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石膏デッサン考

こんにちは、実技全科総合部です。
本日の美大入試対策でも当たり前のように描いている「石膏デッサン」を考えてみましょう。

?日本においての石膏デッサンによる美術教育は、20世紀初め(西暦1900年)から始まりました。

東京芸術大学油画科においては、1949年の「マルスの胸像」以来、繰り返し石膏デッサンが入試の課題としてされ続けました。

その一方では、今日まで様々な偏見や、ときには敵意にさらされ、なかなか理解してもらえなかったという事情もあります。

「石膏像が描けても・・・」という声が今でも時々聞こえてきますし、専門家のあいだでも石膏デッサンを巡って様々な否定的な意見も交わされました。

そんな状況にもかかわらず、石膏デッサンは生きのび、美大入試においても重要なまたは入試を代表するような課題として高い評価を得ているのです。?

それはいったいなぜでしょうか?

やはりそれだけの意味が、そして価値があったのだと認めざるを得なさそうです。?

今回、71516日のスペシャル・サマー・セミナーでは、“石膏デッサン強化ゼミ”2日目の制作終了後の解説

「なぜ?石膏デッサン」で、興味深いお話しを新美のレジェンド講師よりしていただく予定です。

ゼミを受講し、上手くなったついでに知識もつけ、疑問なく石膏デッサンができるようになると、もっと成長するにちがいありません!!?

詳細、お申込みはこちらから 「石膏デッサン強化ゼミ」

是非、ご参加お待ちしております!

彫刻科 近況

彫刻科昼間部講師の氷室です。
早いもので、5月も後半ですね!
6月を乗り切るとすぐに夏期講習が目前です
この時期には、積極的に方法探しや道具選びにも自分なりに研究していって欲しいですね!

彫刻家の舟越保武さんは、本の中で
「私は、毎日デッサンをしているのだが、しょっ中同じ様な失敗を重ねている。
横道に外れる時と同じ様に、はじめから細部にこだわると、全体の形が壊れてしまう。
いくら細部を描きこんでも画面全体の幹を忘れた細部は、かえってぶち壊しになる。
樹木を描くにしても、幹がしっかりしていなければならない。小枝や葉がなければ樹にはならない。」
と、デッサンについて書かれています。あの有名な作家さんであっても、みなさんが今、体感し考えていることと同じ事を考えているんですよね。
彫刻家においては、特に切っても切れないテーマだと思います。
だからこそ今の基礎が大切なんです!

さて、ここから最近の秀作を紹介します!


春期講習から取り組んでいたラオコーンの模刻です。私は初めてラオコーンの模刻を見ました!
量も大きく、動きの激しい像を模刻するのは難しかったと思いますが。作者は真摯に制作に取り組んでいました!その結果がどれほどの自信に繋がることか、感心させられます!
心棒の作り方から模索し、大きく粘土を扱える経験は、今後にも活きてくることは間違いないですね!


自主的に取り組んだ自刻像です!骨格から意識し、人間であることを問う作業。
鏡で自分を見る作業では、3次元的に形を捉える事が難しいので、思っている以上に後頭部側を意識せねばなりません。シンプルに学ぶ事が多い、この時期ならではの自刻像は非常に魅力的な作品でもあります!

ここからの3枚は自画像です。
こちらへ向けられる眼差し、洋服の色までも伝わる様な取り巻く空気。なんとも言えず、内側で無意識に感じていることが表現されてしまう。
彫刻とは何なのか、特有の何かを感じる3枚が揃いました!


頭部の印象はもう少し構造的に強さが欲しいですが、動きやねじれ、形がとても丁寧に描かれています。アムールの特徴に良く迫れた1枚です!


こちらは、現役生のデッサンです!
視点もあり、ここまでフォーンを表現出来る実力!凄いです!炭がピタット動きに張り付いており、綺麗ですね。

今回はここまでです。
上手く自分のリズムを見つけて、新しい事を探し発見する1学期にしてください!!

展示のお知らせです。
7月2日から14日まで いりや画廊にてグループ展が開催されます。
もし良かったら足を運んで頂けると嬉しいです。
http://galleryiriya.com/


どうぞ宜しくお願い致します。

彫刻科自由制作週間!

彫刻科の新妻です。この春から新美の講師として働くことになりました。進路実現と今後の創作活動のためのあれやこれやを一緒に試行錯誤しながら真剣に、そして楽しく身に着けていきましょう!よろしくおねがいします!

さて彫刻科はGW明けから動物をモチーフとした自主制作期間に入りました。GWに動物園で取材したものを元に1週間かけて作品を作ります。普段の受験課題から離れての制作によって新鮮な気持ちで対象を捉える姿勢と、良いものを作りたい!という初期衝動を大切にして取り組んで欲しいです!

取材した資料と記憶を頼りに作品のイメージを膨らませていきます。

そして芯棒づくり。これから形作る彫刻を思い描いて強度と効率を兼ね備えた芯棒を考えます。ここは慎重に。。。

しっかりと芯棒が出来たら粘土をつけていきます。普段の課題で行っているクロッキー的なとらえ方を活かして量のやりとりの中から「らしさ」をうまく引き出したいですね。

こちらは別課題の実材実習。実技経験が豊富な作者の新しいチャレンジです!

各々、美意識とこだわりを最大限作品に落とし込めるように真剣です。。

いくつか完成作品を紹介します。

それぞれ満足のいく形で制作できたでしょうか?また通常授業に戻りますが、今回の制作でのこだわりや、自分の「作品」を作っているという感覚をどんな課題やモチーフでも大切にして制作してほしいと思います!

 

彫刻科新学期最初の優秀作品。

こんにちは!彫刻科の小川原です。1学期がスタートしました!皆気合いの入った取り組みに、僕たち講師も熱い指導で応えていこうという思いです!
今の時点での実力にはそれぞれ差がありますが、1年という期間の中で大事なのは今上手いかどうかではなくて、今から入試までにどれだけ前向きに課題に取り組み、実力に変えていけるかということです。目的意識をしっかり持って制作し、研究を深めて欲しいです!
自分にとって自信を持って言い切れるものが出来れば受験と言う特殊な状況でも必ず結果が出せます!僕たち講師はそれを見つけるための手助けを全力でしていきます!頑張りましょう!

さて、1学期最初の課題はデッサンでしたが、魅力的な作品が出たので紹介します。
昼間部生の作品。

印象がとても良いですね。調子も爽やかで良いです!特にここが良くない、という所は無いのですが、さらに具体的な形の抵抗感や実際的な空間感が出せると良いと思います。やや色で表現する一辺倒なところがあるので距離や形の質に応じて差がつけられると良いですね!

夜間部現役生の作品。

まるで実際に彫刻するように描いている所が作者の捉え方の特徴です。デッサンに残っている痕跡は、実感を伴っているものなので第三者にもリアリティが伝わってきます。欲を言うと手前の腕がもう少し形に出来ると良いですが、ダイレクトな表現が素晴らしいです!

描き出し特訓で僕が30分で描いたジョルジョ。

デスケルや計り棒は使わずに描きました。クロッキー力が重要だと言うことが伝わったと思います。マジ描きするとこのくらい速く描けます。あと30分あったら完成できる勢いです。
地球上で一番速いかも(笑)

最後に、今僕が制作中の作品です。まだ全然出来てないですが、最終的にはブロンズにします。

全体を描いたデッサンです。

この1年で結果が出せるように一緒に頑張りましょう!

今日の1日体験&推薦入試説明会

こんにちは!
本日の新宿校の1日体験は、充実していました!
とってはいえ、いつもどの校舎でもですが!


モチーフはこんな感じです。
明るい感じで、健やかに描けそうです!
始めてかく受講生は、何が出ても難しいと思いますが
新美では大丈夫、ご安心ください。

日本画の木南先生がデッサン初心者のみなさんために、デモンストレーションをしてくれました。鉛筆の使い方から、構図、描きだしまで丁寧にデモスト付きで説明してくれます。
初心者でなく、経験者でも先生の説明が気になり聞きにいった人もいます。

そして、最後は講評会です。

油絵科の根本先生と木南先生で、1枚1枚順番に講評をしていきます。
1時間ぐらいかかりますが、熱心に聞いているとあっという間に時間がたっていることにきづきます。

本日はそれだけではなく、推薦入試説明会が体験終了後に行われました。

映像科の森田先生を中心に各科の主任の先生方も参加してくれました。
推薦入試合格者のポートフォリオも充実しており、実際のものを見ることができます。
オープンキャンパスでも推薦入試合格者のポートフォリオは、こんな量は見れません。

また、推薦入試の具体的な相談に、各主任の先生方は、とても親身に答えていました。

推薦入試は、意外と準備が大変です。早めに決めて取り掛かりたいものですね。