カテゴリー別アーカイブ: デザイン・工芸科 デザイン総合

TDC展2014

デザイン科総合コースの滝口です。いよいよ’14年度新宿美術学院の授業が12日よりスタートしました。
12日のガイダンスでは、新しい学生の人たちと講師とも顔を合わせ、来年の受験と合格に向けて1年間共に頑張っていきましょう!!

今回は、そんなスタートの中、総合コースの学生講師で東京芸大のデザイン科4年生である木下真彩先生が、TDC賞(タイプディレクターズクラブ)と日本タイポグラフィー年鑑にそれぞれ入選したのでお知らせしたいと思います。

作品は昨年度にこのブログで、総合コースから実際に木下先生が紹介した「伝統とデザイン」での東京芸大デザイン科の授業作品でした。
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全体で見るとちょっと細々として何が書いてあるのか分からない感じですが、思い切って拡大してみると・・・

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実は、1つ1つ伝統的な日本家屋で文字が出来ています。
しかも松などの木々や道石まであって、一文字一文字大変凝っていますね。
そして、文字は西洋的な透視図法ではなく、古典日本画に見られるような遠近法を用いない俯瞰的な建物の描き方を用いています。

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一見すると、何かコンピュータで打ち込んだ文字の集積のように見えますが、

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近くから見ると建物で出来た文字になっているので、文字として読んだり、建物の絵画的な世界を楽しんでしまったりと、色んな視点を行き来できて、本当に楽しいです。

「TDC展2014」は現在銀座のデザイン系ギャラリーで有名なggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)で開催されています。4月28日までです。
多くのグラフィックデザインに触れられるので、デザイン科受験生には大変お勧めです!!
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/
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デザイン科総合コースでは、普段の指導を専門分野別に分かれて教えています。
木下先生は平面構成を主に教えてもらっています。
こういうグラフィック感覚や専門的なデザインの考え方も、実際の実技平面で活かせるように、予備校的な受験作品の視点だけではなく、もっと色々なデザインの世界を通じて指導にあたっています。

3/21(金・祝) 公開講座!

デザイン科総合コースの滝口です。
21日のデザイン科芸大コース各科公開講座では、色彩構成を無料で体験できます。
また、いち早く今年度の芸大合格者が、目の前で再現作品をデモンストレーションしています。
芸大合格者の再現を目にすることはあっても、それを目の前でデモンストレーションを通して見ることで、より芸大の合格者レベルや作品の緊張感なども感じてもらえると思います。
平面構成だけでなく、立体構成の再現もしているので、粘土のテクニックやプロセスなども見ることが出来ます。

お申し込みはこちらhttp://www.art-shinbi.com/open-s/20140321.html

今年度の合格者の作品も少し掲載しておきます。
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↑こちらは、今年の合格者作品の平面構成の一部です。モチーフ(ビーカー、水、ダンボール、炭)とその中から一つテーマとしてでしたが、水をテーマに表面張力の視点を活かして発想出来ているのは、とてもいい視点だと思います。
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↑こちらも今年度の再現作品の一部です。豊満なボディー、角、2本の足、口を組み合わせた課題でしたが、この作品ではシンプルな組み合わせの中で、角に波のデザインを施し、動きのある演出が加わっていて、より造形的なデザインを生み出せています。

今回のイベントでは、二次試験課題の平面、立体を中心にしています。
芸大デザイン科の試験課題も多様化してきて、柔軟な発想やデザイン力を求められています。
新美の色彩構成の指導では、予備校の範囲にとどまらないで、様々なデザイン書籍なども通じて色々な視点を身につけていきます。
このイベントでも、そういった多種多様なデザイン書籍や参考ファイルも閲覧でき、デザイン力を身につけるきっかけも体験してもらえたらと思います。
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最後にもう一つ平面構成の視点で、
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↑この作品では、任意の線と三角定規を使って、とてもおもしろい視覚的な効果を作り出せています。線もギザギザの線にし、かつ線のデザイン自体も工夫がされています。そして、三角定規の扱いもメモリやプラスチックの厚みの歪みをデザイン的に加えて、より複雑な視覚効果をあげています。

このようなデザイン力や発想をどのようにして身に着けていったのかを、今回のイベントの合格者のデモストや指導などを通じて、体験してもらえたらと思います。
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芸大デザイン科形体構成の合格者インタビュー ー粘土編ー

デザイン科総合コースの滝口です。
何と先月は勘違いで更新し忘れてしまったので、約2ヶ月ぶりになってしまいます。
もう大分寒くなって来てるし、いよいよ試験も近づいて来てるかなと感じる頃になりました。
新美の2学期も12月7日までなので、後3週間位ですね。

今回は、新美では今年公開コンクールでも初の形体模試も取り入れて、大きく形体構成に力を入れていますが、実際の芸大の試験結果でも、今年の新美からの芸大合格者は形体構成の評価が全員A評価を得ています。

その中で、今年の芸大の説明会のしおりにも掲載された作品の制作者である倉持叡子さんに、形体構成について色々と話を伺ってみました。
倉持さんは、芸大に2浪で合格。現役時代は外部の予備校で、1浪目から新美に来ていました。
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●倉持叡子さん

Q:僕は1浪の頃から倉持さんを見ていて、決して形体構成が最初から得意だという印象を受けませんでした。どちらかと言うと、とても発想に癖が強く、完成度は常に上げられるけど形体の魅力としてはその説明で終ってしまう事が多かったと思いますが、当時はどう思っていましたか?

倉持(以下K):1浪の頃は、現役の頃初めて教わっていた指導の内容がどうしても強く、形体の魅力というよりも発想の説明を完成度を上げて見せるという事が大きかったので、形体の魅力と言われても困る事が多かったです。

Q:それをどうやって克服しましたか?きっかけとかってあったんでしょうか?

K:何度も先生と相談して、自分にとって得意としていた細かいパーツの作りや技法などは、先生も伸ばして行って良いと言ってくれたので、基本となる形体を魅力的にしていく事を気をつけるようになりました。

Q:一言に魅力的な形体と言っても、なかなか難しいと思いますが、何か刺激になるような作品や勉強方法ってあったんですか?

K:以前の予備校では、参考となる作品は上位に上がる作品しか見る事が出来なかったんです。だからそれを必死になって真似ようとして、結局みんな似てしまう。新美だと他の人の作品もとてもバリエーションが多くて、それぞれの人が自分の作品を極めようとしているので、真似しようとしてもなかなか出来ないので、自分にとって何が必要なのかと優秀作品ファイルや、ちょっと耳にした参考になりそうな書籍を見つけて独自に研究していました。特に刺激的だったのは、合格者作品ファイルにあった誰も作らなそうなアプローチの作品でした。

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●ホースと落花生をモチーフに

Q:新美で受けていた指導って、どういった印象だったんでしょうか?

K:先ほど言った、先生と何度も自分の作品の傾向について話を聞けたのが良かったです。三上先生(新美の形体構成専門の先生)が、分かりやすくそれぞれの人の進むべき傾向やポイントを教えてくれて、でも自分からも真逆な作品を作りたいと言ってもやらせてくれて、それで成功や失敗を繰り返しながら自分でも判断出来たので、本当に良かったです。

Q:入試直前の頃の立体作品は、本当に誰も作り出せないような技術と見せ方で、僕らも常に驚かされましたが、実際の試験や入試直前はどういった心境でしたか?

K:試験前でも精神的にはギリギリでした。自分の作り出して行く作品が、常に出来るのかもしくは壊れてしまうんではないかという不安があったからです。でも、それをしっかりと試験で出さなくてはいけない、アピールしていかなくてはいけないと思っていました。

Q:芸大のしおりで掲載されている作品の写真は、壊れていましたね(笑)

K:本当ですね(笑)審査の時は付いていたんですかね?

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●試験再現作品(芸大デザイン科説明会のしおりの写真では、上のコード部分が折れてしまっていた)

Q:試験の作品ではとてもユニークな発想で展開出来ていますね。
(試験課題:エネループの電池とそのロゴやマークなどの要素、「循環」をテーマに)
1浪の頃に癖と感じられていた発想も、芸大が新しく求めている「柔らかな思考」と合致していると思います。単に循環の説明をマークなどの記号ではなくて、電気の循環を自分の得意とする電気コードに結びついている点などですが。

K:そういった思考の訓練みたいなのは、昔からいっぱいしていました。それがたまに行き過ぎてネタのようになってしまう事もあったんだと思います。でも、入試直前の頃は、その発想が常に自分の作品へと導いていけるようになっていました。どんな課題が出されても、連想ゲームみたいに展開されて行ったんです。

Q:何か話を聞いているだけで、あの時は色んな要素が噛み合っていたんですね。

K:はい。

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●試験再現作品の細部

以上ですが、とても長くなってしまうので、今回は立体構成の粘土作品を中心に掲載してみました。この後、紙立体や異種素材などについての作品についても聞いています。それは、また1ヶ月後になってしまいますが、続きを第2回目として書きたいと思います。

冬期講習会の芸大コースでは、後期に特別形体構成コースを新しく設けています。
1月3日?6日の4日間ですが、短い4日間でも充実させた指導や伸びるコツを凝縮させて組んでいます。形体構成を専門で分析/研究している三上先生が、分かりやすく芸大の傾向や粘土の技術なども教えて行きます。

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●冬期講習会後期日程
http://www.art-shinbi.com/01shinjuku/images/pdf/2013winter.pdf

僕の個人的な感想ですが、芸大デザイン科受験にとって形体構成は1つの課題となっているにも関わらず、どこか予備校ごとにガラパコス化された閉鎖的な指導方向になっているなと思っています。他所は他所、内は内です。
公開コンクールでも、今年は新美だけでした。デッサン/色彩構成は連動していて、それこそが芸大受験であると解釈されているかのようです。
芸大デザイン科の説明会でもあったように、デッサンや色彩構成はこれから変革されて行こうとしています。だからこそ、残された形体構成は重要なものとなるだろうと思っています。

それでは、続きをまた第2回目で。

 

 

公開コンクール締切間近です!(多摩グラ、芸大工芸)

こんにちは。
毎週公開実力コンクールに多数のご参加をいただき、盛り上がっています!

さて、11/17(日)実施予定の公開実力コンクール、
多摩美グラフィック「鉛筆デッサン」 と 芸大工芸「平面表現」
定員締切が近づいております。参加を希望される方は、早めにお申し込みください。

多数のご参加、お待ちしております。

 

 

東京芸術大学デザイン科公開コンクール

新宿美術学院 三上です

10月27日と11月3日、4日に[東京芸術大学 デザイン科 公開コンクール]が実施されました。
全国から多くの受験生が集まり、大変活気のあるコンクールでした。

模試の出題内容、講評内容は9月に行われた芸大説明会にあわせ、大学のアドミッションポリシーを重視して行いました。
芸大説明会でもあった様にデザイン科では柔軟性・発想力を持つ人材を求めています。今までの様に型にはまった受験では点数を伸ばすことは難しいと新美では判断しています。
新美では日頃から集めた入試情報と説明会での内容を踏まえて、芸大入試傾向に則した、授業・指導を行っています。コンクール講評ではその一端が感じられたのではないかと思います。
実際の実技指導を一度体験したい方は、ぜひプレ冬期講習にご参加ください。

デッサンの講評風景
点数が伸び悩んだ学生は11月から入試に向けて、自分の絵を講師とともに見直して上達を目指しましょう。
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色彩の講評風景
13年度募集の入試より入試の評価基準が変わり、合格者45名の点数開示状況を見ても色彩での点数獲得が難しくなっていることが表れています。新美ではより柔軟な発想力を伸ばすカリキュラム、指導で入試まで取り組んでいくこととなります。
点数が伸び悩んだ学生は、芸大の傾向をもう一度確認して取り組むことが大切になりますね。DSC02941

形体の講評風景
新美では初めての形体のコンクールでした。
新美は形体の芸大試験課題において多くの学生がA評価をとる強みを持っています。4年前から発想力を重視した指導を取り入れています。皆さんの柔軟な発想を具現化する技術を指導することでより幅広い作品を生み出しています。
今回の講評ではスライドを使い、新美での形体の入試の考え方を説明しました。皆さんからは多くの良い評価を頂きましたが、より詳しい内容についてはぜひ冬期講習の受講で学んでください。
時間対応が出来ていない学生が多いようでしたので、入試に向けて早く制作出来る技術特訓と入試に求められる完成度を知ることが大切ですね。DSC02973

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