと実感させられます。
そうした作品達を目の当たりにして、「うん!僕も頑張ろう!」と思うのでした。

修了制作展では、新美で講師をしてくれている岸本先生の作品が出品されていました。

巨大な男の頭部のテラコッタ作品。
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とても大きな作品ですが、細部にかけて並々ならぬ完成度への執着心が感じられます。

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石彫の作品です。学部の卒業制作では女性の頭部に鯉が乗っている大理石の作品が出品されていました。

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髪の流れから犬への変化が美しいです。

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大理石の作品。

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一瞬何かな?と思いましたが、刀を置く台だったんですね!
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これから芸大を受験する人たちの中で実際に見に行った人も沢山いると思います。どうでしたか!?自分も早く作品をつくりたいな?!と思いましたよね?その気持ちが大事ですよ!皆さんが目指している世界に間違いは無いです!毎日デッサンや模刻を繰り返し、体力的にも精神的にも疲れている事と思いますが、本当にいい作品をつくるにはこれらの基礎は大学に入る前に必ず修得している必要があります。卒展で素晴らしい作品を出品していた先輩達ももれなくこの道を通過して来たんです。皆さんも負けずにやりきって、羽ばたいていって欲しいです。

頑張ろう!

彫刻科 もうすぐ如月

稲田先生の合格祈願からの彫刻科の氷室です。稲田先生の想い、嬉しいですね!
早いもので、1月も過ぎて行こうとしています。

話はいきなりですが、私には田舎に105歳の祖母がいます。8人の子供を産んだ、パワフルな人生の持ち主です。その祖母にお正月に会いに行ってきました。
顔は、まさしく頭蓋骨に皮膚という薄い膜を貼ったような印象で、ただただ目で形ばかりを追ってしましまいました。首像を作るさいに、よく張りの話をしますが、ここまで来たらヘコみへと話が移行するのだなと、感じました。生きている人は張りのつながりだと思っていた価値観がくつがえされました。目は落ち窪みすっかり小さくなり、欲がなく、その目はもう見える範囲が少なく、祖母は何を思いながら時間を過ごしているのでしょうか。

改めて、思考ではなく形を意識した瞬間でした。

彫刻と関わっていなかったら、このような不思議な感覚について考える事はなかったのでしょうか。
形を考える、みんなが何気なく制作している事が、どのきっかけを通して実際に体感できるのか、、、そんな事を考えた帰省でした。
動ける時間がある、野望がある、目指している事がある、明日を思いながら眠りにつける、実に不思議な日常です。

さて、そんな流れで、自画像と自刻像を紹介します
3時間と言う短時間で、こんな風に自分を描けると、きっと美術関係ではない人が見たら驚きますね!
思わず引き寄せられてしまう2作品です。
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こちらは自刻像です
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まだ首周りに心許なさも残りますが、今”を感じます。自然な眼差しや雰囲気を作るという事は難しいものです。

アバタの模刻
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方法論に偏らず、観察したことを素直に出していく、そんな仕事ぶりに、アバタらしさが感じられます。

石膏+静物デッサン
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与えられた時間内で、視点や空気感を感じ表現ができています。印象も良くスッキリ見られる1枚です。

ラオコーンのデッサン
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描くのが難しいお腹周りに意識が、きちんと入っています。いかつくなりがちなモチーフですが、綺麗な光の中で空間を感じる1枚です。

今回の紹介は以上です。
みなさんも伸びている実感は必ずあるはずです! まだまだもがいて、新鮮を発見し、吸収して前を向いて行きましょーーー!!
素直に観察すると言う仕事を大切に!

もちろん体調にも気をつけて下さいね。次回は小川原先生にバトンタッチです!