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全国石膏デッサンコンクール開催

こんにちは、昨日は、待ちに待った「全国石膏デッサンコンクール」を開催いたしました!

日本全国から、いろいろな科、さまざまな学年の方にお集まりいただきました!
御盛況、ありがとうございました。

総勢約330人のなかから、栄えある1位に選ばれたのは・・・・・・?

な・なんと工芸科志望の概卒生でした!!
やはり審査は難航しまして、、、この結果に納得のいかない他の科の先生もいらしたようです。
それはそうですよね、それぞれご自分の科が一番だとプライドをお持ちになって指導してますからね。

全体講評会では、その辺で各科意見を交わし、どうやら混乱させているのは油絵科ではなかろうか?というのが見えてきたようです。

デッサン解説では、驚異の「30分で石膏デッサンを描く!」という企画で行いました。

普通の速さで描くデモンストレーターと超早デモンストレーターのお二人をお招きして、
描いていただきました。違ったタイプの2人のデッサンを比較をしながら解説をしていただいたのは、油絵科の海老澤先生。
ちょっとお話を伺っている間にどんどんデッサンが進んでいきます。皆さんどこで差がつくのか?目が離せなかったですね。

賞品も、上位1・2・3位はもちろん、各科の賞、現役の中の一番と高校1,2年生の中の一番の賞が授けられました。
ちょっと、各商品の画像がないのが残念です。図書券や画材に加え楽しい品がついていたようです。

受賞者以外にも力作が揃いました!!石膏デッサンといえども、意外にバリエーションがあるのが私にとっては新鮮でしたね。

みなさん、お疲れ様でした!!明日はきっといいことがありますよ!!

 

彫刻科 2学期のスタート課題秀作

こんにちは!彫刻科の小川原です。夏期講習が終わってまた普段の制作のペースに戻りますが、2学期は実力を深め、確かなものにしていくのに最も重要な時期です!のんびりしているとあっという間に入試直前っていうことになってしまうので、日々の課題に対して目的意識を持って臨みましょう!!

さて、まだ2学期始まって間もないですが皆気合が入っていてとても良いです!いい作品も出ているので紹介します。

昼間部生の作品。ジョルジョ。

とても完成度の高い作品に仕上がりました。欲を言うと向かって左側の目の立体感がもう少し欲しかったり、顎のあたりのコントラストがやや強いのが少し気になるくらいでしょうか。
意欲的な作品で、作者の意志の強さが伺えます。この調子で行きましょう!


印象がとてもよいです!まとまりがあってとても見やすい作品に仕上げられました。あまりこういうやりきりを見たことがないので今回この作品が出せたことを自信にして下さい!僕も嬉しいです。特に頭部の周り込みの表現が単調で固さを感じてしまうので、その点考えてやれれば間違いない作品です!


情熱的です!こういう生きた炭使いは狙ってできるものではないので真にリアルな印象を受けます。もったいないのは顔の表情です。奥の瞳の向きが合っていないので焦点がズレて見えます。それだけでかなりマイナスなので気をつけましょう。

夜間部浪人生の作品。ヘルメス。

実際に見た印象に比べてどうこうというより単純にぼんやりした作品が続いていましたが今回はしっかり詰め切る事ができました。段取りとしてやるべきことをやったかどうかは結局関係ないです。しっかり今現在作品がどういう状態にあるかを「目を開いて」反応していくことが重要なのです。この内容が続けばオーケー!

夜間部現役生の作品。パジャント。

炭使いは拙いですが急激に上達してきました。丁寧な観察と描写、そしてやりきり。このペースで伸びていってくれたら入試でも結果が期待できそうです!意欲をどんどん高めてぶつかっていって欲しいです!期待しています!

昼間部生の作品。アバタのヴィーナス。

正直うまいなと思いました。僕は浪人の時模刻には自信がありましたがここまでの意識ではやれていなかったように思います。時々微妙に外す部分が自分で気づいて修正できればぶっちぎれそうです。


上の作品は粘土の質感が感じられる作品でしたが、こちらの作品は徹底的に表面をつなげています。結果としてはどちらも正解でしょう。出来たものの印象が良ければそれで良いのです。やりきって尚似せてこれているこの作品からは作者の実力の高さが伺えます。

2学期は色々試していって、さらに結果を出していくことも大切だと思います。なんでもやってみることは大切だけど、毎回作品には責任をもつということを怠ってはいけません。それが出来る人、出来ない人では全く成果が変わってきます。僕は皆に期待しています!!頑張りましょう!

 

さて、前回紹介したブロンズ作品も先日完成しました!


命というものは不安定なもので、生と死の境目は明確でありながらも紙一重です。普段は意識していなくても、それはまるで生と死を分かつ山の稜線をゆっくりと歩いているようだと感じます。

 

彫刻科 夏期講習が終わりました

彫刻科講師の氷室です。
夏期講習も今日で最終日ですね。みっちり課題がつまっており時間も長かったため、体力的にも疲れが溜まっているのではないでしょうか。
本当にお疲れさまでした。
この夏で、1学期よりも色々な事が見えて来たのではないでしょうか。
頑張ったかいがあり、みんさんの実力がグッと伸びて来たことを私も実感しています。
濃密な指導に負けずに、夜間部生も昼間部生と対等に渡り合えていました。
また昼間部生にとっては、課題が明快になりましたね。
刺激と充実のある夏期講習になったのではないでしょうか。

ここからは、夏期講習後半の優秀作品の紹介です!
正直、どの作品もハイレベルな実技だと思います!!


印象も良くバランス・動きが取れており、難しい位置ですが上手いです!ピントを作れると文句なしです!

この位置から良く体の奥行きが作れています!ブルータスの力強さも感じられ、かっこ良い1枚です!

未完成ではありますが、捉え方が上手ですね!アムールの特徴も良く見ています!見方が洗練されています!


現役生の作品です!!上手いです。
お腹周りはもう一歩描き込みが欲しいですが、バランス良くベースが作れています。周りの空気も取り込んでいきながらピリッとした形態感と優しい描き込みが魅力的です!印象も良いです!


丁寧に触る様に形を探れています!プロポーションも捉えられており、さらに人体を描く楽しさが伝わってきます!久しぶりに、かっこ良い人体デッサンを見ました!


どの角度から見ても上手だな!と思える模刻に出会えるのは、珍しいことです!立体を捕まえにいく醍醐味を本人が感じているのではないでしょうか。秀作です!


小さな動きまで、丁寧に捉えてあります!仕上げていく集中力が凄いです!影の印象も拾える様になってきました!


円盤も動きを捉える事が難しい像ですが、よく観察出来ています!構造、量感、動きに安定感があります!

彫刻Ⅰへの課題も、実際の試験では何が出題されるか分からないため、紹介は出来ませんが
夏期講習での結果としては、魅力的で説得力のある実技結果に繋がっているなと、個人的には感じています。

また少し休みの期間に入りますが、展示や作品を見にいく時間も作ってください!
そしてよく充電して2学期に臨みましょう!
私も頑張ります!
2学期に入るとあっという間に3月がやってきますからね。

それでは、夏期講習、本当にお疲れさまでした!


2017 7月 新生堂ギャラリー グループ展示にての作品です。足を運んで頂いたみなさん、ありがとうございました。嬉しかったです。氷室

彫刻科 夏期講習中盤!!

こんにちは!彫刻科講師の稲田です。夏期講習会も8月に入って盛り上がってきましたね!実技の内容も充実してきているようにみえます。現役生には慣れない連日の長時間の制作に疲れもみえてきた今日この頃ですがここががんばりどころです!!最後までやり抜きましょう!!

ここ最近の課題からいいなと思った作品を紹介します。


頭部は全体に形が丸いのが気になりますが独特の炭の調子が上手くはまりました。陰影と形のバランスがよくなりました。この感覚を忘れないようにしましょう!!


作者は動きに対する観察が弱い傾向がありましたが、この作品ではよく観察し組み上げることに成功していると思います。さらに臨場感が増せば言うことなしです。


なかなか顔の印象が似切らない時期がありましたがこの作品を境にワンランク上に登れたようにみえます。どんな石膏像でもコンスタントに作って来れる実力が頼もしいです。


どこかに不安定に見える角度が出来てしまうことがこれまでありましたが360度回してしっかりとはまった頭部になってきました。元々持っていた細部の魅力がよく生きています。

今回は授業作品の紹介はこれくらいにしましょう。
彫刻家の名前を出しても知らないことが多いのでこの作家を知らないと大学で恥をかくよ!ということで過去の巨匠を紹介します。ただし、名前だけです。知りたい人は検索しましょう!
今回はシャルル・デスピオです!日本でも一時期絶大な人気があったはずなんですが…最近は名前すら聞かないですね。この機会に覚えておきましょう!

彫刻科の夏期講習前半の優秀作品。

こんにちは!彫刻科の小川原です!夏期講習に突入しています。ここ最近全体のレベルがグッと高まってきていてとても頼もしいです!この調子で夏を乗り切れば、2学期スタート時にすでに受験で戦えるレベルに持っていけそうです!いいぞ?!
各課題2名ずつ優秀作品を紹介します。

ベルベデーレ。

かなり短い時間での完成でしたが全体にしっかり手が入っていて良いと思います。今後はさらに構造感を強く出せるように工夫していきたいですね!


像の持つ量感がとても良く表現できています。グラデーションを合わせているだけでなく、その上でミッチリとした締まりを出せているのが良いです。陰の中の形がより明解に表現できたら言うことなしです!

モデル

木炭で制作しました。1日描きでしたが、背景にも挑戦し、「作品としてのデッサン」を完成することが出来たと思います。人物の質の表現からも作者の丁寧な観察と、見て感じた物を画面に置き換えていくビジョンが伺えます。顔側の空間と、後頭部側の空間にやや一致感が弱いので、さらに人物と背景の兼ね合いが考えられると良いです。


モデルさんの印象がよく汲み取れています。器用な為に探りが不十分でもある程度出来てしまうことがこれから課題になってくる所です。答えを出すことを急がずに、じっくり構えて真実を探していくことが重要です。常に画面全体に気を配り、全ての段階でカッコイイ経過を感じさせることが出来れば無敵ですよ!

マルス

こちらは現役生の作品です。形を取るのが本当に上手になりました。クロッキー力は無限に高めていけるので、絶対的な自信が持てるまでは妥協せず特訓を続けましょう!
中身の作業はまだまだ木炭の扱いに不慣れな印象があります。まずはいろいろ試してみて下さい。
これしかできない。というやりかたで制作を繰り返していても変わらないので、周りを見て捉え方を盗んでいくことも大切です!


形態感の捉え方と表現がとても良いです。力強いデッサンですね!探りに抜けが無ければ問題ないです!大まかな形の強さがでたらその間の表現も漏らさず行いましょう!いい調子です!

早く完成したので描き出しの練習をしてもらいました。パパッと形が取れて、構造や空間(線の強弱で)が出せています。デッサンに自信が感じられます。素晴らしいです。

ジョルジョ

最初から印象よく進められていました。ここ最近でメキメキ上達してきましたね!まだ調子を部分的に捉えがちだったり、大きな形と細部やキワの表現が自然につながっていなかったりしますがこのレベルで満足せずにこの夏期講習中にさらに進化してくれることを期待しています!

ゲタ 模刻

上手いと思います。自分が浪人だった頃もこんなに作れなかったです。技術的には最高レベルなので、あとは絶対に印象を外さない意識だけですね。上手いのに一部印象を外すだけで一気に評価を下げてしまうということも実際の試験では有り得ます。そうした穴を無くして一番で合格して下さい!


こちらの作品も文句がつけられないレベルに達しています。言いたいことは上の作品と同じで、仕上がってくればくる程印象の確認を油断せず徹底して欲しいです。最後は本当にミリ単位で効いてきます。そのくらいこだわってやれれば誰にも負けないです。

今年は全体的にレベルが高いですね。良いことです!全員が誰にも負けないぞ!という強い意識で課題に臨んでくれたら彫刻科全体でぐんぐん伸びていけます!例年以上にいい夏期講習になりそうです!皆の成長ぶりに講師陣はワクワクしています!!頑張ろう!

さて、今年も僕の展示が近づいてきました。今年の新制作展に出品する作品はこちらです。

これはまだ塑造の段階の写真ですが、最終的にはブロンズにして仕上げます。
裏側はこうです。

かなり大きな作品です。作るのも大変でした?。新制作展は9/20?10/2まで国立新美術館で行われます。学生は無料なので興味のある方は是非見に来て下さい。
ブロンズは自分で鋳込んでいます。