カテゴリー別アーカイブ: 油絵科

〈新学期〉油夜間部の授業についてちょこっとご紹介〈新宿校〉

こんにちは。新宿校油画科夜間部の鷹取です。

 ついに新学期が始まりましたね!今回は少し夜間部のカリキュラムについて書いていこうと思います。油画科夜間部では、まずは指導が入らない状態で皆さんがどのような絵を描くのかを見せてもらい、それが明けると本格的な授業にはいっていきます。

 1学期の間は『油画科だから自由に描く』と言う感じではなく、絵画を描くにあたっての基本的な力をつけるためのレクチャー課題が多くあります。

 まずは物を観ること。観ると言っても、3次元を2次元に描くとはどう言うことか?形態、光と影、量、距離などデモストを交えながら徹底して観ることについて深めていきます。物をしっかりと描写出来なければ絵が描けないとはいいません。しかし、自分の好きなものや、表現したいことが出てきた時に、出来ることの幅が格段に広がります。この特訓は筋トレに近いので、ある程度の期間特訓しなくてはならないので、春の間に皆んなで頑張りましょう!!

※画像は昨年度の冬期講習で行った夜間芸大コンクールの石膏群像です。セット大変だったな…)

 そして次は油彩という特性の強い画材についての理解です。油彩の特徴はなんと言っても乾きにくさです。はじめのほうはそれを扱いにくいと感じることもあるかもしれません。しかしその特徴がないと出来ないこと、広がる幅などがたくさんあります。またキャンバスは紙より強靭であり、大体の作業には耐え得る支持体です。画集とワークシートを利用しながら改めてオイル、混色、重層構造、マチエール、筆致、などなど学んでいきます。

 そこからまた別の課題を挟みながら、絵を描くと必ず出てくるワード、『構図』についてのトレーニングを行います。良い構図って何?悪い構図って何?粗密、明暗、視線の流れ…これって一体どうゆうことなのか?これもただがむしゃらに描いているだけではなかなか身につかない力になりますので、多くの資料を利用しながら徹底して構図とは?について学んでいきます。

 夜間部のカリキュラムは単発で終わり!と言う形ではなく、1学期を通して今はこれを学び、これを学んだら次にこう活かし、そしてこう展開していく。というように全て繋げてカリキュラムを決定しています。講師陣全員で話し合い、大学の変動や、状況に合わせて毎年カリキュラムは変動していっています。

 今はまだ予備校選びで迷っている人も、1学期の大切な期間を逃さぬよう是非無料体験などで参加しにきてみてくださいね。

 無料体験の詳細、申し込みについてはリンクの内容を確認して下さい。通常授業に参加する無料体験は画材も全て貸し出しです。1日だけの参加で面接のみ、実技まじえて3日間の参加、最大一週間までいつでも参加できますので、是非この機会にご来校お待ちしています!

https://www.art-shinbi.com/event/event-muryo.html

春のイベントと推薦入試について

ご無沙汰しています。油絵科夜間部です。
今年度の入試が佳境にさしせまってきました。
それと同時に次年度の春のイベントも近付いてきました。
春期講習会や春のイベント、推薦入試説明会など動き出す時期です。

3月17日(日)には、春期講習直前講座

【上達につながる絵の見方考え方!】

を開催します。
画集の見方、取り入れ方、分析の仕方、などレクチャーやワークシート作成を交え、
実際の作品制作を行います。特に新高3生は受験期に入る直前に視野を広げる良いチャンスです!
詳細は以下より。ご参加お待ちしています。

https://www.art-shinbi.com/event/2024/24event-spring-special/event-pre-spring/spring-I.html


次に推薦入試についてです。
昨今推薦入試需要が大幅に拡大すると同時に、大変高度なレベルが求められます。
一般入試に比べ、志望理由書、自分の作品についての調書、ポートフォリオ作成(自己のテーマでの自由制作必須)
面談練習など、やらなければならないことが格段に増えます。
推薦を受けるための心構え、揃えなければならない機材、時間の使い方など、春の推薦イベントでも
説明しようと思っていますので、悩んでいる方はご参加下さい。

また今回、次回に分けて、前年度の合格体験記を掲載していきます。
今回は武蔵野美術大学、次回は多摩美術大学を掲載予定です。

【武蔵野美術大学油画推薦入試 合格体験記】

油絵夜間部 松尾典汰

 私はこの度、武蔵野美術大学油絵科に合格しました。
合格するまでの感想を一言で表すなら「大変」だったことに尽きます。
一般入試でも同様のことは言えますが、総合型選抜の場合、ポートフォリオ、自己推薦調書、
持参作品3点を必要とします。
はポートフォリオ制作に追われて学科の勉強が手付かずでした。もし総合型選抜が落ちたなら、
一般入試も学科の点数で落ちていた可能性が高かったです。
それ程までに総合型選抜ではやるべきことが多いので、強い覚悟を持って受験することをお勧めします。

 私からのアドバイスを少し述べさせていただきます。
まず、自分の作品と文章に一貫性を持たせることが大切です。
そのために私は、過去の自分の作品を見返したり、先生方と作品について話し、
頭の中で整理したことで自分の今のテーマが分かりました。
そうすることで、ポートフォリオや推薦調書、持参作品が制作しやすくなると思います。
他には、面接は緊張しすぎなくて良いということです。
私が面接で作品の説明や質問に答えたところ、5人の面接官(教授方)は少しうなずく程度で反応はあまりありませんでした。
また、緊張も相まって「説明の仕方間違えた…」などと考えてしまいました。
今考えてみたら、質問内容の9割は持参作品についてで、教授方は素直に“私”と“作品”を見たかったんだなと思います。
突拍子の無い質問はされなかったので、きちんと面接対策すればそこまで怖くありません。
適度な緊張は少し持ちながら、楽しみましょう!
私の受験対策をして下さった先生方、特に鷹取先生、本当にありがとうございました。



夏期講習会直前講座 (油絵科編)

いよいよ梅雨明けの頃となりました。じめじめがとても苦手な油絵科の箱岩です。

やっと夏到来ですねぇ。

新美とゆかりの深い「ブルーピリオド展」も受験生の皆さんにはとても興味深いことと思いますが、ここだけの話、正直に言います。。。。。お勧めです!!

ブルーピリオドの世界観がさらに広がりを持つ気がします。渋谷で教えていた期間には保護者の皆様にこっそりお勧めしていたマンガです。受験生の苦悩や葛藤、藝大受験のリアリティが感じ取れます。美術畑じゃない保護者様ほどぜひ読んでみて欲しいマンガです。

さて会場を飾る作品群の中で主人公矢口八虎くんの藝大同期生で圧倒的な画力を見せつける村井八雲くんの再現自画像、および劇中の八雲君の大型作品の画像提供をしており、村井八雲のモデルなのではと噂されている アーティスト 川田 龍 (かわだ りょう)君

実は新美の卒業生なんですが、このタイミングだからこそ、ぜひいろいろ話を聞いてみたい。

そこで、今回の夏期講習会直前講座にお招きして講演会を開催します。

 

 

スケジュール紹介

日時 7月10日(日)  参加費;有料

午前9:30~12:30

門外不出・秘蔵の藝大合格再現を披露。どのような着眼点で、どのようなテクニックで描かれたか。また、担当講師だけが知る受験のエピソードなどを紹介します。

過去作品の分析は東京藝大がこれまでにどんな作品を認めたかの歴史でもあります。ひとりひとりの個性に寄り添ってきた新美生ならではの多様な作品群をぜひこの機会に目撃してください。

午後13:30~16:30

「川田龍講演会」

新美での浪人時代の話、大学での活動や卒業後のアーティスト活動、受験の心得や大学生活の心得

アーティスト活動についてなどなど

「川田龍さんへの一問一答」

受講者からの質問をつまみに座談会を開催します。先輩に聞きたいことが聞ける大チャンスですよ。

https://www.art-shinbi.com/event/2022/22event-s_s_s/s_s_s-B.html

夏期講習会の申し込みも始まっております。

この夏、明らかなアドバンテージを手にしたい君!! 新美で一緒に最強を更新していかないか?

 

 

 

 

 

《油絵科》2022 夏期講習会、6月1日より申込み始まります!!

こんにちは、油絵科です。

激しい雨が降ったり、暑い日差しが続いたりと梅雨を通り越して夏の足音が聞こえて来ている今日この頃

夏期講習会の申し込みが始まります!!
皆さん、夏の予定は決まっていますか?
新美の夏期講習は1日8時間講習で普段より長い制作ができより集中して描くことができます。
いつも放課後しか描けない高校生も思う存分絵が描けるチャンスです。
東京芸大 合格者作品

夏期講習会の内容を少し紹介しておきます。

コースは大きく分けて2コースです。
芸大などを中心に総合力を身につけたい人のための素描強化コース、総合力強化コース、イメージ力・実践力強化コース。
受験のみならず、絵画表現に必要な要素を分析し指導していきます。

武蔵野美術大学や多摩美術大学など私立大学を中心に考えている人のための私立美大・強化コース。
私立美大・強化コースでは各大学に合わせた指導を丁寧に行っています。

高い合格率を出している東京藝術大学、私立美大ですが徹底的に分析された指導には定評があります。新しい発見や気付きがあるでしょう!!

両方コースともにⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ期は人物(モデル)課題が入っています。
人物表現は各大学ともに何かしら関係した課題が出ることが多いモチーフですが、絵を描く人にとっては大変重要なテーマとなって来ます。
最近あまり出題されないなと思った頃に出題されたりします。
人物はすぐに描けるようにはならないのでクロッキーなど日頃から取り組んでおくことが大事になると思います。
まとめて描く機会も少ないと思うので是非チャレンジしてほしい課題です。

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夏期講習会ではコスチューム課題になります。

〈 作家の花沢忍さんをゲストに迎えてレクチャー 〉
Ⅳ期、Ⅴ期にはイメージドローイングがあります。
イメージドローイングは特に新美で力を入れている課題です。
聞き慣れない人も多いかと思いますが、想定課題とか文章だけの課題に必要なイメージ力をつける課題になります。
描写力があってもイメージ力がないとなかなか絵にならないと思います。
モチーフの無い文章だけの課題は苦手な人も多いと思いますが、この課題をやることによって答え方のコツがわかっていきます。
毎年、この課題をやることによって、苦手な人がどんどん枚数をかけるようになっていくのをみています。全部で2回ありますが、続けて受けるとより効果的です。
今年は更に現在活躍されている作家の花沢忍さんをゲストに迎えてレクチャー(Ⅴ期)を行う予定です。イメージ力を鍛えるためのコツやヒントを聞くことができるでしょう。

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Ⅵ期はスケッチブックと油彩を付け合わせた課題です。
東京芸大は近年スケッチブックやスケッチ用紙など本人の思考を見るような課題を出しています。スケッチブックの使い方は人それぞれですが使い方によれば絶大な効果が得られます。
どのように使えば効果的なのかを過去の合格者の例などを参照しながら学んでいきます。

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〈  武蔵野美術大学の説明会と特別講評会 講師 諏訪敦教授  〉

また、Ⅳ期では、希望者に武蔵野美術大学の説明会と特別講評会(8月3日)を開催します。
日程が合わなくて、ムサビの説明会になかなか行けないとか教授に絵をみてもらいたいと思っている人は是非参加してください。
特別講評会では諏訪教授に講評してもらえるので見てもらいたい作品を1~2点持ってきてください。直接アドバイスをもらえるまたとない機会です。また説明会では作家として活躍されている諏訪先生自身の話も聞けます。
実際の合格作品を見て何が足りないか確認することが出来ます。
ムサビを受験する人、考えている人は必須ですね。ムサビを受験しない人ももちろん参加できす。

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例年、関東近隣や地方からもたくさんの受験生が来てくれます。近年、大阪、熊本、京都、長野など地方から来てくれた受験生が東京芸大に合格しています。また私立美大もたくさん地方出身者の人たちが合格しています。
関東の大学受験を考えている人や迷っている人がいたら是非来てください。進路のことなど面接で丁寧に相談します。また経験の少ない人でも安心して受講できるようにアドバイスしていきます。推薦を考えている人はポートフォリオの指導も行っています。
また、過去の作品の画像などを持ってきてくれると指導の参考になります。

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夏期講習会は暑いですし、一日中制作するので大変だと思いますがその分ものすごく成長する時期でもあります。
いろいろなものを見てたくさん吸収して自分の幅を広げましょう。そしてたくさん制作をして経験値をどんどん上げていきましょう。

新美でお待ちしています!!

新宿美術学院 油絵科

油絵科のモチーフ

こんにちは、油絵科です。

いよいよ冬季講習も終わり直前の期間に入りました。主要な大学でも出願が始まっているので出し忘れの無いように気をつけて下さい。

さて、今日は油絵科が普段どんな授業を行なっているのか、モチーフをいくつか紹介しようと思います。油絵科の入試では描写力や観察力、視点や構成能力、発想力やテーマ性など多くのことが求められます。普段の授業でも石膏デッサンなどいわゆる一般的な内容の授業も行なっていますが、発想力や視点について何かとっかかりになるように考えた少々特殊なモチーフも出題したりします。

こちらは室内デッサンの課題で、無造作にパネルや脚立が置かれている課題です。パースが複雑に絡み合い、またモチーフの全体像は視界に収まりきらない範囲なのでいかに状況を捉えるかが難しい課題でした。

 

こちらはテーマ付きのモチーフですが、100円の動くおもちゃを使って静物を組んでいます。ちなみにこのモチーフ以外にも動物や怪獣のフィギュア、人形などがモチーフとして登場することがあります。

都庁のジオラマです。アマゾンで見つけたペーパークラフトを使用しています。シンプルに見えて組み立てるのに結構時間がかかりました。ジオラマの静物だと風景として俯瞰的に捉えることや、イメージのとっかかりになります。

 

プロジェクションマッピングを行なった課題です。立体と画像が混在して不思議な空間でした。石膏像も普段見ているのと違うのでとても新鮮に見えました。

他にもドライアイスを使った課題や水槽を使った課題などがあります。しっかりと基礎的な勉強をしながらもいろんな課題に挑戦することで応用的な能力を身につけられるように工夫しています。

毎年思うことですが、同じモチーフでも色々な新鮮な答え方を見ることができ、油絵科の受験生は創意工夫する精神と課題解決能力が高いのではないかとこっそりうれしく思っています。