月別アーカイブ: 2017年9月

全国石膏デッサンコンクール開催

こんにちは、昨日は、待ちに待った「全国石膏デッサンコンクール」を開催いたしました!

日本全国から、いろいろな科、さまざまな学年の方にお集まりいただきました!
御盛況、ありがとうございました。

総勢約330人のなかから、栄えある1位に選ばれたのは・・・・・・?

な・なんと工芸科志望の概卒生でした!!
やはり審査は難航しまして、、、この結果に納得のいかない他の科の先生もいらしたようです。
それはそうですよね、それぞれご自分の科が一番だとプライドをお持ちになって指導してますからね。

全体講評会では、その辺で各科意見を交わし、どうやら混乱させているのは油絵科ではなかろうか?というのが見えてきたようです。

デッサン解説では、驚異の「30分で石膏デッサンを描く!」という企画で行いました。

普通の速さで描くデモンストレーターと超早デモンストレーターのお二人をお招きして、
描いていただきました。違ったタイプの2人のデッサンを比較をしながら解説をしていただいたのは、油絵科の海老澤先生。
ちょっとお話を伺っている間にどんどんデッサンが進んでいきます。皆さんどこで差がつくのか?目が離せなかったですね。

賞品も、上位1・2・3位はもちろん、各科の賞、現役の中の一番と高校1,2年生の中の一番の賞が授けられました。
ちょっと、各商品の画像がないのが残念です。図書券や画材に加え楽しい品がついていたようです。

受賞者以外にも力作が揃いました!!石膏デッサンといえども、意外にバリエーションがあるのが私にとっては新鮮でしたね。

みなさん、お疲れ様でした!!明日はきっといいことがありますよ!!

 

映像科:二学期はじまってます&メディア芸術祭が来た

こんにちは、映像科の森田です。
しばらく間が空いてしまいました。
9月に入り、教室のムードも少しずつ受験に近づいてきています。

二学期は前半は、特に武蔵美映像学科の公募推薦入試の対策が本番。
ディレクション資質重視型、クリエーション資質重視型の特訓もこれから始まります!
そして一般入試の人は、来月はじめに公開コンクールも迫っていますね。

こんなに忙しいと上映や展示を見に行ったりする時間がない…!と思っていたら、
なんと「文化庁メディア芸術祭」が、向こうから初台に来てくれました。
アート部門、エンターテイメント部門、アニメーション部門、マンガ部門の作品が、初台駅オペラギャラリーとICCで見られます。

早速行ってきました。

新美から徒歩2?3分。授業の行き帰りにも行けるのでオススメです。
9/28(金)までやっています。

ダ・ヴィンチのデッサンに思う事

こんにちは。油絵科の関口です。台風の影響でこの連休は生憎なお天気になってしまいましたね。気温が一気に急降下して、僕も風邪をひいてしまいました。

さて、皆さんは三菱一号美術館で開催されているレオナルド×ミケランジェロ展をご覧になりましたか?僕も先日…と言いたいところですが、今回は色々と訳あって、まだ見に行けていません。ダ・ヴィンチとミケランジェロのデッサンが同時に見られる機会は滅多にありませんし、会期も9月24日迄なので、かなり混んでいると思いますが「まだ見ていない」という人は是非見に行ってくださいね。
これが今回の目玉作品「少女の頭部/〈岩窟の聖母〉天使のための習作」


「岩窟の聖母」(ルーブル美術館所蔵作品)この右側にいる天使の顔を描くために制作された、と言われています。今回来ているデッサンとは大分雰囲気が異なりますね。

 

僕がダ・ヴィンチのデッサンの本物を初めて見たのは、大学3年の春に友達と二人でイタリア旅行に出かけた時です。旅の後半にヴェネツィアを訪れたのですが、偶然にもそこでダ・ヴィンチのデッサン展が開催されていることが分かりました。「折角なので見ていこう」ということで、即決で美術館に直行。そこで見たのは、言葉を失うほどの見事なデッサンの数々…。ダ・ヴィンチの展覧会としては、かなりの作品数があったと記憶しています。そこでは、まさしく神の領域とも言える圧倒的な技量と、数百年経っても人の心を揺さぶり続ける巨匠の息遣いを目の当たりにし『自分は今まで一体何をやってきたのだろう?』と大きなショックを受けた事を今でも鮮明に覚えています。

ところで、当時のデッサンには様々な素材が使われていますが、時々金属尖筆(せんぴつ)と書かれているものを見かけます。英語ではmetal pointと表記し、イタリア語ではpunta metallica(尖った金属の意味)と表記します。
punta metallica↑ 画像はフィレンツェの老舗画材店Zecchi社のHPより。紙も特製らしいです。

ダ・ヴィンチのデッサンには、銀を使った銀筆(シルバーポイント)というものをよく見かけますが、この銀筆も金属尖筆の一つです。この頃はまだ鉛筆が発明される前の時代です。
金属の棒で紙に描く事をちょっと想像してみて下さい。例えば鉄の棒を使って紙に描いても凹むだけですよね。白い塗料が塗ってある壁に金属が当たって擦れると、そこに跡がつくのを見たことがありませんか?金属尖筆を描画材として使う原理は正にそれです。
普通の紙だと金属よりも柔らかいので金属が削れず、描くことができません。シルバーポイントを使うには、紙に白亜地などの下地塗料を予め塗っておく必要があります。
あとシルバーポイントは銀を用いているので、描いた直後と数ヶ月後では色が変わるそうです。僕は使ったことがないのですが、シルバーポイントを使用したことのある絵描きさんによると、いわゆる燻し銀のような、赤味がかった黒色になるそうです。

そしてこのシルバーポイントは、一度描いたら消すことができません。

デッサン(dissin)のことをイタリア語でディゼーニョ(disegno)と言いますが「印をつける、刻印する」という意味もあるそうです。「神が刻印した自然なるもの」を感じ取り、それを「紙に刻印する」という行為がデッサンというものの本質なのかもしれません。

先端科 既製品のワークショップ

先端科です。

夏期講習会も終わり、2学期がはじまりました。

明日9月10日(日)は《既製品のワークショップ》を行います。

現代美術では既製品を使った作品を多く見ることができます。
授業のはじめに、巨匠たちによる既製品を使った作品をスライドで鑑賞します。
その後、実際に既製品を使った作品を作ります。

9:00-9:30 ? ?作品鑑賞
9:30-14:30 ? ?作品制作+展示
14:30-16:00 作品講評会

この時期、自分の興味に没頭し作品を作ることは大事ですが、
展覧会も多く開催していますので、制作のヒントを得るためにも沢山観てください。
以下、まだ観てないひとにはお勧めです。

サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで (会期:10月23日まで)
http://www.nact.jp/exhibition_special/2017/sunshower/

ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」 (会期:11月5日まで)
http://www.yokohamatriennale.jp/2017/

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見学や体験の申し込みは以下のリンクからできます。
http://www.art-shinbi.com/event/muryoutaiken/

当日突然の参加も申し込み可能です。

授業時間
火・水 17:30-20:30
日   9:00-16:00

 

 

彫刻科 2学期のスタート課題秀作

こんにちは!彫刻科の小川原です。夏期講習が終わってまた普段の制作のペースに戻りますが、2学期は実力を深め、確かなものにしていくのに最も重要な時期です!のんびりしているとあっという間に入試直前っていうことになってしまうので、日々の課題に対して目的意識を持って臨みましょう!!

さて、まだ2学期始まって間もないですが皆気合が入っていてとても良いです!いい作品も出ているので紹介します。

昼間部生の作品。ジョルジョ。

とても完成度の高い作品に仕上がりました。欲を言うと向かって左側の目の立体感がもう少し欲しかったり、顎のあたりのコントラストがやや強いのが少し気になるくらいでしょうか。
意欲的な作品で、作者の意志の強さが伺えます。この調子で行きましょう!


印象がとてもよいです!まとまりがあってとても見やすい作品に仕上げられました。あまりこういうやりきりを見たことがないので今回この作品が出せたことを自信にして下さい!僕も嬉しいです。特に頭部の周り込みの表現が単調で固さを感じてしまうので、その点考えてやれれば間違いない作品です!


情熱的です!こういう生きた炭使いは狙ってできるものではないので真にリアルな印象を受けます。もったいないのは顔の表情です。奥の瞳の向きが合っていないので焦点がズレて見えます。それだけでかなりマイナスなので気をつけましょう。

夜間部浪人生の作品。ヘルメス。

実際に見た印象に比べてどうこうというより単純にぼんやりした作品が続いていましたが今回はしっかり詰め切る事ができました。段取りとしてやるべきことをやったかどうかは結局関係ないです。しっかり今現在作品がどういう状態にあるかを「目を開いて」反応していくことが重要なのです。この内容が続けばオーケー!

夜間部現役生の作品。パジャント。

炭使いは拙いですが急激に上達してきました。丁寧な観察と描写、そしてやりきり。このペースで伸びていってくれたら入試でも結果が期待できそうです!意欲をどんどん高めてぶつかっていって欲しいです!期待しています!

昼間部生の作品。アバタのヴィーナス。

正直うまいなと思いました。僕は浪人の時模刻には自信がありましたがここまでの意識ではやれていなかったように思います。時々微妙に外す部分が自分で気づいて修正できればぶっちぎれそうです。


上の作品は粘土の質感が感じられる作品でしたが、こちらの作品は徹底的に表面をつなげています。結果としてはどちらも正解でしょう。出来たものの印象が良ければそれで良いのです。やりきって尚似せてこれているこの作品からは作者の実力の高さが伺えます。

2学期は色々試していって、さらに結果を出していくことも大切だと思います。なんでもやってみることは大切だけど、毎回作品には責任をもつということを怠ってはいけません。それが出来る人、出来ない人では全く成果が変わってきます。僕は皆に期待しています!!頑張りましょう!

 

さて、前回紹介したブロンズ作品も先日完成しました!


命というものは不安定なもので、生と死の境目は明確でありながらも紙一重です。普段は意識していなくても、それはまるで生と死を分かつ山の稜線をゆっくりと歩いているようだと感じます。