カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

彫刻科 1学期終了

昼間部講師の氷室です。
1学期が終わり、いよいよ夏期講習が始まりますね。
夏期講習では昼間部も夜間部も一緒に課題に取り組んでいけるので、とても刺激になる、1番力を伸ばせる時期かもしれません。
まだまだ守りに入らず、どんどん自分の実技に挑戦していってください!

それまでの短いお休みですが、芸大の入試説明会でも話があった様に、色んな展示や作品を見て歩いてください。
その時には、すぐ分からないことがあっても当然です。分からないことを、ゆっくり考えて行く時間も大切です。
自分の中で熟成させている内に、何年後か何十年後かに、その記憶が引き出されて、意味が分かり繋がることがあります。
その時、また自分にかえってくることがあるかもしれません。

美術には、その時間の余裕が与えられていますから。

さて
今回の近況 作品紹介は2点あります。

貝とロープと薪の構成です。
シンプルに、ロープを活かした構成です。位置や長さ、向きを少しずつズラして視点の導入に成功しています。完成度も高いので目を引きます。

ジョルジョの模刻
自主的に挑んだ模刻です。時間をかけて苦手を少しづつ克服していく、その姿勢が結果に繋がっています。影の落ち方も綺麗でかつ骨格も意識しながら形にも食らいついています。粘土付けも生きています。

1学期お疲れ様でした。

ここで芸大入試の二次試験課題変更を受けてー
再度、新美夏期講習の課題変更についてのお知らせです。
夏期講習のカリキュラムも新課題に対応するため1部変更しました。
どのような形の試験課題が出題されても、対応できる力を身につけるべく、新美では柔軟に課題を準備していきます!

追伸
7月中に、2つのグループ展に参加します。

☆新生堂ギャラリー
7月28日(金)まで 11時から18時
※最終日は17時まで
※日曜日と祝日はお休み

☆ストライプハウスギャラリー
7月27日(木)から8月3日(木)まで 12時から19時
※会期中無休

足を運んで頂けると嬉しいです。
どうぞ宜しくお願い致します。

氷室

彫刻科 芸大説明会&近況

こんにちは!彫刻科講師の稲田です。一学期も終盤にさしかり夜間部はコンクールがはじまりました。一学期に取り組んできたことが少しでも形になるとよいですね。

さて、彫刻科では先日開催された東京芸術大学彫刻科平成30年度入試説明会において大切なお知らせがありました。すでに知っている学生も多いと思いますが平成30年度入試から2次試験の課題が変更になります。

平成29年度(変更前)         平成30年度(変更後)
2次試験                2次試験
素描          →       彫刻Ⅰ
彫刻                  彫刻Ⅱ(塑造)

2次試験の素描がなくなり、代わりに彫刻Ⅰという実技になりました。
説明会でもまだ詳細については未定とアナウンスがありましたが、これまでの基礎的な彫刻に必要な力+自分のセンスを活かした幅広い出題の可能性が予測されます。新美では日頃から受験指導の枠内だけでなく大学に入った後にも生きる力を付けてほしいと各講師が色々な角度からアプローチしてくれています。受験課題だけやっていればいいという見方に凝り固まらず、自分の感性を磨くためにいろんなことに今まで以上にチャレンジする一年にしましょう!!そうすればどんな課題であろうと自信を持って試験に臨めるはずです。
新美彫刻科では今週から素描課題を彫刻Ⅰ課題に変更してカリキュラムを実施しています。
更にプレ夏期、夏期講習のカリキュラムも新課題に対応するため変更しました。どのような形の試験課題が出題されるかはっきりしていない初年度だからこそしっかり対応した指導を講師一同心がけていきたいと思います!!カリキュラムの変更詳細は新美HPのトップ画面、NEWS→彫刻科・夏期講習会カリキュラム変更のお知らせをご覧下さい。

では、授業作品を紹介します。


作者の課題であった、自然な色の調子と形をしっかり描き込むことが両立出来ました。頭部から髪にかけての印象はもう一歩踏み込んだ観察が必要です。


形の成り立ちで言葉にはならないものを伝える。彫刻にとって大切なことを感じさせてくれる作品になりました。


形を粘り強く追い切る姿勢が緊張感に繋がっています。硬さが抜けてくるとより広がりが出てくるでしょう。

最後に。グループ展に出品します。
Small Works 2017
2017年7月3日(月)?15日(土) 11:00-19:00(最終日16:00まで)
ガレリア・グラフィカbisにて


出品作品 《やわらかな輪郭》2017年

彫刻科 夏前の3週連続イベント報告。

こんにちは!彫刻科の小川原です。新美彫刻科では3週にわたって日曜に「石膏デッサン6時間チャレンジ」「全国公開実技コンクール」「手の型取りとデッサン」を行って来ました。
まずは6時間チャレンジ。普段あまり短時間では制作しないので、皆必死でした!次の週に公開コンクールがあったのでその練習も兼ねています。
優秀作品です。3点特に良い物が出ました!

3点とも浪人生の作品です。

動き、構造、量感。どれをとっても素晴らしく印象が取れていますね!豊かな色幅を使った炭の表現力が魅力的です。手前の腕が途中弱かったですが最終的には満足できる内容です!


この位置から見たフォーンのムチッとした感じがよく出せています!筋肉の微妙な隆起も見逃さず捉えられていますね!迫力があります。脇の黒と腹の黒がやや似ているところは少し気になります。


伸びの動きに合わせた探りがとてもよい効果を出せています。静止している石膏像としてと言うより、まさに動いている過程の一瞬を捉えたようなリアリティを感じます。陰側の色幅が一層増えてくるとさらにレベルの高い作品が目指せそうです。

次は公開コンクールです。秋の公開コンクールと同じ位の人数が集まり、緊張感のある試験の場となりました!

1位は新美生の1浪生でした。

頭部の立体感が弱かったり、腕の引きが甘かったりしますが、作品としての迫力が強く感じられる作品でした。今後は抜けの無いようにしっかり全体を確認していきましょう!

2位の作品です。学外生の作品です。

色がきれいな作品です。石膏像の白さを感じることが出来ます。顔も繊細に捉えていてよいですね。逆に体の厚みが弱いのがもったいないところです。

3位の作品です。学外生の作品です。

出だしから印象をバッチリ捉えられていました。描き出しで印象が良いと思ったのはこの作品だけです。ただ後半は少し空回りしてしまい中身が詰まりきらなかったです。実力があるのでこれからどんどん高めていきましょう!

順位が振るわなくても、それぞれいいところが必ずあります。何か意識や技術が抜けてしまっている所があって上手く行っていないところが目立ってしまっているのだと思います。まだまだこれからなので、夏期講習に向けて気合を入れなおして頑張りましょう!今回参加してくれた人たちの中から多くの合格者が出ることを期待しています!頑張れー!

次は手の型取り、デッサンです。
シワまで綺麗に型どれた「手」というモチーフを、鉛筆で描いていきます。生身の手ではなく、物としての手だと、皆結構正確に形がとれることに驚きました。

野村先生にデモンストレーションしてもらいました!


イベントは無事終わり、夏期講習に向けて頑張りましょう!

そして…。

紹介が随分遅くなってしまいましたが、春に自主制作していた狼の塑造作品を紹介して終わります。

7月15、16、17にプレ夏期講習があります。ここでは講師のデモンストレーションを混じえながらもう一度入試の試験時間に合わせて特訓を行います。
今年芸大受験を考えている方は是非参加してみてください!

彫刻科 近況

彫刻科 昼間部講師の氷室です。
いよいよ1学期も折り返し地点を過ぎました。
明日は、新美彫刻科 無料公開コンクールが開催されます。
この時期に6時間でデッサンを完成させるのは難しいかもしれませんが
現段階の力を試すチャンス
これからの課題を明快にするチャンス
ですね!
参加者の皆さんの健闘を祈ります!

そして彫刻科で新たに『岩野 勇三』さんの画集を購入しました!!みなさん、是非実技の参考にしてみてください!

そしてそして、いよいよ6月14日から国立新美術館で、『ジャコメッティ』展が開催されます!!!

いつでも 成功よりも失敗のほうが一層大きい
あるいは 私の成功は 失敗に等しいかもしれない
私は 何かを作るために仕事をしているのか
それとも 作りたいと思ったものを 何故、私は作り得ないかを知るために 仕事をしているのか
どちらだか 私には分かりません

ジャコメッティの言葉より

この展示は、彫刻科の生徒には必ず見てもらいたい展示です◎◎
これを見逃すと、次に出会える機会はいつになるのでしょうか。。。
彫刻家の大きな展示は、日本では貴重かもしれません!


☆展覧会ホームページ:http://www.tbs.co.jp/giacometti2017/

さて、ここからは最近の秀作をご紹介します。


素描は全てに通じます。視点、置いてある状況、空気、質感、パース、光 全てを考えながら描けています。


首から上に固さはありますが、体の方は粘り強く迫れています。この、しつこい観察としかし、行き過ぎず全体を意識するバランスが良いです。


やや形の彫り起こし方が均一になっています。黒さの質感が形に沿って変化してくるともっと魅力的になりますが、良いきりの強さは抜群です!ジョルジョの表情は捉えることが、なかなか難しいですが、顔も似ています。


やや首から顎へのつながりが惜しいですが、視点からの奥行きやスケール感があり、周りの空気までも感じます。炭の発色が綺麗で引きつけられるデッサンです。


投げ出さずに、形をしっかり追っています。作者がジョルジョと言う形を、どの様に捉えたのかが絵から伝わってきます。言葉を持ったオリジナル性の高いデッサンです。


ガッタメラータの強い表情、胸のレリーフの表情、胸や髪の毛の表情、それぞれにきちんと反応出来ており、作者の丁寧な観察と繊細なテクニックが感じられます。必要な要素全てを拾ってそれらをまとめていく、バランス感覚が光っています!


こちらは夜間部現役生のデッサンです。
伸び縮みのしなやかな動きを見ると、やや固さが残りますが、グイグイと形に迫って行く勢いが、円盤らしい筋肉美への表現へとつながっています。彫刻科らしい素直な追究が好印象です。この調子です!

今回は以上の紹介です。
まだまだ、これからさらに伸びて行くことは間違いありません。
描き方もありますが、全ては見方を鍛えていくことが、大学に入ってからも繋がります。
厳しく言われることもあるかもしれませんが、コツコツと目の前の課題に向かって、へこたれないことが大事だと思います!
いかに新鮮な気持ちで挑めるかが課題でもありますね。
1学期中に、しっかりと実力を伸ばして走りきりましょう!

氷室

次回の担当は小川原先生です!

彫刻科 5/28 1日デッサンチャレンジ 6/4 全国公開デッサンコンクール

こんにちは!彫刻科の小川原です。新美のホームページにも今回のイベントのページが出来ましたので是非ご覧下さい!
特にこの時期の公開コンクールとしては浪人生と現役生の実力に差がある状態ですが、現役生としては実際の試験時間を今模試形式で体感できることと、浪人生の実力を見ておけることに非常に意義があると思います。現時点では実力に自信がなくて当然だと思います。今回は評価を気にするよりも、一足先に入試の空気に触れてもらう事の方が大切だと思います。浪人生にはこの2ヶ月でどこまで実力が上げられたか腕試しをしてみて欲しいです。去年度の入試直前に参加していた学生の皆さんは6時間のスピード感がどんなものだったか忘れてしまっているところもあるのではないでしょうか。このコンクールに参加して気持ちを引き締めるきっかけにしてもらいたいです。
今回のコンクールは実際の入試の合否が見えてくるようなものではないですが、これまでの成果とこれからの課題の取組みの指標となる貴重な機会だと思うので、今年芸大を受験する学生の方は内部生、学外生、学年問わず是非参加してみてください!
尚参加は無料で、申し込みはホームページから可能です!当日は本番用紙は支給しますが、カルトンやデッサン用具、食パンなどは持参して下さい。みなさんのチャレンジをお待ちしています!