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ライバルについて

こんにちは。油絵科の関口です。

 

さて突然ですが、皆さんにはライバルっていますか? 僕も浪人生の頃、お互いに意識し合ったライバルが二人いました。

一人は同い年のH君。超絶なデッサン力を持ち、その圧倒的な上手さは、周りの受験生と比べても群を抜いていました。

廣岡デッサン
H君浪人時代の作品。抜群に上手いです。

彼は看板屋の息子で、小さい時から父親の元で仕事を手伝わされていた所為か、新美に来た時点で既に素晴らしい技術を持っていました。

モチーフの中に印刷されたラベルやポスターなど、文字があった時には、フリーハンドで正確に直線を引き、曲線も歪む事がなく綺麗なカーブを描き、まるで印刷された様なレタリングをしていました。
色を混ぜれば、ほぼ一発で自分の必要とする色を作り出し、作った絵具は決して筆から垂らさないというのが彼の流儀でした。何でも子供の頃から何色に何色を何滴混ぜて色を作るかを感覚で覚えさせられ、筆を伝った塗料が垂れてしまうと、父親からこっ酷く怒られた事で、それらの能力を身につけたという事です。
デッサンの時は、いきなり部分からキッチリ描き始め、最終的には辻褄がちゃんと合わせられる能力も持っていました。そんな彼の仕事には只々驚かされるばかりでした。

 

もう一人のライバルは一つ歳上のSさん。彼は圧倒的なパワーを誇り、体力ではどんなに頑張っても敵わないと感じる事が多々ありました。彼は朝が大変早く、僕が朝の7時頃に新美に行くと、アトリエを綺麗に掃除した上で、既に制作を始めており、こちらを見てニヤリと笑い「関口くん遅いよ?(笑)アッハッハッハッ」と言うのです。当時の新美は、朝7時に表のシャッターが開くのを知っていた僕は、朝一番で制作を始められるものだ、とばかり思っていました。それより早く入る事が出来た理由を聞いたところ、守衛さんと仲良くなって、裏から入れてもらっている、と教えてもらいました。翌日僕も何とか頑張って、朝の6時頃に到着して彼より早く行って、笑顔で彼を迎えたのは言うまでもありません(笑)。まあ、何日も続きませんでしたけど…。
彼の超人的なパワーを思い知らされたのはデッサンの時です。彼のデッサンは木炭をベースにして、その上からキンキンに尖らせた鉛筆でハッチングを怒涛のように繰り返すのですが、絵が仕上がる頃にはハッチングで木炭紙が1cm以上伸びてしまうというのです。そんなバカな!と思った僕が新品の木炭紙を重ねてみると、確かに一回り大きくなっていました。まさにアンビリーバボー!!(笑)

伸びた木炭紙
伸びてしまった木炭紙(これはイメージです)

 

そんな彼等が僕の当時のライバル。まるでマンガでも見ている様な、彼等の現実離れしたエピソードは枚挙にいとまがありません。正直、凡人の僕がどんなに頑張っても、逆立ちをしても敵わない、という能力の持ち主達でした。当時の彼等が僕の事をどういう目で見ていたのかは分かりません。三人の中では僕が明らかに劣っている、と思っていましたので…。しかし、運良く三人の中で一番早く芸大に入る事が出来ました。
今考えると、あの超人達の中で切磋琢磨する事で、自分が磨かれた部分は大きいと思います。

 

廣岡くん海岸にて
H君実家近くの海岸にて佇むH君(2008年筆者撮影)

 

あれから20年以上の歳月が経ち、二人とは毎年年末にグループ展を一緒にやる仲が続いています。特にH君とは二人展をやったり、彼の実家に泊めてもらったり、ご近所の農家の方から頂いたというカボスをお裾分けしてもらったり、と今でも良い関係が続いています。

色紙展風景
H君との二人展の様子。背景が黒いのと、人や動物を描いているのがH君の作品(2012年)

 

「持つべきものは友」と言いますが、ライバルという関係を経て、かけがえの無い友になった二人には、今でも感謝しています。

高校生デッサンコンクール開催!!

新宿美術学院 三上です。

本日は【高校生デッサンコンクール】を開催しました。
予定よりも多い申し込み人数で、活気のあるコンクールとなりました。
参加したみなさんはほんとうにお疲れ様でした。
くやしい思いをした受験生もいたと思いますが、講評会でも話があった様にこれからが勝負です。気を落とさず頑張ってください。

IMG_8822                                   (制作風景)
デッサン解説】では各科の特徴、違いなどを解説。それにあわせ、デッサンで大切な事を合格者作品とプリント、図説を使って1時間程度説明しました。
みなさん、初めて聞いた事も多くあったようで「そうなんだ!」といい反応がありました。ぜひ、普段の制作に生かしてください。DSC08831                               (デッサン解説風景)

制作会場は、実際の試験さながらの緊張感でデモンストレーター達もびっくりしていました。
真剣に取り組むデモンストレーター。全体講評で一言「疲れました。」の言葉でみなさん笑顔になっていました。
IMG_8820                          (デモンストレーター制作風景)

全体講評は全科主任講師が参加し、志望校に合わせたアドバイス、講評は、新美ならではの良さが出ていたと思います。各科の先生方の個性、科の個性が出た大変勉強になる講評会でした。
DSC08847                                 (全体講評風景)

なんと!! 1位、2位とも新美生でした。
みごと「ipad」、「電子辞書」をそれぞれ獲得して帰りました。
ほんとうによかったですね。ぜひ、有効活用してください。
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(表彰風景)

今回のコンクールは本当にレベルの高い作品が並びました。
みなさん、これからもっともっと上達します。
志望校に合わせた、勉強を積み重ねて、ぜひ現役合格目指して頑張ってください。

基礎科クラス紹介?工芸って何??

こんにちは、新宿校 基礎科です。

基礎科の皆さんの中には工芸をあんまり知らない人もいる、ということでこちらで以前ご紹介した、工芸科の紹介の第二弾です。

前回は陶芸、染織、漆芸の3つについてでしたが今回は金工の三専攻について見て行きたいと思います。

まず、「金工??」というひとのために説明しますが、「金工」とは金属を主な素材として制作をする分野のことです。
今回取材をした東京芸大の工芸科では、その制作工程などの違いによりさらに、
『彫金』『鍛金』『鋳金』の3つに先行が分かれています。
(大学によっては「金工」などの名称で統一されています。)

 

それではまず彫金です。
この専攻では他の2つに比べると主に金属の表面の加工についての勉強が多いのが特徴です。
ジュエリーを作ったり、オブジェを作ったりすることが出来ます。

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次に鍛金です。
こちらは彫金に比べると、やや仕事のスケールが大きく、巨大なオブジェなんかも作ることが出来ます。
一枚の金属板を金槌で叩いて、器を作ったり、複雑な形の動物を作ったりする勉強もします。

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最後は鋳金です。
先ほどの2つが主に金属の板から成形していくのに対し、こちらは原型を粘土やワックス(ろう)などでつくり、それに合わせて型をつくり、その中に高温で溶かした金属を流し込むという方法で制作するのが特徴です。

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ここで紹介させていただいたのは各専攻、素材のほんの一部に過ぎませんので、是非皆さん、各大学で開催される卒業・終了制作展などに足を運んでみて本物の作品を見てみてくださいね!

3学期が始まりました。

新宿美術学院 国立校 基礎科です。

猛烈な寒波がやってきていますので、日に日に寒さが厳しくなっています。
基礎科は授業が終わるのが夜になりますので、
体調管理には十分気を付けてほしいと思っています。
そして今週末はセンター試験。
基礎科の皆さんにはまだ先の事のようですが、
学校の授業を受け、新美で美術を学び、そして部活にも参加、
たまにはお友達と遊びに行ったり・・・と、新美の高校生は忙しいのです。
楽しい1年はあっという間に過ぎていきますから、
後で慌てないよう、少しづつ準備をしていきましょう。

今日は全員デッサンです。
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ぬいぐるみの質感や光沢が難しそうです。
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石膏モチーフ。
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木炭にも挑戦するようになりました。
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国立校は基礎科のみで、対象は高校1.2年生でしたが、今年の春から
新宿美術学院・現役校 enart 国立が開校します。

enartタイトル ena相関図 カリキュラム
学科

新美enart国立は美大を目指す、高校3年生対象の美術予備校です。
現役合格のために大学の傾向をしっかり把握し、
わかりやすく丁寧に、一人一人と向き合いながら指導します。
もちろん、今まで通り、高校1.2年生向けの基礎科も併設です。
開校にむけ、色々なイベントを予定しておりますので、
随時、ホームページやブログでお知らせしていきます。

詳細はこちらで。
http://www.art-shinbi.com/02kunitachi/about/index.html

高校生デッサンコンクール いよいよ締め切り間近

新宿美術学院三上です。

高校生デッサンコンクールがいよいよ締め切り間近となってきました。
申込締め切りは1月17日(金)です。
申込期日にご注意ください。

先日、新美ニュースでもお知らせ致しましたが、当日は現役芸大生のデモンストレーションがあります。今日は、当日行われる【デッサン解説】について説明したいと思います。

【デッサン解説】は試験当日みなさんが制作した作品を採点している間の休憩時間に行います。
デッサンのプロセスプリント等を配布して、実際の各科合格者作品を見ながら「デッサンとは?」についてお話しする予定です。

多くの芸大・美大入試に《デッサン試験》が課されていますが、実はデッサンと一口に言ってもとても奥が深いものです。
油絵科で求められるデッサン、日本画で求められるデッサン。彫刻、デザイン、工芸・・・と専攻によって「大学側の好み」も「大学側が求めていること」も全く異なります。
当日の解説ではデッサンとして共通している部分と全く異なる部分を丁寧に解説する予定です。ただ上手になればいいんだと思っている皆さんには目からウロコかもしれません。
新美では当然、この専攻による「求められることの違い」を大切に指導しています。全体・個別講評の後に各科主任講師に質問が出来る時間もありますのでぜひ参加してください。

プロセスサンプル
【デッサン解説】配布予定の資料の一部