月別アーカイブ: 2017年1月


日本画 岩絵具について

こんにちは!日本画の佐々木です。
本格的な受験シーズン到来ですが、今回のこのブログでは、前回予告した「岩絵具について」を書いていきたいと思います。

そもそも日本画って、大学に入ったらどんな画材を使うのか知っていますか?
日本画を受験する人でも、意外と知らない人が多いのです。
そう、「岩絵の具」のことを。

大学受験では水彩絵の具を使用する日本画ですが、大学に入ると「岩絵の具」という素材の使い方を学んでいくことになります。
岩絵の具というのは、文字通り、岩を砕いて作った砂のような絵の具のことです。

岩・・・?と思うかもしれませんが、ここでいう岩とは、鉱石のこと。
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水晶、ラピスラズリ、孔雀石などの、通称宝石と呼ばれているもののことです。
もちろん、粉末になっていればなんでも溶くことができるので、砂や泥などもありますが、そんな地球のカケラを絵の具として使うことができる、なんともロマンな専攻が日本画なんですね。私はもともと鉱石好きなので、素材としても日本画が好きだなあと思っています。

その、粉末のものをどうやって絵の具として使うんだ?ということですが、膠(にかわ)という動物由来の接着剤と水を混ぜることで、塗れる状態にして絵を描くのです。D6DC2569-4B8D-46E9-8856-F85FD914E6BB

粉末の状態に、膠を加えて

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指でよく擦り混ぜペースト状にし、水を加えてちょうどいい濃度になるまでのばす。

こんな感じで一色づつ絵の具を溶いて作るのです。
そして、混ぜる順番は変えてはいけません。
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さらに、動物性のタンパク質である膠を使っているため、ナマモノ扱いです。腐るんです。
なので、使い途中の余った絵の具などは、必ず冷蔵保存。

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それでも使い切れなくて余るときもある。そんな時は・・・「膠抜き」

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この膠というものは、熱湯ほどの熱さになると組織が壊れるようで、接着剤としての機能を失います。こうして絵の具を洗って乾かすことによって、無駄なく使い切ることができるのです。

・・・・・

めんどくさーーーーーーーー!と、思ったでしょうか?
なんか職人みたいでカッコイイ!!!と、思ったでしょうか?
私は断然後者でした・・・なんか、錬金術師とか薬師みたいじゃないですか・・・。
実際制作する時はめんどくさいなあと思ったりもしますが、昔からの変わらぬ制作過程を持つ日本画がかっこいいなとも思います。

先日のニューイヤーワークショップでは、この辺りの話からさらにもう少し広げて日本画についてお話ししつつ、実際に岩絵の具での制作を体験してもらいました。
また春に、そんなイベントが…もっとパワーアップして…ある…らしいぞ…??(コソコソ)
ぜひ、シンビのHPを要チェックしていてくださいね!!

ではでは、また再来週お会いしましょう!


基礎科生、受験生になる。 01

美大受験、今年もはじまりますね。
基礎科生のみなさんも、受験生になるまでにできる制作も限られてきました・・・。
今のこの時期だからこそ、自分が向かう進路をよくよく考えて、大事に楽しんで制作に向かってほしいものです!

さて、

基礎科のブログでは、今年度の残りの時間を使って、皆さんの作品を少しづつ紹介していきたいと思います。
まず少し前の事になりますが、冬期講習での油絵作品達です。
それぞれのモチーフの意図にあわせて、随分と作品の表現の幅が広がってきてきました。
今後の皆さんの作品がどのように展開してゆくのか、楽しみです!

↓ 鶏の剥製。これは描写せなばはじまらないモチーフです。

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↓ もう、かなりの時期外れですが、「ザ・クリスマス」なモチーフ。

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↓ 枝の表現をまともに描くべきか?どう表現すべきか?背景との関係は??

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↓ こちらも、少々時期外れですが、「ザ・正月」なモチーフ。

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↓ モチーフとイメージの組み合わせの課題。

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映像科:ある日のモチーフ(小論文)

こんにちは。映像科の森田です。
いよいよ武蔵美の入試まであと2週間弱。教室の雰囲気にも緊張感が出てきました。
入試直前の授業では毎回が試験と同じ条件での「感覚テスト」「小論文」「デッサン」の制作。
これはある日の武蔵美映像学科小論文のモチーフ(題材)。

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普通のノートのように見えますが・・・

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・・・?

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サイズが小さい。

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武蔵美映像学科の小論文では、例年何か「物」が配布されて、それを扱うことからテーマを導き出します。
普段見慣れている物やそれを扱う行為に対して独自の視点を持てるかどうかが重要。
この時期の小論文の課題では、そういう視点や考えを鍛えるための課題を制作します。

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では、体調管理に気をつけて試験本番まで乗り切りましょう!


石膏像について?

こんにちは。油絵科の関口です。
センター試験も終わり、段々と入試が近付いてきましたね。受験生の皆さんは、焦りや不安な気持ちが大きくなってきた人も多いのではないでしょうか?気持ちは分かりますが、こればかりは焦っても仕方がないので、どんなにキツイ状況でも、自分自身を信じて楽しみながら制作してもらいたいと思います。という事で、僕のブログも入試と関係なく、マイペースでいきますね(笑)。

マイペースと言えば、毎度お馴染み流浪の番組「タモリ倶楽部」ですね。先日放映された「受験生(美大志望)必見!試験に出る石膏像」はご覧になりましたか?僕はタモリ倶楽部が大好きで、毎週録画して見ています。超マニアックなテーマが取り上げられる事が多く、タモリさんにしか出来ない素晴らしい番組だと思っています。15965109_1342779422460942_2922454158765811080_n
※画像はザ・テレビジョン「タモリ倶楽部」紹介ページより。

さて、今回のロケは石膏像の制作所という事で、普段見られない石膏像の制作過程を見る事が出来ました。石膏で補強された、樹脂製の原型に石膏を流し込んで、複製しているんですね。モリエールやブルータスが作りやすいとか、一番売れてる石膏が球体だとか、普段は知り得ない情報を得る事が出来ました。
ただ番組を見ていて、素朴な疑問が湧き上がったんですが、球体の石膏ってどうやって作るんでしょうね?穴が開いた型に流し込んで作るにしても、半分ずつ作って貼り合わせるにしても、バリが出てしまいそうです。後で削ってるんでしょうか?誰か知ってる人は教えて下さいね。
ところで、このロケ先の堀石膏制作さんというのは、かなりマニアックな方のようで、石膏像ドットコムというホームページを開設されています。ブログやFacebookもあるようです。興味のある方は検索してみて下さい。

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あと、石膏像ドットコムでは「石膏像図鑑」なる書籍も販売されているようですね。油絵科では「試験に石膏は出て欲しくない…」と思っている受験生が多いと思いますが、この本を読んで石膏が好きになったら「石膏ウェルカム!」になるかもしれません。ゲットしてみては如何でしょうか。

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※上の画像は2枚とも石膏像ドットコムより。

過去のブログを読むと、かなりマニアックで面白そうな感じなので、新美に一冊入れてもらおうかな…とも考えてます。


彫刻科。入試直前突入!

こんにちは!彫刻科の小川原です。1月に入りあっという間にセンター試験も終わりましたね。もうすぐ2月と思うと早すぎる時間の流れを恐ろしく思います。

冬期講習を経て学生のレベルもだいぶ高まってきました。預かり作品の出る数や頻度の多さがそれを物語っていると思います。
それでは直近の預かり作品の一部を紹介します。
浪人生の作品。フォーンのトルソ。
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フォーンは顔がないから割りと皆描けちゃうというのはそこそこのレベルの話であって、6時間でここまで全体をコントロールし、やりきった作品はなかなか出ないでしょう。作者は日増しに表現に磨きがかかってきています。頼もしい存在です。

浪人生の作品。ジョルジョ。
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何より印象が良いですね。この位置から描いて時間内にここまで顔を似せてこれる人はそういないと思います。ジョルジョとしてのモチーフの印象をしっかり理解して描けていることが伝わってきます。意識の高まりによってどの課題をこなしても外さなくなってきています。この調子で行きましょう!

現役生の作品。モリエール。
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課題への取り組み方として、慣れているものを慣れた感覚で漫然とこなしていって欲しくはなかったので普段あまり描かない像に挑戦してもらいました。安定したスタートは切れませんでしたが自力でグッといい内容まで持ってこれました。参作でもここまでかっこいい作品は珍しいと思います。このままの勢いで行きましょう!

浪人生の作品。牛骨ラップ巻き。
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とても難しい課題だったと思いますが、どう表現して行ったら良いか感じ取る嗅覚がうまく反応してくれています。ラップに巻かれた牛骨がそこにある状態そのものが丁寧に描けていると思います。もはや何でも描けるという自信とプライドを持って臨んでください!
浪人生の作品。アバタのヴィーナス。
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実直に、印象に寄り添うように力まずモチーフと向き合えていると思います。そうした姿勢は制作している姿を見なくても作品から見て取る事ができるのです。実際の試験でも、ただ形を合わせることだったり、ただ描き進めることに一生懸命になっている人はきっといい結果は出せないでしょう。4月から自分の責任で、自分の作品を作れる人。そういう人を見極める試験だと思ってください。やっていることが作業になってしまっては、それは作品を表現している事にはならないのです。

現役生の作品。手と電球。
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冬期講習で始めて塑像を経験した人とは思えない彫刻として優れた作品です。ポーズの選び方も、筋骨の観察も、素晴らしい出来だと思います。「いい作品を作りたい」ということに対する意欲の高さがこの作品を生み出したのだと思います。日々新しく覚えていくことがたくさんあると思いますが、驚くほど吸収しています。10教えたことに対して、自分でさらに工夫を加えて11にも12にもしてくる。これは受験生にとって最強の武器であると思います。

浪人生の作品。メディチ。
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敢えてこの時期短い時間で大きな像に挑戦してもらいました。今まではもっと時間を掛けて完成度が上がっても違和感あるところがどこかに残ったと思いますが、作品全体に対しての把握力が増したことで印象の良い終わり方ができたと思います。本番では何が出題されるか分からないので、慣れない課題であっても落ち着いてやるべき事を整理し、向き合って欲しいです。

さて、受験に対する緊張感も相当な高まりを見せつつ、力もググッと上がってきたことで、ある部分では不安を感じていることでしょうが、もう一方では自信も付いてきたと思います。試験ではこれまでやってきたこと以上のことはできないので、日々の取り組みを真摯に行い、学んだとこを次に生かしていく姿勢こそが合格へのカギだと思います。発表の日を胸を張って迎えられるかはそこまでの取り組みにかかっています。自信を持って取り組んで欲しいです。そのためにもやれることは全てやりきりましょう!!応援しています!!

続き。
最近始めたブロンズの作品が1つ完成しました。
ワックス原型です。型からロウでおこしています。
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鋳造。1300℃くらいでブロンズを溶かしています。
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形はできました。磨くと金色です。
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肌は薬品で化学反応を起こし、黒くしています。断面は鏡面仕上げです。台は大理石。
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