こんにちは、講師の新妻です。共通テストも終わり、いよいよ美大受験も最後のタームに入りましたね。アトリエの空気感もピリッとしてきました。今年は年度の初めに、在籍している学生の持ってる感覚や持ち味がみんなバラバラで、みんなに試験を通過する可能性はあるなと感じましたが、ここにきて再び同じ思いです。デッサンも塑像も、学生それぞれに他の人にはない魅力があります。そこをしっかり見てもらえるように、今一度ものを創る上でついつい弱くなってしまいがちな面(進めていくリズムの取り方、表現や理解が浅い工程の対処、絵面の言い切りや完成度、人によって結構はっきり課題は見えているはずです。)をどうカバーしていくか?僕たち講師も最後までサポートできればと思っています。
では作品紹介に移ります。今回はオールデッサンです。
素直に上手いと思います。木炭の表現力には毎回目を見張るものがあります。だからこそ些細な(時に大きな)形の違和感は命取りです。空間に物体が存在しているリアル、その精度を常に見定めましょう。
描き初めからラストまで、警戒と踏み込みのバランスが取れていて安定感がありました。まだ課題によってはそのリズムが合い切らないので油断せず形の理解とプロセスをつめていきましょう。
冬期講習辺りからデッサンのアベレージが段々と上がってきました。自分の中で腑に落ちる部分が増えてきたかな。ここまでの仕事には自信を持ちつつ、要所要所でのモチーフの美しさ、カッコよさを最大限引き出す意識が鍵だと思います。まだ高められる!
表面のライン的な表現に頼らずともモチーフの深みが伝わってくる作者の持ち味が上手く形になりました。石膏像のデッサンとしてのやり方で考えず、今画面の中のモチーフが自然であるか、そのチェックをどのタイミングでして、そこからどこまで踏み込むのか、自分の制作プロセスを試験に向けてストレスなく扱えるものに調整していきましょう。
迷いなく自然に描き進められました。いいリズム感です。弱気になった時の形の狂いの癖をどう自浄するか、中盤以降に表面の形のもったり感をどう締めていくか、頭でグルグル考えるより意外とシンプルなことの連続だったりします。シンプルイズベスト!やるべきことをやれば良いの精神で!
続いて夜間部生です。
入直講座初日に描き出し2.5hのデモンストレーションを見てもらって、前半の精度の追求度と描写に入る前に設定できる布石の表現を見てもらいました。一枚でグッと絵の印象が上がりました。柔軟で貪欲な現役生ならではの成長は頼もしいです。
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制作時間が短くなってきても食らいついています。自然にモチーフを観察している良さがあり、昼間部生に引けを取りません。
今回はこの辺で。「自分の実技の穴」をつく理解と対処のバランスが取れれば一気に浮上する人ばかりです。もう一踏ん張りです!では。