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彫刻科 芸大1次試験!パジャント!

こんにちは!彫刻科の小川原です。新美彫刻科は多摩美、ムサ美入試は全員一般入試もセンター利用入試も補欠を出すこと無く合格!素晴らしかったです。

さて、今日は芸大の1次試験でした。パジャントでしたね!パジャントはシンメトリックな構造ですが、微妙な動きがあったり、顔を似せるのが難しかったり、衣のシワを描きすぎて汚くなってしまったりと、かなり繊細に見ていかないといけない像です。とは言え胸像なのでプロポーションは取りやすいし、大きな狂いも出にくいので皆そこそこやれたのではないかなと思います。

前回のブログでも1枚載せたのですが、入直中に描いた秀作をいくつか紹介します。

浪人生の作品。
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これは前回紹介した作品です。丁寧に全体の印象が追えていて魅力的です。質感もよく出ています。
現役生の作品。
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口の割れも描いて完成度の高い内容になっています。色幅が十分に使えていて堂々とした印象が良いです。
浪人生の作品。
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描写が美しく、実力の高さを感じる1枚です。体に奥行きを感じさせる表現が素晴らしいです。
現役生の作品。
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顔の正中線の位置のズレは惜しいですが、印象を探りながら合わせてくるポテンシャルを感じさせる作品です。
浪人生の作品。
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やや炭の粗さが目につきますが、印象良く描けています。特に体の表現には臨場感を感じます。
浪人生の作品。
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炭の質に重厚感を感じます。作者の自信を感じさせられます。顔の印象がもう少し似たら完璧です。

さ、まだまだ勝負は終わっていません!2次試験に向けて最後の特訓をしましょう!!みんな頑張れ!!

 

彫刻科 ラストスパート

彫刻科講師の氷室です。
造形大学や武蔵野美術大学、多摩美術大学の私大入試も終わり、いよいよ芸大入試へ残す所2週間となりました。
ここまで来ると1年の経過の早さを強く感じます。

もう2週間しかないのか、あと2週間あるのか! 捉え方次第ですね。
前日まで、当日の日の実技でさえ、成長し発見がある 皆さんの力や吸収力は、最後まで伸びます!

その文章通り、グングン伸びている最近の実技から、選りすぐりの10作品を紹介します。
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ここからの4点は現役生の作品です。
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どの作品も、クオリティーがあります。それのみならず、見る人に本人が感じたことを伝える魅力があります!
掲載させてもらった10点、全てが秀作だなと思います!!

最後に、各先生から生徒の皆さんへ、一言メッセージを頂いたので掲載させてもらいます!

小川原主任からー
芸大入試も目前に迫ってきました!
まだまだやり足りない事もあるかもしれませんが、これまで自分がどれだけ努力して、どれだけ上達したかを振り返ってみれば、自信を持って試験に臨めるでしょう! 僕も胸を張って皆を送りたいと思います!
本番まではまだ少し間があります。今の皆の成長の勢いなら、試験当日までに一段階でも二段階でもレベルを上げられるはずです!
皆が一番いい状態で試験を迎えられるよう、全力で指導していきます!ラストスパート!!

稲田先生からー
僕は必要なことは普段全て伝えています。なので後はみんなの彫刻への熱意を見せて下さい!

野村先生からー
最後まで、自分のペースであと2週間を乗り切りましょう!!もうひと踏ん張りです!

臼田先生からー
受験が近くなってきましたが、あれこれ考えず今までやってきたことを信じて楽しんで最後頑張って欲しいです!しまっていきましょう!

今回のブログはここまでです。

出題される課題を、どの様にくみ取り、自分にはどの様な表現が求められているのか。
冷静に判断し、情熱を持って取り組んでいく一日一日にしていきたいですね。
全ての実技を、完璧にこなせる人はいません。
2週間の内に、何か1つでも発見したことや実現できたことがあれば、それがみなさんの将来に、必ずつながっていきます。

あとは、自信を持ってやりきり、本番を迎えましょうーー!!

氷室

彫刻科 入直近況。

こんにちは。彫刻科講師の稲田です。
東京都では今がインフルエンザのピークというニュースを目にしました。毎日の制作で疲れが蓄積してきた今の時期は要注意ですね。マスク、手洗い、うがいはもちろんですが睡眠もしっかりとりましょう。夜寝れないからと起きている人が案外多いんですよね?不安や焦りで寝れないよ!という人もいると思いますが横になって目を閉じているだけで疲労は回復するそうです。制作で疲れた体を休ませてあげましょう。

さて、今週は私立大学の一般入試もはじまりアトリエの空気も緊張感がグッと増してきました。みんなが最終目標としている東京芸術大学彫刻科の1次試験までは丁度残すところ1ヶ月です。それぞれの努力でグングン実力が伸びている反面、朝から晩まで緊張した制作漬けの生活に精神的にも体力的にも疲労が溜まってきている生徒が多いように感じています。自分でも疲れて集中出来ないと自覚している人もいるのではないかと思います。もたないと感じたら遠慮なく休みなさいと先生たちは言うけれど、気が焦ったり、休むことへの罪悪感で休めないというのが本音でしょう。ただ、そんな時ほど思い切って休みましょう!何事もがむしゃらにやることが努力することではないですね、自分の体調や精神状態を知って受け入れることも良い制作を続けるための第一歩です。

今回は直近のコンクールのデッサンと素描を紹介します。

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確かな実力を感じさせる一枚ですね。武装する女神の顔の印象が惜しいです。後ろの円盤投げに形の複雑さが取り入れられるとより高いレベルの作品となるでしょう。

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こちらのデッサンを魅力のある作品です。武装する女神の台座の位置関係が不自然なのと円盤投げの頭部の髪の描写が浮いているのが惜しい。

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3時間の素描として十分な完成度を持った良作です。構図、構成、描き込み共にハイレベルです。あえて指摘するなら右手の握りが弱いところがもったいないことでしょうか。

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こちらも独特な描き込みで目を引く作品です。手の魅力を与えられた布を使ってよく表せています。

このように実技の質は日に日に高まってきています!!受験まで戦い抜きましょう!!次回は氷室先生です。お楽しみに。

彫刻科。入試直前突入!

こんにちは!彫刻科の小川原です。1月に入りあっという間にセンター試験も終わりましたね。もうすぐ2月と思うと早すぎる時間の流れを恐ろしく思います。

冬期講習を経て学生のレベルもだいぶ高まってきました。預かり作品の出る数や頻度の多さがそれを物語っていると思います。
それでは直近の預かり作品の一部を紹介します。
浪人生の作品。フォーンのトルソ。
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フォーンは顔がないから割りと皆描けちゃうというのはそこそこのレベルの話であって、6時間でここまで全体をコントロールし、やりきった作品はなかなか出ないでしょう。作者は日増しに表現に磨きがかかってきています。頼もしい存在です。

浪人生の作品。ジョルジョ。
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何より印象が良いですね。この位置から描いて時間内にここまで顔を似せてこれる人はそういないと思います。ジョルジョとしてのモチーフの印象をしっかり理解して描けていることが伝わってきます。意識の高まりによってどの課題をこなしても外さなくなってきています。この調子で行きましょう!

現役生の作品。モリエール。
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課題への取り組み方として、慣れているものを慣れた感覚で漫然とこなしていって欲しくはなかったので普段あまり描かない像に挑戦してもらいました。安定したスタートは切れませんでしたが自力でグッといい内容まで持ってこれました。参作でもここまでかっこいい作品は珍しいと思います。このままの勢いで行きましょう!

浪人生の作品。牛骨ラップ巻き。
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とても難しい課題だったと思いますが、どう表現して行ったら良いか感じ取る嗅覚がうまく反応してくれています。ラップに巻かれた牛骨がそこにある状態そのものが丁寧に描けていると思います。もはや何でも描けるという自信とプライドを持って臨んでください!
浪人生の作品。アバタのヴィーナス。
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実直に、印象に寄り添うように力まずモチーフと向き合えていると思います。そうした姿勢は制作している姿を見なくても作品から見て取る事ができるのです。実際の試験でも、ただ形を合わせることだったり、ただ描き進めることに一生懸命になっている人はきっといい結果は出せないでしょう。4月から自分の責任で、自分の作品を作れる人。そういう人を見極める試験だと思ってください。やっていることが作業になってしまっては、それは作品を表現している事にはならないのです。

現役生の作品。手と電球。
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冬期講習で始めて塑像を経験した人とは思えない彫刻として優れた作品です。ポーズの選び方も、筋骨の観察も、素晴らしい出来だと思います。「いい作品を作りたい」ということに対する意欲の高さがこの作品を生み出したのだと思います。日々新しく覚えていくことがたくさんあると思いますが、驚くほど吸収しています。10教えたことに対して、自分でさらに工夫を加えて11にも12にもしてくる。これは受験生にとって最強の武器であると思います。

浪人生の作品。メディチ。
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敢えてこの時期短い時間で大きな像に挑戦してもらいました。今まではもっと時間を掛けて完成度が上がっても違和感あるところがどこかに残ったと思いますが、作品全体に対しての把握力が増したことで印象の良い終わり方ができたと思います。本番では何が出題されるか分からないので、慣れない課題であっても落ち着いてやるべき事を整理し、向き合って欲しいです。

さて、受験に対する緊張感も相当な高まりを見せつつ、力もググッと上がってきたことで、ある部分では不安を感じていることでしょうが、もう一方では自信も付いてきたと思います。試験ではこれまでやってきたこと以上のことはできないので、日々の取り組みを真摯に行い、学んだとこを次に生かしていく姿勢こそが合格へのカギだと思います。発表の日を胸を張って迎えられるかはそこまでの取り組みにかかっています。自信を持って取り組んで欲しいです。そのためにもやれることは全てやりきりましょう!!応援しています!!

続き。
最近始めたブロンズの作品が1つ完成しました。
ワックス原型です。型からロウでおこしています。
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鋳造。1300℃くらいでブロンズを溶かしています。
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形はできました。磨くと金色です。
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肌は薬品で化学反応を起こし、黒くしています。断面は鏡面仕上げです。台は大理石。
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彫刻科 2学期末の近況

こんにちは!彫刻科講師の稲田です。早いもので彫刻科では2学期を締めくくるコンクールが今日終わります。結果によっては落ち込むこともあるかもしれませんが、まだ大丈夫です!一時の調子の善し悪しなど試験本番には何の関係もありません。挫けずに自分が言われたことに真摯に向き合っていきましょう。

では、今回は素描を紹介します!

「手とビニール袋」(6h制作)
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魅力のある素描ですね!画面への構成も決まっています!もう少し手の質感に迫れるとなお良いでしょう。

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安定した構成力と描写力には毎回関心させられます。今回は奥のビニール袋ごしに手を握っているという描写が今ひとつ物足りないことが残念ですが、その他は非常に魅力のある描き方が出来ています。

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素描に苦戦の続いていた作者でしたが今回は粘ったかいもあり問題点だった薄っぺらくなることや構造的な問題を感じさせない作品になりました。自分の苦手とする見方を克服する足がかりになるといいですね。

「自刻像」(6h制作)
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この構築力!現役生とは思えませんね。以前の作者の作品はしっかりとはしていましたがポーズや表情に彫刻としての余韻を感じませんでしたがこの作品には形に深みが出てきました。この調子!

 

 

さて、彫刻科では何かと課題で首像を作る機会が多いですね。模刻にしてもほとんどが首像ですし、自刻像、友人像、モデル首像等は課題の常連ですね。彫刻科では人間の形への興味と理解は必須といえます。受験生の頃は目の前の形を追うことで精一杯というのが正直なところでしょうがそれではいけないと僕は考えています。一番大切なのは自分が人間に対してどのような目線を持って形を作るかです。僕はよく講評で「形に重みが無い」、「形に奥行きが無い」、「形に余韻がない」、「形に可能性が無い」などという言い方をしていると思いますが簡単に言えばただ形を目で追って作っただけのものを見せられても何もない空虚なものにしかならないということです。予備校の段階ではあまり突っ込んだことは言われませんがこの先に必要なのは自分の思想と意志です。小手先の方法論ではなくもっと情熱を持って彫刻に打ち込みましょう!!

最後に先日個展をしました。以下出展作品↓

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僕自身も道半ばですが試験まであと2ヶ月半一緒に彫刻を深く追求しましょう!!
では、今回はここまでで次回は氷室先生です。