こんにちわ 彫刻科講師の臼田です。夏期講習が終わったと思ったら早くも10月の中旬ですね。制作時間が一学期に比べて短く設定されていますが、皆んな底力がしっかりとついてきているので作品のレベルは寧ろ上がっていると思います。見ていて頼もしいです。気温が最近グッと下がってきているので、体調に気をつけながら引き続き頑張りましょう!!!それでは作品紹介に移りたいと思います。
素晴らしい出来です。隅々にまで密度を感じます。このデッサンを見て立体を作れるぐらい絵から形を感じます。このデッサンについては特にいうことがないです。最近見てて思うのは、下地作りが甘いと空間も形も表現しきれず終わってしまうと思います。出だしでハイライトを広い範囲で残しすぎない事、陰側に一度に一気にではなくても良いのでしっかりと炭を乗せ切る事が大事かなと思います。
続いて自刻像です。今までで一番本人の印象を出せたのではないでしょうか。顎周り、小鼻周り、目周りのカタチについての理解が今回で深まったのではないかなと思います。目の印象も自然で良いです。髪の毛の表現についてはここからさらに研究していけるとさらに良くなると思います。
こちらも作者の印象をよく捉えられていると思います。首からの立ち上がりが美しいですね。肩周りのカタチに不自然さが残ることがありましたが、今回しっかりと観察できましたね。作り込みもしっかりとピントを合わせてこれていて良いです。構造的な狂いに気をつけつつ毎回このレベルまで持っていきましょう!
続いてモリエールです。途中経過を見ていないので厳密には分かりませんが、本人の話を聞く限りとても良いリズムでできていたのではないかなと思います。毎回言うことですが、良い時も悪い時もその時の制作リズム、メンタリティがどうだったのかをしっかりと反芻して思い返すようにしてください。そうすることで良き時の打率がもっと上がるんじゃないかなと思います。このデッサンは良きですよ!
毎回力強く表現していけることが魅力の作者ですが、今回は力強さもありながら空間性も綺麗にできていると思います。やや向かって左側の髪の毛あたりの色が全体に馴染んでないかなと思います。途中段階での均一なやり取り(白を抜く時、描写を黒で線っぽく捉える時)が絵をダメにすることが暫し見受けられます。全体を広い視野でさらに包括しつつ探っていけると良くなると思います。
自主的にアバタをしっかりと作り切ることを目的に制作しました。ここまで作れると気持ちいですね!!学びも多かったと思います。短時間で制作する際にカタチ・像の印象を陰影で見ると言うことももっと取り入れていって欲しいです。そうすることでより印象を近づけることができると思います。
続いて構成課題です。シンプルな構成ですが、しっかりと作り込まれていて好感が持てます。マスクの陰もうちょっと濃くても良いかも。最近自然に柔らかく印象を見るということができるようになってきていていて良いです。見方が強引に、硬くなる時は必ず精神的に不安定な時(焦ったり、不安だったり)だと思います。常に冷静に平常心でポジティブにとは人間だから無理だとは思うけど、気持ちが落ちてる時こそ踏ん張ってそっちに流されないようにするリズムを作れると良いかもですね。ロボットじゃないから難しいけど、、、頑張ろう!
続いてパジャントのデッサンです。途中から見ていましたが完璧なやり取りでした。奥と手前の設定でギクシャクすることがたまにあったけど今回は完璧でした。今回できたリズム感を脳みそに刻んでください。さらなる飛躍を期待しています!!
白が明快で見ていて気持ちが良いデッサンです!色幅を豊富に使えるようになってきましたね!空間性もレベルが格段と上がってきているのを感じます。良いリズムで制作できるようになってきているので途中段階で視野が狭くならないように、特に色味のコントラストがキツくキツくならないように注意しましょう。今後が楽しみです。
以降の2枚はコンクールなので指導なしになります。出だし3時間しか見ていませんでしたが、唯一像をアウトラインとしてではなく量感として捉えられていました。だからこそ印象が出だしからよかったです。欲を言うと奥側の色味がちと似ているような気がします。(白よりのグレーが多すぎかも)あと手前が強くできているから顔ももうちと強くてもいいかもね。
出だしでプロポーションが狂ってましたが、自力で直していけました。出だしの狂いがもうちょい抑えられればとは思うけど、毎回狂いを直しつつ上げていけるので良いかもです。奥側の体の見え方が伸びちゃっているように見えます。切り口の高さが低いのかな。また手前と奥での白の色味が似ているのも気になります。さらなる高みを目指して頑張りましょう!もっといけると思う。
続いて夜間部の作品紹介に移ります。
まずは自刻像から みんな本当に上手くなってきましたね!人体的な構造への理解も、粘土の扱い方も深まってきました。それでいて自然に観察を続けられていて素晴らしいです。髪の毛の表現についてはさらに研究していきましょう!!焦らずじっくり上手くなっていきましょう!今後がさらに楽しみです!
続いてパジャントのデッサンです。大きな全体感をしっかりと押さえつつ、細部にまで意識が行き届いていて魅力的な絵作りができています!とにかく全体で進めていくことだけを意識していきましょう!それに持ち前の観察眼と表現が乗っかれば自ずと良い作品にできるはずです。
空間が綺麗なデッサンに仕上げることができました。白の色味も豊富で美しいです!作品の完成イメージがしっかりと持ちながら制作できていて良いと思います。少しでも違和感を感じたらラッキーだと思って直すこと、自分の判断に自信を持ってやり切ることができれば大丈夫だと思います。期待しています。
最後に基礎科生の作品を紹介します。
二人とも素晴らしい完成度ですね、、、。本当に吸収が早く毎回驚かされます。構成は経験がなかったと思いますが、心棒の事、構成における完成度・台上の空間設定など色々知らないことをより学べたんじゃないかなと思います。どんどん上手くなってなってください!
良い作品が多く長くなってしまいましたが以上になります。