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プレ冬期人物強化特訓ー美術解剖学特別演習

こんにちは、最近寒くなってくると、入試がも刻々と近づいてくる気配を感じますね。
頑張って参りましょう。

昨日、新美ではプレ冬期を開催していました。
その一つの口座で、油絵科・日本画科・彫刻科合同企画の
「人物強化特訓」として、美術解剖学特別講習を行いました。

昨年も好評のなか、今年は〈第二弾〉ということで、「手」の模型をつくりました。

前回同様、東京芸術大学や東京造形大学などで教えておられます、阿久津裕彦先生をお迎えしました。

作った模型は家に持ち帰れますので、見たい時にいつでも見ることができます。
人物や手を描く時や、作るときに、とても役に立つのではないでしょうか。
また、制作過程をスマホなどで撮影しておくと、骨の状態も思い出しますし、筋肉の重なる順番などもわかります。

とても有意義な時間を過ごしました。阿久津先生、ありがとうございました!

彫刻科 お知らせと近況作品

彫刻科講師の氷室です。

今回は、近況報告の前に1点お知らせです!
12月3日の日曜日9時から16時半、新美にて美術解剖学特別講座を開催致します。
東京芸術大学美術解剖学の専門の講師が指導。特別限定の講座です!

油土を用いて本格的な手の解剖模型をつくる実習を行います。
手を骨から作り筋肉を付けて行きます。
彫刻科でもなかなか聞きくことができない、解剖学の知識を持っていらっしゃる先生ならではの話や指導が盛り沢山です。
・手の構造
・形を決定する骨
・量感を作る筋
・姿勢と連動した体の表面に現れる重要なレリーフを作る腱
・現実味を与える血管
など、勉強になることは間違いありません!!

実習の前にまず、人間の“手”の構造についてと、実際に芸術作品のなかで表現されている“手”についての講義を行います。
彫刻科の皆さんには、是非、聞いてもらいたい内容です!!
ちなみに作った模型は持ち帰ることが出来ます。

興味のある方は是非、新美のホームページ、【プレ冬期】のコーナーをチェックしてみて下さい。
※定員になり次第締め切らせて頂きます。

さて、2学期も、もうすぐ終わりですね。
寒くなってくると一気に受験が近づいてきているなと感じる様になります。
冬期講習は現役生も昼間部生も一緒に制作ができるので、大きな山場になります。
気合が入る空間で、実力を最大限に引き上げて行きましょう!

最近、新美では塑造の課題の中で、トルソを作りました。
首像だけの時と違って、全体に動きが連動していたり、どの様に立っているのか、腕のねじれなど難しい点もありましたが、それぞれの雰囲気を上手く拾って表現に至るまで制作できていると思います。

3作品 紹介します。


それぞれ、含みのある目線が表情を作り出し、見る方に、言葉は無くとも、静かに存在を訴える作品だと思います!!
みなさんを、改めて凄いなと感じさせてもらいました。

そして粘土量のある課題が続きました。
こちらはラボルトの模刻です。
なかなか作る機会も少ないモチーフですが、逆に新鮮に観察できたのではないでしょうか。
印象も良く似ています。

こちらのフォーン2枚は、現役生のデッサンです。
タイプの違う2枚ですが、どちらも、見ている視点を感じる、フォーンのリアリティに迫れているデッサンです!

空間を感じます!


存在感がありますね!

今回はここまでです。
稲田先生が前回のブログで分かりやすく話されていたこと、私もとても大切なポイントだなと思います。
どんな些細な事がきっかになるか分かりませんし、どのタイミングで、言われている考え方や見方の意味が繋がるかも分かりません。
課題をこなしていき、終われば、はい今日は終了!ではなく、常に、次はこうしていったらどうかな、と復習と工夫を重ねていく日々であって欲しいです!
(工夫を自ら工夫できることが大切です!)

2学期残りの2週間も、濃いものにして行きましょう!

彫刻科 2学期大詰め

こんにちは!彫刻科講師の稲田です。2学期も残すところ1ヶ月となりました。各予備校の公開コンクールに参加する中で自分の課題が明確になってきたかと思います。ここで焦るのではなく何が大切なのかもう一度見つめ直して2学期を締めくくれると冬期講習、入試直前講習へ繋がっていくと思います。

僕が最近みんなのデッサンや塑造をみていて気になる点をお話したいと思います。
新美の彫刻科は丁寧に徹底的に教えるということを主任を筆頭に実践しています。その成果としてみんなの実技レベルはかなり高いところまで来ています!!ただし、後一押し何か足りないぞという印象を強く感じています。
デッサンや塑造は描き方、作り方にどうしても傾倒していってしまいます。まだ経験の浅い頃はそれもいいでしょう。しかし、もうみんなは初心者ではありません。木炭の扱いも食パンの扱いも粘土の扱いも慣れたものでしょう。みんなのデッサンがイマイチなのは描く技術が足りないのではなく、観察する力が未熟だから像を捉え切れていないことに原因があります!!
よくテクニックじゃないんだ!と言いますが、じゃあなんなのと思うでしょう。ものを観察するというのは言葉で言う程単純ではありません。講師の先生の言葉を表層だけ拾い、聞き流しているから大切なポイントに気づいていないだけです。新美では徹底してクロッキーを鍛えていますがみんなはどのようにクロッキーに取り組んでいますか?動きが弱いと毎回指摘されるから動きに重きをおいてクロッキーしていますか?空間が弱いと言われているならクロッキーでそこを重点的に画面に表現しようとしていますか?していませんよね!!いつも描きたいように描いてるだけでしょう。
もう一歩でいいので言葉や行動に責任を持って作品を作りましょう。デッサンも塑造も試験ではみんなの自己紹介となるものですから。

今回は一枚気になった現役生のデッサンを紹介します!

まだまだ足りないところはたくさんあります。顔はこれでいいのか…画像ではわかりづらいですが色も濁っています。他にもいろいろありますが…ただしそれを上回る体の魅力!!!画像ではこの情熱的な形の執着伝わらないでしょうね…このデッサンには僕が上で書いた観察することからそれを画面に表すということがとてもよく出来ています。みなさんはどう感じますか?

それぞれが真面目に取り組んでるからこそ努力しているからこそ、ただやればいいということではないということを肝に銘じて最後までやり抜きましょう!!

彫刻科!盛り上がっていこう!

こんにちは。彫刻科の小川原です。彫刻科はタイトル通りここ最近昼間部も夜間部も全員の成長が目覚ましいです!この夏から集中的に取り組んできたクロッキーの特訓が功を奏してきたのだと思います。でも僕はまだまだ満足していません。絶対に安定してモノが捉えられるレベルまではまだまだです。意識をより高く!向き合っていきましょう!

彫刻科ではクロッキーから出だしの印象の見切りについて特に力を入れて指導しています。クロッキーって技術的にはこういうものだというのが存在するけど、言語化して具体的に指導したりはあまりしないと思います。で、結局狂いの激しいクロッキーを1枚本番前の柔軟体操の様に適当に描いて、そのまま本番も狂ってしまうという人がほとんどではないでしょうか。それだと意味ないです。むしろ誤ったモチーフのイメージが頭に定着してしまうのでやらないでぶっつけ本番に全集中力をかけた方がましかも…。
クロッキー力を身につけるには正しい見方を知る必要があります。それを間違えるとまじめに課題をこなしていても上手くなれないまま時間だけが過ぎていってしまうのです。


沢山探りを重ねて合わせていくクロッキー。


空間的に調子を捉えていくクロッキー。

 


クロッキーをデッサンに繋げていく。


僕が浪人中描いていた描き方で思い出しながらやってみました。陰側を真っ黒に塗りつぶしてから進めます。あまりに特殊すぎて基本的な指導では役に立たないので普段は他の描き方で教えています。


浪人時代もこんな感じのデッサンでしたが、変わったのはスピードです。ヘルメスは2時間。ガッタメは3時間ちょいの時間で描いています。見切りが良くなるといくらでも早く正確に描けます。
描き出しはまさに塗潰し!

デッサンや塑造を学ぶ上で「描き方」「作り方」にこだわりすぎて肝心の「見方」についておろそかになっている人がほとんどだと思います。
評価されている作品をまねているだけでは当然その本人には勝てないし、個性無く似通った作品というものは受験では淘汰されていくものです。上手い人は結局上手い。これは揺るがないです。こういう人は特にクロッキーを描いたことが無くてもやらせてみたらできるものなのです。でもそれは「上手い人理論」なのであって、普通の感覚とはだいぶかけ離れています。そういう意味でクロッ
キーってあまりに感覚的すぎて(実際は違うけど見た目はそう見える)いきなり上手い目標を見せられても内心無理ーっ!!って思ってしまって構えてしまうのだと思います。それを1つ1つ理解していき、最終的には感覚に落とし込んでいくことが大切なのです。

合格を見据えていくには「見る力」を高めて、「個性」を伸ばしていくことが重要です。
新美では指導している中で特にその辺を意識しています。
実際に生徒が描いている状況も含めて見てみましょう。6時間制作です。


やはり出だしが重要ですね!!

調子が美しい作品です。手前の肩をもう少し具体的に形にできると更に良いです。


6時間制作とは思えない完成度だと思います。色々なことを気をつけながらギリギリまで内容を高めようとする努力が感じ取れます。


明快な描写が気持ちいい作品です。描写は丸みが似ているように感じるので、更に部分ごとの変化に敏感になれると良いです。


下が切れてしまった構図がもったいないです。切断面だけで済んだのには救われました。ただそれを補って余る魅力があります。

次に塑造作品を紹介します。バリエーションが大切ということで、4点とも異なる生徒の作品です。(模刻なのでバリエーションも何も無いかもしれませんが)

短時間でしっかり印象を合わせて来れました。細かく作り込むことに一生懸命にならなくてもこういう土付けで捉えていくのは良いと思います。


完成度もあり、精度も高い作品です。毎回安定した作品が出せていますね。この調子です!


目の印象がもう少しかなと思いますが、かなり難しいねじれの動きが捉えられていて良いです!


現役生の作品です。僕は受験課題で良くやる模刻の中ではジョルジョが一番難しいと思っていますが、今回出だしから印象よく捉えられていて驚かされました!これからまたどんどんレベルアップしていけそうないい見方ができていました。

皆まだまだ伸びます!むしろちゃんと分かってきたからこそ出来るようになることは本当に多いです!徹底的に教えていくので盛り上がっていきましょう!!

僕が今制作中の作品。「暗闇の翼」ブロンズにします。

彫刻科 公開コンクールお疲れさまでした

彫刻科講師の氷室です。
新美彫刻科の公開コンクールが無事に終わりました。お疲れ様でした。
参加して下さった生徒の皆さん、ありがとうございました。
いよいよこれからですね。
コンクールの結果から見えてきた自分の弱点を、ここから一気に克服していく2学期後半にしましょう!

丁寧に講評ノートを見直したり、分からない点はしっかり質問したり
解決の糸口になりそうな事は、悔いの残らないように努力していきたいですね。

さて、ここで新美の彫刻科公開コンクールにおいて、デッサンで1.2位、塑造で1.2位を獲得した作品を紹介します。
(公平な審査の結果ですが、この4点は新美の生徒の作品でした)


肩から見る、首の位置がやや奥から生えて来ている様に感じてしまいますが、視点を感じる勢いの在るデッサンです。体の正面の布の感触や台座と切り口の空間の差にも、もう一息、手をかけても良かったかもしれません。


まだ、形と形をつなぐ間の形への表現が弱いですが、本人の視点がハッキリしています。体からの首の出方の構造もこの位置からだと難しいですが、上手く汲み取れていますね。


良く観察が行き届いているアバタの模刻ですね。6時間ぴったりで、この時期にここまでの実技結果を出せるとは、凄いなと感じます!!前頭葉付近に影の印象が、もうちょっと強く入っていると、なお良かったです。


縮み側の形がやや痩せてしまいましたが、髪の毛の表現まで果敢に攻めていった印象の強い模刻でした。アバタの柔らかい影の印象が拾えてくると文句無しです!

+1点、優秀作品の紹介です。

上手いです!しかし、ここまで描いてきたら思い切って、耳の上の髪の毛の張りや、肩の骨の部分、腹筋、後頭部の形にもう一押し臨場感が欲しい!と欲張ってみたい所です。
光や構造、形にもすべてに意識が配られており、それらを兼ね備えたデッサンは、なかなか出会えません。

今回の紹介はここまでです。
個々に力が付いて来ていることは間違いないです!自信を持って実技に挑んでくださいね。
誰よりも強く受かると、信じていく強さが最後の勝敗を分けるのではないかと思います。

2学期は、とにかく焦らずに!
見えている自分の課題に対して、しっかりベースの力を底上げしていきましょう!
急が場ば回れです!

追伸
10月17日の(火)から25日(水)までの期間で個展を行います。
足を運んで頂けると嬉しいです。
どうぞ宜しくお願いいたします。  氷室

https://www.tokyo-studio.co.jp/https://www.tokyo-studio.co.jp/

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