こんにちは、建築科の半田です。
先日、新宿美術学院建築科では、芸大対策として相貫体の特訓をしました。
じつは幾何形体同士の貫入は、練習すればどんな角度の貫入でも描けるようになるのです。。。角度を振った立体を描くためにパースの軸をずらしていく技術に似ているのですが、これらの力に必要なのはデッサン力ではなく、単純な作図能力です。そう、みなさんの嫌いな算数です。
つまり、、お勉強的アプローチがモノを言う技術です。
一日特訓するだけで全てを理解する人もいるくらい、すぐにでも身につきやすい。デッサンに自信のない人は、まず!形とパースとスケールを完璧にしましょう!!!!!
さて、相貫体に関しましては、一般的に知られる相貫体を眺めているだけではこの力は養われません。どうなるのか分からずたくさん考えてみて、自分の解答を出し、正解を知ってやっと身につくものです。
そこで、今回は6つの異なる立体を与え、そこから3つの立体を選び出す組み合わせ総数(X=
6C3)をそれぞれ貫入させることによって解答させるという問題を出しました。
難しく言いましたが、実はただただ各組み合わせを書き出していけば良い問題です。
正解は20通りです。指定はしませんでしたが、B3用紙にどのようにこの20個を配置するのかという美的感覚を、同時に観察していました。
生徒作品をいくつか紹介します。
補助線の具合が、貫入を分かりやすく伝えていて好印象。しかしスケッチとは言え、球と円柱はもっとしっかり描いて欲しいですね。
こちらもだいぶ形が(特に球と円柱が)取れていませんが、、、シングルラインとメッシュ部分が画面に対して美しく仕上がっていました。
画像が切れてしまって申し訳ありませんが、こちらは配置がきれいになされています。
近年、芸大建築科の入試は貫入と切断の嵐です。
今回は微妙に角度を振ったような貫入が見られなくて残念だったのですが、どんな貫入でもかけるようになる必要があります。
なぜなら入試当日、どんなに難しい問題が出ようとも、「似たようなことを考えたことがある」経験が応用力の糧になるからです。今回作成した20個の立体の中にも、それぞれ似たような立体がありました。ひとつ目よりはふたつ目のほうがみんなよく描けています。入試はその延長です。
さて、この問題は続きがありまして、総合表現へ引き継がれます。
今度は、機能に合わせて造形するのではなく、造形に合わせて機能を読み解く訓練です。
受験生の初心者は無から有をつくりだそうとする傾向が強い印象があります。
しかしデザインやアートの世界にはこんなキーワードもあるのです。
「転用」「分解再構築」「レディメイド」
今ある物体に別の意味付けも出来なければ、良い空間は生まれません。
空間とは、物体と物体の間にある、物体の無い部分だからです。