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あけましておめでとうございます【彫刻科】

皆さんあけましておめでとうございます。お正月、ゆっくり過ごせたでしょうか。

受験生は正月といっても冬期講習真っ只中。冬期が終われば共通テスト、そして入直ですね!(入試直前講習!!!)

どんどん寒くなり、インフルエンザが猛威を奮っています。帰宅後すぐお風呂に入って体についたのウイルスを落とすと良いらしいですよ。良い睡眠のためにも、毎日湯船につかることをお勧めします!とにかくちゃんと食べて、寝て、風邪やウイルスに負けない体を作りましょう!

では、冬期講習での秀作をご紹介します。

奴隷は、動きに伴う大きな量の移り変わりを、空間的に表現できるととてもかっこいいですね!
試験時間に準じた短めの制作の中で、完成度をあげられるようになってきました。短い時間でも焦らず、全体感を大切にしてください。

ジョルジョの模刻です。他の石膏像に比べて顔の表情がある難しい像ですが、しっかりと印象を捉えることができました。同じ作者が以前作ったものよりも動きや量が正確になっており、模刻力の向上を感じます。

ミロのヴィーナスのデッサンです。非常に美しい一枚ですね。もう少し顔を似せたいのと、見上げ感が欲しいところですが、目を引く魅了的なデッサンです!

トルソーはとにかく比率と動きが大切ですね。大きく縦に長い像なので構図をバッチリ入れるのも胸像より難易度が上がってきます。こちらの二枚はその大前提がしっかりできていますし、良い印象です。

最後は基礎科生のデッサンです!捉えやすい横位置ではありますが、なかなか描けないデッサンだと思います。アムールを自分はこう見ている、こう見えた!というのが伝わってくるすごくいいデッサンです。

冬期講習は学生それぞれの成長がよく見えました。自分でも少しずつ成長が実感できているのではないでしょうか。
これからいよいよ入試直前講習に突入します!!まだまだ、最後の最後までうまくなれます。試験の日に最高傑作を出せるように、この調子で頑張りましょう!!

彫刻科 年末の秀作

あけましておめでとうございます!!彫刻科の臼田です。

冬季講習が始まり学生の数が増えているので数を絞って年末までの秀作を紹介していこうと思います。また作者も被らないように紹介します。

とても力強い表現が出来ています。形の実在感が素晴らしいです!形も手なりになる事なくしっかりと観察できるようになってきました。髪の毛がやや大味なのと、影側はまだ単調さがあるのでまだまだいけると思います!

最近とても力をつけてきましたね!描くスピードを上がり全体に対して密度を上げてこれています!色味についてはもっと完成のイメージを持てると尚良いと多います。この絵に関してはグレーの色幅が少し少ないです。

破綻なく表現できていて素晴らしいと思います。脇の締め込み、髪の毛のピントの合わせはもう少し強く表現したいです。あとはとにかくどこかを置いてけぼりにする事なく全体で全体でリズムよく進んでいくことを大事にしてください!自信を持って!

光も空間性も美しく表現できています。よりモチーフの印象に寄り添った作業ができるようになってきましたね。この絵に関しては顔中央あたりによりピントを当てられると良かったです。絵にとって何が一番するべきなのかを偏る事なく常に考えましょう!

密な炭使いと大きな探りがとても魅力的な一枚です。手前奥の描き込みの差が美しい空間設定につながっていますね。欲を言うともう一歩密度は上げられると言うことはないです。自信を持って思い切って制作するリズムを大事にしましょう!

描いていく姿勢もスピード感も素晴らしいです!パワーがあるので最終的にもかなり毎回上げてこれていますね!印象がロックされていく瞬間をもっと大事にゆっっっっっくりと確認しましょう!それができると構造的な精度がさらに上がっていくと思います!

出だしから2つの像の関係性をかなり意識してできていましたね。最終的にここまで持ってきてもらえると言うことはありません。途中は描き込みに偏りがまだあるように見えるので常に常に全体でのイメージを大事にしてもらえると良いと思います!

出だしから印象が良かったです!最終的なフィニッシュ感も良いです!難しいですが、単純な顔の印象だけでなく、陰影の印象、粘土のやりとり、線としての見せ方など全てにおいてもっと作品を見ましょう!というか出来るよね出来るはず。自分の理想とするリズム感で進めなくても見方に偏りを作らないようにしましょう!

モデルさんの印象よく拾えています!まだやって欲しいことは正直ありますが、まずはとにかくここまでいきましょう!フィニッシュしていくイメージ、何がなんでもここまで持ってくる強い意識を持ちましょう!!

出だしから良かったですね!似ています!張りに対しての反応は素晴らしいので締まっていく形、反りの形にもっと反応していきましょう!!これはデッサンにも共通していると思います。締めていく意識をもっと早めにそれだけです!

印象よくできていると思います!よく考えながらできているので安心感もあります。形が華奢になること、顎が小さくなりがちな事、目のラインが丸くなる事とうの癖的な狂いを出さないように冷徹にいきましょう!

印象良いです!!アムールらしさをよく拾えています。粘土課題はそんなに見ていないですが、形の印象の探りのつなげが終わった後の決めていく感触をもう少しだけイメージ出来ると良いと思います!目のラインがちょっと丸いのともう1つ陰の印象は締めていきたいところです。

 

体調にとにかく気をつけて引き続き頑張っていきましょう!!

 

彫刻科 二学期も後半戦へ

こんにちは!彫刻科です!最近気温もぐっと下がってきて少しずつ冬の到来を感じます。と同時に少しずつ受験の足音も聞こえてきましたね。プレッシャーを感じつつの制作で日々体力的にも精神的にも疲労が溜まってきていると思うので体調に気をつけ引き続き頑張りましょう!

早速最近の秀作を昼間部から紹介していきます。

表情がとても自然に表現できています。空間表現もとても美しいです!作業も強引さがなく丁寧に描写を重ねていけていて素晴らしいです。とにかく普段の課題でも肩の力を抜いてどっしりと構えて制作していく精神性を大事にしましょう!

続いて自刻像です。少し長い時間をかけて制作しました。こちらも非常に自然に破綻なく全体を捉えられています!欲を言えばもう少しだけ人体部分の形の複雑さを作り込めるとよかったです。細部と周りとの三次曲面的なつながりをもっと観察していきましょう!

こちらの作品も胸まで作り、表情や、ポーズにこだわりを感じます!作品を見て作者の強い意志を感じます。服もよく作れていますが、もう少しメリハリのある形を拾えると尚よかったと思います。この作品のような強い気持ちをこれからも持ち続けていきましょう!

自刻像に片手を組み合わせて制作しました。個人的に目線の方向と表現がとても魅力的に思います!形の密度も申し分ないです。首回りはもう少しだけ見たいですが。出だしでの精度をどこまで上げておくと十分なのかをもっと理解して、中盤以降制作のアクセルをしっかり踏み込んでいく意識を大事にしましょう!

円盤投のデッサンです。動きが難しい像ですが、高い精度で合わせてこれました。言い切りつつもしっかりと像の印象に寄り添えているのも素晴らしいです!最終的に自分が表現したいことが像の印象、自然さを追い越しすぎてしまわぬ様に注意していきましょう!

夜間に残り自主的に制作したデッサンです。最終的な密度上げに関してイメージが掴みきれずにいた作者ですが長い時間をかけレベルの高い一枚が描けました!ここまで上げてこれればいうことはないです!良い指標となると思うので引き続き頑張りましょう!

ここから夜間部の作品紹介に移ります。

テーマを設定してマスクと構成する課題でした。マスクの精度も表現の選び取り方も非常にレベルが高いと思います!個人的にはマスク部分と中身の部分の段差の陰の濃さをもう一歩強くしてもよかったかなと思います。

まずはここまで密度を上げてこられたことが良かったと思います。かつマスクの精度も高いです。表現に関しても周りの空間を拾えている事と、陰の落ち方がカッコ良いです!部分的に少しエッジの効いた部分があっても良いかなと思いました。

自刻像の課題です。作者の印象をよく引き出せています。特に顔の表現についてはとてもこだわってできているのでカタチ、陰の落ち方素晴らしいです!髪の毛、首周りに関してはもう一歩突っ込んだ観察があるとなお良いと思います!

最後に基礎科生の作品を紹介します。

素描課題で牛骨を描きました。精度が高いのはもちろんの事、空間表現が非常に高い次元で表現できています!表現が硬くなりがちなところがあるので今回できた密な観察を毎回意識していきましょう!

続いてアムールのデッサンです。とても高いクオリティを出してこれました。まだ完璧ではないですが、精度もかなり自分で上げられるようになってきました。形の表現も以前よりも実態感を強くできてきています。今後も楽しみにしています!

動きを捉えるのが難しい一だったと思いますが、自力で精度上げてこれましたね。前よりも大きな単位の視野で観察できていると思います!やや見えてくるラインの印象が固いです。カタチを描き起こしつつさらにリアルなラインを拾っていきましょう!

まだ経験が少ない作者ですが、凄まじい集中力でここまで描き上げてきました!炭の密度感が凄まじいです!ただ前のめりに描いていく際に視野もどんどん狭くなっているので描き込んでいく際によく離れて客観的に確認してあげる時間を増やしましょう!

長くなりましたが以上になります。

彫刻科 公開コンクールを終えて

こんにちは!講師の臼田です!

主要な公開コンクールを終えて今の自分の実力・やるべき事がよりクリアに見えたのではないでしょうか。結果が出た人出なかった人いると思いますが、順位はまるで関係ないので自分の緊張下での制作のリズムがどうだったのかを記憶が新しい内にしっかりと反芻して修正していきましょう!僕の芸大の同級生で公開コンクールの順位全く振わず下から数えた方が早かった人がいますが見事にその年合格しています!焦らず、比べずとにかく自分の実技に集中し修正していければ結果につながると思います!

公開コンクールに向けて短い時間でのデッサン制作が増え秀作も多いので数を絞ってご紹介します!まずは昼間部から

ここ最近1つ壁を超えて良い表現ができるようになってきました。出だしはとても良いので後半戦でいかに像の印象に寄り添いつつ、自分の表現していきたいことができるかが肝になってくると思います!まだまだいけるので研鑽を磨いていきましょう!

色がとても魅力的な作品です!この色幅の中でもしっかりと形を感じられます!出だしでどれだけの精度が必要なのかをもっと見極められるようになるとさらに密度は上げていけるのではないでしょうか。また炭の量が少なすぎると形がスカるのでそこもさらなる研究が必要だと思います。

とても精度高くマルスの印象、動き、形を表現できていると思います!最近見方のバリエーションもかなり増えてきました!大きく像を捉えられてきています!精度はまだ高められるので像が持つ動きの連動感、構造的な理解をもっと観察して認識していきましょう!

こちらの作品も高い精度で合わせてこれています!完成度も良いと思います!最後形を抑えきれないことが一番の課題だと思いますが、この一枚は良い指標になると思います!毎回ここまで持ってくるぞと強いイメージを持って制作していきましょう!!

印象はさることながら空気の通りがよくとても美しく仕上げてこれました!最近は強引になることなく落ち着いて画面全体を包括しながら制作出来ていて素晴らしいです!まだ完全に安定しているとは言い切れないので隙がないようにどっしり構えて頑張っていきましょう!

塑像作品も紹介します!マスクと幾何形態の構成です。派手な構成ではありませんが、マスクの精度が高くまた切り口・ずらしのリズム感でうまく緊張感を出せていると思います!

続いて夜間部生の作品です。みんなどんどん力をつけてきていてとても良い流れです!

印象が良いです!この時期に短い時間の中でここまで持ってこれるのは凄いことだと思います!全体で進めていくリズム感・形を早い段階で決めつけないで常に精度を高めていく意識・作り上げた形が像に寄り添えているかこの3点をより意識して更なる高みを目指しましょう!

とても力強い作品です!素晴らしいと思います!こちらの作者も形の決めが早すぎるのでとにかく進めていく中で精度を上げていく意識を持ちたいです。また形を決めていく際にもう少しだけ大きなつながり・面展開を感じていけると良いと思います!

着実に力をつけてきましたね!印象良いです!全体の一体感が保持できていることが特に良いと思います!まだ完成度は上げていけるけどそれはここから全然できるようになっていきます!焦ることなく落ち着いてこの見方で毎回トライしていきましょう!

かなり大きなところでの印象を見れるようになってきたと思います!出だしでの大きな作業感も素晴らしいです!あとはもう少しだけ完成度を上げてこれると完璧です!上の作者同様焦ることなく今のリズムで頑張っていきましょう!

最後に基礎科生の作品を一気に紹介します!

みんなの成長速度が凄まじく教えていて本当に楽しいです!出来ることも増えてきてますね!もっともっとたくさんトライしていろんな見方を増やしていきましょう!みんなのこれからの成長が楽しみです!

長くなりましたが以上になります。

彫刻科 公開コンクールに向けて

こんにちは!彫刻科の小川原です。
一気に涼しい季節に変わりましたが体調はどうでしょうか?風邪も流行っているので気を付けてください!
さ、秋は公開コンクールの季節ですね!まだまだ実践的な力が十分とは言えない時期ですが本番を意識した緊張感でどこまでやれるか見ておくのは重要なことです!結果が出ても浮かれず、結果が出なくてもめげずに成長につなげましょう!それでは直近の預かり作品を紹介します!
まずは昼間部生から。
組み石膏デッサンではより大きく空感を感じ取って捉えていきたいところです。画面の中に奥行きを思い描きながら描き進めていくことは大事なことです。もちろん単体の石膏デッサンにも生かしていきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トルソーでも円盤投げは特に動きやプロポーションの印象を捉えるのが難しいです。像を「形」を見て合わせる意識だけではどれだけ頑張ってもうまくいかないです。やはり「人間」としてモチーフを見ていかないといけません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じトルソーでもラオコーンは円盤と違って量感と強い動きが魅力の像です。どの位置から見ても像そのものがかっこいいので素直に反応していきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次は現役生の作品です。6時間で描いています。
胸像の中でもヘルメスはより「人体」としてのリアリティが強く意識されたモチーフです。筋肉の表現も画一的な描写に囚われずに人物表現としての意識も持って欲しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョルジョはやはり印象合わせが難しいですよね。見方が偏ると途端にバランスを崩します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奴隷の特にこの位置は動きや顔の印象を取るのが難しいです。伸び側たわみ側両方の形を意識したり顔も見えない側を考えて捉えることが大切です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

塑造では布と手の構成に取り組みました。モチーフと手が魅力的に関係づく構成を考えたいです。どんなモチーフとの組み合わせであっても、オーソドックスに考えるなら「そのモチーフを魅力的な格好で持つならこう」みたいなイメージは大切です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自刻像ではフォルムとリアリティについて考えました。どんな起伏も意味があってその形になっているので筋骨、内部情報を探りながら形を感じ取っていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基礎科ではラオコーンを描きました。だいぶだいぶデッサンも板について来て、サポートする部分が少なくても自分で考えて進められるようになって来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上です。2学期も中盤戦に入って来ました!今が一番大事な時期です!それがわかっている人は冬期講習、入試直前で一気に向上していけると思います。逆にのんびりやってる人(または失敗を恐れてびびりながら同じことを繰り返してる人)は、もしかしたら自覚はないかもしれないですが外から見ていて心配になってしまいますね。みんな自分は自分なりに頑張っているつもりではあると思うのですが、受験という世界においては結果に結びつけるかどうかでしかないので今の自分の意識が目標に見合っているのか、それとも足りないのかはしっかり向き合って欲しいです。意識が低くて受からないというのはまあ普通にあることなのですが、じゃあいつ目覚めるの?という話です。意識は高くて当たり前なのでそのラインに乗ってからが勝負であるなら、もしかしたらあなたはまだ始まってもいないかもしれない。という危機感を持って欲しいです。