月別アーカイブ: 2016年11月

合格速報!

こんにちは。本日多摩美大の推薦入試合格発表でした。
詳細はまた発表いたしますが、、、
多摩美グラフィックデザイン学科に新美より8名合格しました!(現時点判明・全合格者21名中)
合格した皆様、本当におめでとうございます。
残念な結果だった受験生、気持ちを切り替え一般入試に臨みましょう!まだまだ上手くなれます!

 

新美では推薦入試に向け、日曜特訓を行ってきました。
合格者した学生も、日曜日に集中して対策をした成果が出たのではないでしょうか。
新美では、一般入試に向け12/4、12/11に日曜特訓講習を実施します。
ぜひ参加をお待ちしています。一般入試合格に向け、全力で指導します!
http://www.art-shinbi.com/event/sunday/ ←日曜特訓お申し込みはこちら

公開実技コンクールもまだまだ募集中!
多摩グラは11/20(日)と23(水祝)に実施です!
http://www.art-shinbi.com/event/2016-contest/

心の檻

こんにちは。油絵科の関口です。
皆さんは自分以外の作品が評価された時「え?????その絵は絶対に許せない!」「何であんな絵が評価されるんだ」と思った事はありませんか?僕も受験生の頃は、そういう体験がありました。
絵だけにとどまらず、世の中には許せない事って結構ありますよね?
「あの発言は許せない!」「あの行為は許せない」「あの人は許せない!」…

こんな風に他の人を許せない事もありますが、意外と多いのは「自分自身を許せない」という人。
強い気持ちが外側に向かっていく事が出来ず(或いは一度は外側に向い、ひと回りして)自分自身にその嫌悪感や罪悪感の様なものが沸々と湧き上がって、自ら出した怨念の毒牙にやられてしまうんですよね…。edvard-munch
そういう気持ちを放っておくと、ドンドン泥沼にはまってしまいます。
そんな時は、魔法の言葉を唱えましょう。それは…

ま、いっか」ただそれだけです。

絵を描く人というのは、元々何かに「拘り」のある人が多い様な気がします。
「拘り」という言葉は、今でこそ「職人の拘り」とか言って、肯定的な意味合いで使われる事がありますが、本来はあまり良い意味で使われる言葉ではありません。
「拘り」とは、別の言い方をすれば「執着」や「囚われ」であり、そこから解放してあげないと、ドンドン苦しくなってしまうものなのです。
「ま、いっか」は自分自身の何かを解放してくれる言葉なのです。

物事はこうあるべき。?でなければならない。?しなくてはならない。そんな事を考えてしまうと、苦しいばかり。
一体誰がそんな事を決めたのでしょう?
親からそう言われた?先生からそう教わった?
例えそうだったとしても、自分の中にあるルールというのは、最終的には自分で決めているものだと思いませんか?自分で決めたルールという杭を打ち、そこに縄で縛り付けて同じところをグルグル回っていても何も進展はありません。それでは牢獄に入れられているのと同じです。

美術の世界の住人なら、そういう心の檻を破って行くのが、私達の生き方だと思います。

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ムンク「フィヨルドに昇る太陽」1909年

彫刻科 近況

彫刻科昼間部講師の氷室です。
寒くなってきましたね。いよいよ受験シーズンの到来だな!と言う感じがしてきました。
そんな中、まだまだ皆さんの実技が、グングン伸びてきています。
足下が揺らぐ時こそ、その足下をしっかり見つめて、最後まで自分を信じていきたいですね!

たまに気分転換が必要な時に、お勧めな本があります。
もう既に読んでいる人もいると思いますが、まず何から彫刻を知っていったら良いのだろうと思っている人にとって、なにかしらの発見があるかもしれません。
舟越保武さんの『巨岩と花びら』という画文集があります。
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ぜひ、一度、読んでみてください。

さて、ここからは実技の近況です。
今回は、模刻を2つご紹介します。
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ブルータスの模刻 顔を前に出し、左を向き、少し顎を引く。さらにまだ彫り途中の石の表情。この動きがもたらす首の形を表現することは難易度が高いですが、作者の気迫が感じられます。真摯に迫り、動き、量感、構造、印象、質感、全てに作者の意識が行き渡っています。

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ヘルメスの模刻  下を向いている像なので写真ではやや分かり辛いですが、心棒を考えに考え、その後は比較的スムーズに組み立てながら粘土付けが進んでいった印象があります。短時間ではありましたが、特徴的な頭部の形態を損なうことなく髪の毛の密度を上げられています。顔の印象も難しい部分ですが、冷静な観察が活きており、似ています。

ここからは、クロッキーをご紹介します。
4枚とも同じ生徒が描いた作品です。
クロッキーをひと言で表すのは難しいですが、なにより作者自身が表現を楽しんで、挑戦の場としていることが、ここ予備校だけでなく、さらにその先の人生の確実な糧になっていることは、間違いありません!!
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こちらは、また違う生徒のクロッキー帳の1ページです。
私には出来ません!思わず、おおっ となります。この様な表には出てこない努力も、実はひっそりと、たくさんあるのでしょうね。
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最後にお知らせです。
11月27日(日)に彫刻科では、プレ冬期、無料体験講習を行います。
今回は極!自刻像!と言うタイトルが付いています。
この講習を通して、知ったつもりでいた部分を、改めて確信へ変えてマスターするために、ぜひ参加してみて下さい!
自刻像は、模刻より比較的みんなの得意な分野だと思います。そうなると、よりレベルの高い戦いになって来ます。
何が決め手となるのか!
この講習会では、「プロポーション、動き、量感」「筋骨を意識した起伏」「骨格に一致する表情」の3つのポイントに重点を置いて、デモンストレーションを通して分かりやすく解説していきながら制作していきます。
予備校などに関係なく、どなたでも参加出来ます。
9時から17時まで解説を入れながらの制作。18時まで講評となります。

今回は以上です。
次回は、小川原主任にバトンタッチです!お楽しみに!

追伸ーーー
無事に個展が終了致しました。
作品を見に、直接足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
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東京芸大美術館陳列館「ロバート・フランク展」

デザイン科総合コースの滝口です。
芸術の秋。色々な場所で気になる展示がいっぱ開催されていますね。
新美近くのオペラシティーギャラリーでも「オランダのモダンデザイン展」が開催中ですが、あまりに新美に近いと見過ごしがちで、気づいたのがつい先週。まだ見に行けてないので、行かなきゃです。23日までなので、急がないとですね。

ところで、今回は11日から始まる東京芸大美術館の陳列館での展示で、アメリカの巨匠の写真家ロバート・フランクの展示にレセプションに招待を受けたので、早速見に行ってきました。
なぜデザイン科のブログで写真の展示の紹介?って感じですが、こちらの展示を中心に関わったのが芸大のデザイン科視覚伝達研究室で、展示等の見せ方などもデザイン科というのを考える上で参考になると思い、お勧めしようかと思いました。

写真撮影も可能だったので、少し展示の雰囲気とかも参考に。
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写真家の説明も必要なんですが、書くと長くなるのでかなり簡潔に。
ロバート・フランクは、スイス生まれですがアメリカへと移住し活動しています。もう写真界では巨匠中の巨匠で、アメリカの写真を語る上では欠かせない写真家です。特に「The Americans」という写真集が有名です。
そして今回の展示に大きく関わっているのが、ドイツのこちらも超有名な写真集出版社Steidl(シュタイデル)です。世界では、アメリカのAperture、ヨーロッパのSteidlが有名です。
この偉大な写真家と出版社と一緒に運営できた、芸大デザイン科の学生たちが個人的にとっても羨ましいです。

写真の詳細はここでは割愛して、展示の見せ方等へ。
入って直ぐに写真集がぶら下がっています。重い写真集がこんな風に軽く浮いてると良いですね。
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シンプルに写真の展示かと思っていたんですが、1階は空間を迷路の様に見せる感じで、写真/文字/映像が入り組んでいて、ここもデザイン科ならではの見せ方があって刺激的です。文字も手書きで、畏まった感じではなく、ふっと力を抜いて鑑賞出来るので、ヴィンテージプリントではない今回の展示の意味も伝わってきます。
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2階の展示は、逆に整然とした雰囲気の見せ方。
写真をじっくりと堪能出来ます。本当に素晴らしい写真ばかりです。
キャプションも凝っていて茶色い紙に美しくレイアウトがされています。
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写真展なので、展示の部分は普通そこまで気にしないと思うので書いてみましたが、簡単な内容だけですので、展示のネタバレとして読まないで頂いて、是非じっくりと写真や写真集の世界へと堪能して頂けたらと思います。
僕もオープニングレセプションで行ったので、じっくりと見れなかったのでもう一度行きます。

そして、展示だけでなく、今回のカタログも是非見てというか手に入れて欲しい内容でした。
ドイツの出版社Steidlが関わっているとあって、こちらもデザイン的に素晴らしい内容が詰まっています。

カタログが新聞になっていて、南ドイツ新聞社の実際の紙で作られていて、とてもボリューミーです。なのに値段が500円と本当に新聞を買うような感覚に近いです。

でもレイアウトや印刷はさすが写真集出版社の大御所。凄くこだわりを感じる見せ方と美しさです。この写真も見開きの一枚なのでとても大きいです。

文字のレイアウトも美しいです。美大受験とは直接関係はないかと思いますが、やはりセンスを磨くには良いものを見るのがとっても大事。なかなか展示場所でこの新聞を広げて見る事が出来ないですが、本当に持っていて損はしないと思いますよ。

そんなちょっと受験や専攻の科と直接関係が低い写真展示の紹介でしたが、芸大デザイン科で学生が関わりのある内容としては、芸大ってこんな貴重な体験も出来るんだと知る良い機会になるかもしれないですね。
芸大のデザイン科に興味ある学生は、是非とも見に行って欲しい展示です。

新美デザイン科総合コースでは、近くのオペラシティーギャラリーへ、学生と一緒にデザインを堪能する11月にしてみようかと思います。

それでは、残り2学期頑張って行きましょう!!

基礎科の人物と自画像

新宿校の基礎科では現在、人物モデルの課題に取り組んでいます。
人物課題に取り組むチャンスは基礎科では限られているので、とても貴重な課題です。

人体の骨格のこと。
人間らしい表情のこと。
人体のもつ様々な質感のこと。

色々なことに気を配りながら、これまで得た制作の経験を活かしながら、みんななかなかの力作が出来上がりました。
週の後半のコースはまだ制作中ですが、一足お先に週の前半のコースの力作の1部をご紹介します。


画面の細部まで気を配って、モデルさんの特徴もよく捉えて描けています。
よくよくみてゆくと手の形や大きさ、足のつきかたに違和感がありますが、、、。
魅力的な作品に出来上がっていると思います。


堂々と大きく人体が画面におさめられ、短い時間での制作でしたが、モデルさんのもつ雰囲気やポージングの特徴をよく捉えられています。
より自然なプロポーションを目指し、洋服の下に隠れている身体の形やボリュームをもっと感じ取りながら、洋服のシワや模様を描いて行けるようになるとさらに説得力のあるデッサンになってゆくと思います。


油絵の作品。
ポーズの特徴が現れる洋服のシワに注目しながら、画面上で色彩を混ぜあわせてでてきた表現が魅力的な作品です。
(画像ではなかなか伝わりづらいですが、、、)
光に照らされた服の質や色彩には豊かな表現があるのですが、頭部の後ろ側の影色や、腕の下や体の回り込みに現れる影色が、少し単調な色味であるのが勿体無いところです。また人物作品の見せ所の一つでもある「手」の表現ももっとこだわって行けるとさらに良い作品になると思います。

おまけで、、

少し前の自画像課題も一部ご紹介。

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これ以外にも、面白い表現の自画像作品がありましたが、、、それはまたの機会に。

本格的に寒くなってきました、、冬季講習ももう目前です。
高2の基礎科生にとっては最後の基礎科の講習会となる人も多いと思います。
集中して制作に取り組めるこの冬期講習会の時期を有意義に皆さん使ってくださいね。