日別アーカイブ: 2016年11月10日

東京芸大美術館陳列館「ロバート・フランク展」

デザイン科総合コースの滝口です。
芸術の秋。色々な場所で気になる展示がいっぱ開催されていますね。
新美近くのオペラシティーギャラリーでも「オランダのモダンデザイン展」が開催中ですが、あまりに新美に近いと見過ごしがちで、気づいたのがつい先週。まだ見に行けてないので、行かなきゃです。23日までなので、急がないとですね。

ところで、今回は11日から始まる東京芸大美術館の陳列館での展示で、アメリカの巨匠の写真家ロバート・フランクの展示にレセプションに招待を受けたので、早速見に行ってきました。
なぜデザイン科のブログで写真の展示の紹介?って感じですが、こちらの展示を中心に関わったのが芸大のデザイン科視覚伝達研究室で、展示等の見せ方などもデザイン科というのを考える上で参考になると思い、お勧めしようかと思いました。

写真撮影も可能だったので、少し展示の雰囲気とかも参考に。
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写真家の説明も必要なんですが、書くと長くなるのでかなり簡潔に。
ロバート・フランクは、スイス生まれですがアメリカへと移住し活動しています。もう写真界では巨匠中の巨匠で、アメリカの写真を語る上では欠かせない写真家です。特に「The Americans」という写真集が有名です。
そして今回の展示に大きく関わっているのが、ドイツのこちらも超有名な写真集出版社Steidl(シュタイデル)です。世界では、アメリカのAperture、ヨーロッパのSteidlが有名です。
この偉大な写真家と出版社と一緒に運営できた、芸大デザイン科の学生たちが個人的にとっても羨ましいです。

写真の詳細はここでは割愛して、展示の見せ方等へ。
入って直ぐに写真集がぶら下がっています。重い写真集がこんな風に軽く浮いてると良いですね。
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シンプルに写真の展示かと思っていたんですが、1階は空間を迷路の様に見せる感じで、写真/文字/映像が入り組んでいて、ここもデザイン科ならではの見せ方があって刺激的です。文字も手書きで、畏まった感じではなく、ふっと力を抜いて鑑賞出来るので、ヴィンテージプリントではない今回の展示の意味も伝わってきます。
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2階の展示は、逆に整然とした雰囲気の見せ方。
写真をじっくりと堪能出来ます。本当に素晴らしい写真ばかりです。
キャプションも凝っていて茶色い紙に美しくレイアウトがされています。
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写真展なので、展示の部分は普通そこまで気にしないと思うので書いてみましたが、簡単な内容だけですので、展示のネタバレとして読まないで頂いて、是非じっくりと写真や写真集の世界へと堪能して頂けたらと思います。
僕もオープニングレセプションで行ったので、じっくりと見れなかったのでもう一度行きます。

そして、展示だけでなく、今回のカタログも是非見てというか手に入れて欲しい内容でした。
ドイツの出版社Steidlが関わっているとあって、こちらもデザイン的に素晴らしい内容が詰まっています。

カタログが新聞になっていて、南ドイツ新聞社の実際の紙で作られていて、とてもボリューミーです。なのに値段が500円と本当に新聞を買うような感覚に近いです。

でもレイアウトや印刷はさすが写真集出版社の大御所。凄くこだわりを感じる見せ方と美しさです。この写真も見開きの一枚なのでとても大きいです。

文字のレイアウトも美しいです。美大受験とは直接関係はないかと思いますが、やはりセンスを磨くには良いものを見るのがとっても大事。なかなか展示場所でこの新聞を広げて見る事が出来ないですが、本当に持っていて損はしないと思いますよ。

そんなちょっと受験や専攻の科と直接関係が低い写真展示の紹介でしたが、芸大デザイン科で学生が関わりのある内容としては、芸大ってこんな貴重な体験も出来るんだと知る良い機会になるかもしれないですね。
芸大のデザイン科に興味ある学生は、是非とも見に行って欲しい展示です。

新美デザイン科総合コースでは、近くのオペラシティーギャラリーへ、学生と一緒にデザインを堪能する11月にしてみようかと思います。

それでは、残り2学期頑張って行きましょう!!