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セルフコントロール

こんにちは。工芸の松井です。

先日の立体表現課題での話なのですが、朝急遽モチーフを変更する事がありました。
予告していた課題内容よりもかなり難易度が上がり、生徒の間に動揺が走りました。まぁ意図しないハプニングだったのですが、入試に向けてメンタル強化していく上で結果的にとてもよい経験になりました‥
たとえどんな課題内容が出題されたとしても『出題意図を柔軟に汲み取り、自分なりの答えを懸命に表現する』です。
大学側は入試課題を通して受験生自身が『どんな人間』なのかを見ています。
勿論入試で自身のベストを出せる事が一番良いでしょう。けれど、たとえ思う通りに制作が進まなかったとしても、出題された『課題に対して自分なりに懸命に答えようとする姿勢』がとても大切です。そしてそれは絶対に伝わるものです。ですから、落ち込んだり諦めたりはナシです。ピンチをチャンスに変えられないか?不慣れな課題は他の受験生も同様に不慣れなんです。慌てず落ち着いてやれる事を考えるんです。
私自身の入試経験でも、初めての試験で突如イメージ構成が出題されたり、未経験の描画材を当日突然与えられ描かねばならない、など失敗した苦い経験が何度もありました。
工芸の入試は数年に一度、過去の傾向を大きく裏切る課題が出題されてきています。
どんなに準備をしてきても、全ての事を万全にして入試を迎える事は難しいです。
ですから、そんな時こそ思考をポジティブに!試験課題を受け入れ出来る事をしっかりとやる!です。
入試はとても緊張するものです。ガチガチに緊張していると自分の思ったような描き出しにならない事も多いだろうし、出題内容に動揺しさらに緊張してしまうなんて事もあるでしょう。
そんなガチガチの緊張を良い緊張感に変えていきたいですよね。
そこで、まず『緊張してる!ヤバイ!』なんて思い過ぎない事。
1年間準備してきたんですから、思いが強い程、緊張しちゃいますよね。なので『緊張するのは当たり前』『緊張は自分だけじゃなく皆も同じ』と思う事で少しは落ちつけるんじゃないかな?
それでも過度な緊張を感じているならば‥
ド定番ですが、まずは 深呼吸
緊張した時に起きる身体の変化。呼吸、心拍数、脈拍、発汗‥この中で自身ですぐコントロール出来るのは呼吸です。
鼻からゆ?くり7秒間を目安に肺がいっぱいになるまで空気を吸い込んで、一旦止めてから、口からまた7秒間かけておへその下がへこむくらいゆ?くりと肺にたまった空気をすべて吐き出す。(僕の場合はより呼吸に集中出来るので目を閉じます)これを数回繰り返すだけで、早鐘のように鳴っていた鼓動がじきにゆっくりになるはず。
心臓がバクバクしなくなっただけでも随分緊張がほぐれるはずです。
「緊張してるかもしれない」と感じたら、試験開始前に一度大きく深呼吸して脳にしっかりと酸素を供給です。試験中も緊張しているようなら、描いている最中でもゆっくり深く呼吸するように意識しましょう。
それからストレッチ
緊張していると無意識の内に身体に力が入ってるものです。身体をほぐす事で緊張もほぐれたりしますよね。だから試験開始前に腕を回したり、大きく伸びなど簡単なストレッチも効果的。特に肩まわりをほぐすと良いらしいですよ。
あとは、ツボ?!
筋肉を緩め血の巡りをよくする事で緊張を緩和できるとのこと。試験直前の待ち時間でも簡単にやれちゃいます。
両手のツボを、指の腹でバランスよく押す(気持ち良い程度の強さ)を、疲れている側から始めること。securedownload①(ピンク)身体が疲れてきたらココ!握り拳を作る時に中指と薬指の先があたる部分です。そこを中心に手のひら全体をもむ。
②(赤)神経の高ぶりをや興奮を抑えるにはココ!手首の横シワの小指側の端にある骨と筋の間の窪み。グリグリ回しながら指圧
③(水色)緊張して胃が痛くなぅてきたらココ!手首の内側の、手のひらとの境目から指3本分下がった位置の真ん中。ちょうど腕の中心線の上あり、手のひら境目から5~7cmの部分。
④(オレンジ)目や首の疲れはココ!手の甲側の人差し指と親指の2本の骨の合流地点から少し人差し指よりにあるくぼみです。親指で押してみてじーんと感じるところ。そこをつかむ感じで揉みほぐす。DSC01731
あと、左手の薬指には、精神を安定させる効果がある神経が通っているそうです。本番前にもんだりして軽く刺激するのも良いのかも。
慌てず、いつもよりゆった?り描き出すくらいで丁度良し。
描きはじめれば、次第に集中してきて気持ちも落ち着くはず。
焦らず、ゆったり‥スタートです。
最後に‥美大受験において『目』は生命線です。
今使っているコンタクトやメガネは今の自分の目に本当に合っていますか?
目の疲れを毎日ちゃんとケア出来ていますか?
以前と比べ視力が低下しているかもしれません。現状のままで良いのかどうか試験前に一度確認してみるのも良いと思います。
さぁ!ラストスパート!
体調管理をしっかりして試験に臨みましょう

 

 

聖地

こんにちは。油絵科の関口です。
前回は僕が高校生の時、初めて上京してきた頃のお話でした。今回はその続きになります。

春期講習会でお世話になった某有名予備校に生意気にも物足りなさを感じた僕は、いつしか「もっとレベルの高いところで勉強してみたい」と思う様になっていました。
インターネットも携帯電話も無いその時代、ウチの田舎では美術系入試の情報など殆んど無かった。と言っても過言ではありません。
そこでの唯一の情報が、美術室に置いてある、ちょっと古い美術系の雑誌と、美術部の先輩が取り寄せた数々の予備校パンフレットでした。
先輩が受験するという事で、美術の先生が取り寄せたと思われる雑誌の中に「芸大・美大をめざす人へ」というものが数冊置いてありました。

芸大美大を目指す人へ芸大・美大をめざす人へNo.5(アトリエ出版社・1986年)

学校にナンバーは全て揃っておらず、No.2とNo.4は置いてありませんでした。確か当時の最新号がNo.5で、そこに載っている作品を見た時「うぉ?。何だこれは!すげ?上手い」と身体に衝撃が走ったことは今でも鮮明に覚えています。

この芸大・美大をめざす人へNo.5は「新宿美術学院」が全面的に協力していると書かれています。他のナンバーには全く目もくれず、毎日そのNo.5を目を皿のようにして見るようになりました。「どうやって描いたんだろう?」「ここの人達はこんな凄い人達ばっかりなんだろうか?」「浪人生ってどんな人達なんだろう?」日に日に想像は膨らみ、僕の中で新宿美術学院という存在は、神々や聖人の棲む「聖地」の様なイメージにまで勝手に高められて行ったのです(笑)。

ところで、先輩の取り寄せたパンフレットの中にも新美のものがありました。他の予備校よりも一回り大きいサイズのパンフレットで、表紙を見るとミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の壁画(修復前)の一部が使われていました。厳かな雰囲気のある、その絵を見た僕の中では、勝手にドンドン聖地化が進んでいきました(笑)。

システィーナ礼拝堂修復前
ミケランジェロ作・システィーナ礼拝堂天井画(修復前の画像)

いつか自分も憧れのサンクチュアリへ…みたいな、まるで巡礼者の様な気持ちになっていましたが、いざ夏の講習会を決めようという時には、何故か聖地「新宿美術学院」は候補に入っていません。アトリエという雑誌の白黒広告ページに小さく載っていた、今は存在すらしていない超マイナーな研究所を選んでいました。

ある日、夏期講習の事を父親に相談すると「自分は美術の事は分からないけど、ここが良い所だとは全く思わない。住所も東京じゃないし、折角勉強するなら、もっとちゃんとした所が良いんじゃないか?」とハッキリ言われました。「お金の事なら心配しなくて良いから、お前が本当に一番行ってみたいところを言ってみなさい」と言われ、無意識に遠慮していた事も指摘されました。

「じゃあ、ここに行ってみたい」
そこで選んだのが、新宿美術学院だったのです。

ごめんなさい。中々新美に辿り着きませんが(笑)今日もここでお終いです。
ー続くー

世界の扉

こんにちは。油絵科の関口です。
皆さんは何かのキッカケで、今迄と違う世界の扉が開いた…そんな経験はありませんか?
先月に引き続き、美術の道を目指し本格的に絵の勉強を始めた、10代後半の僕のお話です。

はじめの一歩(前回のお話)
http://www.art-shinbi.com/blog/20150112/

毒1939
ルネ・マグリット作「毒」1939年

高校1年の冬頃、僕は両親に「絵の道に進みたいので美大に行きたい」と伝えました。母親は案の定大反対。父親には反対はされませんでしたが、そっちの道で食べていけるのか?と本気で心配されました。絵の世界とは全く別のところで生きてきた両親にとって、さぞかし不安を抱いた事でしょう。
父親は僕が小さい時から「手に職を持ちなさい。他の人に出来ないことをやりなさい」と事ある毎に言っていた人なので、さすがに反対は出来なかったんだと思います。ただ、まさか息子が絵の道に進むとは思っていなかった事でしょう(笑)。

とにかく反対する母親を説得し「一度で良いから東京の予備校に行って絵の勉強をさせて欲しい」とお願いしました。
・・・暫く経ってから母親は渋々東京に行く事を認めてくれました。父親と相談し「一回行ってみて現実を見れば諦めて帰ってくるだろう」という狙いがあった様です。

 

僕が一番最初に講習会を受けたのは2年生になる春で、実は新美ではありませんでした。全国から色んな人達が集まって来ていましたが、「僕の高校の先輩の方が上手い」と思い、生意気にも物足りなく感じていました。
一人で東京に出るのは初めてだったので、電車に乗るのも一苦労。切符を買う時に入場券も必要だと思い込んで2枚の切符を購入し、入場しようとして駅員さんに止められました(笑)。当時は自動改札やSuicaなども無く、駅員さんが手で切符にハサミを入れて入場するスタイルでした。そう言えばその時はまだJRという名前でもなく、国鉄でしたね。
画材屋さんでは初めて見るものばかりで、やっぱり東京は違うな?と思ったものです。(ウチの田舎の画材屋さんは当時高校近くの一件のみで、今のトゥールズさんの4倍くらいのスペースですが、品揃えは1/10以下だと思って下さい。文房具屋に毛が生えた位のレベルでした)
携帯やインターネットというものも存在せず、見るものは全て新鮮でした。

 

講習会を終え実家に帰って、諦めるだろうと思っていた親の当ては外れ「これなら僕はやっていける」と確信(という名の勘違いを)していました。
両親との「一度だけ…」という約束を半ば強引に破り、「物足りなかったので、今度は違うところでもう一度勉強しに行きたい」と我儘な主張をしました。何日も話し合った結果、両親はとうとうギブアップ。
その年の夏、世界の扉はそこで開く事になるのです。

ー続くー

2015年度 パンフレット配布中!

こんにちは。
今週より、2015年度の学校案内を配布しています。
春期講習、春のスタートイベントなど、その他盛りだくさんです。
資料請求は、HPからもできますので、ぜひ手に取ってご覧ください。

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今年の表紙はシンプルですね、、、
参考作品など、多数掲載しています!!

 

東京芸大 出願期間です!

こんにちは。
いよいよ入試本番が迫ってきました。
受験生の皆さんは、体調管理を十分に!
実技はほんとに試験前日まで伸びます!それを信じて、最後まで粘り強く頑張ってください。

東京芸大をはじめ、国公立大の出願が始まりました。
私大入試に没頭しているとついつい忘れて、、、なんて話を過去に聞いています。
早めに書類を準備し、忘れず出願しましょう。

東京芸術大学 出願期間
1/26(月)~2/4(水) [消印有効]  ※くれぐれも詳細は必ず募集要項で確認してください!!