カテゴリー別アーカイブ: 新美

《基礎科》あなたの「〜の秋」は?

このタイトル、去年もブログで使った気がする…。

夏期講習が終わり、9月になり暦の上ではしっかりと秋ということになっているのですが、
夏の気配がまだ全然残っていますね。

授業始まりの外の明るさがついこの前は明るかったのに、気づけば6時くらいで少しずつ暗くなってきています。それでも今年はなんだか暑さがこの季節になっても全然居座っている気がします。(早く帰って欲しい、、、)

先日東京芸大の藝祭があったのですが、無事3日間晴れで多くの方が訪れていたようです。
アトリエでも「〜〜先生に会えました!」なんていう声もちらほらと耳にしました。

基礎科は全員芸大生なので、いつもアトリエで教わっている先生と
ちょっと違った一面が見れたかもしれません。
なかなか先生たちの普段の作品を目にするチャンスがないので、
改めて、「こんな作品作れるんだ〜すごい、、、」
となるかもしれないですね。
(先生の作品をアートマーケットで買えた方もいるかもですね!)

さて、そんな暑くても暦の上では秋ということで、
秋といえば「〜の秋」というわけなのですが、
皆さんはいったいどんな秋を思い浮かべるでしょうか?
芸術の秋、食欲の秋、運動の秋などなど(なんでもいいじゃねえかって気もしますが…)

基礎科では本読むのが苦手だよ〜という声を時々聞くので、
『読書の秋』ということで私が最近読んだ本(読んでる本)を紹介します。

【三体】
夏休みごろに半年ぐらいかけて全巻読み終わったのですが、中国の有名なSF超大作です。
Netflixでも実写化されて話題になりましたね。
とにかくスケールがデカいです。日頃考えてることのスケールの小ささに気付かされるぐらいに。
でもその壮大な宇宙という舞台の中でも、人間の本質が浮き彫りになってくるのが
とてもハッとさせられます。めちゃくちゃ長いですが、次から次にページをめくりたくなってしまう作品でした。

【ニューロマンサー】
サイバーパンク、ネオトーキョーという言葉が生まれるきっかけとなったSF小説です。
今のアニメや漫画、映画に大きな影響を与えたと言われています。
実際読むと色々な見たこと聞いたことのある描写が登場します。
今はよく見かける世界観をこの当時小説として、ここまで作り上げていることに驚きです。
そして内容に関しても40年前の作品なのに、現代にも繋がる描写がたくさんあったりします。
アニメや漫画に影響されて美術の世界に来る人も多いと思うので、ぜひ読んでみてください。
(ただし文章のクセがすごいので、かなり読みにくいです、、、そこが最高なんですが。)

【100のインフォグラフィックで世界を知る 〈世にも美しい教養講義〉超図解・宗教 】
デザインの仕事をしていて、相手に言葉でなくビジュアルを用いて一瞬で
内容を伝えたい時、インフォグラフィックはとても便利です。
現在こうしてる瞬間にも、世界中で争いが続いています。
戦争と宗教というのは密接に関わっており、その戦争を知るためにも宗教をまず知るところから始めてみる。
そういった時にもインフォグラフィックって便利だと思うんですよね。。
実際にハードルの高い内容が、すっと入ってくるので、内容的にもビジュアル的にも勉強になりました。

【人新世の「資本論」】
止まらない環境問題、今年は特に感じる暑さや異常気象。このまま世界の経済が動き続けて、
本当に環境は良くなるのだろうか??エコ運動でどうにかなるものなの??
という問題に真っ向から立ち向かってる本。
マルクスの資本主義に対して、今の世界が向き合うべき新たな形について話しています。
作品を作ったり表現したりできるのは、当然世の中が平常でないと行えない活動です。
また、デザイン科は特に環境問題に関して絶対無視できない科ですから、ぜひ読んでいただきたい本ですね。。

【暗黒神話/諸星 大二郎 】
こちらは漫画です。
ホラーというのか、不思議な話というのか、伝承とか土着神話とか、そういう風土に密着したような話をベースに描く、有名な漫画家さんの代表作です。
高校の時よく読んでいたのですが、色々あって、最近また読み始めました。
普通のページでさえ絵ががおどろおどろしく、何か起きる感じしかしないです。終わり方も伏線回収とかそんな親切なものじゃなくて、ぶん投げっぱなしというか、そこがなんだか逆にリアルだったりとかして、
なんだか諸星先生の作品はクセになるのです。

さていくつか紹介しましたが、
いかがでしょうか。

美大といえど、学科は大事です。
国語が苦手という人は、本を1冊読んでみる。
そこから始めるのがおすすめです。

図書館や、本好きの人なんかにおすすめの本を教えてもらって、
とりあえず、面白いなあ〜と思える作品と出会ってみてください。

おすすめの本があったら、僕にもぜひ教えてください。

映像科:二学期授業スタート!

こんにちは。映像科です。
「9月に入って少しずつ涼しくなって・・・」と書きたいところですが、まだまだ夏のような暑さが続いています…!そんな中で二学期の授業もスタートしました。引き続き木金日の週3日のコースを開講しています。

ここから12月までは実技と学科を並行して進める大切な時期です。人によっては成長を感じづらい時期(一学期から夏にかけてめざましいレベルアップをしたからこそ)かもしれませんが、この時期の経験が最終的な受験直前期の蓄えになります!焦らず一課題一課題を大切に制作していきましょう!

以下はこの先一ヶ月の映像科の授業です。

・9/12(木)全科合同課題/総合型選抜対策(主に武蔵美映像クリエイション)
・9/13(金)全科合同課題/総合型選抜対策(主に武蔵美映像クリエイション)
・9/15(日)全科合同課題/総合型選抜対策(主に武蔵美映像クリエイション)

・9/19(木)小論文or鉛筆デッサン 特訓課題A
・9/20(金)小論文or鉛筆デッサン 特訓課題A
・9/22(日)祝日のため休校

・9/26(木)小論文課題or鉛筆デッサン課題 制作
・9/27(金)感覚テスト型課題 制作
・9/29(日)感覚テスト型課題 制作/小論文課題or鉛筆デッサン課題、感覚テスト課題 講評

・10/1(木)小論文課題or鉛筆デッサン課題 制作
・10/2(金)感覚テスト型課題 制作
・10/4(日)感覚テスト型課題 制作/小論文課題or鉛筆デッサン課題、感覚テスト課題 講評

・10/10(木)小論文or鉛筆デッサン 特訓課題B
・10/11(金)小論文or鉛筆デッサン 特訓課題B
・10/13(日)公開コンクール(武蔵野美大映像学科型 実技&学科模試)学科試験、感覚テスト 制作
・10/14(月・祝)公開コンクール(武蔵野美大映像学科型 実技&学科模試)小論文or鉛筆デッサン 制作/講評会

10/13・14の公開コンクール(実技&学科模試)はすでに受付がはじまっています!
例年外部からも多くの受験生にご参加いただいています。
詳しくはこちらから!

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オンライン教育科(映像コースも開設)

二学期に突入!彫刻科

こんにちは。彫刻科の佐宗です。

今回は夏期講習終盤から二学期に突入した今の、夏の終わりと早秋の秀作を紹介します。気温も作品もまだまだ暑く、熱く制作しています!

夏期講習は特に現役生の伸びが素晴らしかったです。初の受験に向けて、スポンジのように吸収していく姿がとても頼もしく、これからにも期待です!

こちらは夏期講習最後のコンクールでの秀作です。

かっこいい描写も、バシッと合わせた形に乗らなければ意味がありません。

こちらは自画像の秀作です。今年度は鉛筆デッサンを強化してきました。芸大受験では素描の課題は無くなりましたが、ものを観察し描き起こすというのはとても大切な訓練になります。鉛筆は木炭と比べて描いた痕跡が残りやすく、積み重ねが見えてきやすいので自分としても上手くなった実感が得られやすいと思います。みんなかなり鉛筆の使い方にも慣れて、良い作品がたくさん出るようになりました。


とても印象が良い2枚です。ブルータスはここから描写が進んでいけばかなりカッコ良くなりそうです!

二学期に突入して初のデッサンは円盤投げの背面です。筋肉隆々でラインが多い正面から見るよりも筋肉の柔らかいつながりや大きな形が見えやすい背面、かっこいい!
空間を含めて良く描けています。

熱く、暑すぎた夏が終わり(まだまだ暑い。。)少しずつ秋に向かっていきます。ぐんぐん伸びた夏の力を、しっかりと身につける秋にしていきましょう!

映像科:夏期講習会終了!!!

こんにちは。映像科です。
今日27日は夏期講習会の最終日。長かった夏の講習もついに終わります。
皆さん、お疲れさまでした!(と言っても映像科の講習は先週20日に一足先に終わっていました…)

映像科の講習の最後の二日間は、武蔵美映像学科型コンクール。
4つのタームの集大成として充実した作品が並びました。またあらためて武蔵美の評価基準を過去の倍率データなどを交えて確認しました。

夏期講習を通じてレベルアップを感じるとともに、次なる課題が見つかった人もいると思います。
受験の実技はテストであると同時に「作品」です。作品は鑑賞する人とのコミュニケーションでもあることを意識しながら、より魅力的な場面を発見する力を身につけていきましょう!

お疲れさまでした!!

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《基礎科》オリジナリティを探しています

毎回この話ばかりを持ち出してしまって申し訳ないのですが、、、

つい先日(?)閉会したパリオリンピックのブレイキンという種目で
今回の日本選手団の騎手も務めた男子代表のBboy shigekix (半井 重幸)さん。
有名な大会でも優勝してたりして、メディアでは”ほぼ金”などと言われていました。
(ほぼ金って何だよって感じだし、こういう持ち上げ方ほんと良くないと個人的には思いますが、、、)

しかし試合結果は4位、メダルにも届かないという結果でした。
内容自体はいつものshigekixのムーブ、むしろいつもよりキレッキレの難易度の高い技を
ほぼミスなく連発し、相手を圧倒していました。
それに対して、「なぜあれでメダルを取れないのか?」「なぜ相手よりすごい技をやったのに、
負けるのか?」というネットの声が上がっていました。

ブレイクダンスというのは一般的なイメージとして、ヘッドスピンやウインドミルという
大技(パワームーブ)をメインとしたダンスのように見えるのですが、
実はそれだけではなく、立った状態としゃがんだ状態の(トップロックやフットワーク)ダンスを含めた全体の構成や表現力、
オリジナリティの部分がかなり大事になってきます。

難易度の高い技というのは、体力がありマッチョな人だけが行えたり向き不向きがあったりします。
それだけが良しとされてしまうと、体操と変わらなくなってしまいます。
大技ができない人にとっても、オリジナリティで戦うことができるのがブレイクダンスなのです。
根元には、ダンスというのは正解がなく、無限の表現方法があるということなんじゃないかなと思います。

得点に繋がる答えが一つではなく、さまざまな戦い方があり、逆に言えば自分の戦い方を
自分で見つけなくてはいけない。

女子代表で金メダルを取ったBgirl AMIさんが取材で試合前にこのように語っていました。
「ブレイキンは自分にとっては表現。つまりアート。それが五輪種目になって勝負ごとになるとブレイキンの良さが潰されるのではと当初危惧した」

女子のブレイキンは、体力的にパワームーブを連発するのが難しいため
(とはいえこの10年で男子顔負けのレベルに来ていますが、、、)
そのオリジナリティの部分がより際立ちます。
試合を見ていても、ダンスを楽しんでる!という感じがして、
とても楽しいです。どの選手のムーブも個性があって、ほんとに素敵です。

今回のshigekix選手のムーブというのは、技のレベルとしては素晴らしい、
しかし、相手がもっとオリジナリティがあって、そのBboyらしさが出たムーブだった、
というのが結果なんじゃないかなと思います。

このオリンピックの結果を含めて、
あぁ、まさに美術にも繋がるところがあるなあ、
(全然小さい世界の話にはなってしまいますが)芸大の油画の試験でも
同じようなことが言えるのではないかな、と思ったりもしました。

技術としてわかりやすく言えば、見たまま写真そっくりに描くことだけが高得点ではない。
(写実も突き詰めていくとさまざまな表現方法があります、素晴らしい絵がたくさんあります。)

その人の視点や考えから生まれたその人らしさを突き詰めていった先のオリジナル。
当然、それには高いレベルの基礎力は必要で、その上で、その人らしさが求められてくる。
きっと自分と向き合う時間も、いろんなインプットもたくさん必要になってきます。

自分らしい表現、自分らしさというものにオリンピック選手になっても悩み続ける。

Shigekix選手はオリンピック前からオリジナリティに関して指摘されていたらしいです。
でも、スタイルとして技巧的な部分を誰よりも研いでいくことに自分らしさ、
を現時点で見出そうとしたんじゃないかなと思います。

美術という表現の世界の入り口あたりに基礎科はあるわけですが、
夏期講習真っ只中の基礎科でも、すでにそういった悩みは生まれてきます。
基礎力をつけながらも、自分らしさって何だろうか?
自分がやりたいこと、自分がやりたい表現って何だろうか?と
悩んでる時点で、もうアートの世界にズッポリと足を踏み入れているんだと思います。

そしてその悩みというのは、きっとこの先一生付き合っていくものになるのだと思います。

当然答えは出ないですが、現時点でのヒントになるようなものや、
ヒントの見つけ方などを見つける手助けというものを、
自分達の経験を通して、生徒さんに提案していくというのが、
私たちにできることなんじゃないかな、と思っています。

当然私たちも、いまだに毎日悩んでいるわけなので、、、。

そんな夏期講習も、明日からついに最終タームに突入です。
残り1タームもいっぱい悩んで、いっぱいもがいて欲しいなと思っています。