月別アーカイブ: 2015年5月

渋谷校のデモンストレーション制作

こんにちは、渋谷校、古関です。

今日は渋谷校の授業の様子を紹介します。
先週は受験科デザインコースでは石膏デッサンを
制作していました。

芸大の大学1年生が隣でデモンストレーションで制作したり、
学生の先生が着彩やデッサンを制作してお手本を見せたりと、
わりと和気あいあいと制作しています。

この後も6月21日に1日体験があったり、
1周間無料体験などもあります。

まだ、予備校の決まっていない高校生は、
ぜひこの機会を利用してみてください。

授業の様子の写真は撮り忘れてしまいましたが、
デモンストレーションの作品の一部をご紹介します。

渋谷校

渋谷校デモンストレーション

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映像科:木金日コースの近況・自由研究発表

こんにちは。映像科の森田です。
先週日曜日の午後はGW期間の宿題だった、映像に関する自由研究の発表をしてもらいました。「今自分が興味を持っているアーティスト」または「今自分が興味を持っているジャンル」についてリサーチをしたことを、一人ずつプレゼンテーションしてもらうというシンプルな内容です。
こういった発表形式の授業は、もちろん推薦入試を受ける予定の人にとってはそのための対策(プレゼンテーションに慣れるためにも)となりますが、同時に一般入試で受験する人にとっても、一度受験から離れて自分が「本当に好きなもの」を掘り下げてみる良い機会になります。何より他の人の発表を聞くことが面白い。

当初の予定では「一人大体15分」ということでスケジュールを組んでいましたが、その時間では全然収まりませんでしたね。。でもむしろそれくらい喋れる内容があるという意味では全然OK。人前で喋るのがあまり得意じゃなくて…という人もいると思いますが、興味のあることを話していると聞いてる周りの人も自然と引き込まれてきて、結果的に思わず熱っぽく話せてしまったりします。

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ちなみに発表のテーマの例としてはこんな感じ(タイトルは必須ではなかったのでこちらでつけてるものもあり)
・ジャンルとしての「ホラー映画」
・アニメーションのオープニングとエンディングの映像について
・写真家・荒木経惟の人物写真の魅力
・ストップモーションアニメについて(AardmanとLAIKA)
・新房昭之の演出について
・アニメ『バッカーノ』のストーリーの叙述方法について

などなど。

今週からは感覚テストの対策もはじまってます。

才能について

こんにちは。油絵科の関口です。久々のブログです。今日のテーマはちょっと仰々しいですが才能についてです。

 

新美で講師をしていると、保護者会などで「ウチの娘(息子)には才能ありますか?」みたいな事を聞かれる事がよくあります。僕は大抵「大丈夫ですよ」と答えますが、ちゃんと根拠があります。それにしても、一般の方がイメージする「絵の才能がある」というのはどんな人達なんでしょうね?

 

音楽の世界ではよく「バイオリンをやるなら、遅くても3歳迄に始めてないといけない」みたいな事を聞きます。もしかすると、そんなイメージを美術にも持っているのでは無いでしょうか?

音楽と美術の決定的な違いは、道具(この場合、楽器と画材)の扱い方にあると思います。

楽器はバイオリンでも、ピアノでも、クラリネットでも、何を選んだとしても、ひとつ一つ楽器で音の出し方に絶対的なルールが存在していますし、絶対音階という言葉が存在している通り、まず絶対的なものが存在しているため、それをいかに正確に、頭ではなく反射レベルで覚えるか?という部分が大事になってくるのだと思います。(音楽に関しては完全な素人なので、間違っているかもしれません)

それに対して、美術(特に油絵)はどうでしょう。道具の使い方は人によって全然違いますし、絶対的なルールみたいなものも存在しないと考える方が自然な気がします。よくピカソが11?2歳頃に描いたデッサンが抜群にうまくて、だから後に描かれた訳の分からない絵はきっとスゴいんだ…みたいな風潮があります。僕も以前このブログでピカソの若い頃のデッサンを紹介した事もありました。しかし、正確で抜群のデッサン力があったからと言って、一流の美術作家になるとは限らない。と僕は考えています。

 

以前ネットで天才少年、天才少女と謳われている記事を発見しました。

一人はイギリス人のキーロン・ウィリアムソン君。キーロン9歳
わずか9歳の少年が描いた、という風には思えない程上手に描かれていますし、この時点で二流のプロの画家よりも遥かに良い絵だな…と思います。

彼は今13?4歳の筈です。

 

もう一人はアメリカ人のアキアネ・クラマリックちゃん。
アキアヌ4歳
この子も4歳とは思えない程の観察力と良い表情を描いています。

アキアヌ6歳
6歳の頃に描いたこの絵も生き生きとして、抜群に良い絵ですね。

アキアヌ13歳
13歳ではこんなに上手くなっています。

アキアヌ16歳
16歳ではこんな感じ。うーん確かに上手なのですが、ちょっと雲行きが怪しくなってきましたね。

彼女は1994年生まれという事で、皆さんとあまり変わらない年齢ですね。
彼らがこれからどんな活躍をするのか?楽しみではありますが、潰れてしまわないか…心配でもあります。ある程度大人になり、美術の奥深さを知って、どの要に変化して行くのか?の方に僕は興味があります。
あとこの記事を読んで、歳下の彼らが描いた絵より下手で、落ち込んだ人もいるかもしれませんが、美術は高校生やある程度大人になってから始めたとしても、全く問題ないと思っています。美術の世界は神童と言われる人しか活躍できないジャンルではありません。長い、長?い道のりです。自分の興味のある事に没頭し、好きな事をとことん追いかけて行ってもらいたいと思います。その先に自分にしか出来ない事がきっと見つかる筈です。

 

 

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あと、私事でたいへん恐縮ですが、5月28日から横浜のJR石川町駅近辺にあるギャラリーアークで個展を開催します。興味のある方は是非お越し下さい。風のサーカス1
風のサーカス  F8号キャンバスに油彩

ギャラリーアーク
http://ark.art-sq.com

彫刻科 実材実習!!

こんにちは!彫刻科の新任講師の稲田です。よろしくお願いします!!
4月からの緊張感も少し緩んで来た頃ではないでしょうか。彫刻科はこの時期、実材実習に突入しています!木彫や石膏取りなど普段はなかなか縁のない素材に触れる事で新鮮な経験となると思います。
ということで、今回は生徒の作品&実材実習のレポートです。おまけで新任講師の自己紹介がてら制作している作品の紹介もしていきます。
では!さっそくデッサン&塑造の作品から紹介して行きましょう!!

円盤投げ(木炭デッサン)
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円盤の動きに反応して実直な観察が好感が持てるデッサンです。構造的にもう一歩踏み込んで行けるとさらによくなるでしょう。

ミロのヴィーナス頭部(模刻)
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良い観察から生まれた模刻です。像の持っている張りやたるみにまで神経が行き届くようになるとヴィーナスらしさにもっと迫れるでしょう。

 

 

ここからは、実材実習の様子を紹介します!!今回紹介するのは、木彫です。各自「手」をテーマに取り組んでいます。

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まずは、木に作りたい形をデッサンしていきます。

 

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次に、大きくのこぎりや鑿で形を彫り出していきます。

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鑿とハンマーで彫り進めます。

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鑿の扱いにも慣れてきました。

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みんな、だいぶ手の形が出てきましたね!あと1週間完成に向けてファイト!!
実在実習は木彫組と首像の石膏取り組と分かれて行いました。石膏取りは次回紹介します。

 

 

最後になりましたが、簡単に僕の自己紹介がてら、過去の作品を紹介して締めくくります。
僕は大学に学部、大学院の修士過程、博士過程と9年間いたのですが、その間何をしていたかというと、、、ただひたすら制作していました。大学の思い出は、夏に蒸し風呂みたいな木彫室で木を彫っていた記憶と冬の極寒の中、外で石を彫っていたことです。それでも、その経験があるからこそ自分を信じて制作を続ける道を選んだと思います。
生徒のみんなも大学生として生活する日が来ますが、今日やっておけばよかったとか明日やればいいやという気持ちでは自分が納得出来る作品は絶対に作れません!!今日することは今日のうちに!!新美での1年を実りあるものに一緒にしていきましょう。言いたいことは言いましたので過去の作品を紹介して終わりにします(笑)

修士過程で制作した作品「かわきの肖像」

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修士過程で制作した作品「きえさるひと」

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博士過程で制作した作品「ある日の肖像」

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博士過程で制作した作品「静かな立像」部分

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博士過程で制作した作品「ひとりとふたり」

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こんな感じで僕は人の形をテーマに作品を作ってきました。話し出すと切りがないので作品を紹介するだけにしましょう。ちょうど実材実習で木彫を彫っているところです気になることがあったらどんな質問でもどんどんしてください!!

次回は一巡して小川原先生です。よろしくお願いします!!

グループ立体

こんにちは。建築科講師の半田です。

先週は初めての立体構成をグループ課題として行いました。

まずは簡単に道具のレクチャーをし、スチレンボードで立方体などをつくる練習をし、部材の勝ち負け、接着の方法、綺麗な切断方法を学びます。

その後チームに分かれ、各チームに1500円を渡し、立体を作ってもらいました.

今回のテーマは「霧」です。作品は後ほど写真を上げます。

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立体構成は各美大の主要試験課題でしたが、最近はなくなる傾向にあり、「大学新入生は模型の施工がよろしくない」と方々で耳にします。

立体構成は、頭で考えるだけの空間構成とは次元が違います。3次元なのです。

立体構成という課題ははじめて、建築科志望の生徒が「構造」と「施工」に向き合うとっても身になる課題でした。造形力もこの課題で養います。

この入試課題がなくなってしまうことはとても残念でしかたがありません。建築がフォルムだけを気にする時代が終わったとはいえ、それでもやはり美しい形を自分で創造する経験は必要であると、新美建築科は思っております。ディティールへの感性もここで養うのですから、予備校では当然、立体構成をするべきだと考えている次第です。

立体構成の面白いところは、思い通りに行かないところにあると個人的には思います。

時間が足りなかったり、部材の計算を間違えたり、しなってしまったり、思っていたように成り立たなかったりしたとき、それらの事件を瞬時に捉え直し臨機応変に対応して行くことで、自分の頭のなかを超えたデザインが生まれ、ボキャブラリーが増えるのです。Serendipityという語がありますが、まさにそれで、手を動かさないと気づけないことがあることは、建築をしている人なら誰でも知っています。

しかしそれも、ある程度作れるようになってからでないと気づけないような楽しさであるとは思います。

ですからもちろん今回、生徒は悪戦苦闘しながら、はじめてらしい立体作品をつくりました。

施工や時間配分やデザインはまだひどいものですが、現象の抽出は悪くないと思います。

半年後にはきっちり表現できるように、鍛えていく所存でございます。

 

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