月別アーカイブ: 2019年1月

目利きの力量

こんにちは。油絵科の関口です。受験生の皆さんはもうすぐセンター試験ですね。年間を通してコツコツ勉強してきた人も、年が明けてから勉強を始めたあなたも、これから風邪をひかないように気をつけてくださいね。

さて、先日三菱一号美術館で開催されている「フィリップ・スコレクション展」を見てきました。実はこの展覧会、自分にとっては全くノーマークで、行く予定ではありませんでした。ところがあるプロの絵描きさんと飲んでいる時に「今回のフィリップスコレクション展は必見だよ」「特にブラックの描いた風景が良かったよ」「他にもボナールも良かったし、セザンヌも良いのが来てるし全体的にレベルが高いよ」と言われ、その人がそこまで言うなら見てみよう…となったのです。


ジョルジュ・ブラック「驟雨」
僕も初めて見る作品です。画集でも見たことがありませんでした。プロが唸るだけあって確かに良い作品です。少しポップな感覚で描かれているので、ホックニーとかキタイの初期作品を見ている様な錯覚に陥ります。自転車のデフォルメも良い感じですし、ピンクや青のアクセント、雨の入り方も絶妙ですね。

「〇〇コレクション展」とか「〇〇美術館展」というタイトルの展覧会は、かなりの確率で外れ作品が紛れているものですが、このフィリップスコレクション展は一味違います。通常の展覧会とは異なり、年代順やカテゴリー毎でまとまっているということもなく、収蔵された年代順になっているのです。
プロ目線での「全体的にレベルが高い」という言葉に偽りはなく、どの部屋にも注目すべき良い作品が散りばめられていました。中でもブラックの作品は、上質で良いものを集めているな…と思いました。


ブラックの代表作の一つ「円いテーブル」
この作品は、ブラックの画集を見たら必ず載っていますね。近くで見ると意外とサラッと描かれていましたが、構成がバッチリ決まっていて、これ以上要素を省くことも足すこともできない、まさしく「絶妙」としか言いようのない名作です。


ブラック晩年の作品「鳥」
僕の中では、ブラックはピカソやマティスという20世紀を代表する巨匠の陰に隠れてしまい、それほど注目していませんでしたが、今回の展覧会を見て、その上品なセンスと絵から溢れる人柄の暖かさに改めて感銘を受けました。ユルいけど良い作品です。


シャイム・スーティン「嵐の後の下校」
ブラックとは異なり、荒々しさ溢れるタッチで描かれていますが、スーティンならではの切実さと溢れんばかりの熱いハートで描かれており、ジワジワ来る良い作品です。思わずジッと見入ってしまいました。


オスカー・ココシュカ「ロッテ・フランツォスの肖像」
ココシュカの作品もコレクションに入れているなんて、中々の通ですよね。この肖像画は明るいところは殆ど下地に塗ってあるキャンバスの白で、絵具を削ったり拭き取ったりしながら描かれています。絵具の厚さは極めて薄いですが、画家の想いが詰まった熱い作品です。


ラウル・デュフィ「画家のアトリエ」
正直に言うと、僕が若い頃にはデュフィの作品の良さなんか、微塵も分かりませんでした。色々な絵を見て勉強してきた今なら、この画家の凄さは理解できます。
ある意味フランス近代絵画のエッセンスが見事に詰まった作品だと思います。ここまでユルユルの絵具で描きながらも、画面を自由にコントロールする能力というのは、技術的に見ても凄いことです。日本人がこんなにオイルを混ぜて描いたら「水っぽく」なってしまうんだろうなぁ…とも思いました。

他にもセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなどの後期印象派。ボナール、ヴィヤールなどのナビ派。ピカソ、マティスなど20世紀を代表する巨匠…。これほどまでに良い作品をコレクション出来たのは、それらの良さを見抜く眼力とセンス、知識や教養の高さがあったからに他なりません。目利きというのは、一朝一夕で身につけられる様な能力ではないのです。気付けば展覧会全体を見るのにいつもの5倍くらいの時間がかかりました。さすがに今回は脱帽です。

もう少し会期があるので、まだ見ていない人は是非見に行ってみてください。↓
https://mimt.jp/pc/

本日、N.Yワークショップ開催第一日目

こんにちは、全科総合部です。

本日、前回告知いたしましたN.Yワークショップの初日でした。
受講生の皆さんに楽しんでもらった旨をご報告します!

「バナナ着彩体験」
白いバナナに絵具で色を塗っていきます。最初は、固有色の黄色以外の色でスタートしてました。
この段階でもどれが本物か??手前のバナナも偽物に見えませんか??

「水粘土でデコポンをつくろう!」
本体の丸い形をつくってから、″でべそ”をつけるんですね~。不思議とお腹がムズムズ・・・。

「錫のリングをつくろう!」
いろいろ試しながらつくって、いーっぱいおっしゃれーなリングが出来上がりました!

「石膏クロッキー徹底トレーニング」
こちらは、石膏像との熱い戦いが繰り広げられていました。それっ!スーパー講師のデモンストレーションを目にやきつけろっ!

「受験に役立つ!絵画の明暗構成」
みなさーん!説明の参考にした作家さんの名前、覚えてますかー?ボ・・・、ド・、ク・・・ですよ。名画も明暗を意識してみるとより理解度が深まり、自分の絵にもよいです。短い時間でしたが、見栄えはグッド!グッダー!!グッディスト!!!

それでは明日も充実した講座が待っています。(こちらを参考に)
受講生の皆さん、がんばりましょう!!

今年もNew Year ワークショップ開催!

こんにちは、全科総合部です。

早いもので、2019年になってしまいました・・・というと
ネガティブな言い方なので、
やっと2019年になりました!!
入試も近づいて、いよいよ受験生の皆さんの実力の見せ所です!
がんばりましょう!!

さて一方予備軍の皆様、と言ってもあっという間に受験生です。(2か月後)
受験に向けてやっておかなければならないことは、山ほどありますが
取っ掛かりとして、ワークショップはいかがでしょうか?

ということで、楽しく受験に挑むというのはむしのいい話しなのかもしれませんが、
新美ではそんな最初の一歩を、ご用意しました。

次の日曜日、1月13日(日)14日(月・祝)で行われますN.Yワークショップです。

ワークショップ形式なので、自分の科だけでなく、興味のあるものを選択して行うこともできます。
もちろん入試に関わるワークショップもありますので、自由に選択してください。
もちろん無料です!

「錫のリングをつくろう!」は人気がありますね。自分デザインのアクセサリーは、実用性もあれば、さりげなく友達に自慢もできちゃうっ!!(1/13開催)

「日本画体験」は本格的に岩絵の具を使って絵が描けます。1色づつ色を練って描いていくともう、すでにあなたは日本画家!
最初は練習ですが、すでに個性が芽生えているようです。(1/14開催)

「カメラを使わず写真を撮ろう!」どういうことでしょう?そもそもカメラを使用しないで写真が撮れるの??みんなの常識を覆せるのか?(1/14開催)

「水粘土でデコポンを作ろう!」こちらは、芸大デザイン・工芸入試にとって大事な立体構成に直結しています。まだやったことがない人、苦手な人、今のうちにコツを掴んで差をつけてしまいましょう!

「受験に役立つ!絵画の明暗構成」と、こちらもタイトルどおり受験に直結!大きく絵画と表されているように、油絵だけでなく、デッサンや着彩などの平面作品ならば何にでも応用ができると思います。是非!(1/13開催)

「石膏クロッキー徹底トレーニング!」こちらもご存じのとおり、石膏デッサンの出だしを徹底的に覚えたいのならお勧めです。早く形がとれるようになります。構図もとれるようになります。(1/13・14両日開催)

「バナナ着彩体験」この中に本物が隠されています。どれかおわかりになりますか?
手前の3本の中にも本物が?着彩途中のは、わかりますよね。(1/13開催)地味に左にあるリンゴはにせもの??

木工は今回なんと!?指輪です!!「木の指輪を作ろう!」木で指輪が作れるのでしょうか?できればもちろん、友達に自慢どころか驚かせることになるでしょう!(1/14開催)」

その他にもデッサンのスキルを上げる「3時間チャレンジ」(1/13・14両日開催)
親子でデッサンの理解を深める「親子デッサン」(1/14開催)のコースもあります。

お申し込みは、こちらからお願いします。

新年のスタートを何より来年の入試を見据えて、充実させてはどうでしょうか?
宜しくお願いします!!

中学生受験科 いよいよ入試直前

こんにちは。中学生受験科です。

中学3年生は、いよいよ推薦入試にむけてラストスパートの時期に入りました。
本日は冬期講習最終日で、過去問に挑戦。
皆、この2週間の冬期講習でのレベルアップを実感していると思います。
入試本番、最後の1枚まで上手くなると信じて頑張りましょう!

中学生受験科では、毎週日曜日9:00~16:00に授業を実施しています。
新美でラストスパートをかけたい中3生も、まだまだ募集中!
1/14(月祝)には、都立総合芸術高校推薦入試対策の「入試シミュレーション」特訓を実施します。

また、中学1,2年生は、1/13(日)に体験講習&説明会という無料のイベントもあります。
毎年3学期から実技の準備を始める中2生も多数います。
都立総合芸術高校や女子美付属高校など、美術系高校への進学を検討されている生徒様、保護者様のご参加をお待ちしております。

イベントのご参加はこちら
http://www.art-shinbi.com/event/2018/cyugaku/

3学期の授業料はこちら
http://www.art-shinbi.com/pdf/kiso-001.pdf