カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

彫刻科 2学期開始

こんにちは。彫刻科の小川原です。怒涛の夏季講習が終わって2学期に突入しました!夏を制するものは受験を制す。と言うものですが、夏期講習で底上げした実力を2学期に確実なものとしてさらに伸ばしていきたいです。特に浪人生は2学期ですでに本番の受験で戦える実力まで到達するくらいの勢いでいたいですね!現役生はまだまだ経験不足なので、より実践的に作品を良いものにしていく感覚を磨いていきましょう!今頑張れれば冬期講習や入試直前で花開くはずです!

それでは2学期入ってからの1週間の中での優秀作品を紹介します。
まずは昼間部生の作品。最初はブルータス 。



夏期講習明け1週間休みがあった事で空回りしたところもありましたが、しっかり力をつけてきたことが完成作品から感じられます。
次にマルスです。




ブルータスより自然体で捉えられたと思います。大事なチェックポイントをおざなりにしていいデッサンは完成できないので常に意識を高く持っていて欲しいです。
続いてジョルジョです。


ジョルジョは難しいので本当にわかって進めていないと破綻してしまいます。2枚はよくコントロールできた作品です。
次に夜間部生の作品を紹介します。
ブルータス。


出だしはまだ安定しないですがかなり理解が深まってきました!描き出しはより意識を高めて臨みましょう!
最後に基礎科彫刻コースの生徒作品です。
こちらは夏期講習の最後に描いた微笑みの天使ですが、基礎科生とは思えない素晴らしい出来栄えでした!

2学期最初にジョルジョ を描きました。


二人とも感覚がいいんですよね。大抵「印象」が取れない事に苦労するのですが、いつもスッと自然体で似せられてしまいます。今後が楽しみですね!

以上です。2学期はいろいろなコンクールやイベントが盛り沢山です。積極的に参加してどんな状況でも力を出せるように鍛えていきましょう!

【彫刻科】夏期講習!盛り上がっています

こんにちは!彫刻科講師の佐宗です。夏期講習も終盤、学生のみんなはメキメキ腕を上げています。本当に、音が聞こえるほどです。メキメキ!
私はかなり夏バテで、早く涼しくなって欲しいと切に願っていますが、今年の残暑は厳しいようですね。

秀作が沢山あって紹介しきれないのですが、私の独断と偏見でピックアップしてお見せします!

円盤投げです。昼間部生は大きさの比率など自分一人でもしっかり見れるようになってきて心強いです。

組み石膏では秀作がかなり多かったです。石膏像単体よりも空間を意識しやすいですよね(構図などは難しくなりますが…)単体でもこのくらい手前奥を意識したいものです。

奴隷とラオコーンです。学生それぞれの力の伸びを実感できた課題でした。自信がついた現役生も多かったんじゃないかな。最高ですね!

こちらはデッサンコンクール上位作品です。マルスの印象は良いので針金と石膏のコントラストのつき方の違いをもっと描けるとよりよかったです。異素材の組み合わせ石膏像、意外とやってなかったなぁ。柔軟に対応したいところです!

石膏の部分像をモチーフに自由に構成しました。この課題は本当に秀作ばかりで、見ていてもすごく楽しかったです!


最後は基礎科の学生のデッサンです!3人とも上手いですねぇ!すごく自然に見れています。
これからが楽しみすぎる基礎科生のデッサンでした。

ena美術彫刻科は今年、春からかなり熱気に溢れていましたが、夏期講習は外部からもたくさん学生が受講して本当に盛り上がっています。(こちらも熱くなって講評会がつい長くなってしまう…)

長い残暑を乗り越えて、二学期からもはりきっていきましょう!休み中にはたくさん遊んでね。

彫刻科 夏期講習3期・4期の秀作

こんにちは。講師の臼田です。暑い日が続いているので皆さん体調には気をつけて下さい。

3期はデッサンに4期は塑像にそれぞれ焦点を当て集中的に課題を行いました。毎課題新しい発見や、自分のまだ足りない部分が見えてきていると思います。夏期講習中は守りに入らず何回もトライをして(その結果失敗することがあっても良いと思います)たくさんの収穫を得られるといいなと思います。あと二週間続きますが気を引き締めて引き続き頑張りましょう!!

預かり作品が多いので数を絞って紹介していこうと思います。

出だしでのブレや制作していくリズムに安定感が出てきました。見ていて不安になるような見落としや判断が減ってきていると思います。ただ最終的なところで絵が弱くなってしまうことがあります。像の空気感・距離感をどう画面に落とし込んでいくのかここからさらに研究していきたいです!それができるようになれれば最強になれると思います。

探りに硬さが残ってしまうことが課題であった作者ですが、今回は見事にそこを克服できたのではないでしょうか。大きくゆったり手を動かしながらあくまでも自然に像を捉えようと心がければできると思います。出だしが特に大事なので構造構造しすぎず、肩の力を抜いてやっていきましょう!いい調子です!

現役性の作品です。出だしややプロポーションの部分で外しましたが、美しく、自然に描き切ってこれましたね!自分でよく考えながら、動かしつつ制作できていると思います。白を基調に綺麗にかけていますが、探りがいききれないと浅く見えてしまうので気をつけましょう!出だしからドバッと炭を乗せ切らなくてもいいですが、描いていく過程で炭を乗せるべきところ、押さえるところをしっかりと認識しつつ進められると良いと思います!

出だしから人体の自然さを意識しつつ画面作りをしっかりと出来ていました。人体としての自然さは途中少し指摘されていましたが、最終的にも魅力あふれる作品になりました。炭の扱いも丁寧に出来ていた(石膏像に比べると場面の中の人体部分が少ないのもあるかも)ので良かったと思います!

続いて素描課題です。現役性の作品です。隅々まで探りが行き渡っていて密な仕上がりになっています。素晴らしい!とにかく出だしから中盤までの作業の中で見方や進め方に偏りが出ないようにしましょう!しっかりと見ればできる眼は持ち合わせているはず。偏りが出ればそこに狂いが出たり画面の中で弱さになります。気をつけていきましょう。

続いて3期末の上位作品です。ジョセフを描きました。

 

 

上位作品は印象よくかつ、それぞれ良いリズムを保ちながら制作できていました。ただ3作品ともまだいけると思います。像の印象をもっと深く観察・理解して出だしからその印象を引っ張ってこれるようになれると素晴らしいと思います。

手と鳩もしくは鳩のいる風景という課題で制作しました。台の上の空間をめいいっぱい使いつつ、物語を感じるような作品ですね!構成に関しては素晴らしいと思います。鳩の張りの表現はもっと積めていけると良いかなと思います。手に関してももっと形を締めていきたいです。それぞれただ形を合わせるという感覚以上にカタチの質に迫っていくような感覚が必要だと思います!

こちらもかなりダイナミックかつ量感の魅力で強く出し切ってこれました!個人的には少しくどいかなとも思いますがここまでやり切っていると見応えがすごいです!立っている鳩に関してはやや硬さを感じます。頭を振っていることで生じる三次曲面のねじれをもう少し捉えたかったです。

こちらも魅力あふれる構成内容また密度をもって仕上げてこれました!特にいうことは無いかなと思います。それくらいよくできています。強いていうのであればやや鳩の目の印象がきついような気がします。眼球自体の量感や縦横比がもう少し丸いかもですね。

影絵のイメージを取り入れ、面白い構成に仕上げられました!他の人とは被りが出ない素晴らしい構成だと思います!柔らかく粘土を見せていけることは強みだと思います。ここからもう少しだけカタチの張りと締まりを抑えていけるとぐっとよくなるかなと思います。

続いて『マスクに任意の材質感を与えて作りなさい』という課題でした。皮膚や紙のように捲れ上がっている様を上手く構成として落とし込めています!良い構成ですね。完成形に対しては発想も模刻も申し分なく特にいう事がありません。進んでいく中で作品全体を通してイメージがブレないように。要素を足し算していくことだけが正解ではない時があります。また模刻も最後のちょっとした締め込み、特にきわを大事に進めてみましょう。

現役性の作品です。実直に観察を積み重ね、良い造形にもってこれました。プラスの要素も上手く影を作れていてかっこいいです。心棒のこと、マスクを作っていく際に大事にしたい進め方や基準の作り方など学べたことも多かったと思います。今後につなげていきましょう!期待しています。

量として華奢な造形は個人的にあまり好きではないのですが、しっかりとやり切ってこれていて美しい構成になっていると思います。模刻も良いクオリティですね。このような構成はただの模刻をする時とは少し違ったリズムがあると思います。構成としてどこをどれくらい作るべきなのか、そうでは無いところでいかに時間を省略して作るのかが大事だと思います。したたかに時間配分を考えていきましょう!

モーゼのマスクに挑戦しました。巨大な量感ですが密度を著しく落とすことなく仕上げてこれています。途中段階で量を動かして印象を合わせていくと思いますが、もう少し早い段階で一度際の締め込みや、陰影の印象を止めながら進めて行っても良いかなと思います。

続いて4期末コンクールの上位作品を紹介します。課題は『感情をテーマに手を作りなさい。(最低1つの手は肘まで作ること)』でした。

 

 

全体を通して言えることはもっと手の密度を上げていきたいです。構造的な精度を出していくのは当たり前として、もっと手の持つ質感に注視していきたいです。上位作品でも納得のいくクオリティはありませんでした。日頃からもっと手を観察しましょう!

また時間的に、心棒などの構造的に自分の実力を100%出しきれていない人が多かったです。守りに入ってしまうのもダメだし、オーバーワークで作りきれないのもだめです。上手く2つのバランスを見極めつつ、自分の実力(密度を上げ切る)を100%出し切れる構成を練りましょう(かといって考えすぎて時間がなくなるのもダメ。瞬発力も大事)!それも実力のうちだと思います。失敗したことを必ず次に生かしてください!

最後に基礎科生の作品を紹介します。

 

どの学生の作品もレベルが高いです。また一回一回の課題での吸収力も高いです。教えていて本当に感心します!知識として知っておくと進めやすかったり、ミスを減らすことができたりします。毎課題新たな発見があると思うので、それを忘れず進んでいけると良いかなと思います。

長くなりましたが以上になります。

彫刻科:夏期講習スタート!夏直前、1期、2期の預かり作品紹介

こんにちは、講師の新妻です。とっても暑いですね。

夏期講習は1週間毎で会期が分かれており、1期と2期が終わったところです。

経験者は基本を疎かにせずに攻めの姿勢をいつも忘れずに。夜間部生や外部からの講習会生の方々は自分よりも上手い人の実技を盗み見たり、周りに目を向けることも、せっかくの機会なので大事にしてもらえると良いなと思います。充実した夏になるように講師陣もバックアップします!

秀作紹介は、1学期末から2期ラストまでのものの一部をご紹介します。

1学期ラストの昼間部は大型の石膏をデッサンしました。新鮮な気持ちで大きなスケール感を自然に捉えることができましたね。
自主課題でメガネありの自刻像を作りました。現実の見え方と彫刻に置き換えた時の見え方の差など考える良いきっかけになりましたね。

夜間部は自画像の素描で1学期を締めました。じんわりとした雰囲気から立ち上げていけていて、グッと大人な実技でした!

ここから夏期講習課題です!

基本を抑えつつ、正面から見た時のパジャントの印象をよく掴んでいます。ちょっと頬がふっくらしてるかな。

素描課題は絵としてどう魅せていきたいかが、より大切になってきます。オーソドックスで攻めるにしろ、変化球で攻めるにしろ、最終的に満足できるリアリティが感じられるかどうかを問うていきたいところですね。

出だしから危なげなくジョルジョを捉えながら収めてこれました。安易に細部描写に飛びつかず、像の印象がどこから来るものなのかを考えたときに、思っているよりもシンプルな設定の精度にかかっていることがほとんどです。

まだ少し色のぶつかり方はきついですが、表現の魅力がプラスになるように画面のリズムや見え方の強弱を意識しながら描き上げる事ができました。ナイス!

昼間部生のモデル首像です。際立ってどこがという密度の上がり方というよりも、全体の佇まいの印象が良い作品だと思います。

 

 

 

 

夜間部生もいいリズムで作っています。力がついてきました!

現役の講習会生の作品です。塑造の経験は少ないようですが、アドバイスに反応しながら良い熱量で取り組めています。期待↑↑

10階の彫刻科のアトリエで、彫刻科志望の基礎科生も例年通り制作しています。

実技力の高さはもちろんですが、何より毎課題受験部並に熱量あるのが見ていて気持ちいいですね、どんどん楽しんで!

最後は2期ラストの塑造コンクールに上位作品です。

自分の力をすんなり作品に込められた人が自然と上位にきましたね。3位は現役生でした、グッジョブ!

夏期講習は3期へと続きます。乞うご期待!ではまた。

 

彫刻科 1学期ラストスパート!

こんにちは。彫刻科の小川原です。異常な暑さが続いていますがアトリエは猛暑に負けず活気に満ちています!
1学期は基礎力の拡充に専念しましたが、皆くらいついて取り組んでくれました。その甲斐あってかなりの実力がついてきたと思います。
しかし描く力、つくる力は確かなものであっても、「見る力」「判断力」については皆まだまだです。作品をどうしていくか全て自分で選んで実力を出し切れるようになればあとは青天井で上達することができます。
言われないと狂いに気付けなかったり、冷静に考えたら変なことをしてるってすぐに気づくようなことも、取り組んでいる本人は夢中なので俯瞰してそれらを意識することは難しいです。
しかし特に芸大受験においては大人数でトップ争いをすることになるので、たった1回の試験で確実に自分の最大レベルを出していかないといけません。そんな中で自分の実技に自信が持てなかったり、現状いいのか悪いのかさえ判断できずにただ手が動いているなんてことになったら駄作しか生み出せませんよね。
美術の基本は魅力的なものを追求すること。作者自身が「魅力的なもの」から意識が離れてしまえば当然作品は迷走してしまいます。
そういう意味でも予備校では技術を学ぶことも重要ですが、さらに大切なのはやはり「見る力」「判断力」について意識し、自分の作品観を養っていくことです。
まだまだ基礎力が全く足りていない状態であればそれどころではないかもしれませんが、4月から取り組んでいる人にそういう段階の人は今更いないと思います。今後さらに「作品」について考えていけると良いです!ぶれない軸を手に入れてください!

それでは直近の優秀作品を紹介します。
昼間部生の作品。

手と紙袋の構成塑造です。紙袋の性質を作品にうまく取り入れていきたいところです。
それぞれ質感表現にこだわれていて良いです。また手についても解剖的な見方で制作できる部分が増えてきました。




続いて昼間部生の自主特訓作品です。
どちらの作品も堂々とした描きっぷりが魅力です。マルスの量感が魅力的に表現できたと思います。


続いて彫刻科基礎コースの生徒作品です。
1学期でデッサン、塑造とも数点ずつ制作しましたが、成長スピードに驚かされます。冒頭に書いた「見る力」「判断力」についてはむしろ昼間部生を含めても上位につけるのではないかとさえ思います。モチーフの魅力を理解し、素直に反応したものを作品に反映できる力。素晴らしいです。

学生たちは今1学期末コンクールに取り組んでいるところです。集中的に鍛えてきた結果がどう出てくるか、楽しみです。今回の結果を夏期講習につなげていきましょう!