日別アーカイブ: 2019年11月24日

油画科 コンクール

こんにちわ
新宿校 油画科 夜間部講師の山田です。

近頃急激に冷えてきましたね。体調管理には充分注意していきましょう!

二日間公開コンクールお疲れ様でした。
この時期のコンクールは大詰めを迎える前に今一度、自分を見つめ直すいい機会だと思います。

さて今回のコンクールの出題は
『人間の営み』がテーマでした。
とても普遍的で広義な言葉でもあり、みなさん多いに悩んだことかと思います。
ある意味では、よっぽどでは無い限り何を描いても問題は無いテーマであるからこそ、何を選択するのかが難しかったのではないかと思います。
そもそも美術、絵画の歴史自体が人間の営みと言うこともできますね。
またあらゆる世間ないし世界の出来事も人間の営みと言えるでしょう。
絵の事を考えるのは当然大事な事ですが、
表現者としてあらゆる物事に興味を持ち、日々何を見て、何をどう考えいるのかという事も大事な事だと思います。

そしてこの場を借りて『人間の営み』をテーマに作品を残したベン・シャーンという作家を紹介したいと思います。


ベン・シャーン (Ben Shahn)
1898年9月12日-1969年3月14日
リトアニア生まれ、アメリカ合衆国の画家
リトアニア芸ユダヤ人

人をモチーフの主題とする作家は数多くいますが、彼は社会派リアリズムの画家として戦争、貧困、差別、失業などをテーマにした絵画を制作し、上流階級であろうが街の洗濯婦であろうが区別なく人を描いた作家でした。

また1954年の核実験で被爆した第五福竜丸をテーマにしたシリーズやフランスのドレフェス事件をテーマにしたシリーズ、ガンディーやキング牧師など世界で起きているあらゆる時事や事件を人物を描く事で表現しています。
 

彼が石版画職人だったこともあり、版画の作品が多く見られますが線の取り方や形が面白いですね。彼のように世界で起きている事や日常で見かけて気になった事などをマメに絵に起こす事があらゆる想定課題にも対応できる力を作る秘訣かもしれませんね。

興味のある方は是非調べてみて下さい!

ではまた!