月別アーカイブ: 2021年6月

日本画:細密のすすめ

こんにちは。日本画の佐々木です。
今回は、細密の「リアル感」って一体どこを描けば出るの?というお話。

表面描写+光+距離。。。それらが合わさった時に見えてくるのが、いわゆる「状況」です。
同じサザエの表面でも、近い、遠いを感じる。
それを描くにはどうしたらいいのか。そこにどんな差があるから、見た時に距離を感じるのか。
その悩みにたどり着いて、試行錯誤できたら、細密課題として一つの成功なのではないかなあと思います。
空間ごと丸っと紙の上に写しとる。そこまでやり切ってこそ細密。

この、細密での観察は決して細密課題だけのものではありません。
細密でじっくり取り組んでも状況が描けない人は、そもそも状況の観察までたどり着けていない人。
普段の12時間制作でも、状況が描けてないんです。

細密は、自分の観察のレベルを確認するにもいい課題ではないでしょうか。
レベルアップの夏に向けて、いちど自分の限界を確かめてみましょう!

映像科:映像制作実習

こんにちは。映像科です。
先週の木金日コースの授業では、映像制作の実習授業を行いました。
グループに分かれて、メンバーでアイディアを出し合いショートムービーを制作するという内容です。

テーマは「ある人が写真を撮る理由」。このテーマから自由に発想して貰いました。
写真を撮る人を動画に登場させることから、映像におけるカメラの役割(主観ショットor客観ショット)や、編集でのショット同士の繋がりについて考えて貰うという出題意図がありました。映像におけるカメラワークは実写アニメ問わず非常に重要です。また、今後感覚テストなどの映像科の受験対策を行う上でも意識しておきたいポイントになります。
短い時間での制作でしたが、無事に3本の映像作品が完成!日曜日の午後には上映会兼講評会を行いました。

いよいよ一学期も後半。
夏期講習会に向けて見学や体験入学を検討されている方のために、今後のカリキュラムは以下のようになっています。
なお、7/1〜4は「夏期直前講座」として、受講することが可能です。ぜひご参加ください。
※カリキュラムは今後変更される可能性があります。

【6/10(木)・11(金)・13(日)】
・映像鑑賞課題「作品を鑑賞してプレゼンテーションする」
・感覚テスト対策スペシャル(合格者作品解説・制作)

【6/17(木)・18(金)・20(日)】
・小論文対策or鉛筆デッサン対策課題
・感覚テスト対策課題

【6/24(木)・25(金)・27(日)】
・小論文対策or鉛筆デッサン対策課題
・感覚テスト対策課題

【7/1(木)・2(金)・4(日)】
・小論文対策or鉛筆デッサン対策課題
・感覚テスト対策課題
(一学期末コンクール/夏期直前講座として実施)

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先端芸術表現科の近況と夏期講習

こんばんは。先端芸術表現コースです。

5月から6月にかけては、1次対策として素描・小論文を進めながら、素材の概念を捉え直すワークショップや、記録について考えるワークショップ、インストラクションを作品として捉えてみるようなワークを行いながら、制作や表現について複数の観点からアプローチしてみました。

先日行われた講評会では、それぞれの受講生の興味が垣間見えるようなアプローチがみられてきたので、これから制作や活動を見ていくのが非常に楽しみです。講師の方も受講生の活動に応答できるような姿勢を常に整えながら進めていきたいと思います。

さて、今年度の夏期講習は以下の日程で進められます。

1期夜間一次対策コース1 17:30-20:30
7月14(水) 一次対策(素描・小論)
15(木) 一次対策(素描・小論)
16(金) 一次対策(素描・小論)
17(土) 一次対策(素描・小論)

2期夜間一次対策コース2 17:30-20:30
7月19(月) 一次対策(素描・小論)
20(火) 一次対策(素描・小論)
21(水) 一次対策(素描・小論)
22(木) 一次対策(素描・小論)
23(金) 一次対策(素描・小論)
24(土) 一次対策(素描・小論)

3期総合コース1 9:30-18:30
7月26(月) 初日ガイダンス・課題演習1
27(火) 課題演習2
28(水) 一次対策(素描・小論文)
29(木) 一次対策(素描・小論文)・合格者ゲスト 講評
30(金) 制作日・制作面談
31(土) 講評会

5期総合コース2 9:30-16:30
8/9(月) 初日ガイダンス・一次対策(素描・小論文)
10(火) 一次対策(素描・小論文)
11(水) 一次対策(素描・小論文)
12(木) 総合実技
13(金) 制作日・制作面談
14(土) 講評会

6期総合コース3・コンクール 9:30-18:30
8/16(月) 初回ガイダンス・一次対策(素描・小論文)
17(火) 一次対策(素描・小論文)
18(水) 一次対策(素描・小論文)・制作面談
19(木) 講評会
20(金) コンクール 一次試験
21(土) コンクール 総合実技・面接

各コースはそれぞれ独立して受講することが可能になっていますので、どのコースを受講すればいいのかなど相談したい方はぜひお問い合わせください。

また、夏期講習直前には、総合実技と個人資料ファイルに特化した1日講座も開かれます。

7月11日(日)9:30-17:00
先端芸術表現科
総合実技対策+合格者個人資料ファイル解説
https://www.art-shinbi.com/event/2021/21event-s_s_s/s_s_s-G.html
こちらの講座では、先端芸術表現科の2次試験に絞った解説と対策を行いますので、2次試験の概要を知りたい方はぜひご参加ください。

それでは、先端芸術表現科でした。

 

ごみ箱の作り方

こんにちは、秋葉原校です。新年度が始まって二ヶ月が経ちました。

なんとなく入学時期を逃しちゃったかな~という方も、この時期はまだ毎週のようにご相談や体験、入学がありますので、今からのスタートでも大丈夫ですよ!ぜひ一緒に新美秋葉原校で受験に向けて頑張りましょう。

今回は意外と知ってそうで知らないひとも多い?ごみ箱のつくり方について。

本物のごみ箱は、各アトリエに1~2箇所しかないので、自分専用のごみ箱があると安心ですね。

今回はA4コピー用紙でレクチャーしていきます。

①なんの変哲もないA4のコピー用紙です

②手前に半分に折ります(上側が折り目、下が2枚の紙が重なっている状態です)

③△の形を作るように、横に広げながら折ります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④裏返して、後ろも同じ形になるように折ります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑤真ん中の線から右側を左側へ、左側を後ろ側へ折ります。裏側も同様に行います

⑥両はじを真ん中に折ります。裏側も同様に行います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑦下半分を折ります。裏側も同様に行います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑧点線でカットして、内側に織り込みます。裏側も同様に行います

⑨完成!!

広げると、良く見るごみ箱の形になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A4サイズと木炭紙サイズで作ってみました。豪快なひとはこれくらいあると安心ですね。いっぱい削れるぞ。

ごみ箱のつくり方は、色々ネットで探すと出てきますね。

多分youtubeとかの方がわかりやすい解説動画いっぱいあると思います。

もっと作りやすい方法とかかっこいいごみ箱のつくり方があったらこっそり教えてください。
そして鉛筆は授業前に削っておこう。

それではまた。

人体彫刻は抽象彫刻?

彫刻科講師の新妻です。

突然ですが皆さん石膏像は好きですか?

僕は自分の作品制作でも石で人物を彫ることが多いので、いまだにやっぱりいい仕事してるなーと思って見てしまいます。むしろ受験してた頃よりも作品を作るほどにその完成度の高さに慄きます。

20世紀以降のあからさまに抽象化された人体彫刻だけでなく、石膏像になってるものを含む一般的には本物みたーいと言われる具象人体彫刻なるものも実はかなり彫刻家の目と手によって、身体の情報の中でいるものといらないものの要素の選別がなされていたり、逆に現実以上に協調して表現されている部分があったり、現実ではかなり厳しい動きをしているにもかかわらず自然な体勢に見せるといった離れ技ともいえる彫刻の中でのマジック、組み立て、操作が随所に散りばめられています。人間を3Dスキャンするのと彫刻家が人間を作るのとでは、人の目を通して再構成されたものに形が与えられるという点において差が生まれます。広義の意味ではどんなに写実的に作られた人体彫刻でも抽象化が施されていると言えます。だからこそ多くの美大の彫刻科が人体をあらゆる造形表現と構成の基礎となるモチーフとして位置付けているのではないでしょうか。ヘルメスやブルータスを受験課題としてだけ観るか、彫刻の大先輩の作品として観るかで興味の持ち方や発見がまるで違ってきます。

先人の残した作品はみんな何かしら学ぶべきものがあります。大学に入る前にその基礎となりえる人体彫刻を学べる石膏像を是非できるだけ興味をもって描いてみて欲しいと思います。毎日見てると慣れちゃうけどコピーとはいえ本物の彫刻家の仕事なんですよね。

では最近の秀作紹介に移ります。

そこに「いる」感が出てて、ずっとみてられるような作品だと思います。そして似てる!ゆるやかにつけた動きも効いています。後頭部側からもじっくり観れる造形の耐久度が上げてこれると良いですね。

時間をかけた制作の中で色んな試行錯誤ができた作品でした。単純に形を合わせるっていうところから作品としてどうかを考えながら作っていたのが印象的でした。こだわることって大事です。

難しい像ですが印象を掴みながら作っていけています。ここから密度をあげていってもなお全体の調和がとれるかがこの先の課題ですね。

一つ一つは何でもないモチーフですが3つが上手く機能することで新しい流れ、新しい価値が生まれていますね。構成塑像の醍醐味ですね!

上の作品とは違い重力のある静物的な構成ですが、台上の配置のリズムや見せ場の作り方がうまくいってます。構成塑像は自分が見つけた美しさを発信していく狙いが明確かどうかが重要です。

↓それぞれモチーフ室から描きたいものを見つけてきて、彫刻科だからとか関係なく、絵として良い物を描き上げることに奮闘するような時間も前期は設けています。

達磨です!思い切った構図ですが、どーんとしたインパクトを作者が感じてるんだなってことが素直に伝わります。が、まだまだイケます!達磨のピントのあい具合はさらに突っ込んでより絵の説得力を強めていきたいです。

チョイスが独特な世界観で面白いですね。扇子から壺、うさちゃんまでの一連の空間の見え方が綺麗です。手前のルービックキューブがくすんでしまったのが惜しかったですねー。

夜間部生の作品です。まだ陰影のつき方がキツかったり、ラインの見え方が強めだったりしますが、この位置から観たときのヘルメスの動きの全体感がよく掴めています。スタートから身体の内にある関係性を精査できれば修正の時間が減り、より落ち着いて完成度をあげていけます。

こちらも夜間部生作品。奴隷像の持つ激しくもゆったりとした動きの印象が伝わってきます。細部の密度を上げていくことと、後ろまで手を回せるような大きな立体感の両立を目指していきましょう。

今回は以上です!