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オイル(画溶液)について①

こんにちは。油絵科の関口です。先週から僕がブログを書いていますが、春までネタが無くなるまで頑張るつもりです。興味のある人は月曜日にこのブログを覗いてみて下さい。ただし忙しくて書けなかった時はゴメンナサイ。

 

さて、油絵を目指す人の中に、オイルの種類が多過ぎてどう使って良いか分からない・・・という人も多いのではないかと思います。今日はオイルの使い方に付いて書こうと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
この何だか怪しい液体は全て画溶液で、一本ずつ瓶詰めする前の工場で作っている様子です。今から10年ほど前にマツダ絵具さんに学生を連れて工場見学に行った時に撮影したものです。今となっては貴重な一枚、という気がします。

 

原則

※まず前提として、油絵の描き方は千差万別であり「決まった描き方、正しい描き方」というものは存在しません。その中で「原則」というのもおかしな話かもしれませんが、自分で20年以上油絵を描いてきて、また色んな作品を見てきて、思う事を書いていきます。

 

①.オイルは必要に応じて、どうしても使わなくてはならない時のみ使用する。

意外に思うかもしれませんが、油絵を描いていてオイルが必要な時というのは限られています。
毎回オイルを付けて描くというイメージで描くと、薄塗りでベチャベチャな油絵になります。(絶対にやってはいけない、というものではありませんが…実はそれでちゃんとした絵を描く為には、それ相応の技術が必要になります)

 

②.?fat?over?lean(ファット?オーバー?リーン)
日本ではあまり馴染みの無い言葉ですが、欧米ではこういう表記を見掛けます。

・fat(ファット)とは「脂肪」とか「ぜい肉」という意味がありますが「デブの」という意味もあります。
・lean(リーン)とは「痩せている」という意味。
つまり、ガリガリに痩せている人の上にデブの人が乗っかっているイメージを思い描いて下さい。

最初はテレピンやペトロールなどの脂肪分の無い揮発性油で描き始め、次第にリンシードやポピーといった乾性油を多く入れていく。これがオイルの使い方の基本です。

 

③.揮発性油+樹脂+乾性油
オイルを調合する時、基本はこの三種類のカテゴリーの油を混ぜます。市販のペインティングオイルはこの三種類に乾燥促進剤(シッカチーフ)が入っています。

混合比は用途やタイミングによって異なります。
ペインティングオイルは便利なオイルですが、描き出しに使うにはベトベト過ぎて向きません。あれは中盤以降に使うオイルだと思って下さい。

僕のお勧め(?以降は乾きが遅いので受験には向きませんが、簡単なオイルの作り方)
?描き出しはテレピンのみ。
?前半はペインティングオイルに同量程度のテレピン油を加える。
?中盤はペインティングオイル。
?後半はペインティングオイルに少し乾性油(リンシードやポピー)を加える。

 

④.同じカテゴリーのオイルは混ぜない。
同じカテゴリー同士を混ぜても殆ど効果はありません。(混ぜていけない訳ではない)
混ぜるなら他のカテゴリーのオイルを混ぜて使いましょう。

カテゴリー
・揮発精油(テレピン・ペトロール・スパイクラベンダーオイルなど)
・樹脂(ダンマル・マスチックなどの天然樹脂、アルキドなどの合成樹脂)
・乾性油(リンシード・ポピー・サフラワーなどの生油、スタンド等の加工油)

それぞれの詳細は次回以降に説明します。

 

※おまけ

オイルの捨て方
使用していたオイルが絵具で濁ったり、余ったりして捨てる際は、布や紙に染み込ませ、必ず「水」を含ませてからゴミ箱に捨てて下さい。
オイルは布や紙に含ませて放置しておくと、自然発火する恐れがあります。

 

※おまけ2OLYMPUS DIGITAL CAMERA
10年ほど前の工場見学の一コマ。これまた貴重な一枚です。さあ誰だか分かるかな?この写真が削除される前に見られた人はラッキーです(笑)。

仲間について

こんにちは。油絵科の関口です。

 

さて、以前このブログでライバルについて書きましたが、今回は「仲間」について書こうと思います。

僕は新美で大学生時代から講師をしていますが、その傍らで20年以上に渡って作家活動を続けてこられた背景には「多くの仲間に支えられてきた」という実感があります。そしてその原点は、新美で浪人していた頃に遡ります。
当時僕を担当してくれていた先生は森一浩先生と広田稔先生という、非常に個性の強い方達でした。ウチのクラスでは、どういう訳か伝統的に「先生」という言い方はせず、「さん」付けで呼んでいましたので、浪人生の頃から「森さん、広田さん」と呼んでいました。
森さんと広田さん
※僕の浪人時代の恩師。左が森さんの作品。右が広田さんの作品。

僕と森さんは約20歳、広田さんとは10歳ほど年齢が離れており、18歳で上京してきた田舎者の自分に多大な影響を与えた二人になります。お二人のエピソードは数限りなくありますが、今回は真面目なものを一つだけ紹介し、思わず笑ってしまう様なお話はいつかまた書こうと思います。
僕が芸大に入った後、広田さんから言われた事が僕の中でずっと残っています。

「僕が絵を描き続けられてきたのは良い仲間がいたからだ。仲間がいなかったら、僕は絵をやめていたかもしれない」「お前らも仲間は大切にした方が良いぞ」

当時も今も広田さんという人は精力的に作品をつくり続けています。当時自宅兼アトリエにお邪魔する事も何回かありましたが、壁には常に数十枚という描きかけの絵が掛かっており、1週間後にまたお邪魔すると、殆んどが違う絵に入れ替わっているという、信じ難い光景を目にしてきました。当時から年間数100枚という作品を作り続けており、バイタリティーの塊のような人の口からポロッと溢れた弱音の様な言葉が、自分の中ではとても衝撃的でした。

それから20年以上の歳月が経過しましたが、その言葉を実感する事が何回も訪れました。

所詮「人間とは一人では生きていけない弱い存在」なのかも知れません。幸いな事に今の僕の周りには色んな仲間がいます。その多くは、出会った時には「お互いにこんなに長い付き合いになるとは思ってもいなかった」という様な人達ばかりです。
反面、かつてかなり深い付き合いをしていた人の中にも、今ではすっかり音信不通で、疎遠になってしまった人もいます。別に喧嘩別れした訳でもないのに・・・。

仮に自分の人生に「道」というものが存在するとしたら、仲間というのはその道中で出会った人達の一部なんだと思います。反対方向からすれ違う人もいれば、少しの間だけ同じ道のりを行く人もいます。すれ違う人は、自分の人生の中でのキャスティングでは、通行人A・B位の位置づけでしかありません。同じ道のりを行く人でも、歩むスピードが異なる事もあります。仮に同じスピードで歩んでいても次の交差点で別の方向へ行く事もあります。

道中、意気投合した人とは、知らず知らずの内にスピードを合わせたり、別れてもまた同じ道に現れたり、相手の道の方へ自分の方から現れたりしながら、お互いの人生の中で重要なキャストになっていくのです。
今の僕には、新美の浪人中に出会った人で、とても大切でかけがえの無い仲間が何人もいます。
その時には分からなくても、今隣にいるその人は、将来のあなたにとって大切な仲間になっているかもしれません。

 

さて、最後に宣伝で申し訳ありませんが、12月11日より横浜の石川町のギャラリーARKでグループ展を行いますのでご案内致します。
14animato
この展覧会の名前はAnimato(アニマート)展と言います。Animatoとはイタリア語で”生き生きとした”とか、”元気の良い”という意味だそうで、ギャラリーのオーナーが名前を付けてくれました。この展覧会、実に今年で17回目になります。小さなギャラリーですが、100点以上の作品が所狭しと並んでいるので、きっと楽しめると思います。上で書いた広田さんも一緒に出品していますし、僕にとってかけがえの無い仲間が何人もいますので、興味のある方は是非見に来て下さい。

http://ark.art-sq.com?

リンク

こんにちは、先端科です。

今日は2学期最終日で、作品講評会でした。最後の作品講評会ということもあって、生徒側からも活発に意見が飛び交い、1学期からの積み重ねがつまった作品を前に、議論も白熱しました。再来週からは冬期講習が始まり、いよいよ受験モードです!

先端科ラジオその3はこちらからチェック↓

https://note.mu/shinbisentan/n/ndc6dc12523c5

こんにちは基礎科です。

12月になり、木金土コース・土曜コース2学期最後の授業となりました。

油画コースの課題は『「冬」をテーマに自画像を描きなさい』です。DSC00781

苦戦しながらもイメージと自画像を組み合わせて描いていました。

DSC00780 DSC00783

一人一人違うイメージで頑張っていました!

DSC00782

 

冬期講習に向けて、いいスタートをきった油画コースです。

 

映像科:二学期後半?冬期講習会のお知らせ

こんにちは、映像科の森田です。AO入試や推薦入試の季節も過ぎ、気づけば師走。いよいよ一般入試に向けてスパートをかける季節になりました。映像科の2学期の授業は今週末が最後になります。そんなわけで今回は冬期講習の内容をお伝えしておきます!

■前期【EA】12/15~12/20 私立美大映像 志望校別対策コース *時間に注意
武蔵野美大映像学科、東京造形大映像系専攻、日芸映画・写真・放送学科などの実技・小論文対策など、6日間×3時間で制作と講評を繰り返してレベルアップを目指すコースです。この前期は授業時間が17時~20時なので、高校生でまだ授業がある期間の人も受講しやすいコースになっています。初日に面接をした上で、特に苦手な試験科目を集中的に制作することも可能です。

■中期【EB】12/22~12/29 私立美大映像総合コース
前期と同様に映像系の各学科・専攻を対象とした総合コースです。<制作~個別講評~リメイク~全体講評>の1日8時間授業は相当にハードですが、その分自分の作品とじっくり向き合うことができます。映像系の試験では絵にしても文章にしても、入試までにどれだけ多くのシーンを作品化したかということが自分の武器になります。もちろん本番のテーマに沿った作品であることは必須ですが、構図や文章の構成は過去の課題のアイディアを活かせる場合もあります。

■後期【EC】1/3~1/6 武蔵野美大映像特訓コース
武蔵野美大映像学科の実技試験「感覚テスト」と「小論文/鉛筆デッサン(どちらか選択)」に特化したコースです。感覚テスト対策では特に画面のレイアウトと文章の構成を中心に、小論文対策はモチーフの捉え方を、デッサン対策では今までの過去問の傾向を踏まえて、それぞれ指定の時間でどう仕上げるかについて、解説を加えつつ制作をします。小論文とデッサンの日には、ここ数年の恒例となっている、武蔵野美大の国語に役立つ【評論文読解・ミニ講座】もやります。

*昨年もほぼ同じ内容をこのブログに書きましたが、特に武蔵美映像学科や日芸は学科の点数が合否を左右します。今年は武蔵美の試験が例年よりもやや早く、センター試験が明けると約2週間半で試験になります。実技もそうですが、学科についても早めにスパートをかけましょう。目標は学科で8割!!