カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

彫刻科 GW前までの優秀作品紹介

こんにちは。彫刻家の小川原です。1学期のスタートを切って間もなくですが昼間部、夜間部、基礎科ともに気合の入った取り組みに講師の指導にも熱が入ります!!
とても良いスタートダッシュです!預かり作品も沢山出ました。こちらを紹介していきます。

まずは昼間部生の作品。
手とヤシの実の構成です。モチーフは複数制作しても良いですが、あくまでクオリティをしっかり高めていくことが最重要目標でした。

デッサンはマルスです。まずは構図から、動き、構造、印象といった基本的なところをじっくり構えて取り組みました。背景付きで挑戦した生徒も。

アバタの模刻では仕事の積み重ねの精度よりも付けた粘土を動かして
合わせていくことを焦点に取り組みました。

自刻像に取り組み、「精度」について、「形」の正確性にとどまらず、より生身のリアリティについて考えて取り組みました。

次に夜間部の作品を紹介します。

マルストルソ背面にて線的(部分的)な形取りにとらわれずに画面全体で印象を見ていく意識を再確認しました。

グデアの模刻では構造的なものの見方について制作を通じて認識を深めました。

ガッタメラータでは描写しているうちに表面的になってしまうことを理解して、最終的な着地のポイントは空間や構造からくる印象の良さを優先すべきということを学びました。

アバタの模刻では表面の凹凸を順に合わせていくのではなく、まずは塊を置いてそれを全体で動かしていく重要性について確認しました。

次に基礎科の作品を紹介します。
模刻2点。二人とも本格的な制作はほぼ初めてですが素晴らしい感覚の良さで作り上げました。アバタは途中参加で半分の時間でしたがとても良い印象です。グデアは流石のクオリティ!二人とも初めてのモチーフでしたが制作しながら成長していました!

受験生たちはまずは夏期講習までが一つの山場だと思っています。夏期講習を制する者は受験を制するとよく言ったものですが、夏期講習を制するための実力を1学期のうちにつけておかなければ夏期講習も不発に終わってしまいます。
皆意識は非常に高いのできっとモノにできると期待しつつ、全力で教えていきます!

新学期スタート!【彫刻科】

こんにちは。桜も葉桜になり、2025年度新学期がスタートしました!

昼間部はまずは11時間ゆっくり時間をかけて円盤投げ、マルス七分身の背面を描きました。顔はないですが比率や頭部のつながりが難しい課題です。でもゆったりとした背筋や高さのあるおしりが、背面は描いていてとても楽しいですね。
そして、春とは思えないほど熱いデッサンがたくさん出ました!
紹介していきます。

まずは円盤から


安定していますね。肩から首のつながりが少し弱く感じましたがとても綺麗なデッサンです。

熱い炭が持ち味だけど描ききれず、、な作者ですが、今回はとても綺麗に描き上げられました。背中の量感がもう少し欲しいところですが、綺麗な空間が出ていますね!


こちらは背中の厚みがよく描けています。次のデッサンにも期待!


うまいです。とても丁寧に形を追っています。欲を言えばもう少しパッションが欲しい!

 

ここからはマルス七分身の背面です。

肩から頭部のつながり、頭部の位置に苦戦しましたが美しいデッサンです。量感バッチリ!

魅力的な描写です。うまい。ギラついて見えないように気をつけたいところ。


まだ経験の浅い作者ですが、もうこんなに描けるのか!と驚きました。ちょっとパースをつけすぎて上半身が小さくなってしまったけど、破綻なく描けています。


うまいです!体の輪郭線が少しめくれて見えるかな?でもこのデッサンを見ながら塑造ができますね。

ゆっくり描いたとはいえ、みんなの成長に新学期から驚かされました。これからがとても楽しみです!!この調子でがんばろう!!!!

彫刻科:春期講習始まりました!

こんにちは、講師の新妻です。

令和6年度、彫刻科からは3人が東京芸術大学に合格しました。(予備校としては今年も受験倍率を超える合格率でした。)みなさん本当におめでとうございます!それぞれに受験生としての戦いとドラマがきっとあったことでしょう。ここからの大学生活も影ながら応援しています!

惜しくも切符を逃した人も、まだ地力を鍛えられる時間が与えられたんだと前向きに考えて、より強い芯を持って大学生になれるようリスタートしましょう!受験に受かる事がゴールではなく、永い目で作家を志す上で、作りたいものが作れるようになる、そしてそれを続けていける基礎体力を培う事は、この時期にしかできない時間の使い方だと思います。講師陣も全力でサポートします!一緒に頑張りましょう!

まずは入試当日にどんな作品を作ったかを再現してくれた芸大合格者の作品を紹介します。

1次試験の素描作品です。描き出しから安定感があり、丁寧にヘルメスに寄り添って描きあげていますね!エクセレント!

2次試験の塑造作品です。目で見た印象と、触った時の印象のギャップというテーマを想定して手とローマ人のマスクを構成しています。シンプルですが実力を感じます!ブラボー!

入試直前でグググっと力をつけましたね!白さの美しさと形の密度が共存してます!グッジョブ!

鏡の前に置かれたマスクという出題のセッティングにしっかり反応していて、虚像側の表現も面白いです!マーベラス!

ここからは春期講習での秀作を紹介します。

おおらかだけど密度ある仕事が意識できていて、ブルータス を取り巻く空間も含めて充実した内容にできていると思います。

現役生の作品です。基礎科で彫刻科志望の生徒は彫刻科のアトリエで受験部の講師が基礎から丁寧に指導しています。昨年度からの積み重ねがすでに形になり始めていますね。堂々とした印象がしっかり捉えられていますね。良いスタートです!

モデルさんの首像を作る課題でした。よく似ています!作りはじめの柔軟なアプローチが、自然な佇まいの印象として最終的にも効いてきています。

現役生の作品です。「人物を作っている」ということに素直に、自然に反応できていて瑞々しいです。感覚良い!

作者の作品性が自然と出てきた一作になりました。観察が弱くなりがちなところも意識でき始めていてこの調子です!

全ての形を観察するぞ、と言う気概を感じます!外れがちな頭部の構造もしっかり見れていてレベルが高い一枚です。

うまいです!人物や動物を素描するととても自然に対象を捉えられる作者なので、石膏像デッサンでの、硬さとして処理されてしまいがちな解釈や表現も、こういう課題の時のモチーフの味わい方にヒントがある気がします。

受験課題としてはあまり出題されなくなってきた人体ですが、やっぱり美術を学ぶ上で人体は大切なモチーフだと思います。一枚の絵としても落とし込もうとしていて意欲的です!末端もよく見てる!

 

クロッキーも、筋トレや素振りのように、日頃の積み重ねが物を言います。

なんでもありのままに、感じたままに描けるようになりたーい!

今回は以上です。今年の彫刻科も熱くなりそうです!

 

彫刻科 ラストスパート

彫刻科の臼田です。いよいよ芸大の入試まで一週間を切りました。緊張の重圧がのしかかり精神的にしんどい時だと思いますが最後の最後まで成長できるので頑張りましょう!!体調管理にも気をつけてください。早速最近の作品を紹介します。(作品数が多いので数を絞って紹介します。)

自刻像です。かなり安定感が増してきました。首周りの形もしっかりと抑えられています。全体の陰影のバランスにまで気を遣えていて素晴らしい出来だと思います。首の流れからの頭部のつき方が強くなりすぎる時があるので気をつけましょう!

実直にとても自然に形を追い込んでいけていてとても好感が持てます。よく観察できてますね。欲を言うと首周りの形をもう一歩追い込みたいのと、張りの形と下面の粘土はもう少し抑え込んでいきたいです。

この位置から見たヘルメスの印象を力む事なく自然に美しく表現できています。実直にモチーフに寄り添うことができれば必ず良いものに出来ると思います。一瞬たりとも観察を飛び越えた作業だけにならないように気をつけましょう!

いつもよりも自然な見え方がして良いと思います。空間性も綺麗で良いです。描写のリズムが単調になりすぎないように気をつけましょう!また描いていく中で柔軟に形の精度を合わせていく意識も忘れずに!

この作品については言うことないくらいよくできていると思います。あとはとにかくメンタルをコントロールしましょう!少しでもこの像ヤダなとか顔描けるかなみたいな気持ちが出るとよくないです。自分の積み重ねてきた鍛錬を信じて自信を持って制作してください!出来るはず

強くてとても目立つデッサンでした。形の精度に関しては輪郭や角度、垂直水平以上に像としての印象をとにかく意識しましょう!そのために観察に観察を重ね、像への理解を深めて上で制作する意識を大事にしてください。

最後に基礎科生の作品を一気に紹介します。

 

 

毎回言っていることですが、本当にみんなの成長速度に驚かされます。一課題ごとにたくさん吸収していってくれるので教えていて楽しいです。更なる成長を楽しみにしています。

今回はこれで以上になります。

彫刻科 ここが正念場!

こんにちは!彫刻科の小川原です。2月に入り芸大入試までもう1ヶ月を切りました!!もう残りの課題数も少なくなってきましたね。もう何かを言い訳にしている余裕は一切ないです!一課題一課題に持てる全てをかけて臨んでください!メンタルコントロール。体調管理。その辺がきちんと整えられないと結果に悔いを残します。意識を高めて精一杯がんばりましょう!!

それではこの2週間の預かり作品の中で特に良かったものを紹介します。

ガッタメラータの堂々とした印象がよく表現できています!空間も美しい!

光の印象が魅力的です!調子の響き合いがグッド!

首無しミロビは簡単なようで難しい像です。シンプルなだけに分かったつもりで描いているとうまくいきません。このデッサンは良く考えられた仕事ができています!

前後の空間性が自然に表現できています!ミケランジェロがうまい!

まずグデアの存在感がすごいと思いました!ミロビ背面も少ない情報の中でボリューム感が良く出せています!

柔らかな空間性が魅力です!思い切った構図の選定もグッド!

ジョセフは顔が命。といったところがありますが、このデッサンは力みがなく自然に印象が捉えられています!

6時間の完成度として素晴らしいです!部分に囚われていると絶対に到達できない結果です!

マルスの体正面の難易度はものすごく高いですが、構図、バランス、動き、空間。どれも自然にまとめられています!

強い!圧倒される力強さを感じます!意志の強さが作品に出ている!

表面的に完成度を上げようとせず、最後まで印象を大切に向き合う姿勢が素晴らしです!

6時間でここまでかっちり作り切るのはすごいです!実力の高さに頼もしさを感じます。

隙のない完成度が素晴らしいです!なかなか見ることのできないクオリティ!

ここから基礎生の作品を紹介。

初めての組石膏。とは思えない完成度の高さ!時間は長めですがこのレベルで実際の受験にも通用します!

こちらも初組石膏。完成度の高さに驚きです!意識の高い仕事が素晴らしい!

初めての塑像で初めての模刻!こんなにできる人は稀です!どんどんうまくなっていきましょう!

以上です。ここからは安定した成果を出し続けることを目指していきたいですね!そのためには自分自身が不安定であってはいけません!あなた史上最強の1ヶ月を過ごしてください!