こんにちは!彫刻科の小川原です。
夏期講習ももう終盤戦に突入しています。思えばこのひと月で素晴らしい成長を見せている生徒が本当に多いです!制作について以前よりずっとよく考えて取り組んでいるなということが伝わってきます。良い感じで2学期にバトンタッチできそうです!ラストスパート頑張りましょう!
それれではここ最近の預かり作品を紹介していきます。
まずは受験科から。
ジョルジョは胸像の中では難易度の高い像ですが印象よく完成に持って来れました。
モデル首像はまさに彫刻の基礎だと思います。人物を知ることで多くのことに応用していけます。表面的に形を観察するよりも内部構造(筋骨)について考えていく必要があります。さらに人物の「意識」や「精神」についてまで表現を模索していく可能性について考えていきたいところです。
静物素描では客観的状況やものの質感、性質の差について表現を高めていきたいです。普段使い慣れない鉛筆も苦手意識を持たずに工夫研究していきたいです。
ジョセフは大きな像ですが印象は捉えやすいのでガンガン描き進めていきたいです。空間に関しても魅力的に表現できるよう考えられると良いです。
模刻は塑像力を鍛えるのにもってこいの課題です。考えたいのは輪郭の変化や表面の起伏ではなくて、空間上にどのように量や構造、軸を捉えていくかです。部分を見ていてはどんなに直す作業を加えても捉えきれません。
自刻像は作家としての永遠のテーマであると同時に基礎基本であると思います。内面まで踏み込んで作品として表現したいです。
円盤投げ、およびトルソーは鏡像に比べて圧倒的に難しいです。というのは動きの関係性がより複雑かつ、より「人体」としての理解が求められるので誤魔化しが効きません。クロッキー力を鍛えて全体を軽く把握できるようにしておきたいです。
構成塑像ではモチーフを空間上に美しく効果的に配置していくことが重要になります。ちょっとした向きや角度の違い、接し方の違いでも全く印象が変わってきます。制作に取り掛かる前にじっくりエスキースを重ねておきたいです。さらには完成度をがっちり上げていくことも重要です。完成度を上げることが素材の質感に差をつける事に直結します。
ガッタメラータは特徴的な印象を持った像ですが比較的描きやすい像です。カッコよく描きやすいということでもあるのでテンションを上げて挑んでいきたいです。鎧含め描写部分も多いですがしっかりベースと空間についても考えていきましょう。
最後に彫刻科基礎コースの生徒作品を紹介します。この夏期講習でかなり実力を上げてきました!
受験の一年ももうすぐで半分終了です!とはいえ大事なことは一つひとつ弱点を克服すること!焦っても何もいいことはありません。自分もそうでしたが受験生はあくまで受験の世界しか体験していないのでどんなに経験を積んだつもりでも井の中の蛙である事には変わりありません。要するに分かったようで実はそんなに分かってない。結構雰囲気でやってる部分が大きいんじゃないかなと思います。まあそれはある意味仕方ないというか、それが普通なのでそんなものだと思うのですが、少なくとも雰囲気でやる中で「確かな実感」みたいなものを掴んでほしいなと思います。言葉で説明できるほど頭の中で整理できてなくても感覚的に正しいことがわかっていればかなり強みになると思います。そのためにはひたすらやり込むしかないです。中にはまだ頑張りきれてない人もいるかと思いますが、入試は人生がかかっているので無理をするとしたら今なんじゃないかなと思います。無理なく取り組むくらいの感じで勝てるほど簡単ではないです。「仕方ないよね」となるのは嫌なのでぜひみんなに頑張ってほしいと思ってます!