日別アーカイブ: 2016年10月11日

映像科:公開コンクールのレポート

こんにちは、映像科講師の森田です。
映像科の二学期の授業ですが、昨日と一昨日は年に一度の公開コンクール/武蔵美映像学科実技模試でした。(受講された皆さんは2日間、お疲れさまでした!)
今回の模試では「感覚テスト」「小論文or鉛筆デッサン(どちらか選択)」に加えて、学科も含めて500点満点で現状の実力をはかります。このブログを見ている人の中には「映像の入試に興味はあるけど今回は参加できなかった」という人もいると思いますので、ここで今年のコンクールの問題と解説を紹介したいと思います。
(※問題は近年の武蔵美映像学科の傾向を踏まえて出題してますが、予想ではないです。念のため。)

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■感覚テスト(必須科目)
下記の文から想起する状況のイメージ、あるいは出来事のイメージを解答欄に絵と文章で表現しなさい。
「この感触から記憶がよみがえる」(B3画用紙/3時間)

まずは感覚テスト。感覚テストは武蔵美映像学科を受験する学生に必須の試験科目です。例年短い文章またはキーワードから発想して、絵と文章で「映像のワンシーン」を創作します。ちなみに去年の入試の問題は「この時が永遠に続くと思われた」というものでした。解答する上で具体的に考えるべき設定は2点。①「この文の『この時』をどういう“印象的な”状況として設定するのか?」そして②「設定した『この時』をどういう表現によって“永遠”とも感じさせることができるのか?」
今回の模試の「この感触から記憶がよみがえる」でも、同様に以下の2点を主な評価の基準としました。①「この文の『この感触』をどういう“具体的な”感覚として設定するのか?」、②「設定した『この感触』からどのような“印象的な”記憶が想起されるのか?」
言葉にするとやや難しそうですが、実際の作品ではみんな、単に回想シーンを含むだけでなく、人物の設定や心情の表現など、こだわって完成させてくれました。

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■小論文(選択科目)
配布された紅白帽の観察と考察から、発見したテーマについて論じなさい。(600字以内/2時間)

次に小論文です。武蔵美映像学科の小論文は、毎回何かモチーフが配られています。そしてそのモチーフを観察したり、実際に使ってみたりすることから論文のテーマを見つけるという、他の大学の小論文とはひと味違った出題です。(※去年の問題はこちらを参照
今回の模試ではモチーフとして「紅白帽」を渡しました。小学校の時に運動会で被ったことがある人も多いと思います。「こんな物を渡されて小論文って…」と困ってしまう人もいると思いますが、講評でも話しましたが、このようなモチーフの場合でもいくつか論のきっかけは考えられると思います。
①「紅」と「白」が「表」と「裏」になっているという紅白帽の「造形的な特性」。
②被ることにである集団に属していることが示されるという紅白帽の「意味的な特性」。
③今この場で被ってみることで感じられる違和感、想起される記憶など。
また小論文の試験ではもちろん他の人にはないような独創的な発想も重要ですが、やはり一番大切なのは文章の一貫性。さらに文としての読みやすさも大切。原稿用紙もなるべく丁寧に書くことを意識してください。

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■鉛筆デッサン(選択科目)
配布されたモチーフ2点(ハンガーラック、紅白帽)を条件に従って構成して描きなさい。(B3画用紙/3時間)
条件:
・ハンガーラックは机に立て、上部に紅白帽を被せること。

最後に鉛筆デッサン。映像学科のデッサンは卓上で3時間。大学の試験問題の解説では「オーソドックスな描写力」が評価されるとされています。多少変わったモチーフが出されても、シンプルに、丁寧に描写をすることを心がけましょう。
また例年小論文とデッサンのモチーフは一部共通するものが出されます。今回の模試でもその傾向を踏まえて、紅白帽とそれをかけられるようなラックをセットにしました。

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最後は成績発表と1位、2位の人の表彰式。良い結果が出た人はおめでとうございました!
やや結果が振るわなかったという人は、この悔しさをバネに二学期の残りをがんばりましょう!!

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