日別アーカイブ: 2020年12月12日

彫刻科 2学期も終盤です

昼間部講師の氷室です。
2学期ももうすぐ終わり、すぐに冬期講習会が始まります。
これからは1日課題が増えてきます。これまで培ってきた見方の感覚やテクニックを時間内に発揮できる様にまとめて行く調整が必要となってきます。慌てずに時間の使い方を研究していって下さい。
まだまだ冬期講習で実力は伸びていきます!得意な点はみんな伸ばしていけるので、ここで今一度、苦手なポイントに向き合って冬期講習でクリアしておきたいですね。

彫刻家である大学の同級生から頂いた資料に、ジョン・ラスキンの言葉が記されていました。
難しくもありますが、これが出来たらカッコイイなと、最近私の心に引っかかっている文章を紹介します。
『動く動物、成長する樹木、流れる雲、すり減っていく山、それらの過去に力を及ぼした線、その未来に力を及ぼす線を見る様に心がけなさい。それは畏敬するべき(線)ラインである。』
受験で一番近い感覚だと、生きて動いている鳩や鶏を塑像する時でしょうか。この言葉が響きます。

さて、ここからは最近の優秀作品の紹介です。


表面に凹凸が少ない分、形を理解して木炭を使っていかないと難しいモチーフなのですが、形を探って的確に表現しながら、ミロビ特有の張りと量と動きを損なわず描けています。実力を感じる1枚です。布にもう一歩臨場感があれば最高です!


体の捻れがスカッと見える奴隷らしい印象が拾えている1枚です。かつキレイな炭使いです。頭部や表情も、もっと描き込んで見る側を引き込んでいけると良いですね。


奴隷の魅力である、伸びて捻れていく緊張感を感じながら絵にしようと描いていたのではないでしょうか。それが伝わってくる1枚です。
言い切りも大切ですが、その作者が何を感じて描いたのか、その行程が伝わるデッサンはそうないです。


伸び側が背中にまで繋がり、背骨が感じられるとなお良いですが、奴隷のなんとも言えない形を丁寧に追えており、かつ光源を魅せる強さもあるのが魅力ですね。


髪の毛、目鼻口のパーツと周りの形がもう少しリンクすると最高ですが、印象もよく、何より視点が手前の腕にあり、スッとデッサンの中に視線が入って表情に向かわせる描写感覚が綺麗です。


目と後頭部の印象が惜しいですが、アムールらしい体の大きな箱感と張りが美しいです。難しい点ですが逆光影側の影としての描き方も画面の中でうまくマッチしていますね。


ジョルジョの印象が良く引き出せていますね。動きも自然です。無駄なく作れることも大事かもしれませんが、粘って出来上がってくる質感は、誰にも真似できない良さがあります。


似ていますね!!上手いです。ここまで持ってこられると上出来です◎


手の生きている生の質感を感じます。活き活きした表情を持たせつつ形を崩さない、手としてのバランスも緩急があり上手です。構成も良く考えられていますね。



円盤模刻をやり切りました。上手です。量感はさほど大きくありませんが作ってみると一筋縄ではいかず、360度の動きを合わせることが思った以上に難しいモチーフです。
妥協無く、しっかり粘土を押し込めながら作った形の抵抗感もカッコ良いです。


髪の毛と顔の質感にやや差がありますが、短時間でここまでの表情を捉えて表現していけることに技術の高さを感じます。

こちらは現役生の作品です。

アムールの逆光側は難しいですが、ひとつひとつの形もしっかり追いながら動きのバランスも良く取れています。白から黒までの豊富な炭幅で作る光の感じさせ方も上手いですね。


こちらのグデアも上手いです。目鼻口以外の形を現役生でここまで捉えて表現していく力は凄いです。

こちらは基礎科の高校2年生の模刻です。

アルカイックスマイル首像の模刻に挑戦しました。完成度の高さにびっくりです。立体におけるバランス感覚の良さが光っています。
形の張りや形から見えてくる影の印象がしっくり来ており、さらに微妙な動きも追えています。何より粘土付けが上手いですね!これからが楽しみです!

今回は以上です。

どんな どん底でも 才能は なくならない
と言う言葉を最近見かけました。なるほどなと思います。
泣いても笑っても残り3ヶ月です!
褒められた点は素直に喜びながら、前向きに日々を乗り切って行ってください!