日別アーカイブ: 2017年1月21日

彫刻科。入試直前突入!

こんにちは!彫刻科の小川原です。1月に入りあっという間にセンター試験も終わりましたね。もうすぐ2月と思うと早すぎる時間の流れを恐ろしく思います。

冬期講習を経て学生のレベルもだいぶ高まってきました。預かり作品の出る数や頻度の多さがそれを物語っていると思います。
それでは直近の預かり作品の一部を紹介します。
浪人生の作品。フォーンのトルソ。
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フォーンは顔がないから割りと皆描けちゃうというのはそこそこのレベルの話であって、6時間でここまで全体をコントロールし、やりきった作品はなかなか出ないでしょう。作者は日増しに表現に磨きがかかってきています。頼もしい存在です。

浪人生の作品。ジョルジョ。
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何より印象が良いですね。この位置から描いて時間内にここまで顔を似せてこれる人はそういないと思います。ジョルジョとしてのモチーフの印象をしっかり理解して描けていることが伝わってきます。意識の高まりによってどの課題をこなしても外さなくなってきています。この調子で行きましょう!

現役生の作品。モリエール。
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課題への取り組み方として、慣れているものを慣れた感覚で漫然とこなしていって欲しくはなかったので普段あまり描かない像に挑戦してもらいました。安定したスタートは切れませんでしたが自力でグッといい内容まで持ってこれました。参作でもここまでかっこいい作品は珍しいと思います。このままの勢いで行きましょう!

浪人生の作品。牛骨ラップ巻き。
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とても難しい課題だったと思いますが、どう表現して行ったら良いか感じ取る嗅覚がうまく反応してくれています。ラップに巻かれた牛骨がそこにある状態そのものが丁寧に描けていると思います。もはや何でも描けるという自信とプライドを持って臨んでください!
浪人生の作品。アバタのヴィーナス。
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実直に、印象に寄り添うように力まずモチーフと向き合えていると思います。そうした姿勢は制作している姿を見なくても作品から見て取る事ができるのです。実際の試験でも、ただ形を合わせることだったり、ただ描き進めることに一生懸命になっている人はきっといい結果は出せないでしょう。4月から自分の責任で、自分の作品を作れる人。そういう人を見極める試験だと思ってください。やっていることが作業になってしまっては、それは作品を表現している事にはならないのです。

現役生の作品。手と電球。
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冬期講習で始めて塑像を経験した人とは思えない彫刻として優れた作品です。ポーズの選び方も、筋骨の観察も、素晴らしい出来だと思います。「いい作品を作りたい」ということに対する意欲の高さがこの作品を生み出したのだと思います。日々新しく覚えていくことがたくさんあると思いますが、驚くほど吸収しています。10教えたことに対して、自分でさらに工夫を加えて11にも12にもしてくる。これは受験生にとって最強の武器であると思います。

浪人生の作品。メディチ。
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敢えてこの時期短い時間で大きな像に挑戦してもらいました。今まではもっと時間を掛けて完成度が上がっても違和感あるところがどこかに残ったと思いますが、作品全体に対しての把握力が増したことで印象の良い終わり方ができたと思います。本番では何が出題されるか分からないので、慣れない課題であっても落ち着いてやるべき事を整理し、向き合って欲しいです。

さて、受験に対する緊張感も相当な高まりを見せつつ、力もググッと上がってきたことで、ある部分では不安を感じていることでしょうが、もう一方では自信も付いてきたと思います。試験ではこれまでやってきたこと以上のことはできないので、日々の取り組みを真摯に行い、学んだとこを次に生かしていく姿勢こそが合格へのカギだと思います。発表の日を胸を張って迎えられるかはそこまでの取り組みにかかっています。自信を持って取り組んで欲しいです。そのためにもやれることは全てやりきりましょう!!応援しています!!

続き。
最近始めたブロンズの作品が1つ完成しました。
ワックス原型です。型からロウでおこしています。
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鋳造。1300℃くらいでブロンズを溶かしています。
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形はできました。磨くと金色です。
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肌は薬品で化学反応を起こし、黒くしています。断面は鏡面仕上げです。台は大理石。
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