月別アーカイブ: 2017年3月

フクロウとミミズクのお話

こんにちは。油絵科の関口です。
さて、今年の芸大一次試験では、油画専攻では珍しく鳥の剥製が出題されましたね。恐らく過去を遡っても剥製が出たのは初めてではないか?と思います。
モチーフは選択できましたので、剥製を描いていない人もいると思いますし、剥製を描いて落ちてしまった人には申し訳ありませんが、今回のブログはフクロウとミミズクのお話です。
フクロウ
ところで、皆さんはフクロウとミミズクの違いはご存知でしょうか?耳が付いているか付いてないか、の違い?いやそんな馬鹿な…と思ったあなた。実は正解です。簡単な分け方ですね(笑)。ミミズク
正確には羽角というもので、あれは耳ではなく飾り羽なのですが、日本では耳に見立ててミミズクという名前が付いているそうです。生物学的にはフクロウもミミズクも殆ど一緒のものらしいです。ちなみに今回出題されたミミズクは、受けた人の話を統合すると、トラフズクという種類ではないかと思います。
フクロウはその可愛らしい外観とは裏腹に、猛禽類というワシやタカに近い分類になります。他の鳥と決定的に異なるのは、夜に活動して狩りをする、夜のハンターという点でしょう。
正面に目が付いているのは、肉食の捕食動物の特徴で、両眼で1つのものを見るという仕組みは、獲物までの距離を正確に把握する事が可能になるのです。その代わり、フクロウの仲間は眼球が殆ど動かせず、視野も人間より狭いので、辺りを見渡す時には首を回転させるしか手立てがないそうです。ミミズクの目
確かにこの鋭い眼はどう見ても獲物を狙うハンターの目です。

 

大きい顔は、獲物の音を聞き逃さないよう進化したようです。メンフクロウを始めとするフクロウの多くの種類は、耳の付いている位置が左右で異なり、左右の耳に届く僅かな時差で、音の方向をより立体的かつ正確に把握する能力が備わっているのだとか…。メンフクロウ
メンフクロウ

動物の獲物や敵の位置を把握する能力を定位と言いますが、フクロウの仲間は音源定位という能力を備えています。脳内にある細胞が、空間内の特定の領域から発した音のみに反応するんだそうですよ。凄いですよね。ところが今回のモチーフにあったトラフズクは、どうやら両耳の位置は左右対称らしいです。メンフクロウとトラフズクは脳の構造も違うんでしょうかね?・・・自然界って摩訶不思議です。
今回の知識の半分くらいはCS番組のアニマルプラネットから得たものですが、こういう事実を知ると、本当に自然界の奥深さを感じます。

二次試験まであとわずか。一次を通過した皆さん。是非頑張ってきて下さい。

彫刻科 芸大1次試験!パジャント!

こんにちは!彫刻科の小川原です。新美彫刻科は多摩美、ムサ美入試は全員一般入試もセンター利用入試も補欠を出すこと無く合格!素晴らしかったです。

さて、今日は芸大の1次試験でした。パジャントでしたね!パジャントはシンメトリックな構造ですが、微妙な動きがあったり、顔を似せるのが難しかったり、衣のシワを描きすぎて汚くなってしまったりと、かなり繊細に見ていかないといけない像です。とは言え胸像なのでプロポーションは取りやすいし、大きな狂いも出にくいので皆そこそこやれたのではないかなと思います。

前回のブログでも1枚載せたのですが、入直中に描いた秀作をいくつか紹介します。

浪人生の作品。
IMG_7096-1
これは前回紹介した作品です。丁寧に全体の印象が追えていて魅力的です。質感もよく出ています。
現役生の作品。
IMG_7099
口の割れも描いて完成度の高い内容になっています。色幅が十分に使えていて堂々とした印象が良いです。
浪人生の作品。
IMG_7094
描写が美しく、実力の高さを感じる1枚です。体に奥行きを感じさせる表現が素晴らしいです。
現役生の作品。
IMG_6328
顔の正中線の位置のズレは惜しいですが、印象を探りながら合わせてくるポテンシャルを感じさせる作品です。
浪人生の作品。
IMG_6326
やや炭の粗さが目につきますが、印象良く描けています。特に体の表現には臨場感を感じます。
浪人生の作品。
IMG_6327
炭の質に重厚感を感じます。作者の自信を感じさせられます。顔の印象がもう少し似たら完璧です。

さ、まだまだ勝負は終わっていません!2次試験に向けて最後の特訓をしましょう!!みんな頑張れ!!

 

東京芸大工芸科 デッサンデモンストレーション

工芸科です。
今年の芸大一次試験は、石膏像モリエールでした。
新美講師の池谷先生に、早速デモンストレーションしてもらいました。

いよいよ受験の新高3生の皆さん、ぜひ参考にしてください!

基礎科生、受験生になる。 03

今年度の新宿校基礎科の日本画着彩作品の一部をご紹介します。

短い時間で、与えられたモチーフを実際に自分で組んでみて描く、という静物着彩課題。

生きたウサギをモチーフに描く、着彩課題です。

静物着彩課題は、
短い時間を使い、いかに自分が描きやすいモチーフ組をするか、、というバランス感覚も問われる課題です。

ウサギの着彩課題は、
常に動いているウサギをよく観察し、特徴的な動きや体の作りを、クロッキーする力が問われる課題です。

 

基礎日本画02

チューリップの花が自然な色で描くことができてきていてとっても良いです。

基礎日本画03

芸大や私大の試験でも、実際にモチーフをそれぞれ渡されて好きな構図で組み完成をさせなければいけません。
受験生になるということはモチーフを組むことが必須になるのです!

指導の際には普段受験生がどのような点を気をつけているのか、そもそも構図を組むことで自分に何ができるようになるのか、
出題者がモチーフを出した意味、個数、色、質感、、、等
ただ綺麗に組むというだけでなく素材を上手く活かしていきながら組まなければいけません。
構図を組むという行為はとても奥が深く、今後作家として活動していく時にも必須になるスキルなのです。
受験生になる前に頭をフルに使い、個人で静物着彩について考える、良い機会となりました。

基礎日本画04

基礎日本画05

後ろ姿もなかなか様になっています。

基礎日本画06

ウサギの着彩も同様に、いかにウサギらしいポーズが捉えられるか、ウサギの骨格や筋肉などの構造を理解できているか。
ウサギの入れ方もポーズによっては縦構図にするのか、横構図にするのか、端に寄せるのか、真ん中に入れるのか、、、
ただよく見て描くだけではなく静物着彩と同様に素材を上手く活かしながら画面を構成していきます。
実際に生きている動物を描いているのでモチーフの生命力なんていうことも気にしていきながら描いていきます。
生きているからこそ途中で飛んだり、跳ねたり、フンをしたりなど。普段座ってただ描いている時とは違うライブ感も楽しめます。

日本画はよくデッサン力があって描写する科だと言われます。
しかしそれだけではどうしても良い絵が描けるというわけではありません。
構図ありきの描写、描写ありきの構図です。
絵画と呼ばれている作品と構図というものは切っても切り離せない関係なのですね?。
受験生になるみなさん、いつかこのことが理解できるようになれば、きっともっと楽しく絵が描けるようになりますよ。

合格者再現作品の展示、開始しました(渋谷校)

こんにちは渋谷校です。

私立の発表も終わり、後は芸大などの国公立の入試のみとなりました。

渋谷校ではひと足早く、私立デザインなどの一部の合格者の再現作品の展示を行っています。

日曜日以外の午後3時から8時ぐらいまで行っています。

他のイベント等とかぶっていると見られないことがあるかもしれませんので、気軽に問い合わせ下さい。

IMG_3197-2 IMG_3198-2

少し前に実施された推薦試験の合格者再現作品なども一緒に展示します。興味のある方は是非見に来て下さい。

IMG_3199-2

他の校舎でも3/12から実施いたします。