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彫刻科 6月後半戦

こんにちは、彫刻科講師の臼田です!6月にしては暑い日が続いていますね、、。体調管理に気をつけて下さい。学生たちは熱さに負けず、良い集中力を保てていると思います!

皆んな実力がかなり上がってきていて秀作も多いので同一学生で複数点被ることなく今回は紹介していこうと思います。まずは昼間部から

 

よく印象を捉えられていると思います。全ての実技を通して安定感が出てきていていますね!ただ時折大体良いのに像の印象を1つ拾いきれず、、みたいなことがあるのでそうならない様にできれば完璧かなと思います。ロジカルに像の印象をおさえていくような感覚ももう少しだけプラスできると良いのかなと思います。

円盤らしい動きの流れ、形を表現できていますね!課題である最後まできっちり密度を上げていくということも自分で考えながら遂行できることが増えてきていると思います!後は印象の狂いがどれくらいのものなのかを判断できるようになればさらに良くなりそうです。個人的には描いていて迷ったとしても取り敢えず描き進めつつ警戒して印象を探っていっても良いかなと思います。

難しい位置ですがしっかりと円盤らしさを拾えていると思います!カタさが気持ちみられるところもありますが良いと思います。像の印象を捉える眼をもっと養っていければ言うことなくなるかなと思います。もっともっともっとマニアックに、詳細に像を観察、理解してそれを手にゆっくり乗せて行けたらいいと思います!この調子で頑張りましょう!

授業後に少し延長して作り上げました。本当に素晴らしいできだと思います!粘土もデッサンもただトレースしていく様な感覚がまだちょいと強いかなと思います。基本的にはその感覚で良いと思いますが、像の印象の機微を拾いきれていない時が時折見られます。印象で像を見極めると言うことをもっと鍛えていければ凄まじい高みに行けると思うので意識してみて下さい。期待しています。

こちらも延長して作り切りました。似ていると思います。首周りは形が全然甘いです。よく観察して作れていると思いますが、見方にまだムラがあると思います。その段階で見なければいけないのはどこなのかもっと精査しても良いと思います。制作していく中で印象がロックされるタイミングをもっと認識して大事にしていきましょう!

美しいデッサンですね!光、空間ともに綺麗です!構造的な理解や、大きく形を見ていく事が課題でしたが、どんどん良くなってきていると思います!ちゃんと意識して像をゆったりと観察できれば必ずできると思うので出だしから中盤にかけては堪えながら進めていけると良くなると思います!この調子です!

全体に描写が行き渡っていて良いデッサンがと思います。ベース⇄描き込みのリズム感みたいなところが大分身になってきたのではないでしょうか。印象を留めていきつつ狂いや印象の悪さがなんなのかをより精度高く見極めていくと言うことも大事なことだと思います。迷って進めないくらいなら進んでみてどうなのかでも良いのかなと思います!どんどんこの調子でいきましょう!

かっちりと強い表現ができていますね!今回はしっかりと全体感、空間表現を意識してできていたんじゃないかなと思います!後は画面左側の絶妙な色味の機微をしっかりと追えてよかったと思います!画面全体で責任感持って進めていくことがとにかく大事なことだと思います。空間表現に対してはもっと研究してより綺麗な空気の流れを作っていきたいですね!まだまだ高みにいけるよ!

美しい色味かつ空間表現で仕上げてこれたのではないでしょうか。良いと思います!その像に置いて何が印象的に大事なのか、この位置からだと何が表現しづらいのかをもっと意識してみても良いかもしれないですね。そこを踏まえた上で計画的に出だしから進んでいけると迷いなく積み上げていけて尚良くなるのかなと思います。

続いて夜間部の作品になります。ややラインに単調さを感じますが、素晴らしいできだと思います!個人的には出だしから中盤にかけて印象の狂いを発見できたら柔軟に躊躇する事なく修正できれば何も問題ないかなと思います。(話聞くと狂いに気づいてそうなので)狂いを見つけられたらラッキーぐらいの感覚でやってみて下さい!

こちらも夜間部の作品になります。よく印象を捉えられていると思います!黒の汚さみたいなものも無くスッキリ表現できています!手前の書き込みなどはもう一歩パワー込めてビシッと表現していきたいですね。手前と奥側での対比による空間表現を意識していきたいです!

 

長くなりましたが以上になります!

彫刻科:6月になりました!

こんにちは、講師の新妻です。

新学期から二ヶ月が経ち、アトリエは静かな熱気に満ちています。

早速ですが秀作紹介に参ります。複数ある場合は同一作者で今回はまとめてみました。

デッサン塑造ともにレベル高いと思います。受験生としてだけでなく、一人の彫刻家としてモチーフから学べるものを、実験を交えながら、まだまだ貪欲に吸収していって欲しいです!

胸部と頭部の動きの関係性がそのまま印象に直結する像であるアムールをよく捉えています。日々の制作の中での気づきや大事なポイントを反芻しながら少しずつ自分の中に落とし込んでいきましょう。

デッサン、塑造ともに成長と理解が深まっていってるのが作品を見て伝わってきます。上がり調子!

 ニュアンスを掴むセンスがいつも冴えています。表面の起伏や現象としての色味だけでは無い、立体としての説得力が出てくると強いですね!

 

背景との関係や、一枚絵としての無理のない見え方のバランスが取れてきたと思います。そこに価値を見出せると武器が活きてきます!

じわじわと内容を深めていける強みはより高めながら、スタートでの精度の甘さも克服しつつあります。自分の課題に対してのストイックさ、良いですね!

柔らかさと鋭さが同居する弥勒菩薩のマスクの印象や、自画像の生き生きとした一瞬の表情など、対象に対して感じている魅力を引き出す持ち前の感性の良さを、下支えする構造的な見方が安定してきました。

モチーフのもつ構造的な組み立てに対する仕事の安定感は抜きん出ています。進めていく中で形のニュアンスを救い上げるための観察をとことん深めていきましょう!

続いて夜間部です。

浅くなりがちな明るい部分の描写も手が入るようになってきました。

難しい位置ですが、構図、バランス、動き、形の印象など、バランスよく全ての要素に対して気をかけて収めることができました。

実際に彫刻を掘り進めていくようなベースでの炭のやりとりを参考にしてもらうことで、画面に一貫性が出てきました!印象◯!

作り出しから自然と抵抗感や形の張りを捉えながら作っていけました。密度◯!

最後は基礎科生の自刻像です。

首つきの印象など難しいところもデモを参考にしてもらったら自然に作れていて、とても初めてとは思えません、記念すべき一作!

微妙な揺らぎを感じるような佇まいが人物彫刻として魅力的です。後半は部位ごとのリアリティに対してもやりとりできましたね!

 

今回は以上です。今回作品が載らなかった人も着実に前進しています!次はどんな作品が見られるか、講師の僕らも楽しみにしています!

ラストはクロッキー!ではまた!

素晴らしい五月【彫刻科】

こんにちは!彫刻科講師の佐宗です。

5月も後半、いきなり暑くなったり、寒くなったり。気圧の乱高下でフィジカルメンタル共にグダグダです。でもそれは私だけのようで、みんなはとっても良い作品をバシバシ出しています!

今年度は特に描き出し、荒付けに力を入れていて、こまめに講評もしているのですが、1日の中でもみんなの成長が感じられて、素晴らしいなぁ!と毎回感じています。本当によく頑張っています!

それではそんな素晴らしい5月の秀作をご紹介します。




まずは手の塑造です。任意の球体との構成課題ですが、自然な手が作れていますね。
手は身近で、自身の体のなかでも普段一番目にしている部位だと思います。なので構造を外してしまうととても目立ちます。
難しい課題ですが、手は表現の幅がとても広いので、構造をバッチリ押さえてかっこいい作品にしましょう!

奴隷のデッサンでも秀作がたくさん出ました。

↑ うまいです!!表情もとても良いですし、体の動きもしっかり出ています。欲を言えばもう少し首の伸びが自然につながってくると良いかなと思います。


↑ 良いですね!でも構図が惜しい!奴隷はデカイ像なので構図はギリギリを攻めたいです!


↑ 描いているなかで、自力で頭部の狂いを直せました。すばらしい!!


↑ こちらも台座が謎空間ですが(喝!)体の筋肉の形などすごく丁寧に描けていて魅力的です!

ゲタの模刻です。荒付けに時間をかけてしっかりと上げてきました!いまいち特徴を捉えづらい像だなぁと私は思っているのですが、みんなしっかり似せられました。やっぱりベースの形があってないとどんなに細かいパーツを合わせても似ません。大きく大きく見る!が模刻の鉄則です!

 


ジョルジョのデッサン、背面の反射光が美しいです。


印象がいいですね。この位置は脇の位置が空間的に狂いがちで難しいのですが、しっかり描けています。顔のパーツは少し寄り気味かも?

見上げ感がよく出ていてかっこいいデッサンです。顔、似てる!

 

こちらのガッタメとブルータスは二人の作者が交互に描いて完成させました。自主練ではこういったお楽しみができて最高ですね!デッサンとしてもかなりクオリティの高いものになりました。

ここからは夜間部生の作品です。


結構描けるようになってきた夜間部生たちですが、さらにここからグイッと上手くなるには、大きく絵を動かす勇気が必要かなと思います。自力でもじわ、じわ、となら直っていくのですが、なかなか大きく直せないですね。時には思い切りが大切です!一度描いたところは観察ができているので次は半分以下の時間で描けます。勇気を持って大きく直していきましょう!

 

最後は基礎科生の作品です!

描き始めからずっと印象がバッチリあっていて驚きました。かなり良い目を持っていると思います。少しボヤッとした感じで終わりましたが、描写はすぐできるようになります。まずこの見方が素晴らしいですね!これからの成長が楽しみです!

こちらも基礎科生のブルータス。首の形の描写、これはなかなか出来ないです!かっこいい。少しチラチラと光が乱反射している感じなので、描写してから抑える仕事が欲しいところです。これからに期待!

 

以上で最近の秀作紹介を終わります。
五月病って本当にあるの?と思うような素晴らしい5月でした!この調子でグイグイいきましょう!

彫刻科 熱く盛り上がっています!

彫刻科の臼田です!今年は昼夜共に全体のレベルが高く、また惰性的になることも無くとても良いテンションでここまで皆んな制作できています!5月は中だるみが、、、みたいな心配は一切ないです。この調子でどんどん上達をしていって下さい!

それぞれまだ課題となる点は有りますが、今の時期だからこそ出来ることがあるのでたくさん挑戦をしてみて下さい。新たな挑戦をする際に失敗することもあると思いますが、その過程を踏まない以外に成長はできないと思います。失敗する事を恐れないで頑張っていきましょう!それでは最近の秀作を紹介していきます。

とても印象よく言い切ってこれました。素晴らしいです!描いていく中での迷いがリズムを悪くすることがあるのでもっと自分の実力・判断に自信を持って力強く描き進めて良いと思います。描いていく段階で何が今大事なのか・何を今判断出来うるのかがもう少し分かってくるとさらに上達出来ると思います。

力強いです!体正面はボリュームが出しづらい位置ですがよく表現できていると思います。形が丸く癖っぽくなることがありましたがこの絵については角感をちゃんと描けています。形を模刻の様に多角的にみて観察する意識を忘れないようにしましょう!

自分で自信を持って判断し言い切れるようになってきましたね!弱点にも臆することなく積極的にアプローチしているので抜けも少なくなってきました。時々像の印象を把握していない・または観察不足からくる印象の悪いところがあったりするので徹底的に合わせていきましょう。

続いて自画像です。元々感覚的によかったですが、そこに構築的な考え方が合わさってきて抜けがなくなってきました。画面の中に本当に人がいるかの様な空気感を作れていると思います。個人的にはもう少しだけ目にピントを当てたいのと、強い黒をピリッと効かせる部分がちょっとあっても良いかなと思います。

続いての5点GW中に自主練で制作をした作品たちになります。

本当に素晴らしい意欲だと感心します。5作品とも1日制作でしたが、クオリティが高いです。。

続いてフォーンのデッサンです。出だしから空間性・印象・構造的な抑え全て言うことないくらい完璧な試合運びでした。自分でも分かっているとは思いますが最後のピント合わせや印象の締め込み方はまだ経験不足だと思います。これから研究して更なる高みに到達して下さい。楽しみにしています!

 

 

2人とも最終的には凄まじく高いレベルで仕上げてこれました。言うことがないです。描き出しに関しても変な硬さや強引さが無くなり良いと思います。問題は中盤の仕事の弱さかなと思います。ここでの理解はまだ低く、描写で持っていこうとする時がまだ見受けられます。まだまだ上手くなれるので自分の出来る範囲の見方・進め方に頼りすぎず中盤は進めていきたいです。最強を目指しましょう!

長くなりましたが今回は以上になります。

彫刻科 GW前までの優秀作品紹介

こんにちは。彫刻家の小川原です。1学期のスタートを切って間もなくですが昼間部、夜間部、基礎科ともに気合の入った取り組みに講師の指導にも熱が入ります!!
とても良いスタートダッシュです!預かり作品も沢山出ました。こちらを紹介していきます。

まずは昼間部生の作品。
手とヤシの実の構成です。モチーフは複数制作しても良いですが、あくまでクオリティをしっかり高めていくことが最重要目標でした。

デッサンはマルスです。まずは構図から、動き、構造、印象といった基本的なところをじっくり構えて取り組みました。背景付きで挑戦した生徒も。

アバタの模刻では仕事の積み重ねの精度よりも付けた粘土を動かして
合わせていくことを焦点に取り組みました。

自刻像に取り組み、「精度」について、「形」の正確性にとどまらず、より生身のリアリティについて考えて取り組みました。

次に夜間部の作品を紹介します。

マルストルソ背面にて線的(部分的)な形取りにとらわれずに画面全体で印象を見ていく意識を再確認しました。

グデアの模刻では構造的なものの見方について制作を通じて認識を深めました。

ガッタメラータでは描写しているうちに表面的になってしまうことを理解して、最終的な着地のポイントは空間や構造からくる印象の良さを優先すべきということを学びました。

アバタの模刻では表面の凹凸を順に合わせていくのではなく、まずは塊を置いてそれを全体で動かしていく重要性について確認しました。

次に基礎科の作品を紹介します。
模刻2点。二人とも本格的な制作はほぼ初めてですが素晴らしい感覚の良さで作り上げました。アバタは途中参加で半分の時間でしたがとても良い印象です。グデアは流石のクオリティ!二人とも初めてのモチーフでしたが制作しながら成長していました!

受験生たちはまずは夏期講習までが一つの山場だと思っています。夏期講習を制する者は受験を制するとよく言ったものですが、夏期講習を制するための実力を1学期のうちにつけておかなければ夏期講習も不発に終わってしまいます。
皆意識は非常に高いのできっとモノにできると期待しつつ、全力で教えていきます!