日別アーカイブ: 2016年5月1日


彫刻科からフィギュアの原型師に   塚本さんインタビュー

彫刻科の小川原です。今回は新美の彫刻科から芸大に進学し、卒業後はフィギュアの原型師として今まさに活躍している塚本さんにインタビューを行いました。この分野に興味のある人は多いと思います。そんな人達には迷いなくこの世界に飛び込んだ塚本さんの話はとても参考になると思います。なんとなく好きだから、では無く、明確に目標があってここまでやってきた話しには強い説得力を感じます。是非御覧ください。

Q.彫刻科を受験しようと思った理由は何ですか?

一番立体の勉強になりそうな科だと思ったからです。

Q.芸大彫刻科を卒業後、フィギュアの原型を制作する会社に就職されましたが、大学に入学する前からこの仕事に興味がありましたか?また、いつ頃からこの仕事に就くことを考え始めましたか?

小学生の頃から原型師になりたいと思っていました。人体をきちんと作れる原型師になりたかったので、大学受験の彫刻科コースでしっかりと勉強をしようと思い新美に入りました。具体的に受験する大学を決めたのは予備校に入ってからです。

Q.今の仕事の中で、予備校で学んだことが生かされていることはありますか?

受験勉強で行ったデッサン・模刻・構成など基礎の勉強全てが日々の仕事に生きています。また、集中して細部まで詰めていく作業も受験の緊張感の中で培われたような気がします。
1予備校時代作品友人像
新美時代の作品 友人像
2予備校時代作品ニワトリ
新美時代の作品 鶏

Q.予備校時代に努力したことや、苦労したこと、思ったことなど教えてください。また、予備校時代に努力したことや、苦労したこと、受かるために考えていたことなど、それぞれの思いを聞かせて下さい。

予備校時代は模刻がとても苦手で、いい成績を残せたことがありませんでした。すぐ細部に目がいってしまうせいで全体のバランスがうまく取れず、現役の年は1次試験で落ちてしまいました。なので、1浪の年はなるべく大きな面でものをとらえる努力をしました。結果的に、人体にも動物にも素描にもその基礎が大事だったのだと思います。

Q.芸大の彫刻科に入学して、良かったと思う所は、どんな所ですか?また、どの様な点が具体的に今の仕事に役立っていますか?

今の職場は彫刻科の先輩に紹介してもらった所で、働いているスタッフも芸大の彫刻科がほとんどです。芸大に入って一番良かった所は、この場所に来ることができたことです。また在学中も、フィギュアや細かい作業が得意だという事で大英博物館の模型作りを行うチームにも加えて頂きました。沢山のチャンスが転がっているので、時間のある学生のうちに色々な経験を積む事が出来たのが今の仕事に一番役立っていると思います。
1芸大卒業制作
芸大卒業制作

Q.浪人生時代や大学生の時にはバイトはされていましたか?生活面での工夫などがあれば、教えて下さい

浪人生時代や在学中はバイトはしていませんでした。実家暮らしで、趣味でフィギュアを作ってワンフェス(フィギュアの大きな販売イベント)に出たり学外の制作活動に参加したりと自由に過ごさせて頂きました。その時に作ったものを仕事に就く前に参考作品として提出する事ができたので、とても良かったです。

Q.この仕事の内容を詳しく教えて下さい。

発注されたフィギュアを、デザイン画と照らし合わせながらサイズや印象に狂いの出ないように期限内に制作して納品する仕事です。
1ワンフェス出品作品
ワンフェス出品作品

Q.この仕事の楽しいところ、大変なところを教えて下さい。

楽しいところはほぼ全部です。好きな作品のフィギュア制作に携わっているところ、1日中フィギュアを作っていていいところ、出来上がった原型が商品になって流通しているのを見るところなど色々あります。趣味で作るフィギュアと違い、クライアントからの要望にしっかりと応えていかないといけないため自由度はありませんが、目標とするキャラクターに形が近づいていくのはとても楽しいものです。〆切が間近なときや修正作業が多いときなど体力的に大変な場合もありますが、とてもやりがいのある仕事です。
1ワンフェス出品作品1
ワンフェス出品作品

Q.この仕事を目指している人は沢山いると思います。これから受験を考えようと思っている人にアドバイスをお願いします。

私はフィギュアを目標にして立体を勉強し結果的に芸大に入学しましたが、この進み方は間違っていなかったと思っています。大学では特殊な技術の勉強や作品制作の時間はありますが、予備校でやるような美術の基礎は勉強できません。フィギュアとしてデフォルメされた人体を作るにも、骨格や構造を理解して普通に人体を作る技術は大いに役立ちます。ぜひ予備校にいるうちに沢山基礎を学んで、気持ち良く作品制作が出来る技術を身につけていただければと思います。頑張って下さい!

塚本 2002東京芸術大学美術学部彫刻科入学

2006東京芸術大学美術学部彫刻科卒業