日別アーカイブ: 2016年8月7日

オイル(画用液)について④ ダンマル編

こんにちは。油絵科の関口です。夏期講習もあっという間に半分が終わってしまいましたね。なかなか作品がうまくいかず、落ち込んでいる人もいると思いますが、この時期の失敗は今後の制作の糧になると思いますので、気にしないでドンドン制作していきましょう。

さて、講習会中にある学生からダンマルの作り方を聞かれましたので、今回は溶き油で使うダンマル樹脂溶液を作ってみたいと思います。
「そもそもダンマルって何?」とか「ダンマルの存在は知ってるけど、どういう時に使うの?」という人や「オイルって色々あってよく分からない…」という人も多いと思います。詳しい内容が知りたい人は、以前書いたオイルについてのブログを参照して下さい。

オイル(画用液)について①
http://www.art-shinbi.com/blog/20141215/

オイル(画用液)について② ?カテゴリー編
http://www.art-shinbi.com/blog/20141222/

オイル(画用液)について③ テレピン編
http://www.art-shinbi.com/blog/20150330/

画材屋さんに行くと、ダンマル樹脂の塊が売っています。これをテレピンに溶かしたのがダンマル樹脂溶液です。瓶入りでメーカーさんの方で溶かしものも売っていますが、自分でも簡単に作れるんですよ。
まず用意するもの。IMG_4913
ダンマル樹脂、テレピン、広い口の瓶、ストッキング、秘密兵器、じょうご。画材以外は全て100円ショップで揃えました。あと写真には写っていませんが、空になった油の瓶(狭い口の瓶)も必要です。

分量は、容量比(おおよその体積比)でダンマル樹脂1に対し、テレピンは2?3です。わざと少し濃いめに作って、後でテレピンで薄める事も可能なので、分量はザックリで大丈夫!

IMG_4918
これがダンマル樹脂。ちょっと美味しそう?どんなにお腹が空いても食べるのはやめといた方が良いと思いますよ(笑)。ちなみに、ダンマル樹脂は中にゴミや不純物が混ざっている事が多いので、ストッキングで漉すのが良い…とされています。

ストッキングダンマル
ストッキングにダンマル樹脂を入れ、テレピンの入った瓶に入れます。ストッキングは伸びるので瓶に履かせれば準備完了。この時、瓶の底にくっつかない様にするのがポイントです。

 

ダンマル1:テレピン2 の分量なら1日で溶けますので、そのまま放置し、全部溶けたらじょうごを使って口の狭い瓶に入れて完成です。(広い口の瓶はそのまま使うとベタベタしてしまい、非常に使いにくいんです)IMG_4930
溶ける前と比べると透明度が落ちていますが、ダンマルはこれ位の透明度が標準的です。

 

あと今回はもう一つ、やり方を紹介します。
というのも、ストッキングは男子には中々手に入れにくいですよね?
そんな君のために、今回は秘密兵器(上のモザイクのやつ)を用意しました。それは100円ショップで売っていた、糸付きお茶パック。これなら簡単に出来るかも…と思い、早速作ってみました。ストッキングよりも目が細かいので、ゴミもバッチリ取れそうです。IMG_4916
ただ、一つのパックに入る量は少ないので、二つに分けて作ってみました。ダンマルを入れたらお茶パックの口の部分の布をちょっとひっくり返すだけなので、とっても簡単です。
これも瓶の底につかないように気をつけて下さい。

IMG_4921
翌日には見事に溶けていましたよ。あとゴミもこんなに…。このやり方は初めて試したんですが、実践してみて結構良いと思いました。恥ずかしがり屋の男子にはオススメです。

 

※オーソドックスなやり方は、ガーゼと糸を用意し、蓋に穴を開け、ガーゼに包んだダンマルを糸で縛って蓋の穴を通して、割り箸で固定する…というものです。あ?面倒臭っ(笑)。

どのやり方でも割と簡単にできるので、皆さんもお試しあれ。