みなさん、こんにちは。
新宿校 油絵科 夜間部の山田です。
そろそろ梅雨入りの時期に入り、気温の変化も激しくなり体調を崩しやすい季節です! 体調管理には充分に注意していきましょう!
4月のブログで渋谷校の箱岩先生が「洞窟壁画」について触れられていましたが、僕も全く同じ事をその時期に感動を受けてまして、一方的ににシンクロしている!というプラス感動の元、今回は「洞窟壁画」の中でも特に自分が心を打たれた「ショーべ洞窟」についてお話したいと思います!
そもそも絵を描いている人間であれば、誰もが「何故自分は絵を描くのか?」という問いにぶつかると思います
それは言い換えれば「何故人は絵を描くのか?」という問いと同義になります。
そして、「人はいつから絵を描いているのだろう?」という問いにも広がります。
今回お話する「ショーべ洞窟」の壁画の制作推定年数はなんと!!…3万2000年前!!
これだけでまずロマンの塊ですよね!
只、これに関してはそれまで有名だった「ラスコー壁画」が1万5000年前であり、それを遥かに塗り替えてしまったため、宣伝目的の誇張だ!と主張する人もいて、論争になってる様です。
「ショーべ洞窟」は1994年にフランス南部のアルデシュ県で3人の洞穴学者によって発見されました。今では絶滅してしまったホラアナライオン、ケブカサイ、マンモス、ハイエナ、野生のウシやウマ等々…わかっているだけで260もの動物画が描かれているそうです。
動物好きとしてはユーラシア大陸にライオンやサイがヨーロッパにいたという事実が絵で表現されているという事自体にテンションが上がってしまいます!
しかもこれ、フラットな面にではなく洞窟の凸凹を利用して反立体で描かれています!更に炭の濃淡の調子もうまく利用して写実的に表現されています!
当時、制作者は深い洞窟の中で作業をしている訳ですから、当然明かりがないと絵は描けません。深い洞窟の中で火を燃やし続ければ当然酸欠状態になるので半分トリップ状態で幻覚を見ながら描いていたと言われています。
大学時代、ある映画監督から面白い事を聞きました。「人間が映画館に行くのは古代の暗い洞窟の中で火を囲み、音楽を鳴らし、幻覚や幻視を見ていたのと同じ事をしている。」
洞窟壁画は絵画でもあり、インスタレーションでもあり、果ては映像作品とも考えられる!
あらゆる芸術表現のルーツと言えるのかもしれません!!
ではまた!