カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

彫刻科 2学期も終盤です

昼間部講師の氷室です。
2学期ももうすぐ終わり、すぐに冬期講習会が始まります。
これからは1日課題が増えてきます。これまで培ってきた見方の感覚やテクニックを時間内に発揮できる様にまとめて行く調整が必要となってきます。慌てずに時間の使い方を研究していって下さい。
まだまだ冬期講習で実力は伸びていきます!得意な点はみんな伸ばしていけるので、ここで今一度、苦手なポイントに向き合って冬期講習でクリアしておきたいですね。

彫刻家である大学の同級生から頂いた資料に、ジョン・ラスキンの言葉が記されていました。
難しくもありますが、これが出来たらカッコイイなと、最近私の心に引っかかっている文章を紹介します。
『動く動物、成長する樹木、流れる雲、すり減っていく山、それらの過去に力を及ぼした線、その未来に力を及ぼす線を見る様に心がけなさい。それは畏敬するべき(線)ラインである。』
受験で一番近い感覚だと、生きて動いている鳩や鶏を塑像する時でしょうか。この言葉が響きます。

さて、ここからは最近の優秀作品の紹介です。


表面に凹凸が少ない分、形を理解して木炭を使っていかないと難しいモチーフなのですが、形を探って的確に表現しながら、ミロビ特有の張りと量と動きを損なわず描けています。実力を感じる1枚です。布にもう一歩臨場感があれば最高です!


体の捻れがスカッと見える奴隷らしい印象が拾えている1枚です。かつキレイな炭使いです。頭部や表情も、もっと描き込んで見る側を引き込んでいけると良いですね。


奴隷の魅力である、伸びて捻れていく緊張感を感じながら絵にしようと描いていたのではないでしょうか。それが伝わってくる1枚です。
言い切りも大切ですが、その作者が何を感じて描いたのか、その行程が伝わるデッサンはそうないです。


伸び側が背中にまで繋がり、背骨が感じられるとなお良いですが、奴隷のなんとも言えない形を丁寧に追えており、かつ光源を魅せる強さもあるのが魅力ですね。


髪の毛、目鼻口のパーツと周りの形がもう少しリンクすると最高ですが、印象もよく、何より視点が手前の腕にあり、スッとデッサンの中に視線が入って表情に向かわせる描写感覚が綺麗です。


目と後頭部の印象が惜しいですが、アムールらしい体の大きな箱感と張りが美しいです。難しい点ですが逆光影側の影としての描き方も画面の中でうまくマッチしていますね。


ジョルジョの印象が良く引き出せていますね。動きも自然です。無駄なく作れることも大事かもしれませんが、粘って出来上がってくる質感は、誰にも真似できない良さがあります。


似ていますね!!上手いです。ここまで持ってこられると上出来です◎


手の生きている生の質感を感じます。活き活きした表情を持たせつつ形を崩さない、手としてのバランスも緩急があり上手です。構成も良く考えられていますね。



円盤模刻をやり切りました。上手です。量感はさほど大きくありませんが作ってみると一筋縄ではいかず、360度の動きを合わせることが思った以上に難しいモチーフです。
妥協無く、しっかり粘土を押し込めながら作った形の抵抗感もカッコ良いです。


髪の毛と顔の質感にやや差がありますが、短時間でここまでの表情を捉えて表現していけることに技術の高さを感じます。

こちらは現役生の作品です。

アムールの逆光側は難しいですが、ひとつひとつの形もしっかり追いながら動きのバランスも良く取れています。白から黒までの豊富な炭幅で作る光の感じさせ方も上手いですね。


こちらのグデアも上手いです。目鼻口以外の形を現役生でここまで捉えて表現していく力は凄いです。

こちらは基礎科の高校2年生の模刻です。

アルカイックスマイル首像の模刻に挑戦しました。完成度の高さにびっくりです。立体におけるバランス感覚の良さが光っています。
形の張りや形から見えてくる影の印象がしっくり来ており、さらに微妙な動きも追えています。何より粘土付けが上手いですね!これからが楽しみです!

今回は以上です。

どんな どん底でも 才能は なくならない
と言う言葉を最近見かけました。なるほどなと思います。
泣いても笑っても残り3ヶ月です!
褒められた点は素直に喜びながら、前向きに日々を乗り切って行ってください!

油絵科、日本画科、彫刻科合同企画プレ冬期!!

こんにちは、油絵科です。
先週の公開コンクールを受けられた方々お疲れ様でした。
講評会でも話があったかと思いますが、油絵科の評価基準はひとつではありません。
結果がふるわなかった作品であっても個人的には凄く強く推されていた作品など多々ありました。
これから受験シーズンに本格的に突入していきますが、それぞれの目標に向かってしっかり頑張って行ってください!!

さて、先週に引き続き明日29日日曜日にはプレ冬期講習があります。
公開コンクールについての油絵科のブログにもありましたが、人物課題は入試にとってとても重要です。

※前回ブログリンク
https://www.art-shinbi.com/blog/20201115/

そこで今年のプレ冬期は美術解剖学特別講義を行います。


午前中は人体の基本構造とその見方、また立体的な形態の見方など人体についての講義を行います。
午後は午前の講義の内容をもとにヌードクロッキーを行います。男女の外国人モデルさんに来ていただき、講師は随時モデルを前に解説を行います。

今後入試直前に人物課題を制作する機会が多々あるかと思います。その前に是非受けておいてほしい講義内容になっています!

申し込み、詳しいタイムスケジュールなどは以下より!

https://www.art-shinbi.com/event/20event-pre-winter/pre-winter-A.html

迷っていた人も是非受けてみてくださいね!

彫刻科 11月後半の優秀作品の紹介

こんにちは!彫刻科の小川原です。もう11月も終わりになります。早いですね!あっという間に入試ですね!この時期になると生徒のレベルも高くなってきて良い作品も多く出てきます。

ここまでの積み重ねは非常に良いものだったと思うので、慌しくなる冬期講習、入試直前に入る前の今、じっくりと作品と向き合い、考え、作品追求を徹底的に拘っていくことがとても重要なんだと思います。それだけの力が身についてきたということですね!

それではここ2週間の優秀作品を紹介します。
まずは昼間部生の作品から

力むことなく自然に印象が捉えられています。完成度の高い作品です!


表情とその周囲の形のとながりをさらに自然に繋げられるとより良い作品になりそうですが、言い切りの強い作品になっています。


本当にうまいと思います。質感が伝わってくるようです。突き抜けた魅力がありますね!


柔らかく自然な描写がとても良いです。床面にもっとこだわれるとデッサンとしての完成のヴィジョンがさらに明確になったと思います。


大胆に構図を設定し、剥製を魅力的に描き切りました。自分はこうしたい!という意志を強く表現に乗せていくことが重要なんですね!


樽のリアルな木質が魅力的です。全体にかっちり仕上げてきています。


樽の形に安定感を感じます。床面の抵抗感がさらに高められると良いです。


狙いのある構図が良いです。構図から切れている樽が難しかったですがものにしました。


アクリル角柱の質感がもう一つですが静物としての安定感が出せています。


キレキレの描写に凄みを感じます!これ以上の作品を見たことがない!


出だしから良い印象で進めてこれました。グデアのかっちり感がとても良いです!


難しい位置ですが印象よく捉えられています。完成度を上げていくのが苦手でしたが途中でもこの自然な調子の流れは魅力的に感じます。


堂々としたポーズや表情がとても良いです!ニット帽の質感表現が素晴らしく、本物みたいです!


まさに渾身の一作ですね!モチーフ室から好きなものを選んで構成してもらいました。興味がそのまま作品のクオリティの高さにつながったと思います。

ここから夜間部生の作品です。

美しい光の表現が魅力的です。デッサンとして余すとこなくやり切っていることにも引きつけられます。


顔の表現がややかたいかなという印象ですが、動き、構造、量感とも素晴らしい精度だと思います!


やや鈍さが惜しいところですがこの位置では難しい顔の印象も自然に捉えられています。


炭のバサつきがもう少し抑えられるとグッと良くなりそうですが、手前の胸から脇にかけてのボリューム感がとてもよく表現できています。

最後に基礎科、高校二年生の作品です。

新美に来て2枚目の石膏デッサンとは思えないほどのレベルの高さを感じます。見えたものを素直に表現できる自然体の向き合い方が素晴らしいです。

以上です。以前は講師のアドバイスに頼るところが多かったですが、だんだんと自力でできること(自分で考えてどうすべきか選択する力)が増えてきて頼もしい限りです。
入試は全部一人で何とかしなければなりません。それは入試は孤独であるということでもありますが、入試前日まで積み重ねてきた力が味方をしてくれます。大事なことは本番で過度に緊張したり焦って自分を見失ってしまうことです。自分を見失うということは、ある意味初心者に戻ってしまう(経験してきたことを置いてきてしまう)ということでもあります。そうなってしまうと絶対に良いものはできません。入試は当日の技術の高さを競うものという以上に、当日冷静でいられるかどうかが試されていると思って今のうちに制作のリズム作りを入念に行い、自分に自信を持つこと(良い作品を出し続けること)が重要です。

 

 

明日はいよいよ 新美彫刻科の公開コンクールです。

昼間部講師の氷室です。

明日は、彫刻科の公開デッサンコンクールです。
受験本番に近い緊張感を持って挑める機会です。
受験におけるデッサンは、モチーフの情報を短時間で表現せねばなりません。しかも、その絵は他者の主観に基づき客観的に判断されることになります。
自分のデッサンがどの様に伝わるのか、その結果を次につなげて行って下さい。
光や形、木炭を扱うテクニック、印象、全てを研ぎ澄ませてバランス良く表現していきたいですね。

『ロダンの言葉抄』の中に
ー芸術家とは見る人のことです。
眼の開いた人のことです。
その心に、物の内面の本質が、いずれにしても存在事実として考えられる人のことですー
と書いて有ります。

また、面と陰影が構造を作り出すことや、皆さんの日々の制作に引っかかる部分が言葉にしてあるので、もし手にとる機会があれば読んでみてください。

10月後半の優秀作品の紹介です。

視点と量感を大切にしながら印象や動きも良くまとめられています。探る姿勢が活きています。


逆光で難しい位置ですが、顔の印象を丁寧に観察しブルータスの印象らしく表現出来ています。力を感じますね。綺麗なデッサンです。


大きな面展開をしっかり感じさせながら、肩から首までの構造にも迫れており、見上げた迫力が伝わります。


ピタッとした形を描けており、顔の印象も綺麗です。動き量感、木炭の色幅の強さを兼ね備えたカッコ良い1枚です。


そこにあるリアリティをひと目で感じます。光、質感、空気も全てが表現出来ています。


丁寧で熱い1枚です。全体感と細部の描写バランスが素晴らしいです。大きく取った構図が活きています。


難しい視点ですが、パースもしっかり描けており、申し分ない画力です。

素描力は全てに通ずる基礎になるので、こういったモチーフが置かれている状況を理解し、絵に起こせる技術と観察力は強みですね。


パジャントは頬周りや首がツルッとして見えるので難しいですが、良く探れており炭で形を起こしてくる表現力がかっこ良いですね。じっくり見られるデッサンです。


視点がキチッと作られており、スッキリした言い切りのあるデッサンです。丁寧な仕事で、絵としての強さがあります。


難しい位置ですが、目の前に有る彫刻・立体を描こうとしている姿勢が現れており、1歩深い観察力を持っている事が分かります。


自主課題のデッサンです。光が爽やかに描けており、そこから見えてくる空間が魅力的です。良い1枚ですね。この調子です!


唇とアゴ周りの髭の印象が惜しかったですが、見上げたスケールを感じさせる視点や光を綺麗に表現できています。

今回は、日数を多めにして普段より大きめな模刻に取り組みました。

模刻としてモチーフを写すだけでなく、面を上手に捉えて粘土で表現し作品として昇華していく力量も素晴しいです。


普段扱う粘土より大きな量を動かしながら妥協せずに構造に対峙し、ヘルメスらしい印象まで辿り着けています。綺麗ですね。


バッチリ造り込めています。メヂチらしいキリッとした形と印象が良く表現出来ています。清々しい作品です。


こちらのメヂチも上手です。髪の毛に落ちる影も綺麗に形とつながっており、印象も似ています。粘土付もカッコ良いです。


やや口元が下がり気味ですが、こちらの作品もメヂチの印象に迫れており、良く作り込めています。


絵にするとどの位置からでも絵になりやすいガッタメですが、地味な動きを持っており模刻するには難しいモチーフだったと思います。比率や構造も妥協せず取り組めており、最終的には印象まで捉えてこれています。カッコ良い作品です。


制作過程も奴隷の印象を壊さずに、終始カッコ良い捉え方で制作が進められていました。難しいモチーフですが、どの位置から見ても破綻がなく、良く奴隷の印象を拾えています。

ここからは現役生の作品です。


カッコ良い1枚だなと思います。ずっと見ていられる魅力が詰まっているデッサンです。円盤の持つ独特の形を余すところなく探り、描き起こせており、素晴らしい観察力と表現力だなと感じます。


このブルータスのデッサンも、とても上手です。肩の形も爽やかな色味の中にここまで追えるのかと感じる形態の強さがあり、胸の奥行きもしっかり面の中に描き込まれていますし顔の印象も似ています。現役生の集中力の高さを感じます。


ジョルジョの竜を睨み据える表情、両肩をしっかリ探り、そこからでる独特の首の構造も素直に追えており、作者の彫刻を観察していく実力を感じます。
個人的には爽やかな空気を感じさせてもらえる質感が好きな1枚です。

今回は以上です。
デッサンや塑像は、自分自身が色濃く反映される、まさに分身の様な物だと感じます。
2学期も残り1ヶ月半。冬期講習が始まると時間が早く感じられると思います。
今のうちにどれだけじっくり課題や自分と向き合うことができるのかが、後半戦の鍵になってくると思います。
また、寒くなってくると体調も崩しやすくなってきますので、気を付けていきましょう。

彫刻科 11/1(日)公開コンクール。10月前半の秀作。

こんにちは!彫刻科の小川原です。あっという間に公開コンクールの季節がやってきましたね!今の時期普段と違う状況で自分がどれだけ実力を出せるのか、検証する絶好の機会です。本気で芸大を目指す皆さんの参加をお待ちしています!
参考までに去年の公開コンクールの上位作品をのせておきます。

さて、10月に入ってそれぞれの実力も高まってきているのを感じます。毎回いい預かり作品を出してくれるのが頼もしいです!それでは秀作の一部を紹介します!

夜間部生の作品


ジョルジョは本当に難しいですが、自然に印象を捉えつつ、かっちり言い切っていますね!安定感が素晴らしいです!

昼間部生の作品


自然に空間が表現できています。武装する女神も奴隷も顔の印象が良いことで好印象を与えています!


馬頭が手前に飛び出してくるような迫力で描けています。臨場感が素晴らしいですね!


カタかった描写がとても自然になりました。雑味が消えたことで画面の良さだけが感じ取れます。


光の印象が美しいですね。「光」そのものの存在を感じ取ることができます。


ちょっと右側をあけすぎかなとも思いましたが、ここまでやりきるとそれも一つの空間表現として見えてきますね。


魅力的な描写です。ヘルメス背面の空洞の部分なんか結構難しいですがとてもよく表現できています。


3つのモチーフの空間的関係性がよく伝わってきます。光の印象も良いですね!


本人のデッサン の性質上こういった組み石膏は苦手かなとも思いましたがかなり良くかけています。アリアスの髪の表現も良いですね!


この位置ならではの張りの形がよく表現できています。意図的に画面を構築していけないとこうはいきません。

毎年開催されている全科合同の「自分」をテーマにしたコンクール上位作品です。


描写が魅力的です。ピアスやシャツの柄など、とても繊細に描けています。同時に堂々とした構図選びもよかったです。


光を上手く使ってかっちりと表現をやり切っています!生き生きとした表情もまた魅力的です。


髪の表現にこだわって仕上げられました。肌や服との質感の差も魅力的な作品です。


意志のある眼だと思います。自画像や自刻像ではただ形を写しとるということを超えて、人物が「そこにいる」という気配そのものを表現することも重要です。


たくさんの探りの積み重ねによって完成された作品です。人としての自然さがそのまま魅力になっていると思います。

昼間部生の構成課題です。


両手とマスクの関係が美しいですね!手のリアリティも冴えています。マスクも似てる!


あまり見たことのない構成のパターンが新鮮でした。形の説得力も高いです。


オーソドックスですが接点など細部までこだわれていて良いです。そういうところをしっかり徹底していくことが大事です。

夜間部生の構成作品です。


幾何形態のかっちり具合が素晴らしいです!指との関係も良いですね!完成度だけでなく、表現として見ていて気持ち良いです!


円筒形を作るのは難しかったとおもますが、しっかり作り切れています。手のリアルな存在感もとても良いです!


手のポーズ(幾何形態の触れ方)がとてもセンスよく決まっています!こういう感覚は表現を学ぶものとして重要です!

昼間部生の作品


今の実力を存分に出し切った作品です!いいですね。気合が入ってる。次の一枚はこれを超えていけるようにがんばりましょう!

さて、どうだったでしょうか?今ある実力もなかなか良いですが、これからもっと高いレベルを目指し、安定させていきましょう!冬季講習、入試直前に向けて、目標を持ってやるべきことを一つ一つこなしていこう!!

小川原