こんにちは。油絵科の関口です。
あっという間に夏期講習も終わり、いよいよ二学期が始まりますね。
ところで、一般的に「油絵科の学生は変わった子が多い」という印象があると思います。実際、日頃から学生の絵を見ていると「何でそうなるかな?(笑)」と思う事もしばしば…。数々の伝説を残していった卒業生もたくさん見てきました。
そんな中で、毎年のように「自分は普通の人間で、何も才能がないのかもしれない…」と落ち込んでしまう学生を見掛ける事があります。
そういう人は「頑張って変わった事をしなければ…」という、一般の人からすると摩訶不思議な意識が芽生える様です(笑)。
でも本人にとっては切実な問題なんですよね。気持ちは非常?によく分かります。
自分自身が真面目である事を嫌がる人もいます。不器用な自分を許せない人もいます。
そんな事を考えていく内に、マイナス思考の深みにハマり、自己嫌悪スパイラルに陥ってしまう様です。
「◯◯さんはあんな凄い事ができる…。□□君はこんな凄い発想ができる…。△△さんは遅刻してチョロっと描いただけなのに、講評ではいつも褒められる…。自分には技術もセンスも力も…本当に何もない…一体どうすれば…こっちは必死で頑張っているのに、あの人はあんな変な事ができるなんて…自分には想像すら出来ない?(涙)」
一体今まで何十人、こんな悩みを聞いてきた事でしょう?
周りから見て、天然というジャンルの人は確かに面白いかもしれません。でも…そんな彼等にだって色んな悩みがあるんです。
「自分が本当にやりたいのは全然そういう事じゃないのに…」「いつも自分が失敗した…と思った時ほど褒められる」「あんなので評価されたって嬉しくも何ともないよ…」「いつも真剣にやってるのに笑われるなんて、馬鹿にされている様にしか思えない!すげ?ムカつく!!」
こんな気持ちが渦巻いているようです。これも正しく負のスパイラル。
どちらにどう転んでも、悩める子羊達には変わりありません。そんな彼等は、不思議なくらい自分の中にある素晴らしさに気付いていないのです。どうやら自分自身の事は、客観的に見る事が殆ど出来ない様です。
僕からできるアドバイスは3つ。
①良いところも悪いところも、それを全てひっくるめて自分である…と認めること。
②背伸びをしないで、自然体で自分らしくあること。
③どんなに辛くても、逃げずに自分自身と真剣に向き合うこと。
こういうプロセスを経て、初めて表現者としてのスタート地点に立てるのです。表現者の道に近道はありませんが、決して遠回りしてきた訳でもないんです。
最後に…以前ネットでこんな言葉を見つけたので、油絵科だけでなく、色んな事に悩んでいるあなたに送りたいと思います。どうやら見えない出口はすぐ傍にあるようですよ。
苦悩というものは、前進したいって思いがあって、それを乗り越えられる可能性のある人にしか訪れない。 だから苦悩とは飛躍なんです。
byイチロー